メディアの「悪い円安論」の正体は「悪いウォン安論」
一時期、日本のメディアがさかんに喧伝していた「悪い円安論」の正体は、じつは「悪いウォン安論」だったのではないかと思うようになりました。円安が日本経済に対し、大したデメリットをもたらさないばかりか、じつはメリットだらけであるのに比べ、ウォン安は韓国経済に対し、大きな打撃を与えているようにも見受けられるからです。こうした違いをもたらしているのは、結局、日韓の経済・金融構造にあるのかもしれません。
目次
円安は日本経済に恩恵もたらす
円高や円安は、日本経済にどういう影響を与えるのか――。
これについては、当ウェブサイトでは以前からかなり突っ込んで議論してきたつもりであり、その成果については、こんな一覧として取りまとめています(図表1)。
図表1 円高・円安の日本経済に対する影響
区分 | 円高 | 円安 |
---|---|---|
輸出 | ×輸出競争力は下がる | 〇輸出競争力は上がる |
輸入 | 〇輸入購買力は上がる | ×輸入購買力は下がる |
国産品需要 | ×輸入品に押され需要減 | 〇輸入代替効果で需要増 |
製造拠点 | ×海外で作った方が有利になる | 〇国内で作った方が有利になる |
海外旅行 | 〇海外旅行に行きやすくなる | ×海外旅行に行き辛くなる |
国内旅行 | ×海外旅行に押され需要減 | 〇海外旅行の代替で需要増 |
訪日観光客 | ×外国人は来づらくなる | 〇外国人が来やすくなる |
外貨建資産 | ×為替評価損が生じる | 〇為替評価益が生じる |
外貨建負債 | 〇為替評価益が生じる | ×為替評価損が生じる |
(【出所】著者作成)
図表1は、円高と円安のメリット、デメリットを思いつくままに列挙したものですが、こうやって眺めていると、項目数だけで見れば円安の方が日本経済に対して多くのメリットをもたらしています。
たとえば、輸出入で見れば、円高には「輸入購買力を押し上げる反面、輸出競争力を押し下げる」、という効果があり、円安には「輸入購買力を押し下げる反面、輸出競争力を押し上げる」という効果があります。
これだけを見ると、総論として、「円安も円高もそれぞれ長所と短所があるため、どちらが望ましいか一概に言えない」、というのはそのとおりでしょう。
輸出も増え、輸入が減り、観光産業が振興され、税収も増える!
もっといえば、日本経済の場合、輸入しているものは基本的に①PC、スマートフォン、家電、衣類、雑貨といった単純な組立製品か、②化石燃料(石油、石炭、LNG)や天然資源(鉄鉱石など)が中心であり、これらのうち前者については輸入代替効果が働くものばかりです。
その一方で、輸出しているものは、①自動車などの輸送用機器、②モノを作るためのモノ(素材、部品、装備)などが中心であり、①についてはこれまでの円高を受けたメーカーによるコスト削減努力により輸出高を維持してきた一方、②については多少の円高であっても諸外国は日本から買わざるを得ないものばかりです。
ということは、円安が進めばなにが発生するかは明白です。
まず、外国からの単純な組立製品の輸入が激減することが考えられますが(これにより最も大きな影響を受けるのは中国でしょう)、これこそが「輸入代替効果」の一例であり、実際、アイリスオーヤマのように、日本国内に製造拠点を戻そうとする動きも生じ始めています。
次に、輸出競争力が急増します。これまでの日本製品は円高のため、中韓両国との価格競争に勝てないことが多かったのですが、こうした構図が徐々に変化してくることが期待されます。
たとえば『これぞ円安の恩恵?全産業の経常利益が過去最大を記録』でも紹介したとおり、「法人企業統計」に基づけば、日本企業は2022年6月末時点において、過去最高水準の四半期経常利益を計上していることが判明しています。
これは、1ドル=136円だった6月末時点の話であり、これが1ドル=150円時代になれば、いったいどこまで企業業績が伸びるのか、非常に期待が高まります。なにより、企業業績が向上すれば、まずは大企業などで人件費が上昇しますし、法人税収も伸びます。
悪い円安論の正体は「悪いウォン安論」
もちろん、輸入代替が困難なもの(日本の場合でいえば、たとえば石油、LNG、石炭などのエネルギーなど)については、円安で輸入価格が押し上げられてしまうため、これが日本経済の圧迫要因となることは事実です(※当ウェブサイトで原発再稼働の必要性を強調している理由も、この点にあります)。
しかし、円安が長引けば、徐々に製造拠点が日本に集まり始めることが期待できるうえ、インバウンド観光需要も押し上げられ、さらには対外純債権国である日本にとっては、外貨建ての金銭債権や有価証券では為替評価益が生じるというメリットもあります。
新聞、テレビを中心とするオールドメディアが一生懸命に喧伝する「悪い円安」論は、結局のところ、かなりのピント外れと言わざるを得ないでしょう。
ただ、一部メディアが一生懸命に主張する「悪い円安論」、委細に検討してみると、興味深いことがわかります。
いわく、「輸入品価格が押し上げられ、庶民の生活が圧迫される」。
いわく、「外貨建ての借金の返済負担が重くなり、企業業績が圧迫される」。
これに「金利上昇」を付け加えると、非常に興味深いことに、「とある国」のことをそのまま述べているのと同じになってしまうのです。それが「円安の直撃弾」を喰らっている隣国です。
悪い円安論の正体は、悪いウォン安論ではないか――、という仮説が出てくるゆえんです。
今年の累積赤字は400億ドルに迫る?=韓国関税庁
その証拠でしょうか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に今朝、こんな記事が掲載されていました。
韓国、「経済の柱」輸出が16.7%急減…今年の累積貿易赤字400億ドルに迫る
―――2022.11.22 06:47付 中央日報日本語版より
中央日報によると、韓国関税庁が21日に発表した11月20日までの輸出入動向で、輸出が前年同期比16.7%減少したことが判明したそうです。この調子でいけば、輸出が2ヵ月連続でマイナス成長に陥る危険性もあるのだそうであり、これに加えて中央日報は次のようにも述べています。
「年間貿易赤字が400億ドルに迫る一方、8ヵ月連続の赤字も目前にしている」。
ではどうしてこんなことになってしまうのでしょうか。
中央日報によると、主要輸出品目のうち乗用車(+28.6%)、石油製品(+29.4%)を例外とし、半導体が前年同期比マイナス29.4%と急減したほか、船舶(▲71.4%)、無線通信機器(▲20.6%)、鉄鋼製品(▲18.8%)など、多くがマイナスに転じてしまっているのだそうです。
また、米国向けが+11%と増えたのを例外とし、それ以外の主要国に対する輸出額はすべて減少しており、最大の貿易相手国である中国への輸出が前年同期比28.3%も減るなど、「回復の兆しを見せていない」としています。
じつは、この韓国の状況は、日本のオールドメディアがしきりに宣伝する「悪い円安論」そのものです。
韓国経済はもともと、日本と比べて経済に対する輸出依存度が倍以上の国であり、輸出にかなり依存しているのですが、問題はそれだけではありません。日本と異なり、生産活動をするのに必要な重要品目の多くを、輸入に頼っているのです。
円安はウォン安メリットをかき消す
そして、ウォン安になれば、輸出競争力が増えたとしても、輸入購買力が急激に落ちます。
日本の場合は産業が生産活動を行ううえでの重要な品目を、さほど輸入に依存していませんが、韓国の場合は日本やドイツなどからの「素材・部品・装備」の輸入にかなり依存しているという事情もあります。したがって、ウォン安になれば輸出が増えて貿易黒字も増える、という単純なものではないのです。
問題は、それだけではありません。
先週の『「円安の影響で韓国の輸出急減」=韓国経済研究院試算』でも取り上げたとおり、韓国国内の試算に基づけば、ドルに対する円安が進むことで、韓国企業にとっての競合相手である日本企業の輸出競争力が急上昇し、結果として韓国の輸出が減少するという効果が生じているようです。
このため、せっかくのウォン安を輸出競争力の上昇に生かすことができていないというのが現在の韓国の実情であり、それどころか、輸入購買力の低下や日本企業との競争激化により、貿易赤字が増えているというのが、同国の姿なのでしょう。
米FRBによる利上げなどの動きを受け、韓国銀行も国内金利を引き上げざるを得なくなっており、これにより韓国企業がさらなる業績後退のリスクに直面しているというのです。
ウォン安+高金利の余波は続く
ここで紹介しておきたいのが、同じく中央日報に掲載された、次の2本の記事です。
韓国、IRA・高金利の余波…来年の自動車内需・輸出・生産すべて萎縮
―――2022.11.22 08:36付 中央日報日本語版より
韓国、来年も「経済寒波」…産業研「貿易赤字が持続、成長率は1.9%」
―――2022.11.22 09:24付 中央日報日本語版より
このうち前者の記事によれば、「韓国自動車研究院」が21日に公表した産業動向報告によれば、米国の「インフレ抑制法(IRA)」と高金利の影響で自動車企業の輸出と生産が減少するとの見通しが出てきたそうです。
また、後者の記事によれば、韓国国策研究機関である「産業研究院(KEIT)」が21日に公表したレポートで、来年も韓国で貿易赤字が続く、といった見方が示された、などとしています。
しかし、やはり本格的なリスクがあるとしたら、韓国で資産バブルの調整が遅れたなかで韓国銀行が利上げをすれば、金融危機のリスクが高まる、という点にあるのではないでしょうか。
とりわけ『韓国債券市場の大混乱:いま韓国で何が起きているのか』を含め、先般より当ウェブサイトにて取り上げている話題が、韓国の債券・金利市場の状況です。
現在、韓国では急ピッチでの利上げが行われており、これにともない国債を筆頭に、信用力が高い債券から低い債券、さらにABCPやハイブリッド証券などの市場利回りも急ピッチで上昇。銀行間の調達金利「COFIX」についても4%台間近となるなどの金利上昇に直面しています。
また、信用リスクが高い社債も利回りの高止まりが続いており、たとえば格付トリプルBマイナス級の3年債で利回りは11%台前後で推移している状況です(図表2)。
図表2 韓国の金利市場(2022年11月21日まで)
(【出所】韓国銀行データをもとに著者作成)
このように考えていくと、韓国の場合はウォン安、金利上昇というダブルショックを抱え、ウォン安が行き過ぎれば通貨危機、金利上昇が行き過ぎれば金融危機、両者のハンドリングに失敗すればダブル危機という意味で、非常にきな臭い状態にあることは間違いなさそうです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
オールドメディアは必死で「円安物価高」の弊害を報道しています。もっとも内容は食事が満足に取れなくなった、のワンイシューのようですが、本当なんでしょうか?言葉は悪いけど生活力が先天的に欠けてる人は、昔から一定数いる気がします。それこそ円高デフレの民主党時代は給食費未納問題がありました。
岸田首相もそんな報道に釣られてか、狂ったようにバラマキを始めましたが、これって竹下首相時代から続く人気取り政策ですが、それで効果があったとは全く思えない。ラッキー、と思うくらい。で、その後は増税、というパターンだったような。
諸悪の根源は経済成長と給料アップが無い事。いろんな要因があるかと思いますが、この円安効果で良い方向に行けば良い。そうなると、折角の良い流れを逆流させようとする組織の存在が心配です。
この組織と、この組織の走狗であるオールドメディアの詭弁空欄を論破するのは新宿会計士さん始め、オピニオンリーダーの方々の力です。これからも力強い記事を楽しみにしています。
宮城県では円安のためにアメリカでの臓器移植費用がが高くなった。
募金を~~
これを連日NHKがやってます。
ちが~うだろ~。ドル高だろう~
「円安」と「ドル高」の違いが判らない人は結構いますよね
ネット上で「円安がー」と言ってる人に「ドルの独歩高じゃないの?」と言ってみると、途端に勢いを失う人が多くて面白いですよ
>ネット上で「円安がー」と言ってる人に「ドルの独歩高じゃないの?」と言ってみると、途端に勢いを失う人が多くて面白いですよ
これは違いを知っててわざとやってるパティーンですね。
始末におえないのが「ドル高でしょ?」というと「?」になって、「屁理屈言うな!結局円が安いことに変わりはないだろ!円安のせいでご飯もまともに食べられない人だっているんだよ!お前はそういう人をバカにしてるのか!」などとファビョり出す人間。
これ、そもそもドル高になる前でも個人で拠出できるレベルの金額ではないし、偏向報道の一環ですよね。NHKの偏向ぶりに関心の無い家族も違和感を感じていた様子。
どうしても治療を、というのであれば、例えば大学病院における研究開発のDUTの位置づけで治験することで研究開発費病院負担で実施できるように思うのですが。
普通の日本人様
何も米国に態々言って臓器移植するよりも
近くに中共という臓器移植大国があります。
米国よりは、お安くなると思います。
尚、手術の成果問題や代金の代りに違う臓器の
提供を求められる事もあるでしょうが。
ドル高で移植費用が高くなることはわかりますが、そもそも臓器を外国に求めるのが間違いだと思います。アメリカ人の臓器を買いに行っているようなものでしょう。中国ではもっと安い臓器が手に入ると聞きますが、注文してから数日でマッチングすることも多いとか。いったいどこから調達しているのか怖いです。政治的に問題発言があって行方不明になった人とかウイグルやチベットで強制収容された人から調達しているかも知れないと考えると恐ろしいです。アメリカで臓器移植をするための募金活動が必要なら、日本国内で臓器移植ができるような制度改正を求めるべきだと思います。
韓国家計債務残高、統計開始以来最小の伸び 第3四半期末(ロイター)
https://jp.reuters.com/article/southkorea-economy-household-credit-idJPKBN2SC08H
韓国ちゃん息してるのでしょうか?ここで全財産をかけて倍プッシュしてこそ、いつもの韓国ちゃんです。どうせ破滅しか待ってないなら鉄骨渡りしましょう。
まあしばらく横ばいから、まっさかさまなのかな。ただ金がないところからどうやって回収するのかは気になる。
ここ40年間の円ドル為替レートの推移を見ると、金融政策のありようがいか日本経済に大きな影響を与えてきたのかを如実に物語っているかのようです。
https://ecodb.net/exec/trans_exchange.php?b=JPY&c1=USD&ym=Y&s=&e
日銀総裁に白川方明氏が就任した直後(2008年)から急速に円高が進み、2011年にはとうとう80円を割り込んでしまいました。1980年代には200円台であった為替レートが3倍以上に高騰したわけですから、日本国内から企業(殊に製造業)が脱出し海外に生産拠点を移転してしまったのも宜なるかとは思います。
しかし内外からしきりに批判された流動性の供給増への抵抗、あるいは過度のインフレ恐怖症からのデフレ容認姿勢、そして金融政策の限界性を強調するその姿勢に、あのP・グルーグマンからは「銃殺に処すべきである」とまで糾弾されてしまいました。
しかし2012年に民主党政権が倒れて安倍第二次政権が誕生し、また2013年に白川氏が日銀が去り黒田東彦氏が第31代日銀総裁に就任したことで、ようやく日本は危機を脱しました。
現在の円安が国内の輸入業関連産業を痛めつけているのだとしたら、政府はそうした業界にこそ手厚い保護政策を与え少しでも痛手を緩和することを最優先にすべきですし、物価高騰に苦しむ庶民には一時金の交付なり、或いは時限的措置であろうとも消費税率の引き下げ等の措置をとってもいいのではないかと考えます。
規制緩和や財政出動には効果が出るのに少々時間がかかるものですが、その間の繋ぎにはこうした一時的な政策もカンフル剤としての効果があるものです。
とにかく現在の円安を奇貨として、国内から逃げ出した日本企業がより多く国内回帰できるような環境整備を行うべきでしょう。そのための原資ならいくらでもあります。新規国債の発行、あるいは一時的なドル売りによる為替差益で数十兆円単位の余剰金が手に入るからです。
まぁ私如きがいくら力んでも、財務省のポチである岸田君(同年齢なので敢えてこう呼ばせてもらいます)の耳に届くわけはないんですがね。
マスコミ等の「日本が悪い」等のセリフを
よく聞きますけれど、大体主語が間違っているので
気にも留めませんでした。
どうして、いつも主語が間違うのでしょうか?
不思議です。
主語を日本に間違える国は、露・中・半島諸国ですよね?
コメント欄を拝見すると,現在は「円安」でなく「ドル高」(つまりドルの独歩高)だという意見があるようですが,失礼ながらそれば日本円の現実をきちんと見ていない単なる幻想あるいは現実を無視した願望ですね.
主要通貨(USD, EUR, GBP, CHF, JPY)の中で米ドルの独歩高だというのは確かにその通りですが,同時に日本円の独歩安であることも事実ですよ.以上の各通貨とJPYとのレートの過去1年のグラフを見れば一目瞭然です.
主要通貨のみならず韓国ウォンと比べても日本円のほうが対ドルでの低下率は大きい.だから輸出産品が日本と競合する韓国にとっては,せっかくの韓国ウォン安で輸出拡大のチャンスの筈なのに,日本円がそれ以上に安くなって韓国の輸出競争力もウォン安以上の円安で寧ろ下げられてしまっているので,韓国としては資源などの輸入価格増と輸出減とのダブルパンチで非常に辛い状況になっている.
つまりドル以外の主要通貨に対しても円は安くなっているということです.言い換えれば,米ドルと日本円とは今回の通貨変動の動きで両極端になっていて,主要通貨の中で米ドルは最も高くなり,日本円は最も安くなったということです.
要するにドルが独歩高であることと円安(円の独歩安)とは論理的に背反する概念でなく,両立し得る(同時に起こり得る)のです.そして現在は実際にドルの独歩高と円の独歩安とが同時に起こっている.これが今の現実です.
そして,円安そのものは製造業が日本に戻ってくるモチベーションを高めるので原則的なことだけを言えば確かに悪くないのですが,問題は今回の円安がエネルギー資源高と同時に起こっていることです.
日本はエネルギー資源の殆ど全てを輸入に頼っているので,エネルギー資源高と円安とが同時に起こると率直に言ってかなり厳しい.
その上,決断の責任を取りたくないから決断を避け続ける(言い換えれば,トップ=権限を行使して決断を下しその責任を負うことを職務とするポストには最も不適切な人物の)岸田さんは原発再稼働に関しても政権としての指導力を全く発揮しないので,原発は止まったままで円安と資源高とのダブルパンチで電気代が鰻登りする一方になってしまっています.
電気代がどんどん高くなる一方の国内状況では,製造業の本格的な日本回帰は夢のまた夢です.(その上,日本国内の人手不足の問題もありますし)
円安でエネルギー資源安ならば日本にとってはホクホクになれるんでしょうが,人手不足の上にエネルギー資源高では,,,.
まあ日本は利上げしてないから諸外国より通貨安なのは事実やね。
じゃあ利上げしたらどうなるかって言うとマイホームとかのローンが利上げされちゃうので結局家計が苦しくなるというジレンマ。家計に限らず利上げは国内の経済を停滞させるしね。
一点だけ反論させて頂くと、電気代が鰻登りの資料が見つかりませんでした。
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/3es_graph04.html
このグラフ比で2022/10月の段階で1割増程度(東京電力WEB資料。正確性に欠けるのは認めますが適切な資料が無かったので)ですので、イギリスやドイツで話題になった少なくとも80%増(ドイツに至っては600%)に相当する資料を提示頂けると助かります。おそらく日本の長期契約が有利に効いているので今後出てくるかもしれませんが、為替だけで語れるほどエネルギー問題は単純でないと思いました。それ以外に関しては概ね同意です。
電気料金が鰻登りというのは確かに大袈裟な表現だったかも知れません.
ですが,岸田政権がというか何事にも「羹に懲りて膾を吹く」臆病でチャレンジ嫌いな日本国民(これはサヨク共に限りません)が「ホント福一怖かったあ」で何時までも「原発怖い」病(これも反日サヨク共だけに限りません)を続けていれば,ウクライナ戦争が片付かない(それはウクライナ側がクリミアや黒海沿岸や東部など領土の一部をロシアに奪われるのを受け容れない=米英独仏などNATO諸国がウクライナに対して援助打ち切りをちらつかせて有無を言わせず受け容れさせない)限り,ウクライナによる完全勝利までの数年間は,「今こそ儲け時」とばかりのOPECによる減産を活用しての石油価格の高値誘導やそれと半ばリンクしている天然ガス価格の更なる高騰とそれによる日本の電力価格の一層の上昇が続くと予測しています.
岸田クンは首相=行政のトップという「国家の危機に決断することと,自分が下した決断に対する責任を負うこと」が仕事なのですから,本来ならば岸田が,原発怖い病の国民の目を覚まさせて原発をどんどん再稼働させるべく首相に与えられた権限と指導力とを最大限に活用するのが筋なのですが,何しろ責任取りたくない病・批判浴びたくない病に足の爪先から頭の天辺まで罹っている岸田クンですから,停止している原発はこのまま放置が続き,その結果としてエネルギー資源で長期契約の更新を迎える分から新たな契約額が跳ね上がり電力料金の上昇を招くのは確実だと考えます.
検討使岸田クンには「少しは首相としての仕事をしろ=決断を下すこととそれに対する責任を負え」と言いたい.日本の安全保障に関わり国論を分けていた懸案に次々に取り組んだ安倍さんやそれを引き継いで不言実行とばかりにワクチン接種などの重大事案をグイグイと強力に推進した菅さんの爪の垢でも煎じて飲めば岸田クンも少しは真人間になれるかも.
今まで十年間動いていない原発を今すぐに動かせってなっていたら、もうやっているよ
原発ってそういう代物ではない
それにその岸田クンも再稼働を進めているし、稼働年数UPの緩和や新原発の開発も進んでいる
悪いニュースばかり受け取って、ネット上の意見に惑わされると実際にやっていることは目に見えてこないよ
世界中どこに喜んで米国の異常な金利アップに付き合って金利をアップしている国がありますか!
金利アップしなきゃキャピタルフライトされてしまうから、ドル不足になっていまうから、いやいや米国の金利アップに引きずられているだけですよ。そうやっても世界中通貨安!
世界で唯一キャピタルフライトしとけりゃしろ、ドル不足なにそれと有りがたくもマイナス金利を続けてくれている超金融大国日本の凄さ!
ロシアVS欧米日の戦争中に関わらずさほど違わぬガソリン価格、なにより嘘のように低金利の住宅ローンを維持しているのひ凄いです。
ドル独歩高かつ円独歩安かつ資源高をなんなく乗り越えられますよ、日本だけは。
ハードカレンシー円を発行して
ドル買/円売すりゃ資源を買うための基軸通貨ドルは無限に手に入るのだから。
1930年代の世界恐慌時にも、アメリカやイギリスは景気対策として通貨の切り下げを行っています。
今回の円安は、日本が意図的に行っている通貨切り下げではなくドル高と言うべきですが、原因はどうであれ景気には間違いなくプラスだと思います。
NHKや日経新聞が悪い円安を喧伝し暗に日銀に利上げを迫るのは、多分隣の国を助けるための工作と思われます。
日本のマスコミってどうしてこのような状態になってしまったのでしょうか?
岸田首相がマスコミの口車に乗せられなければ良いのですが。
円安が悪いところだらけとは言いませんが、企業の経常利益が良いのは一過性なのか、それとも今後も続くのか、どうなんでしょうね?
いわゆるリストラって10人で作った食事を9人や8人で食べるようなものですが、其れと今の状況は同じに見受けられます。
食べるときは一人頭の分量は増えて「ウマ〜」ですが、食べ終えた後の片付けや次の食事では負担が減った人数分増えて大変で、8人で8人分を作ったら結局はひとり分しか当たりません。
円安になる前の経費と円安になった後の売上を組み合わせれば利益は増えますが、次は円安になった後の経費と円安になった後に売上を組み合わせる訳です。
何はともあれ、急激な円安で恒久的にウマ〜ってなる企業がどれだけ居るかですね。
そこは通貨の問題というより終身雇用システムの問題ですね。終身雇用システムは人数の増減が難しいから企業は不景気でも維持できる人数で回すのが合理的になります。
改善したいなら解雇規制を緩和して景気に合わせて雇用人数を増減できるシステムにするしか無いかと。
新宿会計士さん。webを開いたら、新宿会計士アドレスらしきアルファベットが2ページに渡り羅列した画像が出てきました。??と思い廻らし、よからぬウイルスか?と今このコメントしております。
二時的な効果ですが、円安により輸出が増加すると日本政府は消費税を輸出業者(輸出競争力を持つアイテムを製造輸出する主に大企業)に莫大な額戻し税しなければならなくなります。消費税は10%もありますから110億円輸出したら10億円戻し税。千億輸出したら百億円。それは建前としては原料納入業者などの支払った前受けの消費税を日本国内で消費しなかったのだから後から戻すと言うロジック。でも輸出大企業に納入する原料会社や下請工場には戻し税される事はなく、最終的に輸出した業者に一括で支払われるだけ。そうして下請け企業からかき集められた消費税が輸出大企業に国税当局によって寄せ集められる作用も活発になると思います。
今回もなるほどと納得の記事を
ご提供いただきありがとうございます。
それにしても、
韓国の貿易赤字は日本の円安のせいニダ(?)
的な中央日報の主張には、
そんなの知らんがな(笑) と呆れます。
まあ、彼らにとっては
米国の高金利政策の中で
キャピタルフライトでの経済危機避けるため
自国の企業と家計を見捨てて
金利を上げざるを得ない韓国さんなのですが、
金利を上げても脆弱通貨ウォンは
崩壊懸念からウォン安で推移して
日本製品駆逐して輸出ドライブで
せめて貿易黒字はホルホル得られる
はずだった。
・・というのは、
いかにも韓流らしい思考法です。
技術は他国製か、そのパクリで
コストがかかってないという強みはあるものの
付加価値が高くない韓国の産業構造に
問題があることに思い至らないのは不思議です。
韓流で、付加価値が高く大きく儲かる
外貨獲得商品といえば
韓流カルト宗教統一教会の売る壺、
その統一教会傘下企業の一和の朝鮮人参の根っこ、
韓流整形へそ出し踊りK-POP、
ぐらいは、まあ、あるにはあるのですが、
なんだかなあ・・といった感じです。
何をもって日本人、日本の国益という定義の問題はありますし、スポンサー問題等はある程度は避けられませんが、日本のメディアなのですから、日本人の視点・考え方で、日本の国益にかなった報道なり論評・批評であって欲しいですね。