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韓国高官「日本は一度謝れば終わりという文化がある」

韓国政府高官が27日、「韓国には過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、日本では一度謝れば、その後は謝罪を繰り返さない文化がある」と述べたそうです。お言葉ですが、「加害者が謝罪をして被害者がそれを受け入れたら謝罪を繰り返さない」というのは、「日本の文化」ではありません。「世界の常識」です。しかも、事実関係をよく調査してみると、「被害者・加害者」フレームワークを使うなら、韓国はむしろ加害者の側ではないでしょうか?

「加害者としての日本」に騙されてきた日本人が目覚めたきっかけ

日韓関係を巡って、私たち日本人はこれまで、「日本は加害者」、「韓国は被害者」という、一種の「刷り込み」を受けてきたのかもしれません。とりわけ日本でまだ新聞、テレビの社会的影響力が今よりも遥かに強かった時代、「加害者としての日本」という認識を持つ人は、多かったのではないでしょうか。

ひとえに、「日本が朝鮮半島を植民地支配した」、「日本人が朝鮮人から言語を取り上げ、日本語と日本式の名前を強制した」、「独立運動を厳しく弾圧した」といった「歴史」を突き付けられると、私たち日本人は「加害者」として、頭を下げるよりほかなかったのです。

もっとも、日本人の間でこうした風潮に変化が生じてきたのは、2002年に日韓がサッカーW杯を共催したあたりからではないでしょうか。直接・間接に韓国の試合の様子を興味深く見る中で、良い意味でも悪い意味でも、日本人の韓国に対する理解が自然に進んだのかもしれません。

これに加えてもうひとつ、決定的な要因があるとしたら、それはインターネットの発達です。

まず、『中央日報』、『朝鮮日報』、『東亜日報』、『ハンギョレ新聞』、『聯合ニュース』などの韓国メディアが日本語版のウェブサイトを開設したことで、日本人の多くはネットを通じ、日々、韓国メディアの報道ぶりを直接知ることができるようになりました。

続いて誰でも自由に書き込める匿名掲示板『2ちゃんねる』や『5ちゃんねる』、動画サイト『ニコニコ動画』やYouTube、さらにはツイッターなどのSNSが順次発達したことで、日本国民同士が新聞、テレビなどのマスメディア媒体を経由しないで直接、意見交換できるようになったのです。

「約束破りのウソツキ」の実例はFCレーダー照射と慰安婦合意

その結果、何が起きたか――。

「一般レベルの日本人」が、韓国のことを、非常に深く理解するようになったのです。

とくに韓国が主張する「歴史問題」――、たとえば「創氏改名」や「日本語教育」などを巡っては、ネット空間に存在する歴史の専門家らが客観的で正確な一次ソースを示しながら韓国側の主張の誤りを逐一論破し、こうした「日本=加害者」なる構図が行き過ぎた主張であることが、次第に世に浸透してきたのです。

また、それとともに、「被害者・加害者」フレームワークを使うなら、むしろ韓国の方が日本に対する加害者である、という事実が、むしろ現在進行形で広まっていったことも見逃せません。その典型例が、FCレーダー照射と慰安婦合意破りでしょう。

たとえば2018年12月には、韓国海軍駆逐艦「広開土大王」による海上自衛隊P1哨戒機に対する火器管制(FC)レーダー照射事件が発生しました。

このときは、日本政府がその事実を公表するやいなや、韓国政府側は「『広開土大王』は北朝鮮漁船を捜索していたが、悪天候のため、艦に搭載していたすべてのレーダーを稼働させていた」、「日本側に照射されたのはFCレーダーではない」、などとする情報をメディアに流し、韓国メディアはこうした情報を報じました。

しかし、こうした韓国側の主張を日本の防衛省が逐一否定したうえ、FCレーダー照射事件から約1週間後に防衛省がYouTubeに当日の映像を投稿したところ、「悪天候だった」という韓国政府のウソがばれてしまいました。

そして、韓国側は戦略を転じたのか、今度は「FCレーダー照射はなかった」、「むしろ日本の海自機が低空威嚇飛行を仕掛けてきた」などとするウソをつき続け、そのまま現在に至っています。

このあたり、日韓関係を「改善」させるために尹錫悦(いん・しゃくえつ)政権が自称元徴用工問題の「解決策」を打ち出したことで、このFCレーダー照射事件についても韓国が自国のウソを撤回し、日本に謝罪するのかといえば、そんな兆候はいっさいありません。

韓国=約束破りのウソツキ

レーダー照射事件でウソをつき続けることを選んだ韓国』でも指摘しましたが、韓国政府・国防部長官はつい先週も、レーダー照射の事実が「なかった」し、「低空威嚇飛行」とやらが「あった」、などと国会で答弁しているほどです。

尹錫悦政権でも「三不の誓い」維持する韓国は信頼に値しない!自称元徴用工問題に限定すれば、韓国は岸田「宏池会」政権をまんまと騙すことに成功したのかもしれません。しかし、日韓諸懸案があまりにも多すぎるためでしょうか、ここに来てボロが出始めました。韓国の李鐘燮(り・しょうしょう)国防部長官は事実上、「三不の誓い」を守ることを宣言してしまったのです。つまり、韓国が中国側から米国側に戻ったというのは見せかけに過ぎません。そして、やはり韓国はFCレーダー照射事件を改めて否定したうえで、「日本が低空威嚇飛...
レーダー照射事件でウソをつき続けることを選んだ韓国 - 新宿会計士の政治経済評論

こうしたレーダー照射事件は非常に「わかりやすい」事例ですが、ほかにも韓国は日本政府と2015年12月に取り交わした「日韓慰安婦合意」に含まれた慰安婦像問題の解決義務を依然として履行していませんし、それどころか、文在寅(ぶん・ざいいん)政権時代にこの合意があっけなく破られてしまったという事例もあります。

つまり、私たち日本国民の間では、韓国を巡って、「国を挙げてウソをつく」、「平気で約束を破る」、といった点がコンセンサスとして形成されつつあるのではないでしょうか。

この点、先日までに公表されたいくつかのメディアの世論調査を見る限り、韓国との関係「改善」については、いちおう、日本国民の多数が支持しているようです。

昨今、安保情勢が厳しいなかで、日本国民の間では「韓国とはとりあえず軍事・安保協力を進めなければならない」という意識が広まっているからでしょう(※当ウェブサイトにいわせれば、そもそもその認識自体が誤りなのですが…)。

しかしながら、韓国を巡って広まった「約束を破るウソツキ国家」という認識は、滅多なことでは除去されないのではないでしょうか。

韓国メディア「日本は一度『ごめんなさい』と言えば終わり」

こうしたなかで、韓国メディアの日本語版には、相変わらず、「これを日本人に対して読ませるのか?」と驚くような記事が掲載され続けていることも事実です。韓国の左派メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に今朝掲載された、こんな記事なども、その良い事例です。

強制動員謝罪、日本人は一度「ごめんなさい」と言えば終わり?

―――2023-03-28 07:10付 ハンギョレ新聞日本語版より

記事タイトルにある「強制動員」とは、自称元徴用工問題の誤りです。

記事では、会議に出席するために一時帰国中の尹徳敏(いん・とくびん)駐日韓国大使が27日午後、外交部の記者懇談会に出席し、「韓日は歴史問題をめぐりこれまで対立してきたが、戦略的な利益関係はほぼ一致する」などと述べた、などと記載されています。

ただ、ここで注目しておきたいのが、こんな記述です。

ユン大使の冒頭発言後に行われた質疑応答で、外交部高官は『日本の歴史認識は後退し続けている』という指摘に対し、『日本の国民性は韓国とは少し違うようだ』と述べた」。

私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、日本には違う文化がある」。

『ごめんなさい』と謝れば、『水に流す』という。一度謝れば、その後は(謝罪を)繰り返さない文化があるという話をよく聞く」。

二重の意味でツッコミどころがあります。

まず、「加害者が一度謝罪し、被害者がそれを受け入れたら、それで謝罪はお終い」というのは、「日本の文化」ではありません。「世界の常識」です。

人類は「謝罪」「賠償」を通じ、争いを未来永劫引き継がずに「和解する」という方法を発明することで、文明を発展させてきたのです。「過ちを犯した人は反省し続けなければならない」という考え方は、韓国の特殊性そのものであり、日本がそんなものに付き合う必要はありません。

ただ、ここで問題は、それだけではありません。

韓国がしきりに言及する「加害の歴史」の多くはウソ、捏造であり、また、そのようなウソ、捏造をもとに、日本に対して反省や賠償を迫る姿勢自体が立派な不法行為でもあります。その意味で「加害者」はむしろ韓国なのであり、日本はむしろ「被害者」です。

日韓諸懸案に関する韓国の「二重の不法行為」とは?
  • ①韓国側が主張する「被害」の多くが韓国側によるウソ、捏造のたぐいのものであり、最終的には「ウソの罪をでっち上げて日本を貶めている」のと同じである
  • ②韓国側が日本に対して要求している謝罪や賠償の多くは法的根拠がないか、何らかの国際法違反・条約違反・合意違反などを伴っている

(【出所】『【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任』等参照)

世間では少し勘違いしている人が多いようですが、日韓諸懸案とは韓国の日本に対する「二重の不法行為」の問題です。解決する全責任は、韓国側にあります。そして、日本が議論しなければならないことは、「どうやって韓国に譲歩して折り合いをつけるか」、ではありません。「約束を守らない韓国を、どうやって罰するか」、です。本稿では「総論」として、これまでに当ウェブサイトで触れてきた「韓国の対日不法行為」の数々を、大ざっぱに振り返っておきます。韓国の対日不法行為、尹錫悦政権発足後に「風化」していないか?2022年5月1...
【総論】韓国の日本に対する「二重の不法行為」と責任 - 新宿会計士の政治経済評論

いずれにせよ、韓国メディアの日本語版の報道を読めば読むほど、日本国民の間で「韓国観」が形成されていくことは止められませんし、そうすることで、むしろ将来的な日韓関係そのものが規定されていくのは自然な流れでしょう。

とくに、安倍晋三総理大臣やその後継者である菅義偉総理大臣は、日本の外交を「近隣国重視型」から「基本的価値重視型」に切り替えました(『近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた』等参照)。

日本時間の土曜日早朝、菅義偉総理は訪問先の米国で史上初の対面での日米豪印首脳会談に臨みました(厳密には、今年3月のテレビ会議を含めれば、首脳会談としては2回目ですが…)。少しインドのトーンが弱いというのは気になるところではありますが、ただ、今後は「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)が日本外交における基軸となることは間違いありません。まさに菅政権の最後の仕上げ、というわけです。クアッドではなくFOIPが重要先日の『日本外交は「クアッド+台湾」>「中露朝韓」の時代へ』では、「最後の最後まで仕...
近隣国重視から価値重視へ:菅総理が日本外交を変えた - 新宿会計士の政治経済評論

こうした流れについては、岸田文雄・現首相のもとで、多少の「巻き戻し」は発生するかもしれないにせよ、大きく後退することはないでしょう。少なくとも主権者たる日本国民は、約束をまともに守らない国を「日本と基本的価値を共有している」とはみなさないからです。

とりあえずは自称元徴用工に関する「岸田ディール」がいつ破綻するかという観点(『案外早く破綻する可能性が出てきた自称徴用工ディール』等参照)も含め、日韓関係については様子見が正解、といったところではないかと思う次第です。

自称元徴用工問題を巡る韓国政府の「財団方式による解決策」は、うまくいくのでしょうか。どうも順調に行くというものでもなさそうです。というのも、自称元徴用工側からの追加での資産差し押さえという動きが相次いでいるほか、首都・ソウルの中心部では2週間連続で野党や市民団体などによる尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領に対する抗議デモが行われ、さらに、韓国の保守メディアも「子度は日本が譲歩する番」などと主張するコラム記事を掲載し始めているからです。自称元徴用工問題・岸田ディールの欠点自称元徴用工問題を巡って...
案外早く破綻する可能性が出てきた自称徴用工ディール - 新宿会計士の政治経済評論
新宿会計士:

View Comments (28)

  • >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、

    過ちを犯した当の本人が反省して、再度同じことをしないように気をつけるというなら、それは日本でも常識だと思うのです♪
    ただ、韓国の考えって当人の内面の話じゃなくて、過ちを犯した人にはどんな要求しても良いし、それは受け入れなければいけないみたいな、双方の行動についてなとこが特異なんだと思うのです♪

    あと、謝る相手は直接被害を与えた者に対してだと思うのです♪ 韓国の与太話を受け入れたとしても、ぶっちゃけ、今生きてるほぼすべての韓国人に謝る必要はないと思うのです♪

    • ちょっと追加♪

      >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、

      って言葉だけど、
      「わしは、むかしお前の爺さまに殴られたことがあるんだぞ。反省の印に、小遣い寄越せ。」
      って集ってくる近所の知らない人の戯言みたいだなって印象なのです♪

    • 甲乙、優劣で語ると、謝罪をした側は乙(劣位)に、謝罪を受けた側は甲(優位)に立ち、甲は乙に対してどれだけ横暴に振る舞っても良い、ってヤツですね。

      韓民族の習性について理解の深い中国は、韓国に対して何処までも横暴に振る舞って、韓国に身の程を分からせ続けてますし、流石ではあります。

    • >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならない
      >という考えがあるが、

      朝鮮半島での大前提は「このルールは他人に当て嵌める規則であり、私自身には適用されない」でしょうね。
      韓国社会において司法の場でウソ吐きであると認定された人物達が社会の第一線で活躍を続けられるのも「契約・規則・信用」と言うコンセプトが理解出来ていない不思議な文化の結果ですな。
      韓国社会では「契約・規則・信用」の代わりに「ウリ・ナム、専横・従属関係」が根本ですので、彼等には人々が対等である事が大前提である文明社会の仕組みは理解出来ないかな。

  • >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、

    前科何犯って国会議員が多数存在するんじゃなかったっけ?
    詐欺の件数が日本の数倍なんじゃなかったっけ?

    私たちには過ちは絶対に認めないという文化があるが、の間違いじゃないのかな・・・

    • 過ちをおかした人は道徳的に下位に立たされる(=道徳的上位者である被害者からのどんな理不尽な要求にも従わなければならなくなる)から、過ちを絶対に認めようとしない…でしょうかね。

  • 彼の地では軽犯罪でも無期懲役、一生ムショ暮らしで反省し続けなければならないってのが常識なのでしょうか?

  •  「韓国は謝っても許さない文化だが、日本は謝れば許すという文化」が正確な表現じゃないですかねー。
     反省改善する事なんて立場は無関係の実務行為で、懲罰と同義ではないですし。

     最初はいつものOINKネタかと思いましたが……コレ案外、日韓で延々と摩擦が起きる一番の原因で最重要かもしれません。

  • >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがある
    から、絶対に過ちを認めるわけにいかない文化がある。

  • >私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがあるが、

    だからめったに謝ろうとしないんですよね。謝ることのコストが高すぎて。
    単なるディストピアでしょう。

  • 韓国は自国が悪くても謝罪しないという文化がある。
    日本に対する竹島侵略時の日本人漁師虐殺やベトナムでの推定数十万回にも及ぶレイプや大虐殺を公式に一度も謝罪していない。
    大韓民国とほとんどの国は人としての基本的な価値を共有していないのです。

    • >日本に対する竹島侵略時の日本人漁師虐殺やベトナム
      >での推定数十万回にも及ぶレイプや大虐殺を公式に
      >一度も謝罪していない

      と言うか、自らに都合の悪い事は無かった事にして無視するか、或いは他人に責任転嫁するのが朝鮮マインドでは無いですかね?

  • X 韓国高官「日本は一度謝れば終わりという文化がある」
    「日本には嘘の加害者よばわりに反発する文化がある」

    X駐日韓国大使「私たちは過ちを犯した人は反省し続けなければならないという考えがある」
    「私たち(ウリ)は過ちを絶対に認めない。我々以外(ナム)で過ちを認めたバカには永遠にたかり続けるという考えがある(ただし怖い米国や中国を除く)」
    添削しておきました。

  • 過ちを犯しているのは韓国の方。
    ① 所謂歴史認識と言うやつについては韓国が大嘘を付いている。

    ② 日本の敗戦後朝鮮半島から引き上げる日本人を殺したり強姦したりした。

    ③ 他人には自分に謝れというが、ベトナムでの(本物の)虐殺や強姦をした。

    ④ ③については誤るどころか事実は無いという態度。日本はおなしいから②については何も言っていないが、もし問題に上げたら人類史上でも最上級の逆ギレをすると思われる。

    ⑤ 慰安婦や自称徴用工の件以外にもありとあらゆる嫌がらせ等を行ってきている。

    このような国とディールをしても、した直近は何となくうまく行くような感じがしても、その内必ず元に戻るでしょう。

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