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ツイッターの解雇後にトレンド欄が明らかに変わった件

ツイッターの『いまどうしてる?』欄に明確な変化が生じているようです。ここ数日で、明らかに特定のメディアの記事ヘッドラインや特定の政治的立場に基づくツイートなどが表示されなくなったからです。これについて事情を調べていくと、どうやらツイッター・キュレーションチームが解雇されたことと密接にかかわっている疑いが浮上しました。

キュレーションとはなにか

一般に「キュレーション」(curation)とは、「情報を収集したうえで取捨選択して整理する作業」を意味し、もともとは美術館、博物館、図書館などに勤務する学芸員(キュレーター=curator)の仕事などがその典型例であるとされてきました。

しかし、最近ではこの「キュレーション」という単語は、IT・ネットの世界でも使われるようになりました。多くの場合、「ネット上に点在するさまざまな情報を、特定の視点から収集し、取捨選択して選別・編集する作業」を意味します。

「キュレーションサイト」、「キュレーションサービス」などと聞くと、なにやら難しく感じてしまいがちですが、もっと私たちにわかりやすい事例があります。「まとめサイト」と呼ばれるものがその典型例でしょう。

「まとめサイト」にもさまざまなタイプのものがありますが、日本の場合だとツイッターに特化した『Togetter』なるサイトが存在するほか、過去には『NAVERまとめサイト』などのサイトも存在していました(NAVERは2020年にサービスを終了したようです)。

また、匿名掲示板『2ちゃんねる』や『5ちゃんねる』のさまざまな板(スレッド)での会話をまとめた「2ちゃんねるまとめサイト」と呼ばれるジャンルは、運営している事業者も大変に多く、また、競争も激しいようであり、それなりのページビュー(PV)を稼ぐ人気サイトとそうでないサイトが混在しているようです。

このあたり、キュレーションをAIによって自動化させようとするこころみも始まっているようですが、現時点においてはやはり人の手を介在させたものが非常に多いようです。つまり、一般にネットでいう「キュレーション」とは、現時点では、「人の手を介在させることによって情報を取捨選択する作業」と定義して良いでしょう。

キュレーションも「よしあし」

ただし、このキュレーションも「よしあし」です。

そもそも世の中に「まとめサイト」を含めたキュレーションサイトが激増している理由としては、「運営コストが安く、比較的簡単に収益化が可能である」、などの要因がありそうですが、その反面、私たちユーザーにとっては、「本当に欲しい情報がそこにない」という事態も発生しがちです。

なぜなら、キュレーションサイトの運営者がその分野の専門家であるとは限らないからです。

実際、私たちはインターネットを使い、何か情報を調べているときに、「まとめサイト」だの、「ウィキペディア」だの、「XXX知恵袋」だの、「教えてXXX」だのといったサイトの結果が表示され、「知りたい情報が見つからなかった」という経験をしたことがある人も、非常に多いのではないかと思います。

しかも、得てしてその手のサイト、書かれている内容をそのまま信じて良いのか疑問に感じることも多々ありますし、著者自身も専門分野についてこの手のサイトを眺めると、明らかに誤った記述に出会い、のけぞることがあります。

こうしたなか、検索エンジン側も日々進化を遂げており、とくに低レベルなキュレーションサイトについては検索ランキングの上位から排除するようなアルゴリズムの変更が加えられている、などとする話題を耳にすることもあるのですが、このあたりはまだまだ進歩の余地がありそうです。

ただし、著者自身は「キュレーション」という行為自体を全否定するつもりはありません。

結局のところ、この「キュレーション」については、「誰がどういう立場からそれを行っているか」という視点が最も重要なのであり、「専門性が高い人が整理した有益な情報」に対するニーズは引き続き高いはずだ、というのが著者自身の見立てなのです。

ツイッター・キュレーションチームが解雇に!?

さて、著者自身はこの2~3日、「とある大手サイト」において、この「キュレーション」を、どうも専門性が高くない人や、特定の思想を持った人がやっていたのではないか、という疑いを持ち始めています。

それが、ツイッターです。

Curation on Twitter

Did you know? We curate content. Learn how we highlight the most impactful trends, events, and stories.

―――ツイッターより

ツイッターの「キュレーション・オン・ツイッター」というページを見ると、ツイッター社はアルゴリズムによって決定される「トレンド」に注目し、それを「手動でモニター」し、このトレンドに「コンテクスト」を付け加えている、などと説明されています。

We contextualize Trends

We manually monitor Trends and work to add context to help answer the question, “Why is this trending?” We do this by attaching a representative Tweet to the Trend, adding a title and description, or curating a Moment to give more direct context. We may also add a combination of these.

ところが、ツイッター社を解雇されたと称する人物が11月4日付で、こんな趣旨のツイートを発信しました。

この人物によると、この「ツイッター・キュレーションチーム」は「もう存在しない」というのです。

なぜか頻繁に表示されていた「特定メディア」

いったい何があったのか――。

すでにいくつかのメディアでも報じられているとおり、米国の電気自動車会社「テスラ」などの共同創業者としても知られる起業家のイーロン・マスク氏がツイッター社の経営権を握ったことで、ツイッター社では大規模な人員削減が始まったというのです。

Twitter社員「時代のおしまい」 解雇開始、日本でも

―――2022年11月5日 10:04付 日本経済新聞電子版より

こうしたなか、著者自身がこの変化に気づいた理由は、ツイッターをPCの画面で見ていると右側に出現する『いまどうしてる?』という欄で表示されるヘッドラインから、明らかに特定メディアや特定政治思想系のものが消滅したのです。

残念ながらこれについては現時点で「データ」を示すことはできませんが、著者自身の画面で見る限り、朝日新聞や報道ステーション、ハフィントンポストジャパン、BuzzFeedなどの記事がほとんど表示されていないのです。

これについては古いツイートですが、「ツイッターの『いまどうしてる?』欄にハフポストやBuzzFeedなどが頻繁に出現する」といった趣旨の声が、一般ユーザーから上がっていたことを思い出します。

現時点で憶測めいたことを述べるのは適切ではありませんが、あくまでも「可能性のひとつ」としては、ツイッターの社内で、ハフポストだの、BuzzFeedだのといったサイトを「推していた」人たちが解雇され、トレンド欄の「操作(?)」ができなくなったというものが考えられます。

ある日突然「バレる」トレンド操作

実際、先ほども紹介した日経新聞の記事には、こうあります。

今回の人員削減の対象は米国外で働く社員も含み、日本でも幅広い部署で社員を解雇したとみられる。関係者によると日本の広報部門は全員が対象になった。一部の社員の電子メールは4日朝時点で使えなくなっている。解雇に伴い社内の情報システムへのアクセスを遮断したもようだ」。

(※ここで「社員」とあるのは従業員の誤記だと思われますが、この点についてはとりあえず脇に置きましょう。)

日経新聞がいう「広報部門の全員を含めた幅広い部署で解雇された従業員」がこうしたトレンド操作に加担していたのかどうかはよくわかりませんが、先ほど紹介した「キュレーションチームは全員解雇」というツイートを信頼するならば、今回の解雇とツイッターの変化には何らかの密接な関係があると考えるのが自然でしょう。

そういえば、サイトの管理者が特定の政治思想を持ち、特定の政治的な立場から書き込まれた読者コメントが不自然に高い評価を得ているのではないか、などと個人的に疑っているサイトはほかにもいくつかあります(その典型例は時事通信のコメント欄などです)。

今回のツイッターの件も、マスク氏による従業員の解雇という「異常事態(?)」の影響であるという可能性が濃厚ですが、ただ、こうした「トレンド操作(の疑い)」がある日突然、目に見える形でバレてしまうというのも興味深いことであることは間違いないと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (19)

  • 実は変化に気づかなかったクチです。やっとわかりました。
    「いまどうしてる」欄ですね。確かに変なのが出なくなりましたね。

    朝日、Huff、毎日、NHK、東京新聞、東京新聞労組、前川喜平、等々々々をフォローしてるんで、私のTLはいつも不快です。(笑)

    変な人たちが何を企んでるかはキャッチしやすいですけど。

  • 昨日はかなり快適に利用できてましたね。
    ここ最近はやたら自分の嫌いなアカウントのツイートやトレンドが表示されることがやたら頻繁になってきたと思っていたんですが、やっぱりそういうことだったんだな、と。

    文字数を減らすとか有料化とか懸念事項もあるので一概に改善したと素直には喜べないけど。

  • ところで
    元日経エレクトロニクス記者の星暁雄さんは、かつて「隕石みたいなんは、そりゃないぜ 電機メーカーソフトウェア嫌いの系譜」なるタイトルの発言をしています。10年前です。当方はリアルタイムで目にしましたが、今でも読めるようです。

    • 2007年頃の日経記事を思い出しました。
      Appleへの再起を果たしたスティーブジョブスから三洋電機に、後にipod+itunesとなるビジネス立ち上げへの協力オファーがあったのを、創業家経営者が「コンテンツ?あきまへん」と一蹴したと言う話。まあ、話に乗ったからといって、ずっとついて行けたかはわかりませんけど。

      日本の電機メーカーは20世紀中からコンテンツに手を出しては失敗する(早すぎた+作り手目線)を繰り返していました(私はメーカーではないですが多少携わったこともあって懐かしい思い出)。そのうち半導体でも痛い目を見たためか、守り優位の経営者が増えた気もします。

    • ソフトウェア嫌いは電機産業ばかりではありません。重厚長大型産業界の企業にあってはソフトウェアが分かる人材を新規入社で補えていません。退職を遅らせて職場に残って貰った世代がフィジカルにリタイヤして居なくなって、内蔵プログラムはもちろん設計図のありかも分からないかつての主力製品だけが残されている。
      ソフトウェアのできない企業は「錆びていく職場」を無理やりなんとかしようとして、人月単価が安いとの触れ込みでアプローチしてきた中国企業、ベトナム企業、インド企業、スリランカ企業に投げているのです。若い社員を多数抱えるそれら企業は、高い給料・ハイテク就労機会獲得への最短コースとして社員に日本語を猛勉強させて発注者の外注負担を下げています。ほどなくして日本企業と付き合い方、日本企業の弱みを学んだ社員たちは、つまらない仕事ばかりを安く投げて来る日本企業に見切りをつけて、より高単価でスマートな仕事を投げてくれるクレバーなパートナー企業へと乗り換えて行くのです。

  • 非常に興味深い今回の記事でした。会計士さん、ありがとうございます。

  • なんだか語感的に、また実態不明な文字列に「ファクトチェック」なるものを広めようとしている活動が蠢いている気がします。

    韓国掲示板等で20年くらい前から頻繁に出るようになった「ファクト」なる定義の曖昧な文言を権威付けしたいのではないかと疑っています。
    何気にさらっともっともらしく浸透させて、ある日突然権威として浮上させる文字列な気が。
    「市民団体」「市民活動」「民意」とかがそうでした。

    文末に「スタッフが美味しくいただきました」みたいなノリで「弊社は『ファクトチェックイニシアチブ』に賛同しています」のような文言が付け加えられる事が増えたような気がします。

    定義も定まらないまま独り歩きさせると「日本『学術』会議」「国連機関」「識者」「事情通」「関係者」みたいな妙に権威っぽく悪用されないか心配です。

    早速「日本ファクトチェックセンター」なるものが出てきましたけど、書いてあるもの読むと早稲田あたりの現役大学生の意見だったりします。

    またエネルギー関連とか疾病対策関連とか環境関連等で見かけると、明らかに科学的に間違えている記述が「ファクト」を名乗っていたりします。

    新しい食い扶持にされてしまうのでしょうか。
    嫌だなぁ…

  • ヤフーニュースはどういう契約になっているのか知りませんが、ゲンダイなどを推す低俗なキュレーターが存在しているのでしょうか。

    • twitter、キュレーションやっとるやんけ~w
      元キュレーションチームの人には、いい転職先があります。

      つ 日本ファクトチェックセンター https://factcheckcenter.jp/

      しらんけど。w

    • 何人で運営されてるかはわかりませんが、連絡を受けたキュレーションチームが恣意的に「審査」し、トレンドを発信する権限を持っていたということですね
      コメを見る限り審査結果や採用基準は不透明でメディア側は結果しかわからない

      更に言うと、独自に連絡できるルートが全てのメディア・発信者に公開されていたわけではないと思うので、キュレーションチームに連絡できる発信者は限定され、更にキュレーションチームの「審査」に合格したニュースだけが「トレンド」としてTwitterユーザーに拡散されると・・
      なかなかに利権にまみれそうな閉鎖的なムラ構造な気がします

  • 解雇の記事で従業員数が7500人とありますが
    wikipediaを見ると「4,600人 (2019年9月)」

    ……3年で2900人(63%)増なのに事業自体は大きく変化していないので
    冗員が多かった(そして冗員が何してたのかという疑問がでる)のでしょうね。

  • 共産党が自画自賛していたツイッターデモ。

    共産党系アカウントが深夜に数百アカで同時にタグ付け投稿。
    翌朝にはトレンド入り(♯ひろゆき離れ、など)

    私はこれを正攻法でやっていると思っていた。
    だがツイッターのキュレーションチームが意図的に拾っていた可能性が高い。

    あとヤフーニュースでも同様のキュレーションが行われていると思われる。
    左巻きやフェミ系に有利な記事の生成が多すぎる。

    イーロンがヤフー、全新聞社、全テレビ局を買収して同じことをやってほしいものだ。
    だが強い規制のためそれが不可能なのがアタマの痛いところ。

    結局は国民の知力の向上がすべてとなる。

  • マスコミ含め、ハッカーとクラッカー、ホワイトハットハッカーとブラックハットハッカー、みんなまとめて「ハッカー」って呼ばれるのに慣れてしまったIT界隈の隅に居る人です。

    会計士さんの立場からすると、株式会社の社員=株主、従業員=働いている人。みたいな感じで用語の定義が気になる系の奴ですかね?

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