ウクライナが東部の物流拠点リマンを制圧:ロシア撤退
「勝利宣言」の直後の奪還でプーチンは面目丸つぶれ
ロシアがまた「敗北」したようです。ウクライナ政府は日曜日、同国東部の物流拠点であるリマンを回復したと発表しました。リマン自体が鉄道の要衝であるという点などを考慮すれば、今回の戦果はウクライナがロシアに占領されている地域を回復するうえでの重要な契機となり得ます。
先月のクピャンスク、イジウムに続き、ウクライナ側が重要な拠点を、さらに回復したようです。
ロイターなど複数のメディアが報じているとおり、ウクライナ政府は2日までに、ロシアが占領していた同国東部の物流拠点であるリマンを「完全に制圧した」と宣言したのだそうです。
Ukraine reclaims full control from Russia of logistics hub, asserts further gains
―――2022/10/03 7:48 GMT+9付 ロイターより
これは、タイミングとしては非常に興味深いものです。というのも、ロシアは先週金曜日、リマンを含めた4つの地域の「併合」を宣言したばかりだからです。
ロイターによれば、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は土曜日、リマン市内にウクライナの旗が掲げられたことは、「ウクライナがロシア軍を追い払う能力があることを示した」ものであり、また、「西側諸国がウクライナに最新兵器を支援したことの効果」だとする見解を述べたのだそうです。
また、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は日曜日、同国軍の成果はリマンを奪回したことに限られるものではなく、今後はリマンを拠点に、さらに攻勢を強めることを示唆したのだとか。
ちなみにロイターによると、ロシア側も土曜日に「包囲の脅威の発生に関連して」軍をリマンから撤退させると発表しているのだそうであり、今回のウクライナ政府側の「リマンを奪回した」とする発表に関しては事実と考えて間違いないでしょう。
さて、リマンの位置は、ウクライナがすでに9月中に奪還したイジウムから直線距離で50㎞弱の地点にありますが、鉄道などの交通の要衝でもあるとされるため、英米メディアなどを眺めていると、「この街がウクライナの支配下にあれば、ウクライナは占領された地域の回復が容易になる」、といった報道もあります。
このあたり、ロシアのウラジミル・プーチン大統領としては、「大変に困ったことになった」という言い方もできるかもしれません。というのも、リマンからの撤退は、9月30日にみずから高らかにウクライナの4州を併合したと宣言した直後のことだからです。まさに面目丸つぶれ、といったところです。
以前から当ウェブサイトでもときどき触れてきたとおり、ロシア国内のメディアは、今回の戦争を「ドンバス地域などの非ナチ化と解放のための特殊軍事作戦」であり、「作戦は計画通り順調に進行中である」、などと強調し続けてきたからです。
そのロシアは先月、「部分的な動員」(と称した事実上の国家総動員)の発動を余儀なくされていますが(『事実上の「総動員」?ロシアが「部分的な動員」を発表』等参照)、メディアを使ってロシア国民を騙し続けようとしていても、戦況の悪化はさすがに独裁者であっても誤魔化し様がなくなりつつあります。
いずれにせよ、今回のウクライナ戦争は、すでにロシアが「戦略的に敗北した」ことは明らかでしょう。
というのも、考察するに、ロシアが今回の戦争を始めた大きな理由が、「NATOの東進を防ぐこと」、「ウクライナを最低でも中立国に、あわよくば親露国に作り替えること」にあったからですが、結果的にスウェーデンとフィンランドがNATOに加盟し、ウクライナが親露国になる可能性はおそらく永遠に失われたからです。
それどころか、厳しい金融制裁の影響で外貨準備も凍結され、国際的な債券市場からも事実上締め出され、輸出規制の適用も受け、マクドもスタバもクレジットカード会社もロシアから撤収してしまいましたし、西側から輸入した航空機などの機器は「共食い整備」を余儀なくされています。
さらには、ロシア軍が「意外と弱かった」ことが世界に示されてしまったためか、ロシアの軍需産業は今後、苦戦が予想されますし、ロシアのさまざまな武器が西側諸国に鹵獲されたことを受け、ロシアの戦い方、軍事機密などは相当程度、西側諸国に流出したものと考えられます。
というよりも、戦争の早期終結に失敗した時点で、ロシアが戦争の泥沼に嵌ることは避けられなかったのかもしれません。いずれにせよ、局所戦に勝利することと、国家全体の目標を正しく考えることは、まったく別の論点であることは間違いないでしょう。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
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リマン陥落後、プーチンが併合地域からリマンを除外する大統領令に署名した、なんて情報が流れていましたが、ソースが見つからず、どうもガセっぽいです。
“併合”時から”ロシア領内”でウクライナ軍が軍事行動をやってます。今度は併合時のロシア支配地域が犯されたわけですが、今のところロシアの対応はなんら変わりなく。建前がまた一つ崩れたと思います。哀れなほどにグダグダです。
今後もクリミア、開戦前のドンバス支配地域、本来のロシア領内、の線が注目されると思いますが、越えるたびにグダグダ感が増していくのでしょうか。
今まで通り少しずつ、ダマシダマシいくのでしょうが、やはり先日のハルキウ大進撃で加速したように感じます。
国内メディアで報じられるくらいなのでご存じの方も多いと思いますが、ゼレンスキーはNATO加盟申請を公言しました。
これも歯車が回った象徴と思います。
https://www.sankei.com/article/20221001-TNKEJBQFSZIKRPLSDU3P5IDEJI/?987183
プーチンとは交渉しないって。
併合は手続き上まだ終わってませんね。
正確でなかったので一応。
不謹慎で申し訳ないですが、ロシア=ガミラス帝国、プーチン=デスラー総統 を連想してしまいます。
ロシア=恐竜帝国、プーチン=帝王ゴール
今回は早乙女研究所とゲットマシンは出番無し
架空の国家と人物とは言え幾らなんでもガミラスとデスラー総統に失礼です。
ヤマトの敵対勢力に喩えるなら ロシア=ボラー連邦、プーチン=ベムラーゼ首相 が適切でしょう。
露骨すぎるけど(苦笑)。
素朴な感想ですけど、(プーチン大統領の理屈によれば)ロシア領のリマンをウクライナ軍が占領した以上、(ロシア国内向けの宣伝のためにも)ロシア軍はリマンを奪還するために大攻勢をかけなければ、不味いのではないでしょうか。ただし、そのために戦術核兵器を使用するのか、ロシア領ドンバス州などの住民を総動員するのかは分かりません。(バイデン大統領の反発よりも、ロシア国内が優先です)
併合手続きが完了した瞬間にロシア領にウクライナ軍がいる状態になるんでしょうが、まだ核兵器を使ってすべてを失う選択をするには早いような気がします。
通常兵器での反攻ができるならすでにやってるはずなので、すぐには何もできないと思います。
ロシア領内に外国軍がいても、力の信奉者のはずのロシアは現状を変えられない、なんて状態が生まれると思います。
気の毒な動員兵のすり潰し現象は起こる気がします。
地獄だと思います。
“やってる感”の演出なのか核ブラフの一環なのか、北欧寄りの核兵器配備基地に核兵器運用可能とされる航空機を集めているとの風聞も有りです
どのみち制空権取れていないところに爆撃機なぞ墜とされに行く様なもんで、ガチは無さそうに思われますが貧すれば鈍す窮鼠噛猫ヤブレカブレこーなりゃ自棄だ! とプーチン=ロシアが跳ねないともかぎりませんので…恐露西亜
ヘルソン州のドニエプル側より北側も,ウクライナが間もなく奪還しそうですね。ただ,その先は川が奪還の妨害にもなるので,難航する気はします。むしろ,強制徴兵に伴うロシア国内の世論の変化に期待するしかないでしょうか。
最近やけにウクライナの地図に詳しくなりました。で、本文リンクのGoxx-Mapを眺めていたら、意識せずにカーソルがその位置に止まったらしく、「リマン ときどき曇り 15°C」とポップアップされました。これから長く暗い冬が来て、 兵士にも戦闘地域の住民にとってもますますつらい時期になります。プーチン氏がぽっくり逝かない限り、多分クリスマスまでには終わらないでしょう。
4州併合を強行することで、プーチン氏はついに転回可能点を越えてしまいました。もはや、適当なところで手を打つことが不可能になり、4州実効支配を完遂するか、プーチン氏が倒れるかのいずれか以外の紛争終結シナリオを描くことは非常に困難です。ということは、当面紛争が一段落する見込みはなく、双方の消耗とウクライナ国土の破壊は進み続けることを意味しています。
4州併合強行に踏み切ったと言っても、ウクライナの反攻開始以前の時点ですら、4州を完全には支配できていませんでしたので、かなりの無理をしています。そこにプーチン氏のある種の焦りを見て取れるのは、多分私だけではないでしょう。かなり追い詰められているという一部の観測は、あながち不当とは言えません。
このままロシアにとっての戦況悪化が進んだ場合、今後の懸念点としては、まずプーチン氏が戦術核の使用に踏み切るかどうかという点がありますが、日本から見てより大きな問題は、プーチン氏が倒れた後に、ロシアが大混乱に陥り、最悪無政府状態になる可能性をどの程度と見積もるかということでしょうか。戦略核や戦術核を山ほど持った無政府状態の国だなんて、まさに悪夢そのものですから。
領土は奪う、原発は自分のものにする。
これは侵略戦争以外のなにものでもありませんね。特別軍事作戦とは、どの口がそれを言う。
「戦争」だなどと言ったら、明白に国連憲章に違反しちゃうからですよ。さすがに今回の事態を「自衛戦争」と強弁するのは、プーチン氏をもってしても無理でしょう。ただし、ゼレンスキー氏がNATO加盟推進を公言したことで、「自衛」と強弁する余地が、わずかなりとも生まれましたが。
このように、国際法に違反してないことを強弁できなくもないというポイントでいろいろとやらかすのはロシアの常套手段です。力で押し通せばOKという発想が根底にあるのだと思います。
想定外の長期苦戦に体制立て直しの必要が生じ、時間をかせぎたかった。一番簡単なのは、核の恫喝で相手の勢いを鈍らせること。それが効果を大きく発生させるのは、4州併合で、自国領への攻撃とおきかえることだった(部分動員の正当性も担保)。あとは、核で恫喝しながら時間をかせぎだらだら停戦に持ち込めばいいという判断だった。しかし、NATOへの正式加盟申請をだされてしまい、停戦も核の恫喝もしずらい環境になってしまった。状況は前より悪化しただけだった。加盟の話が持ち上がってるので、ウクライナ加盟をカードにNATOはロシアと交渉する余地が生まれている。エネルギーで困るEUとアメリカが牽制しあいながら、だらだらとロシアと交渉することになる。結局、ロシアは領土割譲を憲法で禁止しているので、4州とクリミアを再奪取されておわるのではないか?まぁ、そこまでプーチン政権がもてばの話ではあるが。アメリカは、対中のためロシアをとことん疲弊させるつもりだと思う。
ウクライナ軍の反攻は、欧米からの兵器の教育訓練が完了し機能し出したことだと思います。ウクライナは欧米からの兵器、弾薬の補給があり、戦略的な優位性を確保されており、戦術的にロシア軍に圧力をかけていくと思われます。
これに対して、ロシアは欧州に対してエネルギー供給の停止で対抗してますが、これは諸刃の刃でロシアも疲弊します。プーチンとしては戦略的劣勢の挽回のために戦術核を使う可能性が上がったと思います。戦術的な勝利では戦略的な優位性は覆るとこはないですが、ここまで追い込まれたら常識的な判断をすることはなく、全てのカードを切ってくると思われ。エネルギー供給停止の効果もあり、寒くなる冬が山場かと。そこまで、欧州が耐えられるか。核が使われた時に欧米、世界はどのように動くのか。予断を許さない冬になるのでしょうか。
併合条約が今日にも批准されるようですが、ロシア政府は、ウクライナ支配地域との境界線については口を濁しているようです。
ペスコフ、ロシアはZaporizhzyaとKherson地域の境界について「住民との協議」を継続すると述べた。(deepL)
https://www.kommersant.ru/doc/5593782
ドミトリー・ペスコフは、コメルサントFMの質問に対し、「ケルソンとザポリージヤは、国境に関してこれらの地域の住民と協議を続けていく」と述べました。
また、クレムリンがウクライナの支配するザポリジャ地方とケルソン地方の一部をロシア領とみなしているかどうかについてもコメントを避けた。
ロシア連邦議会のHPから併合条約案をDLしたという強者もいるようですが、現時点でよくわかっていないようです。連邦議会のHPを漁ったんですが、私は見つけられませんでした。
ISWの10/2レポートでは、クレムリンと世論の乖離について分析しています。
RUSSIAN OFFENSIVE CAMPAIGN ASSESSMENT, OCTOBER 2
https://www.understandingwar.org/backgrounder/russian-offensive-campaign-assessment-october-2
ハルキウの大進撃後、ロシア政府の大本営発表への疑義が広がり始め、動員令とそれに続くリマンの陥落で世論の乖離が広がっていることを、テレビ出演者や軍事ブロガーなどの動向から分析しています。
プーチンが、弱体化したKGBなどの治安組織を、ソ連時代のように国民を完全鎮圧できるほどまで回復させていないことに言及し、国民との乖離を抑えきれない可能性を示唆しています。
特に、プーチンが尊重し利用してきた愛国的軍事ブロガーが、最終的にはプーチンの首を絞めていくのではないかと懸念しています。
事態の流動性が高まっているように感じます。
2月以降の占領地域と、開戦時点のドンバス支配地域については、ウクライナとの境界線はこの苦しい言い訳の曖昧戦略で逃げ続けるのかもしれませんね。
そのうち、
「住民との協議の結果、併合する領域は無くなった」
なんてことになるかも。
次のエスカレーション分岐点はクリミア、その次が本来のロシア領、でしょうか。そのたびに胃を痛めながら言い訳を考えるのか・・・
正露丸を送ってあげたいです。
Eurasianet 記事によると、ロシア政府はモスクワで働く外国人労働者たちに目を付けて、兵隊増強を始めたようです。
Central Asians targeted in Russia’s desperate mobilization drive / 2022-1-3
https://eurasianet.org/central-asians-targeted-in-russias-desperate-mobilization-drive
『ロシア、中央アジア人をターゲットに死に物狂いの動員勧誘』
募集の多くはモスクワの Sakharovo migration center (ググるでヒットします)に集中している。外国籍労働者はここへ労働許可証の取得や更新のために長蛇の列に並ぶことになっている。列で待機中の労働者には、志願従軍オファーが記載されたリーフレットが手渡される。そこには、ロシア軍に登録してウクライナで戦えば、ロシア市民権の獲得手続きがより簡単になり、ほぼ 3,300 ドルの月給を獲得できると書いてある。
命の危険がなければ、その申し出は魅力的だったことだろう。
(中略)
だが人権活動家はこれはペテン(con) だと言う。
記事はもっと長いのですが興味を持たれたかたは原文をご一読ください。Sakharovo migration center を画像検索して関連を俯瞰するとより効率よく情報収集できるかも知れません。
過去に見かけたいくつかのOSINT分析を踏まえると、プーチンからノルマを課せられた官僚や地方政府(?)の質の悪さから、犯罪的徴発が起こってしまっているような気もします。
通貨危機でソ連時代までの伝統的な動員体制を失って以降、本格的な動員は初めてだそうで、システムが全然整っていないそうです。
ロシアという国の、「地」が出てるんだろうなという感想です。
こんな分析もあります。
https://twitter.com/DefenceHQ/status/1576808024840327168
こんな風に書かれるとは。
> the dysfunction of the mobilisation over its first week
全世界がそうと理解してしまった。果たしてロシアに勝ち目はあるのか。
シベリアのどこかから投稿された動画では、招集兵士をピックアップするための迎えの車が来なくて、あたりに人家は見当たらない。あるいは後ろに映っているバスが移動中に故障したのかも知れない。
今夜俺たちはここで野宿だ、テントも食料も何にもない。どうしてくれる。と投稿者は怒ってました。早くも地面に雪が薄っすら積もっている。彼らは本当にあそこで一夜を明かしたのでしょうか。ウトカをよこせ、今すぐだ。これで飲まずにおれるか。とは動画に映ってませんしたが心情推して知るべしかと。
欧州で起きている戦争ですので、なるたけ一次情報源に近寄るために Youtube 投稿される複数欧州メディアのニュースクリップや、あるいは個人的に注目している専門家さんの投稿を視つづけています。
それら発言の中でこのごろ耳にするようになった単語は「double down」です。ギャンブル用語で「倍賭け」のことです。ロシアは double down 戦術を繰り出している、と言ってます。
負けを喰らって動揺してしまい、損失を埋め合わせるために勝ちが来るまで掛け金を倍々に増やして勝負を下りない。そう指摘しているのです。double down が累積支出を増やすばかりで、仮に勝ちが取れたとしても、トータルで見ると利益はホンのちょっぴりにしかならず積み上げた掛け金(と時間)に見合わない成果に終わることは理論が証明しています。
国内からスマートな高度人材を国外流出させ、国内を大混乱に陥らせて、ここで核を使ったところで、ロシアの「勝ち(そうなるなら」はほんのわずかに終わる可能性はギャンブル並みということでしょうか。
韓国はウクライナに武器支援をすることなく どこかの国に武器を売りつけ その国からウクライナに支援させようと画策のようです。
誇らしい死の商人です。
「韓国が関わったほうが負ける。」
歴史は覆せるのでしょうか。
k-武器の威力は如何に。
ロシアの論理では、北方四島で国民投票を行い、大多数の島民の賛成により独立宣言をすれば
共和国となり、そして日本への併合を申し出て日本が了承すれば、北方四島は合法的に
日本の領土となるのですね。