FACTA「朝日新聞84万部超押し紙」が事実なら?
ウェブ評論サイト『FACTAオンライン』に掲載された記事のタイトルによると、朝日新聞の「押し紙」は84万部を超えるのだそうです。にわかには信じがたいものではありますが、もしこれが事実なのだとしたら、そして新聞業界全体で大々的に押し紙が存在しているならば、今年の新聞部数はさらに大きく減ることが予想されます。
目次
押し紙と予備の違い
俗に「押し紙」と呼ばれるものがありますが、これは「新聞の発行部数には含まれているものの、現実には読者の手に届いていない新聞」の一種であるそうです。
もちろん、新聞販売店では昔から、実際の宅配部数よりも余分に新聞を購入しています。
たとえば、ある新聞販売店が宅配を受け持っている定期購読が3000部だったとしても、仕入れる新聞の部数がギリギリ3000部ということはありません。風で飛ばされたり、雨で濡れたり、破れたりすることもありますし、稀に新聞販売店に新聞を買いに来る人もいるため、宅配部数より少し多めに仕入れるのが一般的でしょう。
実際、元新聞奨学生だったなどと自称する者(※現在は怪しげな自称会計士)の証言によると、1990年代の某新聞販売店では、「ザル店長」のもとで発注管理がかなりアバウトになり、「新聞が足りなければ困る」とばかりに、配達員1人につき10部も20部も余らせる、といったことが常態化していました。
しかし、新しく赴任してきたやり手の店長は、店舗改革の一環として新聞の発注管理を厳格化し、配達員1人あたりの残部は2~3部に抑えるくらいにギリギリの部数を発注するようになりました。予備がないため、必然的に商品である新聞を大切に扱わざるを得なくなる、というわけです。
つまり、新聞の実売部数が3000部、配達員が10人(1人あたり300部)だったとして、「ザル店長」の時代は3100~3200部ほど発注していた計算ですが、「やり手の店長」になって以降は発注部数が3020~3050部へと削減された、ということです。
裁判事例などで見ると、どうも「押し紙」は本当にあるらしいが…
ただ、いつのころからか、「どうも新聞社は新聞販売店に対し、実売部数よりも2~3割多めに新聞を売りつけているらしい」、といったうわさが耳に入るようになってきました。
実際、以前の『また「押し紙」疑惑:もし広告主も新聞社を訴えたら?』などでも取り上げたとおり、新聞社が実際に販売されていない新聞を販売店に押し付けたなどとして、福岡県で新聞販売店の元店主が株式会社西日本新聞社を訴えた、といった事件も発生しています。
また、2020年5月には、一審とはいえ、実際に裁判で「押し紙」の存在が認められるという事例も生じています(『新聞崩壊?「押し紙」認めた判決契機に訴訟ラッシュも』参照。ただし、この件では、二審では被告である株式会社佐賀新聞社が原告側の元販売店店主と和解が成立しています)。
先ほどの「実売部数が3000部の専売店」の事例だと、「ザル店長」の時代でもせいぜい3200部だった新聞の発注部数が、実売部数の2割増しの3600部、3割増しの3900部に膨れ上がる、ということを意味します。さすがに新聞販売店も利益を確保するのが難しいかもしれません。
(※もっとも、新聞販売店にとってはチラシ収入があるため、実売3000部なのに3900部のチラシ収入が得られているのだとしたら、それはそれで悪い話ではないのかもしれませんが…。)
FACTAオンラインがしばしば取り上げる朝日新聞部数水増し説
いずれにせよ、報じられている情報などを見るに、多くの新聞で、大なり小なり「押し紙」のようなものが実在する可能性は高そうですが、ただ、その「押し紙」の明確な定義や範囲などについては、なお不明な部分が多々あるのが現状です。
こうしたなかで、「押し紙問題」をずいぶんと以前から報じてきたメディアのひとつが、ウェブ評論サイト『FACTAオンライン』です。
以前の『新聞押し紙疑惑と朝日新聞「500万部割れ」の衝撃』でも取り上げたとおり、2020年9月には「朝日新聞の同年8月のABC部数が500万部を割り込んだだけでなく、読者に配達されないままで廃棄される「押し紙」を差し引いた販売部数は300~350万部程度との見方が強い」、などと報じました。
公式の部数が500万部で、実売部数は300~350万部。
事実だとしたら、じつに強烈です。実売部数は300~350万部に過ぎず、150~200万部の押し紙により、朝日新聞は無理やり部数を維持してきている、というものだからです。
もっとも、これはあくまでも同サイトの独自記事であり、私たち読者としては、なかなか検証する手段はありません。
直近の押し紙は84万部?
ただ、このFACTAというメディアに注目していると、ときどきその「続報(?)」のようなものが出て来ることもあります。たとえば、次の記事がその典型例でしょう。
独占スクープ! 朝日新聞「丸裸」/「押し紙」84万部超 極秘内部資料公開
―――FACTA 2023年7月号より
記事は雑誌『FACTA』購読者限定でしか読めないため、記事に記載されている正確な内容はわかりません。
ただ、株式会社朝日新聞社が公表する『朝日新聞メディア指標』によると、2023年3月時点のABC部数は376.1万部(※朝刊)ですので、仮に「84万部超の押し紙」がこの3月時点の朝刊に対するものだったと仮定すれば、実売部数は290万部程度、と計算できます。
押し紙を実売部数で割った数値を「押し紙率」と定義すれば、FACTAが報じた朝日新聞の押し紙率は30%弱(≒84万部÷290万部)です。
2020年8月時点では43%(≒150万部÷350万部)ないし67%程度(≒200万部÷300万部)だったとFACTAが報じていたことを思い出しておくと、押し紙率自体はずいぶんと下がった計算です。
もっとも、この数値を株式会社朝日新聞社の側としても公式なものとして認める可能性はおそらくありませんし、FACTAの情報源もよくわからないため、「朝日新聞の押し紙が84万部だ」という情報を、「間違いのない事実」として受け止めることは避けたいと思います。
紙代の高騰で押し紙効果が消えると…?
しかし、最大手の一角を占めている朝日新聞でさえ、大量の押し紙を抱えているのだとしたら、新聞業界全体ではやはり大変なことになっている可能性があります。
ただでさえウクライナ戦争などにより物価が上昇し、どの新聞社もおそらくは用紙代金などのコスト増に苦慮しているものと考えられるなかで、「客に配らずに廃棄する新聞」を刷る余裕など、果たしてあるものでしょうか。
その意味では、少し気が早いですが、今年の年末にも一般社団法人日本新聞協会から公表されるであろう、『新聞の発行部数と世帯数の推移』の2023年10月1日時点の部数がどうなっているかは気になるところです。
『新聞朝刊の寿命は13.98年?』などでも繰り返し指摘してきたとおり、2022年10月1日までの5年間の部数減が今後も続くと仮定したら、紙媒体の新聞朝刊は遅くとも13.98年以内に購読者がゼロになる計算です。
しかし、かりに「新聞業界全体で大規模な押し紙が行われている」という説が正しければ、今年の新聞の部数減少ペースはさらに速くなることが予想されます。各社ともに押し紙を発行する余裕がなくなって来ている可能性が濃厚だからです。
いずれにせよ、その答えは案外早い時期にわかるのかもしれません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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今朝郵便受けに新聞といっしょに白い大型封筒が入っていた。
中には日経の「購読料改定のお願い」
これ7月1日からの値上げのこと。
新聞記者が遠くない将来失業するであろうとのかなり高い確度で予測が出ているのに、報道機関たる新聞が記事に取り上げないのは、社会に対する背信といって過言でない。なにしろこの国の少なからぬ人口がわくわくてかてか(ワクテカ)しながら、休刊発表・事業清算報道のある日を楽しみに待っているのですから。
押紙は、随分前から週刊誌にも取り上げられていて、裁判もあったように思います。
この押紙の問題は、これを含んだ部数で広告掲載料を決めたり、チラシの配布費を決めていたら、詐欺にならないのか?と思います。
朝日に関しては、発行部数が400万前後あると言うのは、感覚として無いと思うので、300万は切っているというのが実際のような感じがします。
ふだん通っている近所のスーパー、店舗所在地を指定してググったら、チラシが表示になりました。かつて住んでいた町のスーパー店舗を当たってみました。同じく結果が得られています。画面いっぱいに拡大すると、なんということでしょうくっきり読めるではありませんか。新聞記者失業時代の到来を意味していると理解しました。
WEB版のチラシは拡大率を大きくすることを想定して、文字や図形部分は出来るだけベクトル形式にしてあるなど気をつかっていたり、写真についても出来る範囲で良い画質で収録されていることが多いように見受けられます。
押し紙は随分前から聞いてました。ABC協会公称の30%とか、20%に押し紙が含まれていると。しかし、それを検証するほど新聞が今ほど落ちぶれて無かったし、売れてましたので深く考える事は無かったです。「これはあり得ない、嘘の数字だ」と思い始めてもう20数年。実売は悲惨なことになっているのは良く分かります。
広告代理店から大手紙、地方紙の地区のシェアマップや圏単位の実質部数(押し紙含む)を見ましたが、それでさえもかなり多めに見えた。
私は「と言う事は、この地域の人は最低でも2紙、大手紙と地方紙を取ってるのか?」と聞くと、ダンマリでした(爆笑)。私はスポンサー企業勤めで出来るだけ効率よくまきたかったので、たいがい3紙をチョイスしてました。あの十数万部のうち、20%は販売店の余得だったんだなぁ。あんな仕事、早く辞めて良かったわ(^.^)。
読者の元へ届けられなかった新聞紙は結局どこへ行くのでしょう。廃品回収業者のもとへ直行するにしても、それにかかる輸送の燃料やら再生紙にするための電気エネルギーやらを合わせると、莫大な資源とエネルギーを無駄に消費していませんか。新聞社は地球温暖化やSDGs(最近やっと覚えました)やらを論ずるよりも、まず自分の足元をよく見ないといけませんね。
>読者の元へ届けられなかった新聞紙は結局どこへ行く
葦船に入れられて南海数万海里の果てにある補陀落浄土へと毎日流されてしまっているのではないでしょうか。
という冗談はおいといて、東南アジアでは日本の新古新聞紙が良質包装紙として流通しているらしいのです。動画で見ました。ただし物量ではハングル文字新聞のほうが多く、地元民はハングルを書き写して日本の文字だと思っていたとの発言をしています。
先日仏さんの花を買いに花屋さんに行きました。
購入した花を新聞紙にくるんでくれます。
店内を見ると同じ日の朝日新聞がざっと50部ほど用意してありました。
店主によると新聞屋さんから無料で提供されているとのこと。
残紙は残紙で有効に活用されているようですよ。
そうなんすか。朝〇新聞紙等は書かれている文字情報より「紙」としての価値が高いんですね。どうせ押し紙と認識しているなら白紙のまま渡してあげれば市民から感謝されます。インク代が節約できるし、使う方も手が黒くならずにすみます。まー、そう言うわけにはいかないんだろうなー
(別に押し紙に限りませんが)企業ぐるみの粉飾された数字というものは、その企業が倒産寸前にならないと、正しい数字が(その企業から)発表されないのではないでしょうか。(まあ、そこから倒産まで行くか、(幸運にも)そこから持ち直すことが出来るかは別の話です)
朝日はコロナ自粛期間中に押し紙は整理して、次のステージに移行するのかと。
FACTAの情報が正しく、いまだに84万部の押し紙を抱えているとしたら
本社の販売政策の報奨金などが、魅力的で押し紙を抱えてもペイするのか
注文部数と実売部数の差があっても、折込収入が魅力的で儲かるのか??
広告部数詐欺ですよ~~。朝日新聞の記者、(自称)ジャーナリストなら
「事件は“現場”で起きてるんじゃない!! “本社”で起きてるんだ!!」
ガンガレ!本社で事件だ!スクープだ!
さてインフレ時代に、年金生活者が年6万の新聞代を払う決断をしたのか興味深いです・・・
「千代橋」と言う橋は銀座の端っこで八丁目と築地を結んでいます。
橋の中央に立って西を見ると、幾つもの小型のビルが乱立しています。
東を見ると左右に大きな建物。
左に聳えるのは、体を病んだ人が集まる「国立がんセンター」、右にあるのは心を病んだ人が集まる「朝日新聞社」。
この新聞社、本業の不動産に注力するために、現在の建物を壊して高層ビルにするとの噂???
本体は家賃の安いスカイツリー近辺の貸しビルに移るそうな???
スカイツリーを背景に「新しい情報発信基地」というポスターの制作に取り掛かっているそうな???
京成電鉄と都営地下鉄に最寄り駅の呼称を変えて欲しいと申し入れ中???
と言っても名前を変えるのではなく、読み方を変えるだけだそうな??
「押上」を何と読めと言っているのか?
「おしうえ」か「おうじょう」か「おし??」なのか?
>「押上」を何と読めと言っているのか
小さな文字で「ぅぁぁ」だと予想します。
うまい
途中まで、完全に引き込まれました。
都有地の築地市場跡地の再開発事業、スキームが出来上がってたり。
朝日新聞は街づくりにも参加でしょうか?
市場がないので、大江戸線の「築地市場」を「押紙」にしましょう。