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    Categories: 金融

韓国紙、「ウォン市場の問題点」に言及も解決提案なし

米国がスワップ締結に応じることは考え辛いのだが…

隣国の通貨・ウォンは場外で1ドル=1420ウォン台と、じつに13年半ぶりの安値水準にまで下落しています。こうしたなか、韓国メディアには週末、韓国の為替市場が抱える「4つの課題」について言及された記事が掲載されていました。正直、韓国の家計債務問題などに言及がない時点で不十分と言わざるを得ないものですが、ただ、その記事を通して見えるのは、さすがに現在の状況が非常にまずいという点を、韓国メディア自身も認識しているという事実です(もっとも、「処方箋のなさ」はいつものことですが)。

13年半ぶりのウォン安

あらかじめお断りしておきますが、本稿は『香港とスイスの明暗を分けるもの』と「セット」の議論です。

先週木曜日、日本が3連休に入る直前、財務省が唐突に為替介入を実施しました。これについては巨額の含み益を実現させたという経済効果があったのですが、この点を脇に置けば、そもそも論として「為替介入自体、有効なものなのか」という疑問があります。そこで、本稿では改めて「香港とスイスの違い」などを含め、為替介入や金融政策などについて、広く考えてみたいと思います。為替介入年初来の下落率では日本円は24%に!先日の『BIS統計で確認する世界通貨安:本質は「ドル不足」』では、国際決済銀行(BIS)の統計データを...
香港とスイスの明暗を分けるもの - 新宿会計士の政治経済評論

というよりも、上記はもともと、本稿を執筆しているうちに、為替介入や円高、円安などの議論が入り組んできたので、本稿からこれらの議論を分離したものです。ということで、本稿では、上記の続きからいきなり話を始めたいと思います。

私たちの隣国である韓国では、通貨・ウォンが13年半ぶりの安値水準に沈んでいます。

客観的なデータで確認しておくと、1ドル=1400ウォンの大台を突破したのは、「日中最安値ベース」では2009年3月31日の1ドル=1422ウォン、「終値ベース」では2009年3月20日の1ドル=1412.5ウォンが最後でした。

ところが、先週は9月22日(木)に日中最安値水準である1ドル=1413.4ウォンを記録し、終値ベースでも1ドル=1409.7ウォンでした。翌・23日(金)は、日中最安値ベースで1ドル=1411.2ウォン、終値ベースで1ドル=1409.3ウォンで、少し買い戻されたにせよ、依然として1400ウォンを超過しています。

しかも、WSJのマーケット欄で確認すると、23日(金)は韓国の外為市場の取引時間(15:30)が終了して以降の方がむしろ下落のペースを速めており、米国時間金曜日の終値は1ドル=1422.99ウォンと、2009年3月16日(1ドル=1440ウォン)以来の安値水準でもあります。

NDFレートは値動きが激しい?

このあたり、韓国ウォンの外為市場は基本的に韓国国内にしか存在しないはずです。なぜなら、韓国の当局が域外外為市場の創設を強化していないからであり、したがって、金融商品取引業者の営業時間終了後は現物決済を伴う外為取引ができないはずだからです。

ただ、世の中には便利なツールもあります。これが「NDF」、つまり「ノンデリバラブル・フォワード」取引です。

このNDFは、現物の通貨の受け渡しを伴わない(つまり差額決済の)通貨デリバティブ取引とされており、たとえば「3ヵ月後に1ドル=1400ウォン」という先物レートだけ決めておき、決済日が到来した時点で、実際の直物為替相場との差額を米ドルなどで差金決済する、といった取引です。

想像するに、WSJのマーケット欄に夜間示されている「場外レート」は、このNDFレートではないでしょうか。

(※なお、日本円に関しては、NDFという取引自体が必要ではありません。なぜなら、日本円自体、オフショア外為市場、つまり日本国外の市場や日本国内のオフショア市場【=JOM】などで、活発に取引されているからです。)

そして、NDFレートは得てして値動きが激しくなる傾向があります(著者私見)。NDFレートの制御に失敗すれば、韓国ウォンはさらに暴落する可能性があるのです。

韓国の為替介入が「無理筋」な理由

それはさておき、さすがに1ドル=1420ウォンを超過しているのに、韓国銀行が為替介入をしていないというのは、少し気になるところです。その理由が「実弾が尽きた」からなのか、米国から「為替介入をするな」と再び強く牽制されてしまったからなのか、あるいは単なる「様子見」なのかはわかりません。

しかし、さすがに13年半ぶりの安値水準ともなってくれば、本格的にきな臭さを感じます。

改めて指摘しておくと、韓国は表向き、「国際収支のトリレンマ」でいうところの、「①資本移動の自由」と「②金融政策の独立」の2つの目標を重視している国ですが、実際には、「③為替相場の安定」についても力を入れている国でもあります。

しかも、香港やスイスと異なり、「この水準に設定する」などと宣言しているわけではなく、その為替介入のタイミングや基準は極めて不透明です。

そして、これを最も問題視している国のひとつが、米国です。

米財務省は年に2回、議会に報告する目的で、通称「為替監視レポート」を公表しているのですが、このなかで毎回、韓国が「スムージング・オペ」と称した不透明な為替介入を行っていると指摘しています(『米国財務省が「韓国は為替介入を行っている」と認める』等参照)。

そして、今年5月には韓国をジョー・バイデン米大統領が訪問した際、米韓共同声明のなかで、「市場を歪める慣行に対処する」と韓国側に約束させました。該当する記述がこれです。

“To promote sustainable growth and financial stability, including orderly and well-functioning foreign exchange markets, the two Presidents recognize the need to consult closely on foreign exchange market developments. The two Presidents share common values and an essential interest in fair, market-based competition and commit to work together to address market distorting practices”.

この中に出てくる “market distorting practices” 、つまり「市場を歪める慣行」とは、自然に考えて、韓国銀行の「スムージング・オペ」のことを指していると考えるのが適切でしょう。

それなのに、この「市場を歪める慣行」をやめろ、という米国側の警告を、韓国国内では「通貨協力体系の構築で合意した」、などと解釈するのが一般的です(『韓国主要紙が相次いで「米韓通貨スワップ」締結を要求』等参照)。

韓国の主要紙が「5月の米国との約束に基づき、韓米通貨スワップを推進せよ」、などといっせいに騒ぎ出しました。このあたりはまったく予想どおりなのですが、その一方で韓国メディア『中央日報』には逆に、「脈絡のない通貨スワップ締結主張でむなしくなる代わりに外国為替市場安定に向け自分たちができることから探してやらなければならない」、などとするコラム記事も掲載されているようです。韓国に迫る通貨危機の脅威脆弱すぎる韓国の金融システムと資金調達力私たちの隣国である韓国は、GDPの規模でこそ世界10位圏内をうかが...
韓国主要紙が相次いで「米韓通貨スワップ」締結を要求 - 新宿会計士の政治経済評論

韓国メディアが揃いも揃って、「米国が韓国銀行による為替介入を問題視している」という事実から目を背けている理由も、正直、よくわかりません。読解力のなさによる誤読なのか、それとも韓国の一般国民を騙すための悪質な印象操作なのでしょうか。

韓経「現在の外為市場の4つのポイント」

もっとも、やはり迫りくる現実については、韓国国内でも強く意識されているようです。こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)には週末、『韓国経済新聞』(韓経)が配信した、こんな記事が掲載されていました。

韓国、ウォン安に貿易赤字…非常金融通貨委の開催を

―――2022.09.24 13:38付 中央日報日本語版より【韓国経済新聞配信】

韓経は「1ドル=1400ウォン台のウォン安水準」となるなか、「ウォン安を阻止する材料も見えない状況だ」、「外国人の投資金が離脱して韓国ウォンがさらに急落すれば、韓国経済に問題が生じるという懸念が強まっている」、などと指摘したうえで、現在の外為市場のポイントを4つ指摘します。それが、これです。

  • 逆転した韓米金利
  • 韓米通貨スワップ
  • 現金の比率が低い外貨準備高
  • 拡大する貿易赤字

…。

「膨張する家計債務問題」に言及がない時点で、分析としては極めて不十分ですし、問題点を指摘するだけ指摘しておきながら、実現可能で具体的な処方箋がまったくない、というのは、韓国メディアにはありがちな事例でもあります(本稿では、その点はとりあえず脇に置くことにします)。

米韓金利差逆転の長期化

さて、韓経はこれらのうち1番目に関し、今月のFOMCで米国が0.75%ポイントの「ジャイアント・ステップ」を踏んだため、米韓金利差の逆転状況が長期化すると予想される、と指摘しています。

現状、すでにFF金利は3.00~3.25%であり、もしも韓国銀行が来月、追随して「ビッグステップ」(0.5%ポイントの利上げ)に踏み切ったとしても、米韓金利差は逆転できません。しかも、FOMCは年内、あと2回残っており、今年末にはこれよりさらに1.25%ポイント利上げがなされる可能性があります。

これについて韓経はこう指摘します。

韓米間の金利差は最大1.75%まで広がる。これは一度も経験したことがないことだ。これまで4回、韓米間の金利が逆転したが、金利差は最大1.5%だった」。

このあたり、先ほどの『香港とスイスの明暗を分けるもの』で議論したとおり、「トリレンマ」に基づけば、そもそも「②金融政策の独立」を確保しているのならば、「③為替相場の安定」は最初から捨てるべきであり、韓国国内の状況を見て利上げを見送り(あるいは利下げし)、ウォン安を甘受する、というのが理論的には正解です。

あるいは、韓国が今から「②金融政策の独立」を捨てて「③為替相場の安定」を取るのであれば、それはそれで「アリ」です。米国に追随して韓国も大幅に利上げすれば良いのです(※もっとも、この場合には家計債務破綻が続出し、場合によっては金融危機に発展することを覚悟しなければなりませんが…)。

「米韓通貨スワップが必要」と勝手に議論する韓国側

次に「韓米通貨スワップ」については、韓国国内の識者による、こんな発言が取り上げられています。

  • このまま放置して米国の金利が5%に迫れば、1ドル=1600ウォンまでウォン安ドル高が進んで通貨危機を迎えることもある。迅速に通貨スワップ締結を進めるべきだ」。
  • 韓銀は現在としては通貨スワップが為替レート安定に役立たないと主張するが、通貨危機・金融危機のような最悪の状況では少なくとも安全弁の役割をする。グローバル金融危機当時の2008年10月、韓米通貨スワップ締結が伝えられると韓国ウォンは64ウォンも値上がりした」。

そのうえでこの人物は、こうした過去の経験に照らしたうえで、「米韓『通貨』スワップ(※原文ママ)が締結されれば(為替相場は)1ドル=1300ウォン以下で安定する」、との見方を示したのだそうです。

ただ、少なくとも米国に韓国との為替スワップを再開するメリットは皆無ですし、むしろ現在、韓国が米国から為替スワップを提供してもらうような環境ではありません。韓国はこの期に及んで、中国寄りの外交を始めてしまったからです(『鈴置論考「尹錫悦政権は米中等距離外交に舵を切った」』等参照)。

ナンシー・ペロシ米下院議長の訪韓を巡り、鈴置高史氏の待望の論考が出てきました。尹錫悦(いん・しゃくえつ)大統領はペロシ氏との面談を「謝絶」したのですが、これが米国側の怒りを買う一方、中国からは「よくやった」と褒めそやされているのです。こうした議論を読んで改めて思い出すのは、鈴置氏の6月の新刊著『韓国民主政治の自壊』でも見られた、「自由・民主主義の価値を韓国は日本と共有していない」とする指摘です。「中韓連帯意識」を理解できない日本韓国観察者の鈴置高史氏といえば、今年6月に『韓国民主政治の自壊』...
鈴置論考「尹錫悦政権は米中等距離外交に舵を切った」 - 新宿会計士の政治経済評論

しかも、韓経は、韓国政府が一方的に発表した、尹錫悦(イン・シャクエツ)大統領がジョー・バイデン米大統領との間で「通貨安定供給装置」に協力することにした、といった発表に言及しつつも、米国側の韓国に対する冷たい空気にはまったく触れずじまい、というわけです。

外貨準備の問題点

韓経はまた、韓国の外貨準備高には「現金の比率が低い」という問題点があるとしつつ、識者によるこんな発言を取り上げます。

2008年の金融危機当時には韓国から外国人投資資金2000億ドル以上が抜けた。今は危機状況」。

この「外貨準備に現金が少ない」の真意はよくわからないのですが、要するに、韓国の外貨準備には「すぐに換金できない資産が相当程度含まれている」という点が、韓国国内でもコンセンサスとなっているという可能性があるのでしょう。

いずれにせよ、普段から当ウェブサイトで指摘している通り、韓国は「トリレンマ」のうちのすべての政策目標を追求しているフシがあるのですが、スイスの事例でもわかるとおり、それは無理というものです。

また、中途半端に「二兎を追う」ことを続けていれば、国内のバブル退治にも失敗し、通貨危機の予防もできず、通貨危機と金融危機の同時発生(いわゆる「ダブル・ショック」)という「最悪の展開」も考えられます。

いずれにせよ、本日以降、韓国銀行がどのくらい為替介入を行うのかについても興味深いところですが、個人的には来月早々に出てくるであろう韓国の外貨準備統計には注目しておきたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (13)

  • >米国に追随して韓国も大幅に利上げすれば良いのです

    他人事だからの気楽さなんだけど・・・・、家計債務があるから利上げができないって聞くけど、そんに大きな問題なのかな?

    新宿会計士様が()書きしてるとこは置いとくとして、利子が払えなければ、自己破産して借金チャラにすれば良いように思うのです♪
    徳政令って伝家の宝刀もあるし、それを使わなくても、生活保護か何かで生きていけるんじゃないのかな?
    北朝鮮にいろいろ援助してるみたいだから、韓国政府に自国民を養うくらいの余裕はありそうなのです♪・・・というか北朝鮮の人も韓国政府にとっては自国民なんですよね♪

    まぁ何でも解決できる魔法の杖って多分ないんだろうから、ひとつひとつ対応しながら帳尻をなんとか合わせていくしかないように思うのです♪
    どっかの元偉い人も、やってみてダメだったら元に戻せば良いって言ってたじゃないですか♪
    (*´∀`*)♪

    • それやったら、GDPに匹敵する個人負債が不良債権化し、不動産バブルが完全に恥けるよ。
      って、釣られてみました。

    • 帳尻合わせとしての国有化(不良債権の買上)は、
      「”あった”らしい資本主義」の体現なのかもですね。

  • 韓国の場合、貿易収支の黒字が国が破産しないための絶対条件じゃないかな?
    それが今、資源高とウォン安で赤字を出し始めている。

    • m様

      三兎をも狙っていると思います。

      三兎目:南国発(初)金融危機
       前回迄は他国の影響の下で金融危機になりましたが
       今回は南国発(初)を期待しております。
       既に金融危機になる条件は整えつつあります。(一番の問題は家計債務)
       後は誰が引き金を引くか、だと思っております。
       鳩ポッポが、南国で「日本は無限責任」があると言っているのは
       後処理を日本にやって欲しいとの事だと思います。

  • 韓国国内の企業が米ドル建てで海外の金融機関から短期で資金を借りている場合、期限が来て借金の返済の際には借りた時も遥かに多いウォンで支払いをしなければならないので資金のやり繰りが不能になって倒産してしまうってなシナリオもあり得るのですよね。

    南無阿弥陀仏なのです。

  • ドル高が困ると、日銀が実弾を撃ってしまったので当てにされてるかもですね。

  • 「入るを図りて出ずるを為す」は、国家財政、企業経営、家計を問わず、長期間円滑に運営していく上での基本でしょう。ただし、これを無能な為政者、経営者、吝ん坊の所帯主が金科玉条の如くに捉えれば、ただの「節約のすすめ」で、発展の芽を摘んでしまうのが難しいところ。

    江戸時代、朱子学アタマに凝り固まった幕閣は、幕府の金蔵の底が見えてくると例外なくやったのが、武家のみならず民間にも強要した一にも二にも節約節約。こんなことをやれば、経済は落ち込み、世間の活気は失われ、怨嗟の声に満ち満ちてくる。だからそう長くは続けられず、大体は主導者の失脚で幕を閉じて、元の木阿弥に戻っています。

    一方民間には、すぐにでも二宮尊徳、山片蟠桃あたりの名が浮かぶ、経営感覚にすぐれた経世家が数多く現われています。そして肝心な点は、これらの経世家の著書を読み下し、その要諦を理解する人物が、在野にさらに多数存在したことでしょう。だからこそ、幕府瓦解のあと、すぐさま資本主義国家への転換が日本で進んだのだろうと思います。

    ところで、今の隣国の状況に、敢えて江戸時代の日本の類例を求めたなら、さしずめ田沼意次の重商政策と、そのあとの自棄のヤンパチ、浪費お構いなしの大御所政治、あたりが重なるんじゃないこという気がします。ただし、民間にはその弊害を克服する意欲も手立てもなく、その日暮らしに流されているだけ、

    ハードランディングの足音が否応梨に意識される今の今になって、何か痛みを伴わない有効な手はないかなんて言ってるようじゃ、最早絶望と言って良いかも知れません。敢えてアドバイスするなら、水野忠邦をこの21世紀のかの地に召喚なさいと言うことくらいですかね。

  • 13:41現在で、1 USD = 1,431.50 KRWになってますね。
    韓国としてはかなりしんどいでしょうが、現状KRWの独歩安というわけではなく、JPYを含むほぼすべての主要通貨が対ドルレートを下げている(GBPなんか5%安)ので、誰にも同情なんぞしてもらえません。自力で何とかするよりないのです。
    そして、韓国の場合、GDPを超える規模の家計債務が話題になってますが、自営業者の債務も家計債務の半分程度にまで膨れ上がっているそうです。これでは韓銀も、政策金利を上げたくてもそうそうは上げられないでしょう。このままでは、新宿会計士様の仰る通り、通貨危機と金融危機の両方を避けることなどできず、へたをすると両方がほぼ同時に襲い掛かることになりそうです。
    まあ、その、なんだ、ガンバレとしか言いようがないですね。

  • *資金繰り改善策*
     ①収入を増やす
     ②融資を受ける
     ③支出を減らす
     ④米ドルを刷る

    相手のあることですので、自決可能なのは③の手段による他は無いと思います。
    いっそ、マネタリーベースの減少分だけ輸入を減じるのはどうでしょうか?
    経常収支にまで視野を広げれば、”日本旅行の禁止” も有効な一手なのかと。

  • 率直に言って,韓国ウォンがどうなるかとか韓国が通貨危機や家計&自営業破綻からの金融危機を迎えるか否かは他国のことなので「どーでも良い」と思います.また他国の破綻や危機を楽しみの如く語るのは余り品の良いことでないとも個人的には感じます.(たとえその国によって我が国が多大な迷惑を蒙り続けて来たのであっても)

    我々日本国民が考えておかねばならないのは,韓国がそのような危機的状況になった時に,日本の受ける迷惑や傷を最小化することです.

    例えば韓国が経済的に破綻すれば,経済難民が大量に日本に押し寄せて来る危険性が十分過ぎるほどある訳です.

    親日的な意識の強い国(仮にそんな国が存在するとしてです)の国民でも大挙して押し寄せられては日本国内へのマイナスの効果(例えば人手不足が緩和され日本人就労者の賃金が下がる等)が生じるでしょうし,中には「憧れの日本だったが実際に来てみると想像してたのと違う」と日本に逆恨みする人間も仮に少数だとしても存在するでしょうし,そういう不満分子の中には犯罪に走る人もあるゼロでない確率で存在し日本国内での犯罪が増加する(これは確か.例えばベトナム人による犯罪がベトナムからの来日就労者や技能実習生の増加に伴って増えていることで実証されている).

    まして小学生の時から従北左翼の全教組の教師たちによる徹底した反日教育(例えば日本列島の上に核ミサイルを撃ち込んだり爆弾を落としたりする絵を小学校低学年から描くことで先生に褒められ地下鉄駅の構内に展示されるような教育)で日本への恨を極限まで膨らまされて育てられた人々が経済的な破綻で否応なく仕事を求めて日本に大量に来襲(敢えてこの言葉を使わせて頂く)場合,親日国の国民が大挙して就労を求めて来日する場合よりも,日本の国内の治安にとって遥かに危険性が高い事態となるのは自明の理です.

    またそういう韓国からの大量の経済難民の来襲が生じようとしている段階で日本のマスコミはどのように振舞うかを予測し国民としての対応も考えておく必要があるでしょうし,大量に押し寄せて来た(在日でない)韓国民(その少なからずが日本に恨を持ち反日意識に染まっていると想定すべき)が日本国内で集団としてどのように振舞う可能性が高いか,そういったことも考えて対応策を考えておかねばならない(最終的に対応策を執るのは政府や地方自治体や警察機構などだが,必要ならば国民の側から地元の政治家に対応策の準備をするようにプッシュせねばならない).

    ですから,「アメリカの容赦ない利上げで今度こそ韓国が経済危機になるかもね(ザマーミロ…心の声)」なんて書いてほくそ笑んでいる暇があったら,韓国で本当に経済危機が発生したら日本にどんな影響が発生するのか,その時に日本が受ける被害を最小限にするには政府や自治体にどうしてもらう必要があるのか,そういった思考実験によって韓国危機における日本自身の対応策を考えるほうが日本国民としては建設的で健全なのではないでしょうか?

    • まさかの為の思考準備は必要ですね。
      どうやって、日本に来させないか?
      漁船にのった難民を機関銃で海の藻屑に出来たら楽ですが、そうはいきません。
      死ぬ気で日本に迫る大量の難民をどうやって食い止めるか?
      今のうちに準備するべきです。