日韓諸懸案に関しては日本こそが「真の被害者」である
日韓諸懸案巡る韓国のホンネは「道徳的優位」での解決
山積する日韓諸懸案を巡り、この期に及んで、「道徳的優位に基づいて先制的に解決策を提示すべき」などと言いだす人が韓国にいらっしゃるようです。とんでもない話です。それを言うならば、日本こそ国際法などを破られた側であり、「道徳的優位」とやらにあるのは日本の側です。あるいは韓国の大好きな用語を無理やり使うならば、「被害者」は日本であり、韓国はれっきとした「加害者」です。
目次
日経報道をどう読むか
昨日の『「韓国の次期大統領がクアッド会合参加を打診」=日経』では、おもに日本のメディアが報じた日韓関係を巡る観測報道をいくつかおさらいするとともに、日経新聞に掲載された「尹錫悦(いん・しゃくえつ)次期韓国大統領が5月の訪日を打診した」などとする話題を紹介しました。
これについては昨日も申し上げたとおり、これらの報道については、基本的には「何者かが何らかの意図をもってリークした内容」という可能性が高いと個人的には考えています(報じたメディアによる完全なでっち上げという可能性もまったくないわけではありませんが…)。
韓国側で来月、政権交代が行われるのを踏まえ、「日韓(韓日)関係『改善』」に向けた「何者かのメッセージ」を報道各社が担わされているようなものだ、などと言い換えても良いかもしれません。
ある意味では参考になる、中央日報の記事
こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)に昨日、なかなか興味深い記事が掲載されていました。
日本「尹訪日打診」…すでに新政府に「機先制圧言論プレー」か
―――2022.04.14 14:18付 中央日報日本語版より
この記事を読めば、韓国側の「保守」(?)と呼ばれる人たちの考え方を改めて知ることができるという意味では有益かもしれません。というのも、中央日報の記事では冒頭で、いきなりこんなことを述べているからです。
「日本メディアが尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領側の訪日の可能性に繰り返し言及し、雰囲気を探っている。『歴史問題の解決策を韓国が先に示せ』という従来の論理を次期政府にも代入し、微妙に機先を制圧しようとしているという指摘だ」。
「歴史問題の解決策」、というのは少し語弊があります。
日本政府が現在、韓国に対し「解決策」を求めているのは、「歴史問題」ではなく、「歴史問題を隠れ蓑にした韓国による国を挙げた国際法違反、条約破り、約束破りの問題」だからです。
国際法破りは韓国自身にとってよくないこと
たとえば自称元徴用工問題の場合、韓国の裁判所自身が1965年の日韓請求権協定と正面から矛盾する法的状態を作り出してしまったことに関しては、韓国が「国家として」収拾を付ける必要があります。さもなくば、韓国は「堂々と国際条約違反の判決を出す国」という評判を確立することになってしまうからです。
このあたり、日本との関係においてもたしかに問題ですが、もっと大きな問題があるとすれば、「韓国は国際条約を守らない国だ」、という点が、日本以外の国に対しても認識されてしまうリスクがあるのです(※余談ですが、非常に不思議なことに、こうした指摘は韓国メディアからほとんど出て来ません)。
いずれにせよ、日韓諸懸案の本質が韓国による国際法侵害・約束破りなどの違法行為、あるいは「ウソをついて日本を貶める」などの一方的な不法行為であることを踏まえるならば、それらを巡る解決策を示す全責任が韓国側のみにあることは明らかです。
韓国のホンネは「道徳的優位に基づく解決」
ところで、この中央日報の記事には、昨日も取り上げた、日経の14日付の記事『韓国次期政権、クアッド首脳会合へ出席打診 5月下旬に日本開催、日米との首脳会談探る』の狙いについて、次のように指摘します。
「クアッド首脳会議を契機として言及した点や韓日米協議体を取り上げたのは、尹氏が韓米同盟の復元に積極的である点を利用し、米国を間に入れて尹氏の訪日意志を強調しようとしたものとみられる。同紙はまた『韓国側の一定の歩み寄りが前提になるとの意見がある』とも伝えた」。
このあたりの指摘、「この日経の記事を書かせているのは外務省の役人あたりではないか」という当ウェブサイトなりの問題意識とも少し重なっているのですが、珍しく中央日報の記事には部分的に賛同する点でもあります。
要するに、韓国に対しては、「約束を破った韓国が先に解決策を示すべき」という観測気球を投げ、新政権のホンネがどこにあるか探りを入れる、という狙いがある(かもしれない)、という点です。
ただ、これに関連して韓国側の「ホンネ」が見えるのが、次の記述ではないでしょうか。
「国民大学日本学科の李元徳(イ・ウォンドク)教授は『慰安婦および強制徴用問題について十分に国内調整ができていない状況で、尹氏本人あるいは特使団の訪日となった場合、本質的な解決なく雑音だけが生じる場合がある』とし『何より尹氏が歴史問題の被害者に先に会って道徳的優位にもとづいて先制的に解決策を用意しなければならない』と話した」。
この李元徳(り・げんとく)教授という人物は、中央日報が主催する「韓日ビジョンフォーラム」なる会合でもときどき目にする方ですが、前段については「なるほど」と思う部分もあります。就任直後の尹錫悦氏が訪日したところで、韓国国内の調整・整理ができていない段階で成果があがるとは期待し辛い、というのはそのとおりでしょう。
ただ、後段については、「道徳的優位」という表現が平気で出て来るあたり、思わず開いた口がふさがりません。
この「道徳的優位」は、韓国が大好きな表現のひとつですが、当ウェブサイトなりに解説するならば、「日本に対して『被害者』ポジションを強調することで道徳的負い目を感じさせる戦略」のことでしょう。その戦略が通用したのは、2015年の日韓慰安婦合意が最後です。
さらに現在の日韓関係に関していえば、韓国が大好きな「被害者・加害者」フレームワークを使うならば、むしろ「被害者」は日本であり、韓国はれっきとした「加害者」です。その意味で、日本は法的にも「道徳的」にも、韓国に対し優位に立っているのです。
外務省の失態を繰り返してはならない
もっとも、著者自身が今後の日韓関係において懸念しているのは、日本政府内の、とくに外務省の「韓国屋」の小役人あたりが、「日本がある程度譲歩する」かたちでの日韓関係「改善」を企んでいる可能性がある、という点でしょう。
外務省の失態といえば、2015年7月にユネスコの場で “forced to work” だの、 “brought against their will” だのとする佐藤地(さとう・くに)ユネスコ大使(当時)の発言(2015年7月14日付・外務省ウェブサイト等参照)などは、その典型例でしょう。
こうした過ちを、絶対に繰り返してはなりません。
これに関し、中央日報の記事では「韓日の歩調が合ってこそ…『実質的解決』の核心」と題する小節で、こんな気になる記述が出て来ます。
「専門家は『カギは『絵を書いていく式のイベント』ではなく、両国関係を反転させる実質的な解決策』と強調した。尹氏が米国に続いて日本にも特使団を送って関係改善意志を表明しても、日本の呼応が前提にならない限り成果を担保できないという指摘だ」。
この「日本の呼応」とは、まさに、日韓両国の外交当局者が国民の監視を排除した密室で、とんでもない合意を仕上げることを意味しているのだとしたら、最大限の警戒が必要です。
いずれにせよ、普段から当ウェブサイトで申し上げているとおり、「日韓関係『改善』論」自体、客観的な事実関係に、それに対するあらかじめ決められた結論が巧妙に混ぜ込まれたペテンで出来上がっています。たとえば、こんな具合でです。
「日韓関係改善論」【想像ベース】
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ③だからこそ、日本が国際法に拘泥するのではなく、多少とも韓国に譲歩し、日韓関係の破綻を防ぐべきだ。
(【出所】著者作成)
この①~③の流れ、一見するともっともな主張にも見えなくはありません。なぜなら、このうちの①に関しては統計的に説明できる事実関係などからも導出できる結論であり、②の部分に関しては、これまでの韓国の日本に対する行動から予測できるものだからです。
論理的につながりません
しかし、ここから議論を③へと持っていく流れは、明らかな詭弁です。なぜなら、①、②の指摘部分から③の主張には、論理的にまったくつながっていないからです(※この手の客観的事実関係などに即した話を持ってきて、そこからとんでもない結論につなげるやり方は、詭弁をよく使用する者が好む手法です)。
これに対し、当ウェブサイトではむしろ、この③の部分を④のように書き直した「日韓関係テーパリング論」を以前から提唱している次第です。
「日韓関係テーパリング論」
- ①日本にとって現在の韓国は、経済・産業上も、外交・安全保障上も、大変に重要な国である。
- ②しかし、韓国が日本との間でさまざまなもめ事を起こしており、これらについて国際法や国際社会の常識に従った解決も期待できない。
- ④もしも韓国が国際法を守らないならば、日本は経済、産業、外交、安全保障などにおける韓国の重要性を下げるべきだ。
(【出所】著者作成)
つまり、日韓関係が破綻すれば、短期的にはたしかに日本にとってもかなりの悪影響が生じるのですが、それと同時に、無理をしてまで日韓関係を続けなければならないという状況については、日本の側から積極的に是正しなければならない、というのが当ウェブサイトにおける持論でもあります。
そして、こうした必要性は、文在寅(ぶん・ざいいん)政権が終焉したとしても、まったく変わるものではありません。むしろ先日の『鈴置論考「保守政権で米韓関係はむしろ構造的に悪化」』でも取り上げたとおり、「保守政権下」の方が、期待が落胆に転化しやすくなるのかもしれません。
いずれにせよ、日韓関係を巡っては、日本が1ミリでも譲歩する形での「関係『改善』論」には最大限の注意が必要だと思う次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
韓国人でもない私が、韓国新政権の外交はどうあるべきか論ずるのは、お門違いの誹りを免れないとは、思いますが、本サイトにより知らず知らずの間にコリアウォッチャーとなってしまった身としては、気になって仕方ありません。第一優先は、米韓関係の修復です。米国の脅威認識が①中国②ロシア③北朝鮮である以上、それに沿って組み立てるべきです。半導体等の戦略物資のサプライチェーンには当然入るべきです(ここは新政権も同方針)。そして対北朝鮮では選択肢が限られるなか、米国から提案された日米韓の軍事演習を、引継委員会の報道官が否定するようでは、先が思いやられます。日本海に来た米国空母が、韓国とは演習せずに、日本とだけ演習するといった事態となるのです(さすがにバイデンはクアッドでの訪日前後に訪韓するとは思いますが)。第二優先は、対中関係の維持です。日本を手本として、軸足は米国に置きながら、対中も必要以上に刺激しない、非常にバランスの微妙な舵取りが求められます。かといって「三不の誓い」をそのままにすると既成事実化しかねません。対日関係の改善は、第三優先(当面棚上げ)です。日韓国民の”あるべき”論がすれちがったままでの着地は、政権にとっては大きなリスクです。また日本から、歩み寄ってくる可能性も小さいでしょう。やるとしたら、保守系メディアを使っての韓国民の啓蒙ぐらいでしょう。日本政府は「日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本の一貫した立場に基づき、韓国側に適切な対応を強く求めていく」の現行方針の堅持で良いと考えます。
「他人・他国に何をしようと、自分達は絶対正義なのだから正当化出来るし、また、他人・他国も我々に無条件に従うべきだ」との根本的な価値観を持っている民族・国家は将来的にサプライチェーンから外すのが国家安全保障の視点から望ましいと思います。
梅田は本当に韓国にも訪問するの?
というか、日本訪問も取り止めになる可能性が充分にありそうだけど
日本はもう、ひょっとして何か良くなるかも、といった希望的観測をきっぱり捨てて、損切りを決断すべきです。韓国がふらふらしているうちに色々なことを網羅的、計画的に整理してその時に備えておかないと、米国の損切りに追随する形での撤退は損害が大きくなりすぎます。
文政権のお陰でそれが出来るようになった今が最大のチャンスです。あちらはどう考えても五年は持たないでしょう。
噓吐き常習犯が自らを道徳的優位な立場にあると公言してしまうところに、今日の韓国という国家の度し難い病理性が如実に現れていると考えます。
私のような素人が見ても、自称従軍慰安婦たちの多く(全員とは云いませんが)は募集に応じた公娼にすぎないと思われますし、自称徴用工たちもその殆どは(特に1944年9月以前にやってきた連中など)「密航してでも日本に行きたい」と玄界灘を渡ってやってきた出稼ぎ労働者にすぎなかったでしょう。
こうした歴史的事実を一つ一つ丁寧に例示して、彼らの主張の殆どがどれだけ虚偽に塗れているのかを全世界に発信していく、これこそが日本国政府並びに外務省に求められている事ではないでしょうか。
同感です。
ここでも何人かの方々が指摘されているように、韓国という民族国家は個人としてはいざ知らず、集団として思考・行動する際に顕著な「自分達は特別な優越な存在であり、全ての嘘・讒言・約束破りを正当化出来る」という自己愛性パーソナリティー障害の傾向が現れます。
「自己愛性パーソナリティ障害 付き合い方」で検索したら、出て来た答えは「相手があまりに問題児であれば周りの人に相談し、できたら遠ざける、あるいは逃げることも賢明な選択です」でした。
やれやれ…
>日本政府が現在、韓国に対し「解決策」を求めているのは、「歴史問題」ではなく、「歴史問題を隠れ蓑にした韓国による国を挙げた国際法違反、条約破り、約束破りの問題」だからです。
つまり、日本にとっては「韓国が日本との約束を破って来た歴史」の問題と言い換えれる訳ですね♪( ´ω`)
>さらに現在の日韓関係に関していえば、韓国が大好きな「被害者・加害者」フレームワークを使うならば、むしろ「被害者」は日本であり、韓国はれっきとした「加害者」です。その意味で、日本は法的にも「道徳的」にも、韓国に対し優位に立っているのです。
現在の日韓関係でも、日韓の歴史問題でも、既に「被害者は日本で加害者は韓国」ですもんね。
そして、韓国側は韓国の加害者性を隠す為に、韓国が行った対日犯罪が拡まる事を「差別を助長」とすり替えたり。
結構前に書いた替え歌では最後にそれをしっかりと入れときました(*^_^)
別のタブで曲を聴きながらお楽しみ下さい(*・ω・)ノ
少年時代 〜K-Version〜
日本去り 美国来て
嘘の被害史を 創造
反日で覆われた 韓国社会はレイシズム
準戦勝 国民を
自称して 乱暴狼藉
役所や警察 襲撃して 時には殺して
川崎の 朝鮮人
税務署の課長 殺害
犯罪史 直視せず 被害者コスプレ邁進中
嘘重ね 今もなお
被害者面 続けている
嘘重ねる意味 夢はつまり 永世被害者
加害者の 立場には
立たない為にと 言ってる
批判から逃げる為 「差別を助長」とすり替える
道徳的優位に基づく解決は、日本語世代による抑制された要求と、枝葉末節におけるごね得の物語。
戦前・戦中派が一線を退き、
得も言われぬ要求に、遠慮がなくなった韓国。(本性を現した)
そこはかとない後ろめたさがなくなった日本。(目を覚ました)
彼らが金のガチョウに手をかけて、悪夢の呪いは解けました・・。