韓国人も日本を目指す:韓国は魅力ある観光地なのか?
韓国も最近、外国人観光客誘致目標を掲げているようですが、コロナ禍以降の入国者数は、日本と比べればどうしても見劣りがします。韓国紙には「韓国人自身が韓国国内より日本を旅行先に選ぶ」とする記事も掲載されているほどです。もっとも、日本と比べ国土面積が4分の1に過ぎない韓国が、日本の半分近くの観光客を受け入れているというのも、なんだか意外な気がします。何か「裏」はないのでしょうか。
目次
インバウンド大国・ニッポン
当ウェブサイトでは以前からしばしば取り上げているとおり、現在の日本は、人数だけで見れば、立派な「インバウンド大国」です。日本に入国する外国人の方が、外国を訪れる日本人よりも多いからです。
とくにコロナ禍で制限されていた外国人の入国が昨年10月以降、大幅に緩和されたためでしょうか、日本を訪れる外国人が急増しており、今年に関しても訪日外国人は1月から5月までの累計で8,638,543人(※速報値)にも達しています。
単純平均して毎月約173万人であり、コロナ前の最盛期だった2019年の266万人には達しませんが、それでも大した賑わいです。
予定では、2023年6月の訪日外客数の速報値は19日(水)16時15分に日本政府観光局(JNTO)ウェブサイト上で公表されますが、想像するに、今月もやはり200万人前後の外国人が日本を訪れているのではないでしょうか。
これに対し、日本を出国する日本人は、コロナ禍以前であれば毎月100万人を大きく上回っていましたが、現在の出国者数は、その水準には及びません。
法務省が先週発表した『出入国管理統計統計表』によれば、2023年6月の出国日本人は703,259人(※速報ベース)と、コロナ禍が深刻化した2020年3月以来で見て最大となりましたが、それでもまだ100万人の大台には達していない状況です。
インバウンド日韓比較
その一方で、もうひとつ興味深い話題があるとしたら、それは私たちの隣国・韓国でしょう。
当ウェブサイトでは「ヒト、モノ、カネの往来」という観点から、さまざまな国のさまざまなデータに注目しているのですが、韓国観光公社が公表している『訪韓外来観光客』なる統計(※韓国語)も、そのひとつです。
これによると韓国を訪れた外国人は、今年1~5月の累計で3,470,158人、単純平均すれば694,032人で、日本を訪れた外国人の数の半分以下です。
インバウンド外国人・日韓比較(2023年1~5月累計)
- 訪日外国人…8,638,543人(月平均1,727,709人)
- 訪韓外国人…3,470,158人(月平均**694,032人)
(【出所】JNTO、韓国観光公社データ)
ちなみに日韓の相互往来で見ても、やはり韓国を訪れた日本人よりも、日本を訪れた韓国人の方が、遥かに多いのが実情です。1~5月までの累計値で見て、訪韓日本人が訪日韓国人の約4倍弱(!)という水準です。
日韓相互往来比較(2023年1~5月累計)
- 訪日韓国人…2,583,383人(月平均516,677人)
- 訪韓日本人…**665,611人(月平均133,122人)
(【出所】JNTO、韓国観光公社データ)
その理由は、いったいどこにあるのでしょうか?
自然に考えたら、韓国と比べ、日本の方が観光資源が多いためだ、という考察も成り立ちます。たとえば国土面積ひとつとってみても、日本が約37.8万㎢に対し韓国は約10万㎢と、日本は韓国の4倍弱であり、北海道から沖縄に至るまで、国土も変化に富んでいます。
韓国紙「高い韓国、安い日本」
こうしたなかで、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には18日、こんな記事が掲載されていました。
【コラム】高い韓国、安い日本
―――2023.07.18 11:53付 中央日報日本語版より
このコラムは、日韓のインバウンドの違いについて触れたものです。本筋とはあまり関係ありませんが、記事の中にはさりげなく、こんなウソが出てきます。
「日本観光庁によると1-3月期に観光・レジャー目的の訪日外国人が旅行して使った平均消費単価は18万6813円だった。1~5月に日本を訪れた韓国人258万3000人が平均消費単価だけ使ったと単純計算すれば韓国人が5カ月間に4兆4000億ウォン(約4815億円)を超えるお金を日本でばら撒いた格好だ」。
韓国人が5ヵ月間で4815億円を使った計算、ということですが、これについてはちゃんと答えが出ています。
観光庁が4月19日に公表した『訪日外国人消費動向調査』によれば、韓国人が観光・レジャー目的で使用した金額は、1-3月期で107,801円です。したがって、もし韓国人が使ったおカネが4、5月もこの水準だったとしたら、韓国人が日本に落としたおカネは4815億円ではなく2785億円です。
こうやってさりげなくウソを混ぜてくるあたり、韓国メディアは油断がなりません。
それはともかくとして、中央日報のこの記事では、「1月から5月に日本を訪れた韓国人が同じ期間に韓国を訪れた日本人の4倍近くに達した」という話題に絡め、韓国の代表的な観光地である済州(さいしゅう)島を引き合いに、次のように述べます。
「こうした現象は済州(チェジュ)観光客減少の流れを見れば明確だ。<中略>今年済州を訪れた韓国人は前年同期より39万人ほど減少した。これに対し外国人観光客は19万人ほど増えるのにとどまった。<中略>国内観光地よりは海外へ向かう韓国人が大きく増えたためだ」。
これは、じつに興味深い話題です。韓国国民が国内の観光地である済州島ではなく、むしろ日本を目指しているというのです。
韓国人がこぞって日本を旅行先として目指している理由を巡って、このコラム記事では昨今の円安に加え、韓国で最近、物価高が進行し、相対的に日本の物価水準が低く見えることなどを挙げているのですが、正直、これに関しては大いに疑問です。
単純に、「韓国の観光地としての魅力が日本と比べて低いからではないか」、という気がしてならないのです。
なぜ韓国には日本の半数の観光客が訪れるのか
そう考えていくと、むしろ、日本を訪れる観光客数と比べて半数にも相当する外国人が、観光客として韓国を訪れているという理由の方が、謎めいています。
韓国は国土面積で日本の4分の1しかないのに、日本の半分近くの外国人観光客を集めているというのは、シンプルに興味深い現象でもあります。いったい韓国は、どんな観光開発をしているというのでしょうか?
そこで思い出すのが、以前の『トランジット・ツアーで入国者水増し?韓国観光の課題』などでも紹介した、韓国の仁川(じんせん)国際空港では、トランジット・ツアーが積極的に開催されている、という事情です。
韓国の入国者統計を見ても、単純なトランジット・ツアー参加者が韓国全体の入国者をどれだけ「水増し」しているのかはよくわかりません。
ただ、欧米諸国における昨今の日本ブームに照らすと、こんな仮説は成り立つかもしれません。
- 日本への直行便の航空運賃は高いので、人々は少しでも安い便を選ぼうとしている。
- 直行便ではなくドバイや仁川などの経由便を使えば航空運賃を抑えられる。
- 立ち寄ったドバイや仁川で人々は時間を潰すために無料または安価なトランジット・ツアーに参加する。
実際、「トランジット・ツアー」で検索してみると、韓国に関しても、ドバイに関しても、だいたい所要時間2~5時間程度のトランジット・ツアーが開催されているようであり、とくに韓国の場合、それらの多くは無料だそうです(一部コースでは入場料代や食事代がかかるようですが)。
トランジット利用者は全体の15~20%程度か
この韓国の入国者数とトランジット・ツアーの関係について、その実態は、いまひとつ、よくわかりません。
ただ、ここで思い出しておきたいのが、中央日報に掲載された、2つの記事です。
ひとつめは、これです。
仁川空港の乗り換え客数、成田空港を上回る
―――2012.01.04 16:33付 中央日報日本語版より
これは、2011年の1年間を通じた仁川国際空港の乗り換え(つまりトランジット)客数は566万人で、日本の成田空港の529万人を上回った、とする記事です。
ふたつめは、これです。
「仁川空港を追い越せ」…羽田空港の国際線規制なくす(1)
―――2014.04.02 08:55付 中央日報日本語版より
ひとつ目の記事の2年後に掲載されたものですが、こちらでは「「仁川空港を利用するトランジット客は771万人」であり、「このうち20%ほどが日本人だ」、などと記載されています。
この2本の記事より、仁川国際空港のトランジット客は、2011年に566万人、13年に771万人だったことがわかります。
その一方、「国際空港評議会」(Airport Council International, ACI)という団体が公表している「全世界の空港の利用客数」によれば、仁川空港の(トランジット客以外の旅客も含めた)利用客数は、2011年に3519万人、2013年に4168万人でした。
したがって、仁川国際空港のトランジット需要は、利用客全体に対し、おおむね15~20%程度で推移していると考えてよさそうです。
つまり、欧米からの日本旅行者のうち、仁川トランジット便でやって来る人たちの一定割合が、トランジット・ツアーを通じて韓国への入国者としてカウントされている可能性がある、というわけです。
トランジット客の10%だけで36.8万人の押し上げ効果
では、実際のところ、どういう人数だと考えればよいのでしょうか?
仁川国際空港のウェブサイトによると、今年1~6月における同空港の利用者は24,546,484人(うち出発が12,324,484人、到着が12,222,000人)だったそうですが、このうち15%がトランジット客だと仮定すれば、トランジット利用者は368万人程度です。
この368万人のうちの何%がトランジット・ツアーを利用しているのかはわかりませんが、たとえば10%が乗り継ぎ時間の合間にツアーに参加していたとすれば、これだけで36.8万人ほど入国者が押し上げられる計算です。
この数値は、トランジット客割合やツアー参加者数の見積もりによってももちろん変動します。
ただ、「韓国がトランジット・ツアーで入国者を水増ししているのではないか」とする仮説を提示すると、「では日本も同じことをすればよいではないか」、などと思う人もいるかもしれませんが、これはそこまで単純ではありません。
日本はすでにオーバーツーリズムとなりつつあり、わざわざトランジット・ツアーを大々的に展開する必要があるのか、という問題点もあるからです。
ちなみに、調べてみると、日本にもちゃんとトランジット・ツアーというプログラムは存在します。
NARITA AIRPORT TRANSIT & STAY PROGRAM
Exciting Kansai Airport Tour Plan/Sky Museum Tour(currently suspended)
ただ、成田空港や関空の場合は「現在中断中」なのだそうです。
日本がトランジット・ツアーを再開しないというのは、それをやっているほどの余裕がないという証拠なのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
日本で円を$に変えてアソコで$→KRW→JPY (゜д゜)ウマーが
復活したのかとw
>現在の日本は、人数だけで見れば、立派な「インバウンド大国」です。日本に入国する外国人の方が、外国を訪れる日本人よりも多いからです。
記事の論旨には直接関係ないかもだけど、なんとなくここのところが気になったのです♪
「大国」という表現を使うのに、自国への訪問客と自国からの訪問客数を比較に基づくのに違和感があるのです♪
素朴には、自国への訪問客数を他国と比較して、多ければ「大国」、少なければ「小国」なんじゃないかな?って思うのです♪
で、そんな資料があるかな?って思ってグクってみたら、2019年のデータがあったのです♪
世界の外国人旅行客数 国別ランキング・推移(国連)
https://www.globalnote.jp/post-3608.html
日本は12位だったそうです♪
「大国」って言ってもいいのかな?・・・ちょっと微妙な気もするのです♪
もっと詳しく見るには、観光庁の観光白書をご覧になられればいいと思います。
各年度の詳しいデータがいろんな角度から見ることが出来ます。
観光庁 観光白書:
https://www.mlit.go.jp/statistics/file000008.html
さよりさん
ありがとうございます
令和4年度版の資料編に2021年のランキングかありますね♪
日本は25万人でランク外とのことでした♪
過去遡ってずっと見れます。
2019年は、12位です。
いろいろ見てみて下さい。読み物としても面白いですよ。
コロナ前、韓国人のアウトバウンドは年間2600~2800万人。同じころ日本人のアウトバウンドは2000万人ほど。
人口比では海外に出国する人の割合が韓国の方が圧倒的に多いようだ。
理由はなんだろう? 私の仮説は韓国の国内に行きたくなるような観光地が少ないことではないか。それほど韓国を知っているわけではないが、あの国で思い出すのは大阪新世界の雰囲気。それに比べて日本観光は安い料金でリッチな気分にひたれるからか。
これは、全くその通りと思います。
韓国人にとって唯一の観光価値がある土地は、済州島だけです。それは、韓流ドラマを見ていれば分かります。
実際、韓国の観光地は、板門店、ソウルの雑多なB級グルメ街、済州島しかないでしょう。
済州島にしても、日本の中で言えば、少々の景勝がある地方で観光地に昇格できるかどうかというレベルですから、国外に出たくて仕方ないでしょう。
それで、近くて費用も安い日本に来たくて仕方がなくなるのでしょう。
試しに、米国のグリーンカードみたいな感じで、毎年5000人に抽選で日本国籍を上げると言えば、応募者殺到するのではないでしょうか?勿論、その後、資格審査はしますが。勿論、これは冗談です。
韓国の観光地での価格が観光地価格ではなくぼったくり価格で、観光地ではどうせ一回しか来ないんだからと如何に沢山ぼったくるかで勝負している、的なお話しを楽韓さんがしてましたね。
韓国の魅力って、詐欺師や泥棒、売春婦やポン引きが生み出す、活力あふれる社会ってところぐらいじゃないですか?
タダのトランジットツアー客を水増し報告するほど、日本は嘘や偽りが罷り通って無いの!別に韓国人が訪日してくれなくても、日本はゼーンゼン困らない。いやむしろ犯罪者やその予備軍が減るなら、篩にかけて貰った方が良い。
観光庁の発表によると、日本で韓国人が観光・レジャー目的で使用した金額は、【1-3月期で107,801円です。】ハア?海外旅行ダヨ?貧民の密入国かな?ボートピープルか?(嘲笑)。欧米人・中国人台湾人の半分か1/3やん!入管でチェックすれば良いのに。現金で30万円以上所持か、クレジットカードで支払い限度額50万円以上可の証明無い奴は即、帰国させる(爆笑)。
これ以前にも書いたかな?まあくどい話ではないので。
Googleで「美しい日本」というワードで画像検索をかけると日本の観光地としての魅力を理解できる。
Googleで「美しい韓国」というワードで画像検索をかけても韓国の観光地としての魅力は理解できない。
フランスに行きたしと思えど
フランスはあまりにも遠し・・・
という一節まであるのに引き換え
韓国は安くお手軽な外国です
じゃあコスパがいいかというと
それは求めるものによります。
整形であなたも韓流すたあバリで
異性を楽々ゲット?的な目的は
はてさて効果と将来は知りませんが(笑)、
韓流ゴリ押し方面の、
燦然と輝く五千年の韓流文化(笑)
などを求めてしまっては
韓流ファンタジー時代劇映画村と
同程度のソウル国立博物館の展示に
苦笑するだけです。
私は、世界の国それぞれで
その国の博物館を訪れるのを楽しんできましたが
ただ、韓国については、史実とのズレの間違い探し
の楽しみ方ならあるのかなとは思います。
経済学が好きな素人としての「一般論」ですが。
科学(サイエンス)の根幹はシンプルでして、
「再現性があるかどうか」
が全てです。
(だから経済学は厳密な意味でサイエンスでは無い!のですけどね。)
閑話休題。
韓国に限りませんが、
韓国が好き!
インドが好き!
フランスが好き!
黄色い表紙の歩き方指南書を片手にあちこちで外貨を使いまくった先輩方は、昔からたくさん居てます。
三蔵法師と愉快な仲間達なんてのは、古くて有名なパーティですね。
「今こそ全ての日本国民に問います」by永遠の5才
韓国&韓流ダイスキ!と騒いでいた先輩たちで、身近で
「実際にシアワセになった実例」
を見た事がありますか?
再現性があることをサイエンスと呼ぶのですから、シンプルに断定するならば、
「韓国&韓流でリピーターは居ない」
まず、ココを押さえてから!ですかね。
すべての論評は。