韓国で発生した悲惨な圧死事件を巡って、韓国メディアに『先進国型/後進国型』という表現が出ていました。大変に違和感を覚える表現です。悲惨な事故に「先進国」も「後進国」もありません。重要なことは、どうやって再発を防止するかであり、その意味では原因の調査が待たれるところでもあります。
韓国・ソウルの繁華街・梨泰院(りたいいん)で発生した悲惨な大量圧死事故に関しては、すでにさまざまなメディアでも話題になっているほか、当ウェブサイトでも昨日の『なぜ?韓国ソウル「梨泰院」で深夜に大量圧死事故発生』でも取り上げたとおりです。
またしても韓国で凄惨な事故が発生したようです。ソウルの繁華街「梨泰院(りたいいん)」で、100名を超す方が圧死したというのです。にわかには信じがたいものであり、また、犠牲となられた方々のご冥福をお祈りするほかありません。そして、わが国にとってもハロウィンの群衆の安全確保に問題がないかを改めて見直す契機としなければならないことは間違いないのですが、それ以上に抱く疑問は、なぜ韓国で10年周期で悲惨な事件・事故が発生するのか、という点でもあります。ハロウィンと渋谷の群衆明日はいわゆる「ハロウィン」の日と... なぜ?韓国ソウル「梨泰院」で深夜に大量圧死事故発生 - 新宿会計士の政治経済評論 |
これについては調べていくと、本当にさまざまな点において、やるせない気持ちになります。
メディアの報道等によれば、現時点までに亡くなった方が154人に増え、そのうち外国人は26人で、しかも日本人の方も2人含まれていたそうです。
韓国メディア『中央日報』(日本語版)に本日付で掲載された『日本人2人を含む外国人死亡26人…梨泰院事故に法王「犠牲者のために祈る」』という記事によれば、外国人26人は米国、中国、イラン、ロシアなど14ヵ国の出身者で、うち中国とロシアが4人ずつだそうです。
このあたり、この事故を韓国独特のものと決めつけるのは早計です。
実際、わが国でも2001年7月に兵庫県明石市の花火大会に際し、歩道橋上で11名の方が命を落とす大量圧死事故が発生していますし、また、昨日は匿名のコメント主様からご指摘いただいたとおり、1956年には新潟県の彌彦神社で紅白「福餅」の餅撒きに殺到した群衆124人が亡くなる事故が発生しています。
結局、「多くの人が集まる場所」で適切な安全配慮を行わなければ、どこの国であっても類似の事故が発生する可能性がある、ということであり、ここで重要なことは、(犠牲者にご冥福をお祈りすることもさることながら)今回を教訓に似たような事故の再発を防ぐための取り組みでしょう。
実際、日本でも、たとえば東京・渋谷では、警視庁としては渋谷駅周辺に「DJポリス」を含めた多数の警察官を投入することとしているようであり、とくに次の産経ニュースの記事によれば、「状況次第では交通規制も実施する」予定だとしています。
ハロウィン、緊迫の当日 渋谷、月曜も混雑続くか
―――2022/10/31 07:02付 産経ニュースより
また、韓国の事故が発生する直前にも、たとえば「路上飲酒制限」などの取り組みも報じられています。
渋谷のハロウィーン 駅周辺での“路上飲酒を制限”始まる 独自の対策をする店舗も…
―――2022/10/29 2:07付 日テレNEWS24より
しかし、くどいようですが、本件については「日本がこういう対策を実施しているのだから大丈夫」、などとタカを括るべき話ではありません。
もちろん、コロナ禍の影響もあり、お祭り騒ぎができなかった人々が、3年ぶりに街に繰り出す楽しみを全否定すべきではありませんが、それと同時に十分な警戒、そして参加する人たちの自制が求められていることはいうまでもないでしょう。
ただ、こうしたなかで、今回の事故を「先進国」「後進国」フレームに当てはめる議論を発見してしまいました。
【韓国梨泰院圧死事故】「後進国型事故ではない」…15年前に圧死体験した専門家が見た問題点
―――2022.10.31 08:34付 中央日報日本語版より
中央日報によると、韓国の龍仁セブランス病院救急医学科の教授がこの事故に関し、次のように述べたというのです。
「圧死事故は決して後進国型事故ではありません。人が多く集まり、その上坂道ならばいつどこでも発生する危険があります」。
ここで唐突に「先進国」「後進国」という表現が出てくることに対して、違和感を覚える人も多いのではないでしょうか。
この教授は2007年、大韓救急医学会誌に、『尚州市民運動場圧死事故の臨床的考察』という論考を寄稿したことがあるそうです。この「尚州市民運動場圧死事故」とは、2005年10月3日、歌謡番組収録直前に1箇所の出入り口に人が集まり、死者11人・負傷者148人が発生した事故のことだそうです。
中央日報のインタビュアーとこの教授のやり取りは、こうです。
Q:圧死は後進国型事故と呼ばれるが。
A:「インドネシアのサッカー場だけで圧死事故が発生しただろうか。そうではない。英国のサッカー場、米国の公演会場、イスラエルの宗教行事会場などでも発生した。今回のように傾斜した狭い空間に人が集まれば先進国と後進国に関係なく発生する。事故は一瞬だ。今回の事故は圧死事故の典型だ。ソウルのような大都市だけでなく小さな都市でも起きる可能性がある」。
この教授の言うとおりでしょう。
事故は事故であり、そこに先進国も後進国もないからです。
いずれにせよ、本件については状況の調査等が待たれるところでしょう。
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群集事故の発生自体に先進国も後進国もないというのは基本的に同意です。
但し、原因究明や再発防止・その対策には、国・自治体・事業者の感度(所謂民度)が現れるのでないかと考えています。
表現が正しいかはわかりませんが、所謂「先進国」と呼ばれる国では群衆事故に対し、科学的・論理的に原因追求を行い、同様の事故が再発しないように事前に対応方針を建て、危険な場所・危険な行事に対するケアを行うのに対し、
所謂「後進国」と呼ばれる国では、充分な究明・対策を行わず、怒りや恨みを他者に転嫁してその場をごまかしてしまい再発する。
Ex)政権が悪い・群衆が悪い・日本や旭日旗が悪い(今回は違いますがw)etc
そういう意味では群集事故の単発には先進国も後進国もないとは思いますが、対策を取らず繰り返されるor忘却により再発することに対しては、予防対策の徹底性や継続性に於いての優劣はあるのではないかと思っています。個人的な意見ですが
毎度、ばかばかしいお話しを。
韓国:「先進国型事故か後進国型事故かは、韓国が相手の国を、どう分類するかで決まる。だから、韓国で起きた事故は先進国型事故であり、もし日本で事故が起きれば、それは先進国から脱落した国型事故である」
この話は、2022年10月31日時点では、笑い話である。
twitterなどで、韓国人がすでに指摘しています。
大統領府を移した結果として、地元警察は大統領府の警護に人員がとられてしまいました。
それで地元警察が、梨泰院に回した人員は、必要人員数の5分の2(40%)でした。
韓国は、こういう場合には、予見されるのだから政府が対応しなければならないという国民性なので、政府批判となっているようです。
日本だと、自己責任論が強いと思われるので、混雑するところに出かけた馬鹿が悪いとなりそうですけどね(政府批判にはならないという意味です)。
警察の手が足りないというのなら、
昼間に保革両陣営のそれぞれのデモがあったからでしょうね。
そのため、場所を求めて、梨泰院に人が集まったという話も・・・。
先進国後進国に起因は的はずれででしょう。
韓国はパクリで成長したGDP以外は後進国ですが
後進国だから起こったわけではないのは
中央日報の記事のとおりです。
再発防止のためには
先進国後進国関係なく
韓流ゆえに起因するものを
探すべきでしょう。
事故でも先進国とか後進国とか気になる。
そこが韓国型後進国(K後進国)。
時を同じくしてインドで吊り橋崩落事故が起きて多くの方が負傷しています。投稿動画を報道機関が転載しています。韓国はインドと比較されることを恐れているのではないでしょうか。
インドのつり橋事故と言えは、開通記念の渡り初め?で何人かの若者が、橋の吊り下げロープ結合部をキックしている映像が有りました。
これが原因とは思いたくありませんが、こういう輩がいる事を考慮して橋は作られていたかどうか知りたい。
また、これを発展させて、識者の方に伺いたいのですが、
羽田の進入路を新宿上空に持って行きましたが、
日本の高層ビルは根元に燃料満載の旅客機が激突しても崩落しない様になっているんですよね。
WTCは火災による熱で構造(ジュラルミン?)が劣化して崩落したと聞きました。
確かめてはいませんが、常識的に言って、高層ビルの主要構造材にアルミ合金であるジュラルミンを使うことはないと思います。ジュラルミンは、重量対比で高強度なのは確かですが、それでも絶対強度では鋼鉄材よりも低いです。耐熱性でも劣ります。
WTCは400mを超える超高層ビルだったので、多分、鉄鋼でも普通の鉄鋼よりも高強度の高張力鋼を使っていたはずです。ただそれでも、全体が鉄骨構造だったこともあり、衝突機の燃料の燃焼熱で構造材の強度が低下し最終的に崩壊しましたね。
日本でも、何十階というようなビルは、地震対策もあり、やはり、鉄骨構造のはずなので、WTCと同じようになる可能性は大きいと思われます。新宿方面には、なるべく出かけないようにするのが無難かも、ですね。
ひやかし 様
レスありがとうございます。
調べてみました。外壁のアルミ合金と混同していました。
https://www.psats.or.jp/column/tokusyu11column.html
の WTCビル寸想・・・・・太田統士 によると
富士製鉄性の鋼材の様です。
同じコラムの中に、お説の様に航空機衝突事故は完全には考慮されていないと、理由と共に書かれていますね。
崩壊の教訓をどう生かすか・・・・・神田 順
「設計上想定されていた外力、されて無かった外力」・・・・・菅野 忠
日本のエンジニアの良心に触れた気がします。
併せて、下記も参考になりました。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fukuwanobuo/20210908-00257023 崩壊の一般論
https://www.kz.tsukuba.ac.jp/~isobe/186.pdf
柱結合部の強度不足指摘
先進国でも、この手の事故は起きますが・・・。
差が出るのは、その後の対応なのよね。
後進国コンプレックスどんだけ
狭いとこに沢山の人が集まると、ふとしたきっかけで今回のような事故が起こるんだろうと思うのです♪
だから、新宿会計士様の
>この事故を韓国独特のものと決めつけるのは早計です。
というのには納得なのです♪
加えて、過去の事故があるにせよ日本ではそれなりにコントロールができてるからと言って、この種の事件がもう起こらないと考えるのも間違いな気がするのです♪
群衆のコントロールって、言うほど簡単じゃなくて、ちょっとしたきっかけでコントロールできなくなるものだと思うのです♪
だから、これまで事故に合わなかった幸運に感謝しつつ、いつかどこかで起こる事故の現場に居合わせないように気をつけようと思うのです♪
そのためにあたしにできるのは、混み合いそうなとこには行かないっていう簡単なことだけなんですけどね♪
報道によると, 事故があった坂道は4m x 50m
群衆の密度は10~15名/㎡
とすると, 死亡率は5%ととんでもない値になるんですね
ざっくり計算すると、114cm角(1.30m2)に1人...。本当なのだろうか?
圧死者のほとんどは わずか20平方メートルの範囲に集中しているらしいです。14畳間に150人。悲惨としか言えません。