公明党が2選挙区で維新候補者との「全面対決」を宣言

「公明党と日本維新の会が、少なくとも2つの選挙区で、全面対決になりそうだ」――。こんな話題が出てきました。前回の総選挙では、公明党は9人の候補者を小選挙区で立て、全員を当選させていますが、その内情をよく見ると、「ボーダー選挙区」(2位との得票差が約2万票以内である選挙区)は3区存在しています。一般に「選挙に強い」とみられている公明党の候補者が維新に敗れることがあれば、これはこれで維新躍進を象徴する出来事となるかもしれません。

選挙報道は却って増えるという皮肉

岸田首相が6月解散を見送ったことで、とりあえず総選挙の時期は遠のいたものの、皮肉なもので、メディアは連日のように、選挙の話題を報じるようになりました。

今朝の『立憲民主党幹事長「共産党との候補者調整を徹底追求」』でも取り上げたとおり、立憲民主党は日本共産党との選挙協力を推進する方向に大きく舵を切ったようです。

これについては普段から当ウェブサイトにて指摘しているとおり、いくら立憲民主党に対して逆風が吹いていたとしても、いわゆる「ボーダー選挙区」(1位と2位の得票差が小さい選挙区)さえしっかり守り切れれば、立憲民主党が大きく議席を減らすことはありません。

また、無駄に候補を立てることが多い日本共産党との選挙協力をちゃんと行えば、極左票などが割れることを防げるため、単純に「数字」という面では、短期的には良い効果をもたらす可能性が大きいです(中・長期的には、共産党アレルギーがある有権者からの支持を失うというマイナス面もあるでしょうが…)。

逆に、日本維新の会などが積極的に候補者を擁立することがあれば、ボーダー選挙区を中心に、自民党や立憲民主党に多くの落選者が出る可能性があります(※ただし、維新候補者が出馬したものの、結果的に当選できず、自民または立民の当選者を増やす「維新タナボタ効果」が生じる可能性もありますが…)。

その意味では、次回総選挙に向けて、各政党の候補者調整の結果次第では、大きな波乱が生じる可能性はあるでしょう。

維新・公明の「全面対決」

そして、「維新」がさまざまな面において、台風の目になりつつあることも間違いありません。

それを読み解くヒントのひとつが、公明党の存在です。

これに関連し、産経ニュースに6日、興味深い記事が出ていました。

公明・北側氏、維新と全面対決「完勝を目指す」 次期衆院選

―――2023/07/06 15:25付 産経ニュースより

記事自体は非常に短いもので、公明党の北側一雄副代表が6日の会見で、維新が候補者を擁立することを決定した東京29区と愛知16区での候補者調整の可能性を否定したうえで、「全力を挙げて取り組む」と述べた、などとする記事です。

ちなみに2021年の実績でいえば、公明党が候補者を立てた小選挙区では、自民党は候補者を立てません(同様に、自民党が候補者を立てている場合にも、公明党は候補者を立てません)。その公明党は前回、次の9選挙区で候補を立て、全勝しています。

北海道10区、東京都12区、大阪府3区、大阪府5区、大阪府6区、大阪府16区、兵庫県2区、兵庫県8区、広島県3区

これらのうち6選挙区では、第2位以下の候補に対し、2万票を超える差をつけています。

しかし、これらの選挙区のすべてで、公明党候補者が圧勝したわけではありません。たとえば北海道10区では公明党候補者は96,843票で当選しましたが、2位だった立憲民主党の候補者は82,718票を取り、票差は14,125票に迫っていました。

また、東京12区では101,020票で当選したものの、2位だった日本維新の会の候補は80,323票と、あと2万票少々のところにまで迫っていました。さらに大阪16区では84,563票で当選していますが、やはり2位の立憲民主党候補者は72,571票を得ており、票差は11,992票に過ぎませんでした。

このように考えると、「選挙に強い」と思われている公明党の候補者を、ケースによっては日本維新の会の候補者が下す、という事例も出て来るかもしれません。そうなれば、維新躍進の「象徴」となることは間違いないでしょう。

維新にとっては「時間が味方する」

もちろん、現状において日本維新の会の候補者擁立が、必ずしも順調に進んでいるというものでもありませんし、また、地盤がものをいう小選挙区制度では、いくら「維新旋風」が巻き起こっていたとしても、維新の候補者などが「落下傘」で勝てるほど甘いものでもありません。

ただ、以前から指摘しているとおり、もしも維新が十分な数の候補者を擁立することができ、自民・立民両党に逆風が吹く、といった条件がそろった場合には、次の選挙で維新は100議席前後にまで勢力を伸ばすことは、十分に現実的なシナリオとしてあり得るものです(この場合、最大野党の地位は、おそらく逆転します)。

果たして岸田文雄・現首相が来年9月の総裁選までに、衆院解散に踏み切れるのかどうか、という点も気にはなりますが、維新に関していえば「時間が味方をする」という可能性はそれなりに高いといえるでしょう(※維新、国民民主党などが躍進することが日本にとって良いことかどうかは別として)。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 引っ掛かったオタク@"組織"侮るベカラズ?? より:

    ウガッタ見方ですが、時間は公明にも味方するやもしれやせん
    せんべいがどの程度の強固さを維持しているか次第ですが、総選挙がンヶ月以上先ならば、”最重点選挙区”がただの”2ヵ所だけ”なら、…有権者増えてるカモ

    1. すみません、匿名です より:

      都市部への日本全国からの「戸別訪問」
      (私は受けた経験がないのですが)
      WITHコロナ社会で高齢者が主役の運動員が動けるのか。
      今回、選挙でコロナ感染死亡になったら、
      無事成仏しますと会員に説得できるのでしょうか?
      訪問を受ける方の高齢者も、「コロナが怖いので」と
      簡単に断れやすいですし・・・。

      >…有権者増えてるカモ

      選挙の運動量ではなく、まさか!まさか!そのまさか?(^_^;)。

    2. 門外漢 より:

      住民票を移してから3か月でしたっけ?投票権が生じるのは。
      10月なら十分間に合いますわね。

  2. がみ より:

    対決…って言っても公明党票って下二桁くらいまで読みきれる確定票ですよね?
    なにと対決するんだろう。
    信徒が引っ越して来るのかな?

    1. 門外漢 より:

      正解ですw

    2. 引っ掛かったオタク@シンパイダーナ より:

      あくまでも陰謀論に染まれる妄想の類いではありますが…
      該当選挙区内に住所を持つ自営メンバーなどに有期間(1年とか?)インターンなどと称して住み込み扱いの短期雇用への協力を依頼する、短年度の国内留学やら国内遊学名目での下宿者受け入れを依頼する、など
      ソレッぽい理由付けで住民票を移入させ…とかとか
      な~にコトが終われば中止早仕舞都合によりで元住所に戻し…ナンテナ
      急に「仕事探してませんか?」「人足りてますか?」「斡旋しますよ」的なせんべい内発信が観られたら要注意???
      過去アカラサマに選挙違反で複数回摘発された事例をカエリミルに…

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