自称元徴用工らの支援団体は、せっかく手に入れようとしている「謝罪利権」を、おめおめと手放すことはないでしょう。韓国政府は3日、判決金を受け取らない自称元徴用工らに対する供託手続を開始しましたが、これに対し自称元徴用工側の代理人弁護士は、この供託を「不法で不当な措置」と批判したうえで、「供託が有効か無効かを争う計画がある」と明らかにしたそうです。まさに泥沼化です。どうせ政権が変われば蒸し返される「解決策」。「岸田文雄」の罪は重いと断じざるを得ません。
目次
繰り返す:本質は「二重の不法行為問題」だ!
重要なことなので、何度でも指摘したいと思います。
自称元徴用工問題も結局のところ、韓国の日本に対する「二重の不法行為」の一種です。ここで、「二重の不法行為」とは、韓国側が①「日本から被害を受けた」とするウソをつき、②謝罪や賠償など、法的権利のない内容を日本に要求してくることを意味します。
日韓諸懸案に関する韓国の「二重の不法行為」とは?
- ①韓国側が主張する「被害」の多くが韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
- ②韓国側が日本に対して要求している謝罪や賠償の多くは法的根拠がないか、何らかの国際法違反・条約違反・合意違反などを伴っている
(【出所】『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』等参照)
世間では少し勘違いしている人が多いようですが、日韓諸懸案とは韓国の日本に対する「二重の不法行為」の問題です。解決する全責任は、韓国側にあります。そして、日本が議論しなければならないことは、「どうやって韓国に譲歩して折り合いをつけるか」、ではありません。「約束を守らない韓国を、どうやって罰するか」、です。本稿では「総論」として、これまでに当ウェブサイトで触れてきた「韓国の対日不法行為」の数々を、大ざっぱに振り返っておきます。韓国の対日不法行為、尹錫悦政権発足後に「風化」していないか?2022年5月1... 【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任 - 新宿会計士の政治経済評論 |
自称元徴用工問題とは、一般に、「戦時中、強制徴用された」などと自称する者たちが日本企業を訴え、あろうことか、韓国の裁判所がその訴えを認め、日本企業に対し損害賠償を命じたという一連の事件のことなどをさしています。
したがって、自称元徴用工問題が「解決」するためには、少なくとも次の2点が必要です。
- 2018年10月と11月に出て来た、国際法に違反する違法判決の問題を、韓国自身が解決すること。
- 「強制徴用」というありもしないウソをついて傷つけた日本と日本国民の名誉と尊厳を回復すること。
岸田文雄の大罪:知性の欠如?それとも…
この点、安倍晋三総理大臣(故人)や菅義偉総理大臣の時代は、この自称元徴用工問題を巡って、解決する全責任は韓国側のみにあるとする姿勢を崩していませんでした。
しかし、岸田文雄首相の時代になり、あろうことか、岸田首相はこの問題を巡って韓国側に大幅な譲歩を決めました。
韓国政府が今年3月、自称元徴用工らに対する損害賠償を、財団が「肩代わり」する、といった「解決策」を打ち出し、岸田首相がこれを「評価する」、などと述べてしまったからです(『岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ』等参照)。
「仮定のご質問には答えません」は岸田首相がちゃんと考えていない証拠衝撃的な「岸田ディール」。振り返れば振り返るほど「信じられない内容」と言わざるを得ません。とくに韓国の「ちゃぶ台返し」の可能性については、岸田文雄首相は記者会見で「仮定の質問には答えません」と述べ、シャットアウトしてしまいました。こうした記者団とのやり取りから浮かぶのは、「キシダ・フミオ」という政治家の「実務担当能力のなさ」、「戦略的思考力のなさ」、そして「プライドの高さ」です。不誠実な「キシダ・フミオ」岸田ディールの衝撃:首... 岸田ディールで垣間見える「キシダの実務能力」の低さ - 新宿会計士の政治経済評論 |
これなど、岸田首相の「実務能力の低さ」という問題とみるべきなのか、それとももっと根源的な――、たとえば岸田首相に知性(インテリジェンス)や政治家としての哲学・原理原則(プリンシプル)自体が欠如している問題とみるべきなのかは、本稿では議論しません。
いずれにせよ、韓国に対し、「二重の不法行為」の問題を解決する責任を果たさせることなく、岸田首相は日韓関係の「正常化(?)」を勝手に決断したのであり、その罪は重いと言わざるを得ません。
ホワイト国、レーダー照射、スワップ…こんなにある!
実際、「岸田文雄」には、この「二重の不法行為」を不問にして、日本が韓国に一方的に譲歩したという事例が、ほかにもいくつもあります。
(おそらくは)圧倒的多数に及びであろう反対意見を公然と無視し韓国を輸出管理上のカテゴリーである「グループA」(旧名称でいう「ホワイト国」)に復帰させると決断したことは、その一例でしょう(『日本を壊す岸田文雄:有権者の冷静さこそが最大の救い』等参照)。
宮澤喜一以来30年ぶりの宏池会政権が、日本をメチャクチャに怖し始めています。そのなかでも特に酷いのが対韓外交であり、日韓問題はいまや「岸田問題」に化けた、という言い方もできるでしょう。こうしたなかで、自民党の青山繁晴・参議院議員は30日、例の「ホワイト国パブコメ」を巡って、経産省の姿勢を舌鋒鋭く批判しつつも、意外な点に「希望」を見出したと述べています。これには当ウェブサイトの著者としても全面的に同意せざるを得ません。宏池会政権の闇個人的に「血縁」について深く議論することは、正直、あまり好きではあ... 日本を壊す岸田文雄:有権者の冷静さこそが最大の救い - 新宿会計士の政治経済評論 |
また、どう考えても日本に対し、まったくメリットがない日韓通貨スワップを、(金額こそ100億ドルと少ないにせよ)公然と再開したこと(『慰安婦像問題解決していないのに日韓通貨スワップ再開』等参照)も問題ですが、それだけではありません。
2018年12月に発生した火器管制(FC)レーダー照射事件に至っては、韓国側に真相究明をさせることなしに、政治的に無理やり決着させてしまった(『FCレーダー照射は不問?自民岩盤支持層失う岸田政権』等参照)のです。
さすがに呆れます。韓国メディアの報道ベースですが、FCレーダー照射事件を巡って、日韓防衛相は「お互いの立場を維持したまま」で「韓日・韓米日の安保協力を一層進展させるとともに、韓日国防当局間の信頼を高めながらさまざまなレベルでの交流協力を拡大」することで合意したそうです。あり得ません。国家としての原理・原則から著しく逸脱するものだからです。岸田首相は安倍総理の時代に形成された自民党の「岩盤支持層」を、着実に敵に回しつつあるようです。聯合ニュース「実務協議からスタートし、解決策を図る」さすがに、... FCレーダー照射は不問?自民岩盤支持層失う岸田政権 - 新宿会計士の政治経済評論 |
その意味で、自称元慰安婦問題、自称元徴用工問題、FCレーダー照射事件、輸出管理改悪、日韓通貨スワップは、いずれも「日韓問題」というよりは「岸田問題」と表現した方が適切なのでしょう。
ただ、岸田文雄首相が選挙で惨敗して政権を喪失するのか、引責辞任するのか、あるいは性懲りもなく来年9月の自民党総裁選での再選を狙うのかは知りませんが、問題は岸田首相が辞めても解決しません。
むしろ岸田首相が辞めた後にこそ、問題が再燃するはずです。自称元徴用工問題にせよ、FCレーダー照射事件にせよ、いずれも「二重の不法行為」問題が本質的に解決していない状態にあるからです。
自称元徴用工問題で供託手続の泥沼化
こうしたなかで、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に4日、こんな記事が掲載されていました。
強制徴用解決策拒否被害者の判決金裁判所に供託…賠償締めくくり手順=韓国
―――2023.07.04 07:00付 中央日報日本語版より
中央日報の記事タイトルにある「強制徴用」とは、「自称元徴用工問題」の誤りですのでご注意ください。
それはともかくとして、中央日報によると、韓国政府・外交部は3日、「第三者弁済解決案」を拒否している自称元徴用工やその遺族らに対する判決金を裁判所に供託することにしたのだそうです。
具体的には、2018年の一連の判決で勝訴した15人の自称元徴用工ないしその遺族のうち、生存者1人を含む11人が判決金を受領。のこり4人に対する供託手続を3日から開始することにし、「供託対象者である被害者と遺族はいつでも判決金を受領できる」としているとのことです。
ただ、それ以上に注目したいのは、自称元徴用工側の反応でしょう。
中央日報によると、「被害者側」(=自称元徴用工側)は、政府の供託手続開始発表を受け、「これを無効にするための法的対応」を予告したそうです。とくに自称元徴用工訴訟の代理人の弁護士は政府発表直後に会見し、次のように述べた、などとしています。
「外交部と日帝強制動員被害者支援財団が奇襲的に発表した供託は不法で不当な措置。供託が有効か無効かを争う計画がある」。
まさに、「泥沼化」そのものです。
どうせ政権交代したら蒸し返される
このあたり、韓国では政権が交代すれば、前政権の約束などが反故にされる国ですので、こうした自称元徴用工側の抵抗は、未来に向け、トゲとして再び日本に突き刺さることを意味しています。日本は韓国による国際法違反の被害から、いまだに無縁ではいられないでしょう。
そういえば、自称元徴用工側は、受け取った判決金の2割を自称元徴用工の支援団体に支払わなければならない、といった話題もありました(『自称元徴用工の支援団体が賠償金の2割要求=韓国報道』等参照)。
やはり「キックバック」があったようです。自称元徴用工問題を巡り、自称元徴用工らが賠償金などを受け取った場合、自称元徴用工らの支援団体がその2割を受け取るという約定を取り交わしていたことが23日に判明したのだとか。報じたのは韓国メディア『聯合ニュース』ですが、まさに自称元慰安婦問題とそっくりな「謝罪利権」という構図が浮かび上がってきます。二重の不法行為:日本は絶対に謝罪するなこれまでも当ウェブサイトで何度も指摘してきたとおり、自称元徴用工問題にしろ、竹島不法占拠問題にしろ、自称元慰安婦問題にしろ... 自称元徴用工の支援団体が賠償金の2割要求=韓国報道 - 新宿会計士の政治経済評論 |
自称元慰安婦問題に続く自称元徴用工問題という新たな「謝罪利権」を手に入れようとしている韓国が、これをみすみす手放すはずなどありません。
このように考えていくと、岸田文雄首相という者が、典型的な「無能な働き者」であると断じざるを得ないでしょう。
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代位弁済は日本に催眠があることを認めるから
ダメ
大法院判決を取り消すか現金化しか無い
安倍元総理作り、菅元総理が受け継いできた遺産を破壊して問題を棚上げにして元の密室外交に戻ろうとする岸田首相の行為は自民党の岩盤保守層こそ許せないのではないでしょうか。
自民党には、どれだけ筋が通らない事をしても有権者を騙せると考えているならばそれに対しては民意を示さねばと思います。
(もちろんそれ以上に酷そうな立憲民主や共産には投票しませんが)
本日産経新聞の記事の中で、安倍晋三と岸田文雄の経済政策比較なる記事がありました。
その中で経済官庁幹部の言葉として「政治家にとって最も重要な、これだけは成し遂げたいと言った信念が全く感じられない」岸田に対して辛辣なそして的を得た評価をしていました。
日本の未来に対してビジョンもポリシーも持たず、ただ総理で居たいだけの岸田。
こんな人が日本の舵取りをする政権に怒りを感じます。
岸田文雄と宏池会に天罰を!
岸田氏の愚行。
米国の立合いも、踏絵プロセス・最後通牒宣言もなしでは、毒饅頭効果も得られない。
彼らに「思いやり」を投げかけても、「重い槍」が投げ返されるだけなのにね・・。
「無理を通せば道理は引っ込む」ってのは世の真理。
「無理を通した総理は引っ込め」ってのも世の心理。
・・。
岸田文雄氏には、プリンシプルがないのでしょう。
彼の言う「聞く力」とは、財務省や外務省の声を聞く力なのでしょう。
そりゃあ、官僚の天下り先にばら撒く資金を調達したり、自衛官を含む自国民を他国に売り飛ばすことも厭わないはずです。
正常な日本人には、岸田氏の行動理念などが理解しがたいため、こんなことが原因ではないかと、本気で信じられ始めているようです。
韓鶴子総裁「岸田を呼びつけて教育を受けさせなさい」内部音声を独自入手「日本の政治は滅びるしかないわよね」旧統一教会https://news.yahoo.co.jp/articles/17372ac01b1c28773e773791f903f35745e2565b
ルーピーのときも確かこんなだったなあ。
岸田本人が無能である事はもはや明白ですが、やはり大問題なのは岸田政権によって、現在及び将来の日本がどんどん傷んでいく事です。これを座視するのは本当に辛い。何とか一刻も早期に状況を好転したい、今はただただその一点のみに期待をかけている状況です。勿論、岸田政権が垂れ流す害悪は何か、それが日本の国益、国民の利益に如何に反しているのかについての私見や情報も周囲に伝えていきたいと思います。
何が国民の声に耳を傾ける、でしょうか?あのLGBT法案の議論のやり方、或いは、将来の国民負担増、増税を狙った政策立案と実行への邁進具合(国民にきちんと説明しない姑息な姿勢、財務省の操り人形であり、例えば、 増税をもって防衛費を負担する事が将来世代の責任を果たす事、などという出鱈目をいって恥じぬ姿勢と経済に関する貧弱な理解の程度等々、本当に嫌悪感すら覚えます)。
但し、立民、共産、社民、令和、公明は勿論論外の存在です。
ネゴシエート力と
人間的魅力の両方に欠けた人物がここにいます
両者は不可分の関係かもしれませんが
国益を最大化しようとして外交に臨まず
自分からケツ差し出してもバカにされるだけです
注目を集めたくて頼みもしないのに奢ろうとする奴がいる
相手を喜ばせその場限りのいい気分
自分の金でないとなれば惜しくもなし
嗚呼、七夕までに辞めてもらいたかったけど
短冊に辞めさせてくれと願いを書かなきゃならんわ
岸田氏には朝鮮半島との問題を解決する能力なんて、1ミリもありません。徴用工についてもそう。韓国のデタラメ、その政権限りの約束を実に何も考えず受託した。また判決金を受け取らない自称元徴用工らに対する供託手続を開始したが、代理人弁護士は、供託を有効か無効かを争うと泥沼化してます。
岸田首相は、何を隠そう、実は政治家にはなってはならない人だったんです。実務能力が低いというだけで無く、ヒトとしての器、或いは感性が物凄く鈍いのです。最近トシで重症化したのでは無く、先天的なものと、社会人としても何も体得する仕事をして来なかったのです。人形さんですネ(爆笑)。
岸田さんの無能ぶりが際立つ場面は代位弁済案への「評価する」発言時の記者会見で今後韓国で政権交代があった場合に問題が蒸し返される懸念についての質問に「仮定に基づいた質問にはお答えしません。日韓関係を前に進めるため意思疎通を続ける。それに尽きる」と思考停止かつ居丈高な回答をしたこと。こと対韓外交はこれ以上無いほど前二首相の功績を破壊し尽くした。その責任を岸田さんが取ることはおそらく無いことが腹立たしい。なんでこんな無能な人が日本のリーダーなんだろう。