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徴用工・慰安婦問題に「12の解決策」と騙る駐日大使

最終的かつ不可逆的な破壊に向けて巡航中の日韓関係

姜昌一(きょう・しょういち)氏といえば、現職国会議員時代に日本政府の許可なく北方領土に上陸した人物であるとともに、天皇陛下を「日王」などと侮辱して発言した人物でもあります。そんな人物が駐日大使として信任状を天皇陛下に奉呈して1ヵ月近くが経ちますが、その姜昌一氏のインタビュー記事を見れば、さまざまな意味で現在の日韓関係が凝縮されているようにも見受けられるのです。

英米仏独加豪との首脳会談

昨日の『日本は米英仏加欧豪印等と友好や連携を確かめてほしい』では、英国・コーンウォールで開かれているG7会合を巡り、具体的な2ヵ国間会談やそのテーマなどについて、個人的な見解を議論しました。

昨日深夜時点で確認した限り、G7サミットに参加するために英国を訪問中の菅義偉総理大臣は、少なくとも英国、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダの5ヵ国の首脳との会談をこなしたほか、ジョー・バイデン米大統領とは会議場で密接な協議をしたようです。

日本以外のG7のメンバー国は、現状、英国、米国、カナダ、フランス、ドイツ、イタリアの6ヵ国に加え、欧州連合(EU)です。

また、今年のG7には、この「7ヵ国+EU」以外に、豪州、インド、南アフリカなどの4ヵ国がゲストとして招かれています。最近ではG7に民主主義国を加えた「D10」などの概念を、メディア報道などで見かけることもあります(※G7+4だと11ヵ国になってしまい、計算は合いませんが…)。

こうしたなか、昨日深夜時点で、外務省『2021 G7コーンウォール・サミット』のページを確認すると、日本は6月11日の日英首脳会談を皮切りに、12日には日独首脳会談日仏首脳会談が、13日には日豪首脳会談日加首脳会談が行われています。

また、これとは別に12日のサミット本会議では菅義偉総理大臣とジョー・バイデン米大統領との個別の打ち合わせも行われています(外務省ウェブサイト上は、「日米首脳間の協議」と表記されています)。

つまり、G7メンバーのうち英・独・仏・加の4ヵ国と、ゲスト国である豪州、合計5回の首脳会談が行われている、というわけです(※内容については、もしかすると別稿で取り上げるかもしれません)。正直、最低限のラインとしては、これで十分でしょう。

イタリアや南アフリカとの会談については昨日深夜時点で確認できませんでしたが、この2ヵ国との首脳会談がもし実施されていなかったとしても、それ以外の重要な国との会談は済ませていると評価することができます(もちろん、もし実施されていればなおよし、ですが)。

なお、現在の日本にとって大変に重要な国であるインドとの首脳会談は実施されていませんが、これはインドにおける感染拡大の影響で、モディ首相が対面でのG7参加を見送ったためです。

なお、個人的に注目していた「日米豪3ヵ国首脳会合」については、昨日深夜時点で確認できませんでしたが、いずれ日米豪印4ヵ国(クアッド)の対面会談実施されるものと期待したいところです。

朝日新聞の姜昌一氏インタビュー

姜昌一氏が朝日新聞のインタビューに応じた

さて、サミット直前の先週金曜日、朝日新聞にこんな記事が出ていました。

「文大統領、菅首相と対話意思」 駐日韓国大使インタビュー

―――2021年6月11日 5時00分付 朝日新聞デジタル日本語版より

この記事自体、「会員専用記事」です。朝日新聞によると、「無料会員」に登録すれば、この手の「会員記事」が毎月5本まで読めるそうです(※ただし、「有料会員記事」については読めないなどの制約もあるようですが、詳しい条件については朝日新聞のウェブサイトで直接ご確認ください)。

それはさておき、記事タイトルにあるとおり、この記事自体は「今年1月に着任した韓国の姜昌一(カンチャンイル)・駐日大使」が朝日新聞の取材に応じた、とするものですが、ここの事実関係についていろいろと細かいツッコミどころがあります。

たとえば、『【速報】姜昌一氏が天皇陛下に信任状捧呈、正式大使へ』などで報告したとおり、姜昌一(きょう・しょういち)氏が正式に天皇陛下への信任状捧呈を済ませ、駐日大使として活動できるようになったのは今年5月下旬の話です。

ただし、この点については大した問題ではないと思いますので、とりあえずは脇に置きたいと思います。

いずれにせよ、個人的に記憶する限り、信任状捧呈式終了後に姜昌一氏が日本の大手メディアに登場したのは、初めてかもしれません。それだけに、姜昌一氏が「駐日大使」として、どんな内容を述べているのかについては、(少しだけ)興味を感じる点でもあります。

噴飯物の姜昌一氏の認識

ただ、非常に残念なことに、記事に記載された姜昌一氏の発言内容自体が、何かと噴飯物なのです。

たとえば、姜昌一氏は英国のG7サミットに参加する国が「東アジアでは韓国と日本のみ」と述べたうえで、「両国が会うのは常識(的)」、「日本政府には大人の対応をしてほしい」と求めたのだそうですが、そもそも日本はG7のメンバーであり、韓国は単なるゲスト国です。

また、たしかに韓国は「東アジア」という意味では「日本と同じ」ですが、日本が現在推進している「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」という理念を共有していません。理念を共有しているかどうかという意味では、豪州、インドの方がはるかに「日本と近い国」であり、韓国は「日本と遠い国」です。

さらに、「大人の対応」というのも、意味がわかりません。

もしも彼が、「韓国が日本に対して仕掛けるさまざまな不法行為を不問に付したうえで対話のテーブルに着いてほしい」という意味で「大人の対応」と称しているのならば、むしろ日本が「大人の対応」とやらを取ること自体、韓国を「子供」のように扱っていることになりかねません。

外交交渉で解決すべきものではない

姜昌一氏の認識の問題点は、これだけではありません。

朝日新聞の記事では、姜昌一氏が「日韓関係悪化の大きな要因」となっている「元徴用工や元慰安婦をめぐる裁判の問題」には、「外交交渉を通じて解決できる道を探っていくべきだ」とする立場を示した、と記載されていますが、こうした発言も極めて不適切です。

そもそも事実関係が間違っています。「元徴用工」と「元慰安婦」なる者は存在しません。そこにいるのは「自称元徴用工」と「自称元慰安婦」です。

また、日韓間の関係がギクシャクしていることは間違いないにせよ、『「日韓」と「日米韓」を明らかに分けて考える日本政府』でも述べたとおり、それを「悪化」だと決めつけるべきではありません(※人間関係で「悪い友人」との付き合いが疎遠になることを「人間関係の悪化」と呼ぶ人はいません)。

さらに、姜昌一氏はインタビューで、これらの問題について、「韓国側が考えている解決策は多くある」などとしたうえで、「互いに対話のテーブルにつき、日本側からも案を伝えてくれれば、(解決は)難しくない」などと述べたのだそうですが、この認識の周回遅れぶりにも驚きます。

そもそも自称元徴用工問題と自称元慰安婦問題が日韓間の「歴史問題」の分野における双璧をなすものであることは間違いありませんが、少なくとも文在寅(ぶん・ざいいん)政権発足以来に限っても、韓国が日本に仕掛けてきた不法行為は、この2つだけではありません(図表)。

図表 文在寅政権下の韓国が日本に対して行った不法行為の例
時期 出来事
2017年12月 2015年12月の日韓慰安婦同意に関する外交機密文書を日本政府の了解なく勝手に公表
2018年9月頃 旭日旗騒動
2018年10月30日、11月29日 自称元徴用工判決
2018年12月20日~ 韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射事件
2019年2月頃 国会議長による天皇陛下に対する侮辱発言
2019年7月頃まで 慰安婦財団解散
2019年7月19日 日韓請求権協定に基づく紛争解決措置の完全な無視
2019年8月22日~11月22日 日韓GSOMIA破棄騒動
2019年9月11日~11月22日、2020年6月2日~ 日本の対韓輸出管理適正化措置を巡るWTO提訴騒動
2021年1月8日 自称元慰安婦の訴訟に関連し、ソウル中央地裁が日本政府に主権免除違反の判決を下す
2021年4月14日~ 日本政府が決定した福島第一原発のALPS処理水の海洋放出を巡って「汚染水」と誤った用語まで用いて激しく批判する

(【出所】著者作成。肩書は当時。なお、余談ですが、2020年までの出来事については、拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』のP33にも転載しています。)

解決の全責任は韓国側のみにある

少なくとも図表に掲げた問題を解決する責任は、第一義的に、韓国側にあります。いずれの問題も、韓国が一方的に作り出した(あるいはいったん解決したものを蒸し返した)ものだからです。

そして、問題解決において必要なことは、「互いにテーブルに着き、それぞれの解決策を持ち寄る」ことではありません。まずは韓国が国際法、条約、国際的な約束、あるいは国としての信義や礼儀などを、きちんと守ることです。

姜昌一氏が理解できないならば、ちゃんと列挙してあげましょう。

日韓間の諸問題を解決するための方策の例
  • ①外交機密文書を日本政府の了解なく勝手に公表したことを謝罪し、二度としないと確約する。
  • ②自衛艦に旭日旗を掲揚するなと要求したことを謝罪する。
  • ③自称元徴用工判決は国際法違反であると認め、その判決を無効化するための措置を講じる。
  • ④韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射事件について、日本に対し真摯に謝罪し、関係者を処罰し、再発防止策を策定する。
  • ⑤当時の国会議長による天皇陛下に対する侮辱発言を、大統領や国会議長が謝罪する。可能であれば、本人に謝罪させる。
  • ⑥慰安婦財団を解散したことを謝罪し、必要なら特別立法措置を講じるなどして、慰安婦合意を完全に履行する。
  • ⑦自称元徴用工問題を巡る、日韓請求権協定に基づく紛争解決プロセスを韓国側が完全に無視したことを謝罪し、あらためて請求権協定の遵守を確約する。
  • ⑧日韓GSOMIAを破棄しようとしたことを謝罪する。
  • ⑨日本の対韓輸出管理適正化措置を受け入れ、日本政府が政策対話を求めるなら、それに応じる。
  • ⑩ソウル中央地裁の主権免除違反判決を無効化するための措置を講じる。
  • ⑪福島第一原発のALPS処理水を「汚染水」と呼んだことを謝罪し、海洋放出が国際基準に従って行われている限り、それに文句を付けない。

…。

いかがでしょうか。

これらのなかで、日本側に講じることができる措置は、ひとつもありません。すべて、韓国側にしか講じることができない措置ばかりです。

逆にいえば、日本が国家として、「これ以上は譲歩できない」状態にある論点が、少なくとも10個以上あるということです。李明博(り・めいはく)、朴槿恵(ぼく・きんけい)両政権時代に生じた問題なども含めれば、10個どころではありません。

ハンギョレ新聞の見解

ハンギョレ新聞「12種類以上の解決策」

さて、この話題については、続きがあります。

韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)が、こんな記事を配信していたのです。

カン・チャンイル駐日韓国大使「徴用訴訟の解決方案、知っているだけで12種以上」

―――2021-06-12 06:42付 ハンギョレ新聞日本語版より

「朝日新聞とのインタビューで明らかに」、というサブタイトルがついているとおり、ハンギョレ新聞が話題として取り上げているのは、上記朝日新聞の記事です。しかし、朝日新聞の名誉のために申し上げておくと、このハンギョレ新聞の記事には、原文に存在しない記述を付け加えている箇所が多々あります。

たとえば、姜昌一氏の「一緒にテーブルに着き、ともに選んでいく過程が大切だ」などの発言の箇所については、「韓日請求権協定などを前面に出して責任がないと主張し対話自体を拒否している日本政府の態度の変化を求めた」と、朝日新聞の原文の記述にはない文章を勝手に付け加えています。

もっといえば、記事のタイトルにもある「解決方案は知っているだけで12種類以上」という記述については、少なくとも先ほど示した朝日新聞の記事には出て来ないものでもあります。ハンギョレ新聞は朝日新聞の記事以外にも、独自に情報を得てこの記事を執筆している、という可能性がありそうです。

「今年秋口までに問題解決が必要」、ムリムリ!

さて、「12種類の解決方案」については後述するとして、ハンギョレ新聞の記述のうち、「朝日新聞の記事に含まれていない内容」として取り上げておきたいものが、ほかにもあります。

それが、この記述です。

カン大使は、来年3月に韓国大統領選挙を控えており、今年の11~12月頃に選挙運動が本格化すれば、日本関連イシューが大きな話題に浮上して、反日感情問題も突出するだろうとし、『そのために文大統領の任期が終わる前に解決しなければならない』と話した」。

ちなみに「カン大使」とは姜昌一氏のことでしょう。

「日本関連イシューが大きな話題に浮上し、反日感情問題も突出する」というのは、韓国の国内事情であり、私たちの国・日本にとっては、本来ならば正直どうでも良い話です。

また、先ほども列挙した「文在寅政権下で韓国が発生させたさまざまな問題」については、見たところ、大変失礼ながら、文在寅政権の構成メンバーの皆さまの実務能力などに照らし、とうてい解決できるものではありません。

逆にいえば、姜昌一氏の認識が正しければ、今年の韓国大統領選が盛り上がるにつれ、韓国社会でさらにさまざまな反日的な事件が発生してくる可能性が高い、ということであり、それはそれで大変に楽しみ心配なことでもあります。

な~にが「12個の解決策」だ

そのうえで、先ほども指摘した「12の解決策」とやらの、具体的な記述を確認していきましょう。

ハンギョレ新聞によると、この「12の解決策」云々の発言は、次のような文脈で出てきたものだそうです。

日本側としてもこういう案を考えていると伝えてくれれば、韓国側としても『これは国内の被害者の説得が難しい』とか、『これは実現可能だ』などといった意見交換ができると思う。対話することになれば解決方案を見つけることは難しくない」。

ハンギョレ新聞は「日本は韓国側にのみ解決方案を出せと一貫して主張しており、対話に臨もうとしていない」などと、日韓間の問題の責任を日本側に転嫁したうえで、姜昌一氏がその「解決策」とやらについて、次のように述べたと報じています。

それはお話しできないが、私が見ただけでも12以上はある」。

な~にが「お話しできないが、12個の解決策がある」、ですか。

本当に呆れますね。

いちいち、自国の責任を棚に上げて日本を批判するハンギョレ新聞の記述もどうかと思いますが、姜昌一氏の認識も、それに輪をかけて噴飯物です。また、「12以上ある」と言いながら、その具体例を何ひとつ挙げられないというのも、無能かつ無責任な文在寅政権を象徴する人物のひとりといえます。

ただし、姜昌一氏が自称元徴用故問題などを巡り、「解決策はいくつある」などと述べるのは、これが最初ではありません。

「姜昌一大使が関係改善意欲の証拠」?噴飯物の主張』でも少しだけ取り上げましたが、姜昌一氏は日本に赴任する前の昨年12月、ソウル市内で日経新聞など日本のメディアの取材に応じ、自称元徴用工問題などを巡って、次のように述べています。

韓日が互いの名分を立てられる解決法を模索しなくてはいけない。方法は色々ある」。

その「いろいろな方法」について、日経電子版に2020年12月1日付で掲載された『元徴用工問題「解決法、色々ある」 韓国の次期駐日大使』という記事によると、姜昌一氏は次のようなものを列挙したそうです。

  • ①韓国政府が原告から債権を引き取って現金化を回避する案
  • ②1965年の日韓請求権協定で恩恵を受けた韓国企業などが中心となって賠償を「代位弁済」する案

(※どうでも良いのですが、実際には2つか3つしか解決策を考えていなくせに、「解決策は10個ある」などと勝手に膨らませる癖は、やめた方が良いと思ってしまいます。韓国人に言っても仕方がない話かもしれませんが…。)

まったく解決になっていない

結論からいえば、姜昌一氏が昨年示した①、②については、どちらもまったく解決になっていません。

たとえば①の「韓国政府が原告から債権を引き取る案」は、韓国の大法院(※最高裁に相当)の判決によって確定した損害賠償請求権そのものが消滅しない以上、韓国という国家が日韓請求権協定に違反する行為を行っているという点にまったく変わりはありません。

また、②の「韓国企業などが代位弁済する案」とやらにも、極めて深刻な問題があります。そもそも自称元徴用工判決自体、近代主権国家では発生し得ない権利義務関係が唐突に発生したことが問題なのであって、その本質的な部分の解決には至っていないからです。

こんなことを平然と言い放つ人物が「知日派」というのも驚きですね。

ちなみに姜昌一氏は東京大学で「博士号」を取得しているのですが、東京大学ウェブサイトの『学位論文要旨』というページによれば、その論文は『近代日本の朝鮮侵略と大アジア主義 : 右翼浪人の行動と思想を中心に』というタイトルであり、学位は「文学博士」だそうです。

そういえば、姜昌一氏といえば、『姜昌一氏、日韓関係の悪化の責任を日本に転嫁』などで述べたとおり、日韓間の諸問題についての基本的な事実認識が極めて怪しいという人物でもあります。

たとえば、ハンギョレ新聞に1月27日付で掲載された『姜昌一・新駐日韓国大使「歴史コンプレックスのない進歩政権が韓日関係の解決を」』という記事は、5000文字を超える長文ですが、正直、この人物が法令や外交などの初歩的な知識すらあやふやであることを如実に示してくれています。

インタビュー自体は姜昌一氏が日本に渡航する直前の1月19日に行われたものらしいのですが、姜昌一氏の主張のサマリーを、日本語表現を一部手直ししたうえで紹介すると、次のようなものです。

  • ①慰安婦被害者たちは金でなく名誉を望んでおり、解決には両国政府の知恵が必要
  • ②1月8日の主権免除違反判決は「司法正義の実現」だが、国家財産の差押えは簡単ではない
  • ③強制動員問題、政府が多くの意見集め、決断を下すべき
  • ④輸出規制、GSOMIAは直ちに解決し、歴史問題はひとつずつ解決を
  • ⑤安倍前首相は「政治的計算」、実利主義者の菅首相に改善を期待

まことに恐ろしい認識です。

こうした記述を読んでいくと、姜昌一氏のような不勉強かつ無責任なウソツキが駐日大使として日本にやって来ること自体、現在の日韓関係を象徴しているように思えてなりません。

というよりも、「姜昌一氏を駐日大使に任命した文在寅氏の最大の狙いは、日韓関係の最終的かつ不可逆的な破壊にあるよ」、と言われても、説明として不自然な点はまったくないように思えてならないのですが、いかがでしょうか。

文在寅氏はいずこへ?

さて、昨日の『産経「文在寅氏が菅義偉総理に歩み寄って声を掛ける」』で「速報」的に話題として取り上げたのが、「英国を訪問中の菅義偉総理大臣と文在寅氏がことばを交わした」、という「事件」(?)です。

考えてみれば、おもしろい時代になったものです。

現在の日韓両国は、国際会議のサイドラインで首脳が2~3の言葉を交わしただけでメディアがわざわざ報じるわけですから。

ほんのひと昔前、たとえば第2次安倍晋三政権が発足した2012年末から13年あたりにかけての時期、日本政府は機会があるごとに、韓国を「基本的価値と利益を共有する最も重要な隣国」と表現していました。

それがいまや、日本政府内では韓国は「約束も国際法も守らない国」として位置づけられ、国際会議などの場でも無視するという扱いに成り下がりました。すべては韓国の自業自得、というわけですが。

なお、冒頭でも触れたとおり、日本は今回のG7で、昨日深夜時点において、とくに重要な国(メンバー国では米、英、仏、加など、ゲスト国では豪州)との首脳会談を終えていることが確認できますが、「日米韓3ヵ国首脳会合」や「日韓首脳会談」については確認できませんでした。

そして、どの国との会談が行われたか(あるいは行われなかったか)については、そのこと自体、日本外交の立ち位置を考えるうえで、大変に重要なファクターでもあります。

なお、最終的に今回、日韓首脳会談が見送られたとしても、もし文在寅氏が任期末まで在任するなら、まだASEAN+3など、日韓首脳が同じ空間に来る機会はあるでしょう。

しかし、現在の日韓関係のこじれが、首脳会談を1回や2回行ったところで解消できるほど簡単なものではないこともまた間違いありません。

日韓関係が修復されるにせよ、最終的かつ不可逆的に破壊されるにせよ、文在寅氏が来年5月に退任し、監獄に行くか、地上の楽園に行くか、楽園に行くかが決定するあたりまで、その「結論」は見えてこないのかもしれませんね。

新宿会計士:

View Comments (50)

  • まあ、なんですよね。
    「韓国側が実行しなければならない対策が12個以上ある」でしょうか…?

    ホンマに、カンチャンイランです。

  • 韓国大統領が東京オリンピックに合わせて日本訪問をして首相とトップ会談をしたがっているとの怪情報?がありました。あるいはそれは観測気球だったのかも知れませんが、かの国より正式に否定されて、来なくてまるでよかったと(胸をなでおろして|小さな字でゖと感じて)いる向きも少なくないと思われます。あの顛末に関して、大使と本国の間でのっぴきならぬ意見齟齬が生じているのではと当方は邪推します。行かないと言わせるそんな策略があったのではと。
    すなわち「火のないところに煙を立たせて、消火に走らせる」ほかのどこの報道機関も追いかけない突飛な単発記事には見覚えがあります。出席しなかったのは脚を怪我したから。ありそうでありそうでない真偽不明なケムリというやつです。

  • あれ。バイデン氏は日韓の仲を取り持つために日本に圧力をかけるんじゃなかったでしたっけ。
    結局は日米韓首脳会談すら行われませんでしたね。

    日本は首脳会談はしない、駐日大使と外相の会談もしない、の方針で確定しています。オリンピックで大統領訪問を裏で画策しようとしましたが、微妙な時期にリークされて潰れてしまいました。

    駐日大使が12の解決策とか言えたのも、朝日新聞がわざわざ取材に行ったからです。駐日大使自身ニュースになるような行動を自らすることはできません。ある意味捧呈式は最後の「出番」だったのではと思うんですよ。ここから大使退任までニュースになることなく終わるでしょう。

    韓国国内では、オリンピック韓国選手団に竹島Tシャツを配ったり、竹島入り統一旗を開会式で掲げたりと、オリンピックを政治主張にしようとする画策がされています。もし実現したら、モロにIOCの制裁に値する行為です。たとえ1億歩譲ってHPの竹島表記が政治主張だとしても、だからといって韓国も政治主張をオリンピックの場でしていい免罪符にはなりません。

    韓国はこれから自爆フェーズに入ります。何もせずに燃え上がるのを離れたところから傍観しましょう。

  • >たとえば、姜昌一氏は英国のG7サミットに参加する国が「東アジアでは韓国と日本のみ」と述べたうえで、「両国が会うのは常識(的)」⋅⋅⋅

    「一度合意したからと言って、過去にけりをつけた訳ではない」と発言した人間と会って何を話すのでしょうか?
    あの発言は日韓関係を決定的に破壊したと思いますよ。
    「両国が会うのは常識的」?眠らずに夢を見る事ができる器用な人間らしいですね(怒💢)

  • おはようございます。

    サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンによると「恋人と別れるには50の方法がある」らしいので、この解決策も12くらいはあるんじゃないですか?(棒読み)

    すみません、ニッチなネタで(汗)

  • >日本関連イシューが大きな話題に浮上して、反日感情問題も突出する

    どんな合意をしても秋には反故にする
    って宣言じゃないのかな?

    • 七味様

      いつもながら的を得た指摘に対し、座布団一枚を進呈致します!!

    • 今秋というと大統領選の予備選、党内での代表を決めるタイミングですね。
      たしかにものすごい反日合戦が展開されそうなのでこの指摘には納得なのです。

    • 時間差でもひとつなのです♪

      >対話することになれば解決方案を見つけることは難しくない

      「慰安婦合意」って、対話して見つけた解決方策だったと思うのです♪
      それを反故にしたのは韓国政府なのに、いまさら何を言ってるのやら?
      せめて、憲法改正して文氏朝鮮として政権交代がない体制にしてから、言って欲しいのです♪

      • 直前の
        >日本側としてもこういう案を考えていると伝えてくれれば、韓国側としても『これは国内の被害者の説得が難しい』とか、『これは実現可能だ』などといった意見交換ができると思う。
        というのもおかしな話なのです♪

        まずは、日本側とじゃなくて、韓国内の自称さんや国民と対話すべきなのです♪
        その上で、『これは日本側のの説得が難しい』とか、『これは実現可能だ』などといった意見交換をすれば良いのです♪
        その結果できた成案が、日本側から蹴られたら、もっかいやり直せば良いのです♪

        読み返してみるほどに、何言ってんだ感が募ってくるけど、吐き出してちょっとすっきりなのです♪

        • 七味さま
          韓国内の自称さんや国民と対話すべきなのです♪

          日本が理解出来る案は、韓国国民か韓国政府が、損する事になる話。韓国は誰も損をしたくないから、出てくる結論は、日本が譲歩するニダなんでしょう。
          自分で解決出来ないから、日本に解決させようとしているという話です。
          解決出来ないっていうのは、損を受け入れられないという事でも有るんだと思いました。

          • だんな様

            おっしゃるとおりだと思うのです♪

            ただ、「国民が納得してない」とか言って慰安婦合意を反故にしたことに、「日本より先に国民との合意を図ってね」って言いたかったのです♪

            その結果は、いつまでたっても成案ができないか、できても「それムリ」って一蹴されるようなものでしかないとは、思うのです♪

  • 姜昌一大使は、鄭義溶外交部長官と並んで、日本人の対韓感情を逆撫でする事を期待していましたが、外交部長官に比べて、今一つ物足りない印象です。
    今回の発言にしても前回来日時の講演で、意味不明な解決策を披露して、日本人の嫌韓を煽った事を考えれば、些細なレベルだと思います。
    日本に居ること自体が、気に食わない話と言えばそれまでですが、所詮は井の中の蛙、外に出ると大声で鳴くことが出来ないのではないかと思います。

  •  日本の歴史学は科学であり、韓国の歴史学は文学である、だったかな?比喩じゃなくてマジだったんですね。
    ところで、お話しできませんが私が見るだけで、大金持ちになる秘策が24ほどあり、異性にモテモテになっちゃう腹案も36ほどございます。隠さなければならないので、どれも実行しておりません。

    • 農民 様
      歴史は日本では科学であり、中国ではプロパガンダであり、朝鮮ではファンタジーである。
      じゃなかったですか?

    • 農民様

      ワタシは農民様に負けました。
      美人のお姉ちゃんにモテる為の方法は3つ知っていますが……、ギャンブル好きと、浪費家の為、リッチになる方法は知りません。

  • 時事によると、文大統領は日韓首脳会談が出来なくて残念とのべたそうです。

    残念というのは、大統領がサミットというチャンスを与えられて手を尽くしても実現しなかったということですね。韓国の大統領の政治力なんてこんなもん。

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