「人手不足倒産が広がっている」――。そんな主張を見かけることが増えています。この「人手不足倒産」(?)とやらの定義はいまひとつよくわからないのですが、こうしたなかでヤフコメにヒントを得て労働力調査の統計を調べてみると、むしろ現代の日本では労働力が増えているという事実が判明します。これをどう解釈すべきでしょうか。
人手不足倒産
少し前から、ニューズサイト、ポータルサイト、SNSなどで、「人手不足倒産」という表現を目にするようになったという方も多いでしょう。
この「人手不足倒産」、レポートなどによって定義は微妙に異なるようですが、たとえば帝国データバンク(TDB)が公表しているレポートなどでは、「法的整理(倒産)となった企業のうち、従業員の離職や採用難等により人手を確保できなかったことが要因となった倒産」、といった意味合いで使用されているようです。
よって、本稿でもとりあえず、そのような状態を「人手不足倒産」と定義したいと思います。
人手不足倒産とは…
法的整理(倒産)となった企業のうち、従業員の離職や採用難等により人手を確保できなかったことが要因となった倒産のこと
(【出所】TDBレポートなど)
といっても、TDBなどの調査会社が、この「人手不足倒産」をどう集計しているのかについては、正直、よくわかりません。
法的整理(会社更生法、民事再生法などでしょうか?)の適用申請件数ならば、裁判所の発表件数などをカウントしていけばだいたいわかりそうなものですが、それらの倒産のなかで、「人手不足によるもの」をどうやって選り分けているのかについては謎です。
少し酷い言い方ですが、たんに経営者の能力不足で倒産しただけなのに、経営者が悔し紛れに「うちは人手不足だったんだよ」、と言い張っているだけのケースがこの「人手不足倒産」にカウントされてしまっている可能性はないでしょうか。
適正賃金を払えば良いのでは?
というよりも、経営上、本当に「人手不足倒産」というものがあり得るとしたら、それはどのようなものでしょうか。
「売上がそこそこあって、儲かっているけれども、働き手がいなくなって倒産してしまう」のを回避するためには、給料を出せば済むというケースもあるように思えてなりません。
もちろん、世の中には資格がなければ事業継続ができない商売もあると思います。たとえば監査法人が会計監査を行うためには公認会計士が必要ですし、バス会社がバス運行を行うためには一般に大型二種運転免許証を持った運転手が必要です。
このように考えていくと、「資格保持者がいなくて経営を続けられなくなる」というケースも、理論上、考えられなくもないのですが、ただ、本当に儲かっている会社の場合だと、一般にカネに糸目をつけなければ人材は確保できるものです。
もっといえば、先日の『人手不足倒産は「適正賃金」さえ払えば十分に回避可能』でも報告したとおり、普段から適正な報酬を従業員に支払い、従業員を育て続けているような企業であれば、よっぽどのことがない限り、人手不足により倒産することは考え辛いところです。
ただ、そもそも論として、「人手不足が深刻化している」という報道を、もう少しデータで確認できるものはないのでしょうか。
読者コメントが鋭い!
こうしたなかで、『Yahoo!ニュース』に20日、こんな記事が掲載されていたのが目に留まりました。
人手不足倒産が増加中 2024年問題でより厳しくなる業種は?
―――2023/11/20 06:00付 Yahoo!ニュースより
これは例のTDBのレポートをもとに、「人手不足倒産の動向を分析する」という趣向のものだそうですが、大変失礼ながら、本稿で引用させていただくのは記事本文ではなく、『Yahoo!ニュース』の読者コメントの方です。
コメント欄から見える読者の反応は極めて冷静で、この「人手不足倒産」に関しては「たんに賃金が低くて人が集まらないだけではないか」、といった反応が中心なのですが、このなかでもとくに興味深いのが、こんな趣旨の指摘です。
「(日本の)生産労働力人口は減少しているが、就労者数は増加している。1990年代の6000万人から2022年は6750万人に増えております」。
このコメントをヒントに、『労働力調査』のデータで直近約40年分のデータをグラフ化して見たのですが、労働力人口(定義は「15歳以上人口のうち就業者と完全失業者を合わせた人口」)については減っておらず、また、就業者数や雇用者数についても横ばいないし微増傾向が続いています(図表)。
図表 労働力調査
(【出所】政府統計の総合窓口『労働力調査』主要項目データをもとに作成)
労働力はむしろ増えている
わかりやすく直近10年間で見てみると、労働力人口、就業者数、雇用者数ともに間違いなく増えていることが確認できます。
労働力の変化(2013年9月→2023年9月)
- 労働力:6594万人→6931万人(+337万人)
- 就業者:6333万人→6756万人(+423万人)
- 雇用者:5567万人→6111万人(+544万人)
(【出所】政府統計の総合窓口『労働力調査』主要項目データをもとに作成)
人口は減少に転じているはずなのに、なぜ労働力自体が増えているのでしょうか。
これに関する読者コメント欄の続きを読んでいくと、こんな趣旨のことが書かれています。
「理由は高齢者の再雇用、主婦層のサービス産業の雇用増加、外国人労働者の増加です。雇用自体は増加しましたが、低賃金労働者も大幅に増え、賃金の上昇が見られなかったというものです」。
この点についてファクトチェックをするためには、もう少し詳細に統計を見ていく必要がありますが、ただ、仮説としては非常に整合している説明です。
じっさい、政府統計の総合窓口で全産業の雇用者数を確認していくと、おおむね男女の別なく、どの年齢層でも就業者数が増えていることが確認できます。
ブラック企業根絶は望ましいこと
もちろん、統計だけですべてがわかるわけではありませんが、少なくとも日本において就業者数、雇用者数が減っているという事実は現時点で確認できません。
むしろこのヤフコメの指摘にあるとおり、円安の進展で製造業が徐々に国内回帰するなどし、労働者にとっては「割の良い職場」が増えているため、単純に「ブラック企業」から人が逃げているだけではないか、と考えた方が、現実の経済事象の説明としてはしっくりくるのです。
こうした仮説を置くと、「人手不足倒産(?)」とやらを回避するための最適なソリューションは、極めてシンプルです。
職務内容に見合った水準に給料を見直すこと。
給料に見合った水準に職務内容を見直すこと。
低賃金なら低賃金に見合った職務体系にすべきですし、複雑な職務内容ならその職務に見合った水準にまで賃金を支払うしかありません。
なにより円安になってくれば、かつてのような「留学生を装って事実上の就労目的で日本に渡航する」という外国人も減ってくるでしょうし、ブラック企業は人材確保がますます難しくなります。
というよりも、ブラック業種が人手不足で絶滅していくことは、現在の日本にとってむしろ好ましいといえるのではないでしょうか。
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ブラック企業とゴキブリは、根絶することはないのでは。
毎度、ばかばかしいお話しを。
現代の石川五右衛門:「浜の真砂は尽きるとも、世に盗人とブラック企業の種は尽きまじ」
誰か、笑い話だと言ってくれ。
ゼロにはできないけど、減らす事は可能なのでは?
ブラック企業だけじゃない。病気だって、犯罪だって、貧困だって、
ゼロにはできない。だけど減らす事はできる。
魔法みたいな解決法は探さず、できる事をコツコツとやっていく。
これが結局は一番の近道だと思うんですよね。
雪だんごさま
>ゼロにはできないけど、減らす事は可能なのでは?
例え減らしても、(ブラック企業という形態でないかもしれませんが)しばらくすれば、また復活するのでは。
横目に眺めてただけの感想だけど・・・・
コロナ禍で外出制限がされてたときに旅館業なんかは泣く泣く(?)従業員を解雇してたりしてたそうです♪
そんで、制限がなくなくなったとき、従業員不足で稼働率を減らさざるを得なく、商機を上手く掴めなかったところがありました♪
そんな中で、ごく僅かかもだけど、設備を改修して客単価を上げることで、ターゲットを団体旅行から個人旅行に移して、商機を掴んだとこもあったそうです♪
>ブラック業種が人手不足で絶滅していくことは、現在の日本にとってむしろ好ましいといえるのではないでしょうか。
という結語を読んで、なんとなく頭に浮かんできたのです♪
旅館業が一概にブラックだったって訳じゃないとは思うけど、環境の変化にあわせて生き残る企業とそうでない企業に別れるのは仕方ないというか、望ましいことだと思うのです♪
日本企業の場合、新しく入ってきた人の給料をよくすると周りも上げなきゃならなくなる。
「おいおい、なんで先月入ってきたやつの給料が10年選手のおれより高いんだよ」
そりゃ、怒るに決まってます。
同一労働、どう一賃金の考え方は、国が法律で決めなくても、他人と比べるのが好きな人間の特性として普通にある事です。
しかし、後から入って来ようが、年が下だろうが、自分より能力や特殊技能がある人間が相手なら、誰もそんな事は言わないです。言えば、能力の無い自分が惨めになるだけだから。
あるドラマで中年役人が、こんなに年下キャリアに顎で使わかれるなら、学生時代、もっと勉強して自分もキャリアになっておけば良かったってセリフがありました。
案外、世の中、能力主義である事は皆分かっていることなんですね。
まあ、安い労働力を前提にしたビジネスモデルが人件費高騰で倒産してしまうのは、正常な淘汰であると思うんだけどね。
こうかくと、中小企業の気持ちに立ってないとか言われそうだけど、やっぱり経済の仕組みとして致し方ないことなんだ。
逆に良いものを作る企業や良いサービスをする企業への支払いはケチっちゃいけない。値切るなんてもってのほか。生き残ってほしくばね。
> まあ、安い労働力を前提にしたビジネスモデルが人件費高騰で倒産してしまうのは、正常な淘汰であると思うんだけどね。
同感です。
生産性を高めるには、より生産性の高い企業に労働力を移すのが常道でしょう。
しかるに、政府はゼロゼロ融資等でゾンビ企業を温存し、ゾンビ企業の人手囲い込みを支援してきたし、労働力流動性向上に関しても有効な対策を打っているか非常に疑わしい。その為に、より生産性の高い起業を行うにも、人集めが難しいという状況を作り出している様に思われる。
インフラにただ乗りしているゾンビ企業を整理する必要があるのでは。
人口減少社会に入ってもうかなりの期間が経過しています。しかも労働市場に新たに参入してくる青年人口が減少の一途となれば、就業者、雇用者数も漸減傾向となって然るべきところ、むしろ近年は増加している。高齢者の就業期間が延長していることが、減少しない理由としては大きいのでしょうが、それは増加の要因にはならない。一旦家庭に入っていた女性が、子育てが終わって社会復帰というのもあるでしょうが、外国人労働者の増加が一番大きい割合を占めているのかなと思うのですが、どうでしょう。
温泉地に宿泊して最近気が付くのが、旅館の従業員の外国人割合が急に増えたことです。わたしが行ったところが偶々そうだっただけかも知れませんが、大体ネパール人でしたね。現地の温泉組合が受け皿になっているらしく、この人たち、用意された寮からそれぞれ複数のはたらき先に通っているようでした。
コロナ禍で観光地の客数が減り、ひと頃、宿泊業で人減らしが進んだそうですが、その後客足が戻り、再び従業員を雇用したくとも、なかなか人が集まらないとも聞きます。解雇されても失業とはならずに、むしろより高賃金の職種に流れたという実態があるのかも知れません。宿泊業なんかは、典型的な労働集約型産業で、人手不足の影響を一番受けやすい業態でしょうが、世の中好景気に沸き立っているというならともかく、そう簡単に賃上げとはいかないのなら、頼るところは海外からの出稼労働者ということになるんでしょう。
このケースなど、まともな給料も支払わないブラック企業が淘汰されていく過程と言ってしまうのは、ちょっと酷な気がします。宿泊業に限らず、いくら省力化、効率化を進めたところで、どうしても人手によるサービスは必要。しかも、一般の給与水準ほどの報酬は出せないという業種は、必ず存在し続けるのではないでしょうか。
今後人手不足が常態化していくであろう日本で、こうした業種が外国からの出稼労働者に頼るのは致し方ないような気がします。無論「技能実習制度の闇」などと言われる、奴隷労働に近いようなのを放置しておくのは日本の恥。一刻も早く、雇用条件は日本人労働者と同等にすべく、厳しく監視することが必要でしょうし、給与水準も最低賃金制度で保証せねばならないのは言うまでもありません。しかし、一般の給与水準より一段低い業態が存在し続ける二重の労働環境というのは、将来にわたって、どうしても避けられないのではないかと思うのですが。
以前にテレビでやってましたね。ネパール人はホテルのハウスキーピングに特化しているみたいです。確かに言葉もいらないし人目につかない。外国人にはうってつけかもしれない。
ただ何の資格で働いてるんだろう?
流石に、伊江太さん!
よく問題点を纏めて頂いているので、助かります。
お陰で、問題点整理の次の段階の事が考えられます。
伊江太さんのよく纏められたこのコメントを読んでいて、ふと感じたことは、外国人労働者まで雇って、続けなければならないのは何故?ということです。
こうまでして、この事業活動を続けるのは誰の為?
結論は簡単で、経営者の為ですね。
経営者が生きていくためにやっている仕事なんですから。
勿論、国民・消費者の為に、温泉旅館という事業が必要なのだという視点もあります。
しかし、日本には、温泉が沢山あります。しかも、掘れば新たに出て来る温泉もある位です。
温泉業、そんなに沢山必要ですか?
沢山あれば、お客が分散して、個々の温泉旅館では、高価格には出来ないということもあると思います。
外人労働者まで、呼び入れて存続するべき温泉の事業数が、この日本にどれほど必要かな?と、こんなことを考えました。
きれいな整然たる論点整理は、思考をその先へ導いてくれる役割があり、その流れを自然に作ってくれるものだと実感しました。
やはり、仕事は、優秀な人達とやるべきものですね。
伊江太様
ちょっと古いけどこんなデータがあったのです♪
令和3年賃金構造基本統計調査の概況 - 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/dl/13.pdf
最後のとこの参考表ってのを見ると宿泊業(と飲食サービス業)の平均賃金は、平均より低い上に、勤務日数なんかが少ない人の割合も高いみたいですね♪
>このケースなど、まともな給料も支払わないブラック企業が淘汰されていく過程と言ってしまうのは、ちょっと酷な気がします。
仰ることはもっともだと思うのです♪この2〜3年はコロナの影響で事業を守ることも難しかったんだろうと思うのです♪
ただ、素人目には、危機的な状況だったからこそ、国からの補助金もあったわけで、その中で従業員の待遇改善も含めて事業の在り方を見直すことはできなかったのかな?とも思うのです♪
> 最後のとこの参考表ってのを見ると宿泊業(と飲食サービス業)の平均賃金は、平均より低い上に、勤務日数なんかが少ない人の割合も高いみたいですね♪
負荷の平準化が進んでいない業界の典型例ですね。
繁忙期は待ち行列が長いのに、閑散期は指で数える程しか客が来ない。
仕事している時間だけで評価すれば、賃金は高いのでは?
仲居として雇っているのに、閑散期にWebを書かせたりする様な経営者も居るとか。
専門外なので、当然生産性は著しく低い。
専門業者なら10分で済む事に、何日も費やしたりする。
そういう非効率な使われ方は不幸です。
諸外国なら当然なマルチジョブホルダーが、我国には少ない。
労働市場の流動向上に、労働力移転以外に、マルチジョブホールディング等の多様性も含めて考えるべきでしょうね。
> 素人目には、危機的な状況だったからこそ、国からの補助金もあったわけで、
昔から労働市場の流動性向上や負荷の平準化が指摘されているのに、永年放置して来たから、ゼロゼロ融資等に向かわざるを得なかっただけでは?
長野の高原野菜や都会から離れた温泉地など、過疎地と言われる地域では労働力の確保は難しい面もあると思います。
ネパールでは、日本への出稼ぎがかなり行われているようですが、出稼ぎが移住になる懸念があります。
日本人労働者と競争関係になるようなら禁止すべきでしょう。
宿泊業は曜日による繁閑差が大きく、長野高原野菜などは収穫期に多くの人手が必要になるようです。
繁閑差が大きい仕事は学生バイトで対応という方法もあると思います。
日本人の給与がネパール人と同じになってしまう事態は避けなければなりません。
ホテルや旅館のハウスキーピングは、介護施設のハウスキーピングと兼ねれる気がします。
繁忙期と閑散期の差を均すのに、業界を跨いでの同じ作業の共有が出来ると良さそう。
派遣会社の出番ですかね?
世の中には『廃業したい』企業もあります。
具体例は避けますが、時代遅れになり顧客が減り、先がないことがわかっているにもかかわらず法的に業務改善や経費削減も難しい企業もいくつかあります。
そういった企業の場合、廃業する口実を探している場合があります。
丁度、店主が高齢になった飲食店がコロナを機に次々と店を閉めたのと同じです。
しかし廃業する場合、現在所属している従業員にどう説明するべきか、顧客にどのように納得してもらうか、そこに頭を悩ませている経営者は多いのです。
そこで今回の『人手不足』ですよ。
便利な単語があると楽ですよね。
特に、なんかみんなそう言ってるからふんわり分かった気になってるけど、その実態はよくわからないというところが最高です。
具体的な業種名は出しませんが、人手不足倒産を行った知り合いが言っていた内容です。
なるほど、参考になります‼️
廃業したいと考えている企業経営者さんは「とてもたくさん」いると思います。
ところが60歳はおろか65・70まで職場が面倒を見ないといけない風潮になっておりますし、バランスシートを見かけ健全化させる自己資本ふくらましに手を付けてしまった結果廃業に踏み切れない「経営袋小路」は強まるばかり。「労働規制」「年金健保」が産業界の新陳代謝を損ね逆行させている側面は相当強いと実感してそう思っています。
日本人らしい考え方ですね。
個人的には、自分の優柔不断と、次の時間を使う為の計画がないからだろうと見ます。
周りを見ても、そんな事を言って自分を善人と思いたがっている人はいます。
まあ、例えば、このサイトに秀逸なコメントを書き込めるだけの知的な関心が多々ある人は、退職や廃業後であっても、いろんな精神的知的な楽しみ方を知っていると思うんです。
会社や事業を始めたら、やめ方も考えておきなさい、というのが、個人的な考え方です。会社に勤めても、給料以外に、自分がこの会社の仕事を通してを無形の何を学び得るか?を考えなさい、といいたい。そうすれば、やめ時も分かる。
開業したら、どういう形で廃業するか?事業売却するとしたら、どういう付加価値を会社に付けておいたらいいか、を考えておけば、やめ時に迷うことはない。
日本では、会社は始める時よりやめる時のほうがはるかに難しいです。
転職のハードルが大変高いので、特に中年以上の従業員をどうするかという難題があります。スキルを持っている人なら転職も容易なのですが。
最近では、小規模企業のM&Aがかなり多くなってきていますし、従業員が会社を買い取る(MBO)という方法もあります。
会社に何らかの価値があればという選択肢ですが。
やはり、お決まりのレスが来ましたね。
>転職のハードルが大変高いので、特に中年以上の従業員をどうするかという難題があります。スキルを持っている人なら転職も容易なのですが。
ここにちゃんと解答があるじゃないですか?
不断から、従業員を単なる労働力として、生産をするための要素と考えるのではなく、彼らにも人生がある、彼らも、自分の能力で自分の人生を生きて行くべきだと、ちゃんと自分の能力・技能を高めるような働き方をするように指導していればいいのですよ。
その為には、細かいことで言えば、ちゃんとした言葉遣いが出来るように指導するとか、他の仕事に就いても、即戦力・歓迎されるエキスパートとして転職できるような人間になるような指導をしていればいいのです。
そうすれば、経営者の自分が会社を廃業したいと思った時に、従業員の身の上、行く末を心配配する必要も無いですよ。
これは、当方が部下の指導をするときにやっていたことです。
転職した部下などは、指導した通りに成長し、転職先で有能な社員として働いています。当方は、部下を自分の部下として見たことはありませんね。日本の社会から預かった人材として、日本社会に役立つ人材になるように育てなければならないと思って日々育てるように接していました。
その中には、廊下を歩いていて、ゴミが落ちていたら、必ず拾え、というものもあります。ある時、廊下で嘗ての部下で他部署へ異動した社員と話していたら、落ちているゴミを拾ったので、偉いねぇと褒めたら、これはあなたに教えてもらったことではないですか?と言われたことがあり、道理でこの社員、顔が引き締まって来たな、と感じたものでした。これなら、どこへ転職してもやっていけそうだと感じたものでした。
日本の中小企業の経営者がこのような考えを持って従業員を扱い教育していれば、会社を廃業するときに、従業員の再就職先に困ることはありませんから、いつでも、会社を廃業できます。
長くなるのでここまでにします。
個人会社なら可能な方法ですね。
また、起業の際に廃業方法を決めておく、というのもとても参考になります。
ただし、創業者が自分で廃業するのも自分である場合に限りますし、創業時と社会構造や法的システムなどに変化がないことが条件になりますが。
ちなみに株式会社を廃業するにあたっては、株主総会で解散決議を行う必要がありますので個人の意思でいつでも廃業できるわけではありません。
株主総会の解散決議は、株主の過半数が出席した上で3分の2以上の賛成が必要となっています。
経営者が廃業を望んでも、株主にそれを理解していただくことはかなり難しいことだと思います。
憲法にもそう書いてありますからね。
「日本国憲法第27条:すべての国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」
人手不足倒産は、公務員以上の年収を提示しても人材が確保できなかった場合にのみにしてほしいですね。
今の状況は、人手不足倒産ではなくて奴隷不足倒産と言うべきだと思います。人手不足(奴隷不足)だから、外国人労働者(新たな奴隷)をもっと入れようとするのはやめてもらいたいです。
円安インフレ、ばんざーい!
円高デフレ、いやだー!って感じです。笑
物価が上がらなければ、賃金は上がりませんしね。
高齢者の方々は株や投資信託やりましょう。笑
1$=100円の時に100円の物が100個で売れていたとして
1$=150円になると150円の物が100個売れますからね。
簡単に説明出来る訳ではありませんが、
例えば100円の商品が100個売れてました。
労働者は二人いります。
が、景気が良くなり商品が200個売れる様になったが 求人を出しても人が来ません。
ここで、値段を200円にして商品が100個売れる様になれば、人が増えなくとも仕事がまわり売り上げ2倍となります。
ただ、200円にした時に100個売れるかどうか、それが確実でない事が問題なのです。
もしかしたら100円に据え置いたところに全ての需要を取られるかもしれません。
が、100円に据え置いたところに需要が集中した時にこの人手不足で供給能力を上げられるかどうか難しいかもしれません。
が、この人手不足というのもインフレで値段と需要と供給がバランスするまでの必要経費ともいえるのではないかと思うのです。
ふと思ったのは、新宿会計士さんが独立した時、自身の働き方は世間一般ではホワイトの類か、それともブラックの類か、どちらだったんだろう、と。
会社を立ち上げてからの黎明期は、人手不足だけど高賃金で人を集めるのも難しい時期だから、ブラックになりがちかと。
で、ある程度成長して人も増えれば効率化も進み、賃金は安くてもホワイトな環境に向かえそう。
黎明期を抜け出したのに安い賃金とブラックな労働環境を維持して利益を出す事を続ける会社は、黎明期だからブラックな会社とは違い、真に淘汰されるべき会社に思えます。
昨今の人手不足倒産も黎明期または零細企業が中心ならば、それらの会社が安定期に入った時に日本社会が得られた利益を逸したのかも、と。
難しいのは、中小零細企業は何をもって黎明期と安定期にするかでしょうか?
中小企業診断士とかの範疇ですかね。
企業体に関しては "黎明" もヘッタクレもなく『ブラック』は排除する! でヨイのではアリマセンかネ?
起業しても一人親方なら好きに働けばイイでしょうが、基本的にヒトを雇うというコトは自分一人でデキナイコトをヤル為なので
懸念されている「いつまでもブラック」も所謂 "黎明" 期に「ブラック」で会社を廻せる(悪しき)成功体験から抜け出せないのが起点なんデスし、経営者経営陣の指向によっては「いつまでも "黎明" 期」なんてなザラじゃゴザンセンカ?
業容進展すれば経営者経営陣も上方或いは他方または多方へ目線を変えてくでしょうし「アメーバ経営」なんてのもアリマシタっしょ? (ソレに例えばヤマハも本筋は製造業を外れないまでも製品は多岐に拡がりアカンなりそうなのは切ってくみたいな展開しよりますで、最近アチコチで公開しとるAI制御取り入れた機械製品なんかはまだまだ黎明期のプロダクトと云ってヨサソウ)
そう、その観点も分かるので、黎明期は規模や時間など、色々な条件を決めた方が良いのでしょうね。
規模だと100人からとか。
時間だと設立から10年とか。
東証一部上場企業なら黎明期では絶対無いでしょうし、むしろ従業員を搾取して経営者や株主が利益を得る、より悪質な企業となりそう。