ロシアで「マクドもどき」に続き「スタバもどき」登場
ここまでくると「あさましい」を通り越し、もはや、見苦しいというべきでしょうか。ロシアでスタバが撤退した後の店舗を流用するために、「スターズコーヒー」なるブランドが立ち上げられたのだそうです。「円形で女性」という、スタバと類似する(が色合いは茶色という)ロゴの類似性の狙いについて、オーナーは「旧スタバとの継続性を求めたもの」と述べたのだとか。ただ、それ以上に重要なのは、いまやハンバーガーや抹茶クリームフラペチーノが、ジャベリンやHIMARSと並ぶ「戦略物資」だ、という事実でしょう。
ウクライナ戦争開始から、もうすぐ半年
ロシアが国際法に違反し、ウクライナに対するいわれのない戦争を仕掛けてから、もうすぐ半年が経過します。残念ながら、現時点においてロシアが敗北したという朗報はまだ入ってきていませんが、その一方、西側諸国がロシアの戦争遂行能力を低下させようとして、さまざまな対策を講じてきたこともまた事実でしょう。
たとえば、西側諸国がロシアが保有していた外貨準備(2022年1月末時点において6302億ドル)を凍結したことで、ロシアの外貨準備はロシア当局の発表ベースで3000億ドル、当ウェブサイトなりの試算では4000億ドル前後が、事実上失われた計算です。
また、ロシアの政府、企業などは西側諸国での債券の新規発行を禁止され、ロシアの主要銀行はSWIFTNetから除外され、さらにはクレジットカードの国際ブランドがロシア事業の停止などを決定したことにより、ロシアは国際的な金融システムから、事実上、排除されてしまいました。
さらには、西側諸国がロシアに対する航空機のリース契約を解除するなどしたこともあり、現在、ロシアの航空機は「共食い整備」を余儀なくされ始めているとの情報もあります(『対ロシア制裁:見えてきた航空機「共食い整備」の影響』)。
ロイターは10日、ロシアの航空機産業で「共食い整備」が行われている可能性を示唆する動画を公開しました。これによると、ロシア政府が少なくとも2025年まで飛行機を飛ばし続けるため、他の機体の部品の再利用を勧めた結果、最新鋭のA350を含めた複数の航空機が解体されているようだ、というのです。そして、航空機の共食い整備は、西側諸国による制裁の効果のひとつといえるかもしれません。ロシアによる西側への制裁と武器供与は続く早いもので、ロシアによるウクライナ侵略戦争の開始から、今月24日で半年が経過します。この戦... 対ロシア制裁:見えてきた航空機「共食い整備」の影響 - 新宿会計士の政治経済評論 |
ロシア経済の混乱は、まだ始まったばかりなのでしょう。
マクド撤退と「インチキマクド」
ただし、ロシアにおける話題は、それだけではありません。
「鉄のカーテン」崩壊の象徴だったはずのマクドを筆頭に、西側諸国の企業などは相次いでロシアにおける事業を中止・終了し、多くの企業がロシア市場から撤退しつつあります。いわば、文化的にもロシアは西側諸国から見限られ始めている、というわけでしょう。
こうしたなか、『ロシア下院議長「西側制裁にアナザーG8で対抗を!」』などでも取り上げたとおり、ロシアではマクドが撤退したあとの店舗を流用するかたちで、「Vksno & tochka(おいしい、それだけ)」という名称の店舗が営業を開始したのだそうです。
インチキマクドでセルゲイ君(15)「コーラ以外味はほとんど同じ」ロシアの下院議長が土曜日、SNSに「西側諸国のロシアに対する制裁は『アナザーG8』の結成の契機となるかもしれない」、などと投稿したのだそうです。その構成国は中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、メキシコ、イラン、トルコの8ヵ国だそうであり、「購買力平価換算のGDP」では旧来のG7と比べて24.4%も規模が大きいのだとか。成果に対し犠牲が大きすぎる!2月24日に始まった、ロシアによるウクライナに対する違法な戦争を巡っては、すでに100... ロシア下院議長「西側制裁にアナザーG8で対抗を!」 - 新宿会計士の政治経済評論 |
なかなか反応に困る話題です。
そういえば一時期、マクドの「m」のゴールデンアーチを90度転倒させた「イワンおじさん(Дядя Ваня)」なる商標がロシアで出願された、とする話題を取り上げたこともありましたが(『マクドロゴが転倒し「イワンおじさん」に華麗に変身?』等参照)、やはりインチキはインチキなのでしょう。
マクド・ナルドが90度転倒し、「イワンおじさん」に変身した、とする話題が出ているようです。一部のメディアによると、これはマクドの店舗を利用してロシア産食材によるフードを提供する店舗、との話ですが、これに関する真偽は不詳です。一部ではKFCをもじった「KGB」なる店舗の写真も報告されているようです。ウクライナ戦争がロシアにもたらしたもののひとつは、マクド社をはじめとする西側企業のロシアでの事業中止・終了でしょう。このあたり、当ウェブサイトでは『意外としぶとい?ルーブル「紙屑化」の可能性を考える』... マクドロゴが転倒し「イワンおじさん」に華麗に変身? - 新宿会計士の政治経済評論 |
今度は「インチキスタバ」
こうしたなかで、さらに驚くべき話題がでてきました。
ロイターの8月20日付のツイート動画によると、ロシアで「スターズコーヒー」なる店舗が出現したのだそうです。
ロイターによると、これはロシアから撤退したスターバックスの旧店舗にできた「新たなブランドのコーヒー店」だそうであり、ロゴマークも「星を頭に乗せた女性」と、なんだかどこかで見たようなものとソックリです。
オーナーによると、「円形・女性」というロゴマークは「旧スタバとの継続性を求めたもの」だとしつつ、「葉巻のような男性的な茶色が良いコントラストになっている」と狙いを明らかにしたそうですが、それと同時に「でも円形を除けば何も共通点を見つけることはないだろう」とも述べたのだとか。
なんだか「イワンおじさん」といい、「おいしい、それだけ」といい、KFCをもじった「KGB」といい、どうにも苦しさは払拭できません。とくに「スターズコーヒー」に至っては、ここまでくると「あさましい」のを通り越し、もはや「見苦しい」と言わざるを得ないでしょう。
ロシアによるウクライナ侵略が失敗に終わらんことを!
ただ、こうした西側諸国のブランドの撤退と、それに代替し得る新たなブランドの乱立は、やはり西側諸国企業の撤退がロシア国民に対し、かなりの傷を与えていることを間接的に証明しています。
ロシア国民の戦意を挫くという意味では、じつはハンバーガーは半導体と同じような戦略物資だったという言い方もできるのでしょう(奇しくもハンバーガーと半導体はおなじ「はん」の音で始まります)。
そして、半導体、航空機、ハンバーガー、ポテト、ナックマゲット、コーラーなどに続き、今度はコーヒーです。やはり「スターズコーヒー」を訪れるロシア人は、スタバの味が忘れられないのかもしれません。
いずれにせよ、西側諸国企業のこうした行動は、「文化の力を使い、ロシアによるウクライナ侵略を失敗に終わらせる一因となった」、と後年の歴史教科書は指摘するかもしれません。
もしも「ウラジミル・プーチンを引きずり下ろし、クリミア半島から撤退してウクライナ戦争を終わらせれば、またマクドやスタバが楽しめる」と思うなら、こうしたロシア国民の想い自体が、ウクライナ戦争を終了につなげる可能性があるからです。
その意味では、HIMARSやジャベリンだけでなく、ハンバーガーと抹茶クリームフラペチーノも、広い意味では「西側諸国がウクライナのために提供している兵器」のようなものといえるのではないでしょうか。
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ロシアよりドイツの状況が危機的で,ロシアからのエネルギー供給が途絶えたら,この冬を乗り切るのが大変な状況なようです。原発廃止先送りなど,いろいろな対策を行おうとしていますが,それでもガスの確保が大変なようです。他のEU諸国も似たような状況の国が多いようです。イギリスだけは「ロシアを叩け」と血気盛んで,世界にアピールしています。アメリカは世論が割れているようです。ですから,英米発のニュースばかり見ていると,現実を見失います。日本の世論はイギリスに乗せられているように見えます。
偽マックの味はどうなったかという素朴な疑問の答えを知るには、
「Niki from Russia」という Youtube チャネルに動画投稿があります。
ペテルブルグ在住で街頭撮影動画を投稿し続けている若いあんちゃんです。
『I tried Russia's "New" McDonald...』
https://www.youtube.com/watch?v=K6H2KqEINio
2022-6-27 投稿動画
彼は「1420 Russia」氏と関係があったんですね。
当方が目にしているロシア国内動向動画よれば、いわゆる西側ブランド店舗の活動停止は首都モスクワやペテルブルグでは俊敏であったが、地方都市のモール店舗は営業停止に至るまでばらばらで時間差があった模様です。
これ、いよいよロシアが支那化(或いは韓国化)しつつある、という証拠ではないでしょうか。