金融庁が暗号資産交換業者にロシア制裁への協力を要請

暗号資産取引が金融制裁の抜け道になっていることが増えているためでしょうか、金融庁は本日、暗号資産交換業者等に対し、資産凍結対象者への移転をしてはならないとしたうえで、あわせてモニタリング(監視)をしなければならないとする要請を出したようです。

ロシアや「ドネツク共和国」、「ルガンスク共和国」への経済制裁が適用されているなかで金融庁のウェブサイトにちょっと興味深い文書が出ていたのを発見しました。暗号資産交換業者に対しても、資産凍結対象者であるかどうかをチェックしてほしい、という「要請」です。

当該要請文書は、『ウクライナをめぐる現下の国際情勢を踏まえた対応について』と題したページからアクセス可能です。

簡単にいえば、暗号資産の移転を、外為法でいうところの「支払」とみなして、暗号資産による制裁逃れに規制の網をかけましょう、というものです。

外国為替及び外国貿易法 第16条第1項

主務大臣は、我が国が締結した条約その他の国際約束を誠実に履行するため必要があると認めるとき、国際平和のための国際的な努力に我が国として寄与するため特に必要があると認めるとき、又は第十条第一項の閣議決定が行われたときは、支払等が、これらと同一の見地から許可又は承認を受ける義務を課した取引又は行為に係る支払等である場合を除き、政令で定めるところにより、本邦から外国へ向けた支払をしようとする居住者若しくは非居住者又は非居住者との間で支払等をしようとする居住者に対し、当該支払又は支払等について、許可を受ける義務を課することができる。

具体的には、暗号資産の交換業者に対し、「顧客が指定する受取人のアドレスが資産凍結措置の対象者のアドレスであると判断した場合」などには、暗号資産の移転をしてはならない、といった点が要請されているようです。

これに加えて、経済制裁漏れを防ぐために、暗号資産に関するモニタリング(監視)を強化すること、疑わしい取引については財務省や金融庁に届け出ることなどを合わせて要請しています。

このあたり、近年だと、暗号資産が金融規制の潜脱となっていることが多々あります。とくに、『北朝鮮が今度は5000万ドル相当の暗号資産を窃盗か』などでも取り上げたとおり、国際的な金融制裁を適用されている北朝鮮が、暗号資産をたびたび窃盗していると指摘されていることは有名でしょう。

いずれにせよ、暗号資産取引が金融制裁の抜け道になるというのも大変な時代になったものだと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. ちょっと待って より:

    自分は暗号資産の事は何もわからないアナログ人間なのですが、最近ロシアへの制裁がどんどんきつくなっていっているのを見て、これ100年前に置き換えるとABCD包囲網あたりになるんじゃないかと不安です。
    ドイツは第一次世界大戦の賠償がきつくてナチスが台頭したと言われています。
    ウクライナのインフラがメチャメチャにされているのを見て当然賠償請求されるだろうなと。経済制裁と賠償請求でロシアがこれからどう変わっていくのか?その結果どうなるのか?
    100年前を失敗として違う未来になってほしい。

    1. 雪だんご より:

      ロシア側でプーチンがロシア人自身の手で打倒されれば
      国際社会はある程度優しい”落とし前”にしてくれると思うのですが、
      もしそれが成されずに結局ロシア以外が血を長期間流し続ける事になれば、
      おのずと”落とし前”も厳しくなりそうですね。

      最悪の場合、巨大な無政府地帯に……なんて事はさすがに想像したくないですが、
      そうなった場合国際社会はどうやって後始末をしたらいいのやら。

  2. 匿名 より:

    ロシアは決済にdefiを利用するのではなかろうか?

  3. kh より:

    ご免なさい、今回のテーマとは違うと思いますが、国を統べる人の権力の基本構造は強固な既得権者の数(資金)に比例すると思います。既得権者の意向で動いていると思います。アメリカの場合は丁度(議会の数ではなく)半数位で動いていますが、ロシア、中国 、韓国等。因みに、韓国は大統領の問題ではなく国民性の問題だとりかいしています。

  4. 世相マンボウ_ より:

    平和を願う 世界の人の 合言葉。
    #くたばれプーチン! \(・.・)/

    1. 世相マンボウ_ より:

      世界の人々の平和のためには
      #騒ぐな 悪徳友愛 鳩ポッポ
      も足すべきかもしれません 

  5. 月長石 より:

    陰謀論大好きなZerohedgeの記事なので、ひとつまみの塩ならぬ、トラック満載の塩をかけて判断してください。

    https://www.zerohedge.com/geopolitical/russia-urging-chinas-military-help-ukraine-biden-admin-says-sunday-afternoon-media

    ロシアが中国に支援を要請していたようだという内容です。

    『ロイター通信によると、ロシアが中国に軍事的支援を要請しているという主張について質問されたワシントンの中国大使館の報道官は、”そんな話は聞いたことがない “と答えたという。 』

    真っ赤な嘘、ってこういうときのためにある言葉かも。
    色もぴったりだし。

  6. 月長石 より:

    https://www.dhnet.be/actu/monde/un-francais-s-introduit-dans-la-villa-de-la-fille-de-poutine-change-les-serrures-et-propose-d-y-accueillir-des-ukrainiens-622f262ad8ad586d30daf87a
    フランスの活動家ピエール・アフナーは、ビアリッツにあるウラジーミル・プーチンの娘キャサリン・ティホノワの別荘に侵入し 、家の鍵を変え、ウクライナからの難民を招待した。

    https://www.theguardian.com/uk-news/2022/mar/14/squatters-occupy-russian-billionaire-oleg-deripaska-london-mansion
    ロシアの大富豪オレグ・デリパスカのロンドンの邸宅を不法占拠

    個々人でできることには限界がありますが、こういう動きも出ています。

    蛇足ながらビアリッツは家の主人の出身地のご近所。

    1. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

      この手の別荘は、プーチンの家来みたいな人が書類上の持ち主になっている展開ありそうだけど
      その場合だと、普通に裁判やったら、侵入者が負ける可能性あるかも

    2. より:

      明らかな違法行為ですね。当局はきちんと取り締まるべきでしょう。
      ロシアはケシカランことをしているのだから、ロシアに対しては何をやっても構わないのだという論理は、テロリストと同じです。このような行為を是認するのであれば、例えば、イスラム過激派によるテロも是認しなければなりません。
      まあ、フランスやイギリスがロシアに対して宣戦布告する心算があるのであれば、敵国資産没収に絡めて有耶無耶にできるかもしれませんが。それでも、民間が勝手にやっちゃダメでしょ。

      1. ちょっと待って より:

        龍様へ
        自分は最初パラリンピックでロシアの選手が出場出来なくなったと聞いた時、それは違うんじゃないかと思いました。
        でも最近欧米ではロシア人だという理由で解雇される事が起き始めており、チャイコフスキーまで嫌われて演奏されなくなっている。それはウクライナ人は殺されているのに解雇されるくらいなんだという理屈からだと読んだ時、そうだよね、殺されているウクライナ人の子供達に比べたらって納得した自分の変化に驚きました。
        違法行為は違法行為、ダメなものはダメ、ですよね。改めて思いました。

    3. はるちゃん より:

      第二次世界大戦時に、アメリカやラテンアメリカ諸国、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス連邦て、日系人が強制収容所に収容されました。
      流石に今時強制収容所送りは無いでしょうが、世界中でロシア人狩り、ロシア人に対する嫌がらせが拡がらないか気になります。
      憎しみの連鎖は更なる危機に繋がりかねません。

      1. 月長石 より:

        やっぱりと言うか当然と言うか、活動家3人が逮捕されましたね。
        https://www.rfi.fr/en/france/20220315-three-men-questioned-after-breaking-into-villa-owned-by-putin-s-son-in-law-in-south-of-france
        少なくともこういうところにオリガルヒの隠し財産があるんだぞ、とお知らせする役には立ったんじゃないかしら。

        ちなみにスペインではプーチンに近いオリガルヒが逮捕されています。
        https://www.nasdaq.com/articles/spain-detains-yacht-linked-to-russian-oligarch-mikheyev-police-source-says-0
        Spanish authorities have detained a yacht owned by Russian oligarch Alexander Mikheyev, who is under European Union sanctions, according to a police source.

        ロシア人に対するヘイトと言うよりも、ロシアのオリガルヒ(プーチンの資金提供者)に対する対抗措置のように思えます。

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