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徴用工・債権差押「直ちに取り消される可能性は低い」

いっそのこと「セルフ経済制裁」スキームでいかが?

先日の『徴用工債権差押で債務者「当社は三菱重工と取引なし」』で報告した、韓国企業「LSエムトロン」による差押債権に関する裁判所への意見書に関連し、韓国メディア『東亜日報』にちょっとした続報が掲載されていました。報道が事実なら、本件も長引きそうですが、それと同時に、「長引いては良くない事情」というものもあります。

金銭債権の差押は「次元が違う」

徴用工「金銭債権の差押」の衝撃』で速報した、三菱重工に関連する売掛債権の差押報道から、1週間が経過しようとしています。

当ウェブサイトで繰り返し報告して来たとおり、今回の売掛債権の差押は、自称元徴用工問題の「局面」を変えてしまった可能性があります。というのも、金銭債権は弁済期が到来したら自動的に現金化されるからです。

これまで、自称元徴用工側が差し押さえてきた日本企業の資産といえば、大法院で敗訴した新日鐵(現在の日本製鉄)、高裁レベルで敗訴している不二越の両社に関しては非上場の合弁会社株式、同じく大法院で敗訴した三菱重工に関しては知的財産権(商標権と特許権)でした。

正直、どれも「現金化できない」資産ばかりです。

いや、厳密にいえば「現金化できない」わけではないのですが、①現金化するためには第三者に売却するしかなく、②売却するための法的ハードルも高く、③買い手が見つかるかどうかわかりませんし、④運良く買い手が見つかっても、売却するためのコストの方が売却代金を上回ってしまう可能性すらある、ということです。

極端な話、どうせ売却できっこないわけですし、差し押さえられたとしても、日本企業はそれらの資産を問題なく使い続けることができるわけですから、日本企業としてはそれらを「放置」しておいても(短期的には)さしたる実害は生じないのです。

(※なお、非上場株式の売却手続に関しては、『非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい』などを含め、当ウェブサイトで過去に何度か議論していますので、本稿では繰り返しません。)

金銭債権は差し押さえただけで損害が生じる(かも?)

これに対し、金銭債権の場合は容易に現金化されます。

金銭債権とは、わかりやすくいえば、「いつまでに(=弁済期)、この金額をだれそれから受け取ることができる」という権利のことであり、逆に言えば、支払う義務を負っている側からすれば「金銭債務」です。

今回のようなケースだと、裁判所が債務者(=三菱重工から商品を買った韓国企業)に対し、その金銭債権(=商品購入代金)を、債権者(=三菱重工)ではなく差し押さえた側(=自称元徴用工ら)に直接支払いなさい、と命令しているわけです。

韓国メディアによると債務者は韓国・LSグループの「LSエムトロン」だそうですが、LSエムトロン側は三菱重工から商品を買ったのに、その商品代金を三菱重工に対して支払わず、自称元徴用工らに支払わなければならない、ということです。

一方、金銭債権とは「弁済期が到来したときにおカネを受け取ることができる権利」のことですが、多くの企業はこの「おカネを受け取る権利」を当て込んで、資金繰り計画を立てたり、生産計画を立てたりしています。

つまり、「金銭債権を差し押さえる」ということは、債権者(=権利を持っている立場)からすれば、「経営上当て込んでいたおカネ」が入って来ない、ということを意味します。

企業規模次第では、これだけの金額が回収できなくなってしまえば、それだけで資金繰りがつかずに倒産することだってありえます(三菱重工ほどの規模の企業なら、たかだか1億円弱の金額を差し押さえられたとしても「経営が揺らぐ」ということはないと思いますが…)。

これが、「金銭債権の差押」の特徴です。

日韓の「信用商売」が崩れかねない局面に!

そして、影響は、これにはとどまりません。

仮に1回でも、差押によって金銭債権の支払が遅れるようなことがあれば、日本企業としても「自衛する」はずです。

具体的には、少なくとも韓国政府から「戦犯企業」と名指しされている299社や、そのような指名を受けることを恐れている会社は、韓国に対して「できるだけ金銭債権を持たない」ようにするはずです。昨今は株主代表訴訟もありますので、どんな経営者であっても、少なくとも何らかの対応をするでしょう。

もちろん、韓国側で、たとえばLSエムトロンが自称元徴用工と三菱重工に金銭債権を「二重払い」すれば、こうした事態を回避することはできるかもしれません。

ただ、それはあくまでも韓国側の判断であって、私たち日本の側が判断することではありません。

もっとも、一部の報道によれば、今回差し押さえてしまった資産は三菱重工のものではなく、同社の孫会社である三菱重工エンジンシステムのLSエムトロンに対する売掛債権である、などとされています。

これについては、当ウェブサイトでは月曜日の『徴用工債権差押で債務者「当社は三菱重工と取引なし」』で、LSエムトロン側が「開示資料で取引先名を正式名称ではなく『三菱重工業』と略して記載してしまった」と主張している、という話題を取り上げたところです。

裁判所「申立書だけで効力を停止したりしない」=韓国メディア

こうしたなか、これに関連した続報がありました。

韓国メディア『東亜日報』が月曜日、こんなことを報じていたのです。

「債権差し押さえた日本の会社、三菱重工とは別の企業」【※韓国語】

―――2021-08-23 04:03付 東亜日報より

原文が韓国語であるため、若干翻訳がこなれていない部分もありますが、リンク先記事ではLSエムトロン側が実際にその陳述書を裁判所に「提出した」としています。

ただし、記事ではこうも記載されています。

  • LSエムトロン側が意見書を提出しただけで、裁判所の差押・回収命令が取り消される可能性は低い
  • 裁判所は、受理されたLSエムトロンの意見書を被害者側に渡す予定だ
  • 被害者側の意見書を受けた後、回収訴訟するかどうかを決定する方針である

つまり、今回の件についても、差押・回収命令が出た状態のまま、しばらく走ることになりそうです。

問題は、差押命令自体を中断することができるかどうかですが、あくまでも一般論に従えば、差押命令の効力を停止することはできません。ここでは大韓民国民事執行法第15条(即時抗告)第1項・第6項の規定を確認しておきましょう(※今回の事例にそのまま該当するわけではありませんが…)。

大韓民国・民事執行法第15条

①執行手続に関する執行裁判所の裁判に対しては、特別な規定がある場合に限り、即時抗告を行うことができる。

⑥第1項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。ただし、抗告裁判所(裁判記録が原審裁判所に残っているときには原審裁判所)は、即時抗告についての決定があるまで担保を提供することにしたり、担保を提供させず、原審裁判の執行を停止したり、執行手続の全部又は一部を停止するように命じることができ、担保を提供することにし、その執行を継続するように命ずることができる。

(訳:著者による)

いずれにせよ、東亜日報の報道が正しければ、今回のLSエムトロン側の意見書だけでは差押の効力が停止されることはありません。したがって、一見すると、またいつもの「売却スルスル詐欺」に見えなくもありません。

ただ、先ほども申しあげたとおり、今回差し押さえられているのは、「どうせ売却できない非上場株式や知的財産権」ではありません。

「金銭債権」です。

そして、金銭債権の場合は、実際に自称元徴用工の側が回収しなくても、「弁済期が到来しても、その債権の支払がなされない」という状態が発生するだけで、「日本企業に不当な不利益が生じた」ことになります。

たかが1円であっても、たかが1日であっても、「不当な不利益」です。

いっそのこと、韓国企業が二重払いしては?

そして、これを回避するためには、おそらく、LSエムトロン側が債務を「二重払い」する以外に方法はないのではないでしょうか。

ただ、ここで少し発想を変えましょう。

考え様によっては、自称元徴用工の原告側が、日本企業の韓国企業に対する金銭債権をどんどん差し押え、韓国企業が日本企業と自称元徴用工らに「二重払い」するという方式が確立すれば、いっそのこと、丸く収まるのかもしれません。

少なくとも日本企業に損害は生じませんし、自称元徴用工らもおカネを手に入れることができるからです。

結局、無関係の韓国企業が迷惑を蒙っておしまい、というシナリオです。

もちろん、それは韓国の自称元徴用工らが自国企業からカネをむしり取っているのと同じことであり、国際法違反の判決で生じる責任を韓国企業自身におわせているという意味では、まさに典型的な「セルフ経済制裁」です。

これはこれで興味深いと思う次第ですが、いかがでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (54)

  • そして、二重支払いした韓国企業に韓国政府が「補助金」?「補償金」?を出せば、めでたく解決(*´ω`)♪ってところですね。

    韓国政府の財源は、韓国民から広く薄く徴収するか、財閥からむしり取るか。

  • >「二重払い」するという方式が確立すれば

    これは極めて危うい方法だと思います。
    理由は、自称徴用工勝訴=併合の違法性が(韓国の)法的に確定してしまうからで、これを先例として無限集りが可能になります。
    また、全ての韓国企業が二重払いをする保証がなく、遠からず日本側企業に実害が出る可能性は当然あります。その時に対抗措置を取れば良いのですか?
    それまでに「併合の違法性が法的に確立」という事実が韓国内だけでなく、世界的に広まってしまう恐れがあります。これは大きいと思います。

    日本企業への支払いが「本来の債券」に見合うもので、原告への支払いが「お気持ち」だと言うなら良いのですが、韓国の司法がそんな判断をするとも思えません。
    むしろその逆でしょう。
    日本政府は「実害が出れば対抗」という立場を表明してしまってますから、実際に支払いがされれば動き様が無いと思います。受け取らないと言っても供託という手もあります。

    「併合の違法性が法的に確立」してしまえば、売掛債権だけでなく、どんな手にも応用が利くのです。
    これを突破口に際限なく広がるのを恐れます。その都度火消しに走らねばなりません。

    これが日本企業なら「二重に払うな」という行政指導も出来るのでしょうが、韓国企業ですから、韓国政府の言うように動くでしょう。
    で、ことなかれの日本政府は「実害が無いなら、まっいっか」では無いんでしょうか。
    実に不味い展開だと思ってます。

    • >「理由は、自称徴用工勝訴=併合の違法性が(韓国の)法的に確定してしまうからで、」

      そうなんですか? もしそれが韓国内で法的に確定するなら、自称慰安婦の方も韓国内の誰かが払うと確定するということになります。どんどん自分で問題を作り出して、韓国内の誰かが代払いすれば、歴史的事実として確定するというのは、韓国内では通用するかもしれませんが、いかに韓国式プロパガンダが強力でも国際的に通用するものでしょうか。

      • 匿名29号 様
        自称慰安婦の場合は被告が日本企業ですから、第三者が支払ったとしても、被告の資産が現金化されたとは言えないと思います。
        但し、新宿会計士様は換金できないと仰いますが、第三者が裁判所の言い値(評価も裁判所のお手盛りで)で買えば良いので、そのような愛国的韓国人はいくらでも居ると思ってます。
        ホントはこれも怖いのです。
        今回は日本の資産を韓国企業が持っているので、第三者でなくても、韓国企業が支払うように仕向けるのは簡単じゃないかと思うのです。
        で、国際的に通用するかどうかは、クラスワミの前例があります。
        言った者勝ちなのです。

    • 私は門外漢様の考えに賛同します。
      別の言い方をすると、「金を払わない加害者日本の代わりに、徳の高い韓国国民が払ってやることにした」と千年言われることになる、ということです。告げ口外交も喜んでするでしょう。
      仮にセルフ経済制裁(というか、単に自爆?)が継続し、金銭的被害が日本に発生しないとしても、少なくともムカつきます。

      • うーん、よく分かりません。 仮に「徳の高い」LSエムトロンが差押えを自称徴用工へ支払うことを同意して、三菱重工エンジンシステムにも別途支払いを行ったとしたら、日本側は国際法違反として判決を拒否した状態のまま、韓国内では判決が確定してそれが国際的に”自称徴用工に賠償すべし”という風になってしまうというというのも大いにあり得ます。 しかし自称慰安婦の時と異なるのはロシアやドイツなど本当に強制徴用した国が賠償に同調するかどうかです。人権に対する罪は時効がないというなら更に遡って奴隷貿易などは莫大な賠償対象となります。

        まあ、都合の悪い西欧諸国にとってはむしろ「相手国には損害を与えず自国内で解決した」と歓迎されるかもしれません。判決と国民感情が足枷になって国際法違反をクリヤーできなかった文在寅大統領にとっても、日本には実害を与えず且つ判決が実行されたということで一件落着させて次のステージに進むことができます。そこまで考えてLSエムトロンを差し押さえたのだとしたら、なかなかの策略です。
        (問題は、今後我も我もと自称徴用工が湧いてくるであろうことですが)

        「徳の高い韓国国民が払ってやることにした」と千年言われることになるでしょうが、しかし何をしても千年逆恨みをして告げ口するのだから、韓国を自爆・滅亡させる方向に向ける方が得かもしれないとも思ったりして、よく分かりません。

    • 門外漢 様へ
       「朝鮮併合の違法性が法的に確定する」という懸念はもっともだと思いますし、当然、茂木外務大臣や加藤官房長官の記者会見では「日本政府は韓国大法院の自称元徴用工判決を追認したのか」という質問が出ると思いますが、大臣(長官)次のように回答すると思います。
      ➀三菱重工業に関する韓国大法院の自称元徴用工判決は、日韓請求権協定違反で国際法違反だ。
      ➁国際法違反の判決に基づいた債権差押・取立て・損害賠償請求権への充当も国際法違反だ。
      ③三菱重工業や三菱重工業エンジンシステムなどの関係日本企業に実質的な損害が発生していなくても、➀および➁が国際法違反である事実は変わらないので、日本政府としては、韓国政府に対して国際法違反の状態(①および➁)を是正する措置(例えば法律制定による大法院判決の無効化)を引き続き求めていく方針であり、韓国大法院の自称元徴用工判決を追認した訳では決して無い。
       このように答弁すると、「日本政府は、韓国政府の国際法違反に対して『対抗措置』を実施しないのか」という質問が出ると思いますが、これに対しては、
      「外国政府(加害国)の国際法違反行為に対して、被害国は、国際法により『対抗措置』を実施することが認められているが、その一方で対抗措置については『受けた損害と均衡でなければならない』という条件があり、日本企業に実質的な損害が発生していないのに『対抗措置』を実施すれば、逆に日本政府が国際法違反を犯してしまうことになり、現在の状況では『対抗措置』を実施することは適切では無いと考えている。日本企業に損害が発生すれば、当然、『対抗措置』を実施する方針であることに変わりはない。」
       外務省の東大法学部出身の官僚なら、より説得力のある回答文を作成すると思いますが。

      • なるほど、すっきりしました。誰かが代弁したとしても、判決自体が国際法違反である事実は変わらないんですね。

      • 名無しの権兵衛 様
        仰る通りです。
        大法院の判決がある以上、下級審が何を言おうとも解決にはなりません。
        が、「大法院判決を何とかしろ」と言ってしまうと内政干渉の恐れがありますので、やはり実質被害が出るまでは何も打つ手は無いんでしょうねえ。
        「現金化がレッドライン」と言ってしまったのは拙かったです。

  • カツアゲ国家による天引き制度ですね。現金決済しか出来なくなるのとどちらが良いか?は韓国企業がお決めになる事。

  • 彼らの言う「戦犯企業」には商売上必要との判断なのでしょうか、先日の三菱重工関連会社(孫会社?)の売り掛け債権差押え地裁決定がでた直後でも、子会社を通じてではありますが、韓国への投資すると報道される企業があるのが実情。
    株主代表訴訟に耐えうるのでしょうか?

    『住友化学、半導体洗浄剤を増産 日本と韓国で』2021年8月24日 17:05 日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC246TP0U1A820C2000000/

    『徴用工訴訟、70社超が対象に 訴状未着の企業多く』2018年10月30日 19:52 日本経済新聞
    https://www.nikkei.com/article/DGXMZO37131870Q8A031C1FF2000/

  • >もちろん、それは韓国の自称元徴用工らが自国企業からカネをむしり取っているのと同じことであり、国際法違反の判決で生じる責任を韓国企業自身におわせているという意味では、まさに典型的な「セルフ経済制裁」です。

    おっしゃる通りですね。
    しかしその事実が知れ渡れば、LsMは韓国内から親日企業として袋叩きにあうでしょう。
    もっともその方が、身内間争いを起こさせたということで、ダブルのセルフ制裁を呼び込むことに成功した、と言えるのかもしれません。

  •  素朴な疑問ですが、もし韓国の裁判所が、徴用工裁判で(結果的に)アメリカ企業の金銭債権差押判決を出したら、米韓関係を破壊したい文大統領政権は、どうすると思いますか。

  • 韓国のことだから、想像の斜め下をゆく経過を経るでしょうが、
    最終的かつ不可逆的な韓国経済崩壊が訪れて欲しい。

  • 素人考えで申し訳ありませんが,仮にLSエムトロンが二重払いした場合,三菱重工エンジンシステムは不当利得を得たことにならないでしょうか。売買契約に基づく金銭債権は差押えられているのですから,二重払いされた金員は法律上の原因なくして得た利得となるのではないかと。
    別途贈与契約等を結んだと解したとしても,会計上の処理や税金がらみの処理も変わってくるでしょうし,同額の金銭をとにかく支払ったからそれで損害がない,という段階はもう過ぎてしまっているのではないかと個人的には思います。

    • LSエムトロンがどう会計処理するかは、わかりません。
      三菱重工エンジンシステムは、差押えに関係無く、債権回収処理をするだけでしょう。

      • だんな 様
        LSは、裁判所の方は正規の支払いで、三菱へは寄付扱いにするんだろうと思います。
        三菱は売掛金は回収出来なかったことになり損金扱いで、かつ同額の贈与を受けたことになるので、所得税は変わらない?

        • 門外漢様

          >三菱は売掛金は回収出来なかったことになり損金扱いで、

          損失処理をすることは判決を認めることになるので、だんな様がおっしゃるように売掛金の回収処理をするだけだと思います。
          そもそも、韓国の裁判所に三菱の会計処理を強制する権限はありません、三菱は日本の公正妥当な会計処基準に沿って粛々と処理するだけです。

          また仮に損失処理をしても、国税は損金処理を認めないでしょうね、日本の司法や税務当局、究極的には日本政府が韓国判決を認めることはないでし、また今後の判決結果により回収可能性は残っていますので。。
          なので、仮に貸倒損失処理をした場合は別表4での加算処理、つまり決算書上は損失計上で利益のマイナスとなりますが、有税(課税)扱いとなり、三菱にとってふんだりけったりとなります。

          よって、損失処理をすることはありえないでしょう。

          • PONPON 様
            了解です。
            税務署も双方の帳簿を突き合わせたりしない。アッチはアッチ、コッチはコッチということですね。

    • 三菱重工エンジンシステムでの会計だけを考えてください。
      入金予定の金額が入金されるだけで、何の利得もありません。

      不当な差押えで「LSエムトロンの資金繰りが苦しくなる」だけのことです。

    • 匿名さんへ

       私も同様の疑問を持ちますし、上(08/25 11:20)で門外漢さんが懸念されていることの前提であると思います。
       すなわち、LSエムトロンが単純な金銭の授受として事実上の「二重払い」をしたとしても、法律の定める正規の手続きを履践したという意味での「債務の本旨に基づいた履行」は自称徴用工側への支払いであり、三菱重工エンジンシステムへの支払いは「贈与」や「何らかの名目での和解金・解決金」という扱い(位置付け)になり「本来の契約上の債務の履行」とはならなくなってしまう、と思うのです。
       そのことが門外漢さんのおっしゃっている「自称徴用工勝訴=併合の違法性が(韓国の)法的に確定してしまう」ということに影響を与え、「「併合の違法性が法的に確立」という事実が韓国内だけでなく、世界的に広まってしまう恐れ」も懸念しなければなりません。
       ということで、私も匿名さんと同様に「同額の金銭をとにかく支払ったからそれで損害がない,という段階はもう過ぎてしまっているのではないか」と思います。

      • >そのことが門外漢さんのおっしゃっている「自称徴用工勝訴=併合の違法性が(韓国の)法的に確定してしまう」ということに影響を与え、「「併合の違法性が法的に確立」という事実が韓国内だけでなく、世界的に広まってしまう恐れ」も懸念しなければなりません。

        仮に韓国最高裁で同様の判決が出て、三菱側が損失処理をした場合でも、それはあくまで実質的な回収可能性を踏まえた会計処理をしただけであり、判決を認めたわけではありません。
        まして、現在は地裁レベルの判決に過ぎないわけですから。

        なお三菱側が損失処理をすることはありえないと思います、理由は上記門外漢様に対する私のコメントをご参照ください。

        但し、韓国側が上記会計処理を取り上げて、「三菱が判決を認めたニダ!」と騒ぐ可能性はゼロではないですが、そんな屁理屈は韓国以外では通用しないので、放っておけば良いと思います、日本がダメージを負う可能性はゼロですから。
        そもそも、三菱内部の会計処理を韓国側が知ることはできませんしね。

        • PONPONさんへ

          >三菱側が損失処理をした場合でも・・・判決を認めたわけではありません。

           すみませんが、三菱側に「判決を認めるか否か」という選択権があるのですか?もちろん(某巨大匿名掲示板の創設者のように)「判決に従うのか従わないのか」という選択肢はありますけど。
           また、民事訴訟で損害賠償責任を負うことになり資産の一部に強制執行がかけられた場合、被告(債務者)の経理処理の方法によって、判決(決定)の効力に差異が生じるのですか?
           私は、LSエムトロンが二重払いをした場合に、「韓国の法律界において一連の判決・決定が今後どのような意味を持つことになるのか、ひいては国際社会における我が国の立場(日韓併合及びその後の統治の適法性への評価)に影響を与えるのではないか?」ということを気にかけているのであって、三菱が判決を認めるべきか否か自体を論じたつもりはないのですが、先のコメントが説明不足だったのならお詫びします。

    • これは特に問題ないと思います。金銭債権が差し押さえられても、それそのもので会計に影響ないはずです。回収可能性が低くなるので引当が必要とかあるかもしれませんが。2重払いでうけとっても、別に普通に回収出来たとして会計すればいいはずです。もし、差し押さえも外れて本格的に2重受け取りになってしまったら、一方を返金すればいいです。そもそも相手が勝手に2重払いしたものを例え返さなくても、何ら違法ということはありません。2倍の値段で買ってくれたとでも会計しときましょうか。

      それより債務の認識がない差し押さえを食らう現状の方がより会計上困るように思います。

  • 別会社の債権という事で、差押えが無効になるという単純な話にはならず、差押えの有効性について裁判になると予想していました。
    一方で債権差押えによる日本企業の損失が発生するのは、通常の債権回収期限を超えた時点とすると、判決待ってる時間は有りません。
    韓国企業が通常通りに支払いを行い、別途裁判になる可能性もあります。
    牧野氏の記事に書いてある、韓国が制裁流れをしながら、瀬戸際外交を継続出来る最後の手段でしょう。
    牧野氏の記事は以下のリンクです。
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c5cf0916647efe440329e0bae33c5f0fc24bd35f

    韓国企業が支払う前例の良し悪しは、すぐに判断出来ませんが、韓国企業が日本企業との取引リスクを抱える事になり、取引は減るでしょうね。
    昨日の話の、「反日で利益を得る人と、被害を受ける人が違う状態」に相応しいかもしれません。
    まあ、「日本企業との取引は、親日行為ニダ」という時代が、そのうち来るかもしれませんからね。

    • だんな 様

      >韓国が制裁流れをしながら、瀬戸際外交を…

      これ、「制裁逃れ」?

  • >裁判所は、受理されたLSエムトロンの意見書を被害者側に渡す予定だ
    >被害者側の意見書を受けた後、回収訴訟するかどうかを決定する方針である

    ここは裁判所が主体的に判断を下すべきところなのでは?
    ①錯誤の存在(三菱重工エンジンシステムは別会社)を認め、差押え措置を撤回する。
    ②持分100%の連結対象企業は同一組織であると解釈し、差押え措置を実施する。
    *被害者の意見云々の問題ではないと思うんですけどね・・。

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