関係を破壊している側が「関係改善」を模索する不思議

韓日関係改善を模索する「韓日フォーラム」が3日、非公開で行われる――。なぜ日韓関係を破壊している側が「関係改善」を模索しようとするのでしょうか。この手の報道を読むと、いつも疑問に感じる点です。というよりも、いまや日韓関係が韓国側の国際法破り、国際条約破り、国際約束破りで破綻しそうになっている状況を踏まえると、日本がこれ以上韓国に譲歩するという選択肢は御免蒙りたいと思う次第です。

外交は人間関係と同じ

普段から当ウェブサイトにて申し上げているとおり、外交というものは人間関係とよく似ています。

国といってもしょせんは人間の集合体ですので、これも当たり前の話です。国同士の関係も結局のところ、人間関係と同じく、「その相手と好んで付き合いたいと思うか」という軸と、「その相手と付き合う必要性があるか」という軸があるからです。

こうしたなか、「その相手と付き合いたいと思うかどうか」という評価軸のことを、外交の専門用語では「基本的価値を共有しているかどうか」と表現することが一般的です。

日本にとっての「基本的価値」とは、難しい言葉でいえば「自由、民主主義、人権、法の支配」などのことですが、もっとわかりやすい言葉でいえば、「ちゃんと法律や約束を守る」、「ウソをつかない」、「しっかりと努力をする」、「出来る範囲で困っている人を助ける」、といった基本的な行動のことをさしているのでしょう。

そして、こうした「基本的価値」を大切にしているためでしょうか、日本は世界に友人が多い国でもあります。

すぐ隣の台湾もそうですし、最近話題の「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)にコミットする「クアッド諸国」もそうです。あるいはASEANや、さらに遠く離れた欧州、英国、カナダなども、日本にとっては大切な友人です。

基本的価値を共有しない近隣国

これに対し、残念ながら近隣諸国は、日本にとっては「基本的価値」を共有していない国でもあります。

共産党一党独裁国家である中国もそうですし、見かけは民主主義国でありながらも圧政的な国であるロシア、さらには金一族が独裁する北朝鮮なども、日本とは基本的価値のレベルで相互理解が難しい相手国です。

こうしたなか、隣国である韓国については、かつては日本も「基本的価値を共有する最も重要な隣国」と称していたこともありますが、自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題などの諸懸案の深化もあってか、最近だと日本政府の公式文書からは「基本的価値の共有」という文言が抜け落ちてしまいました。

当ウェブサイトで常々申し上げてきた話ですが、この「基本的価値」を共有していない国との関係の構築や維持には、わが国にとっては大変な労力を要します。

よく「日本にとって中国や韓国は大変に重要な国だから、これらの国と付き合って行かねばならない」という主張を目にするのですが、これは一面では真理ではあるものの、個人的にはアプローチが逆ではないかと思うのです。

つまり、「わが国とは基本的価値を共有していない国」を「経済、産業上重要な相手国」にしてしまうことが国家戦略として間違っているのであり、相手国がわが国と基本的価値を共有していないならば、その「基本的価値を共有していないなりのお付き合い」に留めるのが筋ではないでしょうか。

そんなフォーラムに意味はあるのか?

著者自身がこうした視点に立っているためでしょうか、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に本日掲載された次のような記事を読むと、やはり違和感を禁じ得ません。

「韓日フォーラム」 3日にオンライン開催=関係改善模索へ

―――2021.12.01 11:21付 聯合ニュース日本語版より

聯合ニュースによると、今月3日、日韓の政界・学会・財界の「有識者」約40人が参加し、両国関係「改善」を模索する「韓日フォーラム」がオンライン形式で開催されるのだとか。

この点、日韓関係が最近、ギクシャクしていることは間違いありませんが、その原因が韓国側にあることは明らかであるため、「関係改善」という用語にも個人的には大いなる疑問を持っています。

しかも、興味深いことに、会合自体は「非公開で」行われるのだそうであり、日本側の出席者は政界からは国民民主党の前原政治代表代行、立憲民主党の福山哲郎参議院議員らだとしています。「やる前から結論が見えているじゃないか」、といったツッコミをしたくなる人も多いと思うゆえんです。

いずれにせよ、現在の日韓両国関係は、自称元徴用工問題や自称元慰安婦問題における韓国の国際法破り、国際条約破り、国際約束破りを筆頭に、韓国が壊そうとしているものであることから、正直、日本側にできる努力はありません。すなわち、いつも当ウェブサイトで申し上げているとおり、日韓諸懸案の「落としどころ」を巡っては、究極的には次の3つのパターンしか考えられないのです。

日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」
  • ①韓国が国際法や国際約束を守る方向に舵を切ることによって、日韓関係の破綻を回避する
  • ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することによって、日韓関係の破綻を回避する
  • ③韓国が国際法や国際約束を守らず、日本も韓国に譲歩しない結果、日韓関係が破綻する

(【出所】著者作成)

あらかじめお断りしておきますが、②の選択肢は、日本国民の1人として、御免蒙りたいと思う次第です。

読者コメント一覧

  1. チキンサラダ より:

    やはり非公開というのが気になりますね。
    韓国が都合の良い「事実」をまた積み上げそうですし、何より国民の目がないと日本側の出席者は競って売国的な発言や約束をしそうです。

  2. バシラス・アンシラシスは土壌常在菌 より:

    関係破壊している側が関係改善を迫るのは、個人の人間関係でもよくあることじゃん

  3. 七味 より:

    政治家も参加するってことなら、大統領選も近いんだし、候補者にも出てもらったらいいんじゃないかな?

  4. だんな より:

    >フォーラムは29回目
    何回やっても成果が無いから、回数だけ増えているのでしょう。

    >日本からは小此木政夫・慶応義塾大名誉教授、国民民主党の前原誠司代表代行、立憲民主党の福山哲郎参院議員らが出席する。
    良心的日本人と工作機関のボスですね。

    >フォーラムでの議論の結果は両国の政府に伝達され、両国関係を巡る参考資料として活用される。
    政策には反映した試しが、無いのでは。

    結論として予想されるのは、「日韓共同宣言に戻る」でしょう。

  5. 凡人 より:

    ④韓国が国際法や国際約束を守らず、日本も韓国に譲歩しない結果、日韓関係がモヤモヤする。ずっと。。。

  6. 農民 より:

     韓日フォーラム賞とやらの李秀賢さんは記憶に残っています。彼個人の行動は称賛に値しますし確かに美談ですが、今現在の余計な知識から思えば、韓国人ということでこぞって過大に報道したのだろうかとも思ってしまいます(曇りまくり)。本件をはじめ何かにつけて「使われて」いますし。

     ちなみにこの賞、2016年からやっているそうですが過去の受賞者は……
     
    ・第一回 若宮啓文 朝日主筆(笑)
    ・第二回 崔書勉  国際韓国研究院院長(日本研究第一人者らしい…?ただの名誉受賞枠)
    ・第三回 朝鮮通信史縁地連絡協議会(朝鮮通信使を世界の記憶登録推進、喧嘩売ってる?)
    ・第四回 孔魯明 フォーラムの前韓国側議長(ただの名誉受賞枠)
    ・第五回 田内基 社会福祉法人理事長(韓国孤児や在日韓国人高齢者のための施設運営……って韓国側にしか寄与していないよ)

     誰一人日本側から見て有益だった人物が居ませんね。そもそも日本人が全然出てないし。
     つまり、ほとんど韓国視点の会合でしかなく、彼の死以降20年に渡り、まともに友好を象徴するほどの人物は在野からは現れなかった、と。

  7. 匿名 より:

    最近言うことを聞いてくれなくなった日本を韓国に都合がいいように「改善」しようとするだけのフォーラム。韓国は公開されると話を盛り放題できなくなるので非公開。日本側の出席者もアレな面々。鴨がネギと鍋を持参するスタイルの鍋パーティー。オンラインでまだマシなくらいで、リアル対面だったらさらにお土産に毒を盛られるレベル。

  8. haduki より:

    関係改善を求めるというより
    自分のやらかしを対価無しでチャラにするのを求める
    といったところでしょうか?

  9. IVD より:

    韓国の目指す「関係改善」の方向が以下のようなものだとすれば、あんまり不思議でもなくなります。韓国の「関係改善」のための努力が、結果として関係を破壊しているのかもしれません(ウザい)。つまり韓国が「関係改善」の努力をすればするほど、日本はドン引きしていく、ということです。
    <韓国の目指す「関係改善」?>
    ①日本が過去の「不法な植民地支配」「反人道的不法行為」を認めて謝罪と賠償をし続けること。
    ②上記①を踏まえ、国際社会において日本は分をわきまえること。
    ③科学技術、経済、文化、その他あらゆる分野で日本が韓国に支援し続けること。

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