国の借金論のウソ:日本は30年連続で対外純債権国に
財務省が本日公表した『本邦対外資産負債残高の概要』によると、日本の対外資産は前年と比べて55兆5770億円増え、1146兆1260億円と過去最高に達したのだそうです。また、対外資産から対外負債を引いた対外純資産については、前年と比べて460億円減ったものの、30年連続で「世界最大の純債権国」の地位を守ったのだとか。はて、それでも「国の借金問題」が深刻だというのでしょうか。
国債がデフォルトするって…
当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』を開始した理由のひとつが、マスメディアの報道内容にかなりの虚偽が混じっているなどの問題に危機意識を感じたことにあったからである、という点は、以前からときどき当ウェブサイトで報告してきたとおりです。
『ウェブ評論のキッカケ作ったインチキ会計基準IFRS』でも説明したとおり、2008年ごろから世の中に蔓延していたウソには、だいたい次のようなものがあります。
- ①IFRSは世界で唯一、共通で使える高品質な会計基準である
- ②日本の「国の借金」は危機的な状況にある
- ③自民党から民主党に政権交代すれば、日本は素晴らしい国になる
これらのなかにはウソであることが露呈した論点と、そうでない論点が混じっています。
個人的には、①、つまりIFRSというインチキ会計基準があたかも素晴らしい会計基準であるかのごとく取り扱われているという現状を見ると、ウソをウソと見抜けない日本の公認会計士業界の低レベルさに嫌気がさしますが、これはまた別の論点ですので、いずれ機会を見てじっくりお話したいと思います。
また、③については2009年8月の衆院選で政権交代が発生し、その後の民主党政権禍で日本は大変なことになってしまったわけですが、これについてはそれこそ普段から申し上げているとおり、まさにマスメディアが民意を歪めた事例として記憶されるべきでしょう。
こうしたなか、①~③のウソのなかで、現在も展開され続けている、最も大がかりで最も悪質なウソが、②の「国の借金」論です。
つい先日も『日本経済、正しくは「コロナ・消費税局面」と呼ぶべき』で、「日本経済の停滞局面はコロナ禍ではなく消費税禍と呼ぶのが正確である」とする議論を展開しましたが、これはGDPが停滞し始めた時期から判断しても、「コロナだけが原因」と見るのは正しくない、という注意点です。
バランスシートは左右両方見るものなんですよ!
では、どうしてこんなことになってしまったのでしょう。
その理由は、「国の借金」論がバランスシートの右側、つまり「負債側」しか見ていないからです。
いつも報告しているとおり、金融商品の世界においては、「誰かの負債(借金など)」は、ほかの「誰かの資産」です。
たとえば、政府部門から見た負債(国債、地方債、国庫短期証券、財投債など)は、銀行などの機関投資家部門から見たら資産です。たとえば銀行経理の場合、「資産の部」の「有価証券」や「金銭の信託」などの勘定に計上されます。
そして、たとえば銀行等の金融機関(預金取扱機関)から見ると、金融資産を保有しているという事は、裏側で金融負債を負っているという意味ですが、預金取扱機関におカネを貸しているのは家計や企業です(銀行経理上は「負債の部」の「預金」勘定などに計上されます)。
当たり前ですが、「預金」は預金取扱機関の負債ですが、預けている家計や企業の側から見れば資産です。
つまり、間接的には家計が銀行などの機関投資家を通じて国債を買い支えている、という構図だと考えればわかりやすいでしょう。これを説明したものが、いつも当ウェブサイトで示している、「日本全体の資金循環バランス」(図表)、というわけです。
図表 日本全体の資金循環(2020年12月時点・ストック、速報値)(※クリックで拡大、大容量注意)
上記のPDF版
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工。なお、「自社が発行する株式」は企業会計上、資本・純資産などにカウントされるが、資金循環統計上は時価ベースで負債に計上される点に注意)
歪みは「海外部門」に出る!
普段からくどいほど繰り返していますが、日本は全体で金融資産を余らせており、日本国内で使い切れなかった金融資産が海外に流出しているという状況です。
図表の「海外」は、「日本国」と「海外」との金融商品のやり取りを示しています。具体的には、「海外の金融資産が775兆円」というのは、「外国人投資家が日本に775兆円の金融資産を保有している」=「日本が外国人投資家に775兆円の金融負債を負っている」という意味です。
また、「海外の金融負債が1158兆円」ということは、「日本国が外国に対し1158兆円の金融資産を保有している」という意味であり、その差額の383兆円が、2020年12月末時点における一種の対外純資産、というわけです。
当ウェブサイトではわかりやすく、「国債を383兆円増発しても、理論的にはこの外国に貸し付けられている383兆円が日本国内に戻って来るだけの話であり、日本経済はビクともしない」、などと述べていた時期もあるのですが、これは資金循環的には、厳密には大きな間違いです。
もしも国債を増発したとしても、預金取扱機関がこぞって国債を購入するでしょうし、また、日銀が金融政策の一環として、マネタリーベースを拡大して国債を買い支えているため、正直、むしろ383兆円ごときでは「全然足りない」のです。
むしろ日本経済がデフレから脱出するには、383兆円どころか、500兆円、800兆円、いや、いっそのこと1000兆円ほど国債を発行しても良いほどでしょう。
国債デフォルトの3要件
当ウェブサイトでも何度となく強調してきたとおり、また、拙著『数字でみる「強い」日本経済』でも繰り返したとおり、国家の債務を私たち一般人の感覚で議論することは大きな間違いでもあります。そもそも論ですが、国債がデフォルトするためには次の3つの要件をすべて同時に満たす必要があります。
国債デフォルトの3要件
- (1)国内投資家が国債を買ってくれないこと
- (2)海外投資家が国債を買ってくれないこと
- (3)中央銀行が国債を買ってくれないこと
日本国債の場合はそもそも現時点において(1)の条件を満たしていませんし、また、日本円という通貨自体が世界的にも広く通用する「安全資産」であることから、(2)の条件を満たす可能性は極めて低いといえます。
さらに、日本国債自体は日本円、つまり自国通貨で発行されており、最悪の場合、財政法第5条の適用を停止するなどすれば、日銀が「財政ファイナンスをする」という「禁じ手」も使えます(※それが本当に「禁じ手」なのかどうかはさておき)。
ただし、こうした状況をさらに敷衍したものでしょうか、俗に「自国通貨建ての国債はいくら発行しても問題ない」などとする議論があるのですが、当ウェブサイトとしては、こうした考え方には与しません。ちょっと議論が飛躍し過ぎです。
日本が国債を増発して良い(あるいは国債を「増発しなければならない」)理由は簡単で、国内に有効需要(資金需要)がないからです。海外部門にしわ寄せとして出てきている383兆円という対外純債権は、その弊害のひとつでしょう。
したがって、こうした特殊な事情がない国において、無限に国債を発行して良い、という話にはなりません。
もちろん、基本的に中央政府には寿命はありませんから、そもそも国家が続く限り、中央政府は半永久的に国債を借り続けることが可能です。たとえば、現在発行している国債が満期償還を迎えた場合であっても、借換債を発行すれば良い話です。
架空設例
ただ、当ウェブサイトの読者様であれば、多くの場合、この手の説明を読み込むのはお手の物、というわけでしょう(ごく稀には、そうでない読者様もいらっしゃるようですが…)。
ただ、上記のような説明、世の中的にはなかなか議論が難しいと感じる人が多いのも事実でしょう。
そこで、以前、「農家の三男坊」様というコメント主の方からいただいた「たとえ話」を再掲しておきたいと思います。少しデフォルメして申し上げると、「大農園で大家族が暮らしている」、「家族はお父さんとお母さん、大勢の子供たちである」、という事例です。
架空の設例
ある場所に大農園があり、そこにお父さん、お母さん、大勢の子供たちから構成される大家族が暮らしている。この農園の中では、子供たちがモノのやり取りをする際に、お母さん(ママ銀行)が刷った「ママ銀行券」で支払うルールとなっている。
いわば、A君は鶏を育て、Bちゃんは裁縫をし、C君はトラクターを運転し、Dちゃんはみんなのご飯を作り、…、といった具合に、子供たちが農園のなかで働き、農園内で自給自足しているようなものです。そのときに、農園内で余った「ママ銀行券」をお父さんが借りている状況が、まさに現在の日本でしょう。
しかも、この農園は全体としておカネ持ちで、農園の子供たちは有り余る「ママ銀行券」を貯金箱に貯金しているような状況だと考えれば、いっそうわかりやすいです。子供たちは自給できないものを外の商店街に買い物に行くときだけ、ママ銀行券(円)を現金(ドル)と引き換えているようなものでしょう。
しかも、じつはこの農園は外の子供たちからもとても人気があり、この農園内では「ママ銀行券」しか使えないため、結果として「ママ銀行券」を入手するのに現金(ドル)が必要です。このため、最近では商店街でも、直接、この農園の「ママ銀行券」が使えるようになったりしている、という状況にあります。
(そういえばアジア諸国のなかには日本円がそのまま通用するケースもあるようですね。)
さて、農園全体として、子供たちが保有しているママ銀行券の発行残高は2000万円あり、お父さんが子供たちから1000万円借りている状態です。お父さんは外の商店街にある街金からおカネを借りたりしていません。
この状態で、お父さんは子供たちに税金を課し、1000万円の借金を子供たちに返そうとしているようなものだと考えると、日本政府がやろうとしている財政再建が、いかにばからしいものであるかがわかっていただけるのではないでしょうか。
日本の対外純資産は前年に続き過去最高水準
いずれにせよ、日本の財政が危機的状況に瀕しているかどうかは、日本全体の資金循環バランス、物価上昇度合い、経済成長率などで総合的に判断することが必要です。
なにより、一国においては、「誰かにとっての金融資産は、他の誰かにとっての金融負債である」という状態が出来上がっており、「閉鎖経済」の前提を置けば、国中の金融資産の総額と、国中の金融負債の総額は一致するのです。
(なお、資金循環統計に基づく現状分析については、『家計資産2000兆円達成間近!コロナ減税こそが正解』や『「国の借金が過去最大」?むしろ国債増発と減税が必要』などでも議論していますので、是非、ご参照賜りますと幸いです。)
こうした前提を踏まえたうえで、こんな話題を紹介しておきたいと思います。
令和2年末現在本邦対外資産負債残高の概要
―――2021/05/25付 財務省HPより
財務省が本日公表した2020年12月末時点の「対外資産負債」によると、対外資産は前年比55兆5770億円増え、1146兆1260億円に達する一方、対外負債は前年比55兆6230億円増えて789兆1560億円だったため、対外純資産は前年比460億円減の356兆9700億円でした。
- 対外資産…1146兆1260億円(+55兆5770億円)
- 対外負債…789兆1560億円(+55兆6230億円)
- 対外純資産…356兆9700億円(▲460億円)
対外純資産の減少は、おそらく株高などの影響により、海外投資家が保有している「証券投資」の時価が膨らんだことにあるのでしょう(この点、日本の機関投資家は価格変動が激しい株式をあまり保有していないため、海外の株高の恩恵を受けることができていない、という言い方もできます)。
また、ここでいう「対外純資産」の356兆9700億円は、日銀・資金循環統計で出てくる「海外」部門の「資産負債差額」(383兆円)とは一致していませんが、その理由はおそらく、財務省データと日本銀行データの計上方法が異なるためでしょう。
また、時事通信によると、これにより日本は「30年連続」で「世界最大の純債権国」の地位を維持したのだそうです。
日本の対外資産、過去最高 純資産は横ばい―20年末
―――2021年05月25日09時15分付 時事通信より
はて。
国の借金問題が本当に深刻ならば、日本が世界最大の債権国であるというのも明らかにおかしな話だと気付きそうなものなのですが…。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
現在の局面は「コロナ不況」ではなく、「コロナ・消費税不況」と正しく呼び替えるべきであり、当然、その処方箋も「ワクチン」だけでなく「消費税の減税(あるいは消費税法の廃止、財務省の解体・廃止)」ではないかと考える次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
某人気マンガで、首都圏・大都市圏がバケモノに占拠されて、未曾有の大混乱になる展開があって、守銭奴の登場人物の一人が、すぐさま国外逃亡し、日本の株式や円を素早く売っぱらったというシーンがあったのですが、もし日本からの借金返済要求が無くなるような事態になったら、大喜びする国がそれだけたくさんあるってことですよね。
逆に、たくさん金を貸してくれる日本がなくなると困るから助けよう!というやさしい世界ならいいのですがw。この世界は残酷だ・・・。
りょうちんさま
日本が最大債権国として30年君臨しても、国際社会で借金を返さないで良いというルールになれば、一巻の終わりですよね。
アメリカが言い出すかもしれません。
それは米ドルも含め、全ての信用債券の価値がなくなりますよ。
江戸時代に戻るだけ。
>国際社会で借金を返さないで良いというルール
み
たいなもんでしょ、現実の世界は!
特に日本が東南アジアにやってあげている有償援助は、返済金の未払いが続くとチャラにしてあげてやるだけでなく追加の援助までしてませんか!
世界銀行の貸付もちゃんと返済しているのは世界中で新幹線のための日本の借金だけだから一括返済しようとしたら世界銀行が
『ちょっと待て!』
『きちんきちんと返済している見本なんだから一括返済はやめてくれ』
と
懇願されたとか!
かように借りた金は返さないのが世界の常識みたいですよ。
まあ、新幹線は金がなくて借金したんじゃない。国鉄のトップ交代で新幹線が作れなくなりそうになり、相談した政治家に
『世界銀行から金を借りろ!そうすると新幹線創設が国際公約となり取り止められなくなる』
と
教えられての借りたのであり、金に困っての借金ではなかった。
この対外債権のせいで、日本の外交は受動的にしか動けないのかな?
有事・断交の事態で得するのは、債務国側の方なんですものね・・。
(米国が最強?
国連が加盟国に徳政令を出せばどう何るんでしょうか、日本にとって悪夢か尊敬の念を持って感謝されるのか。
國の借金論の嘘さえ見抜ければ日本が抱えている問題の半分以上は解決するでしょうに、「財務省」という貧乏神を祓うのは日本人には本当に本当に本当に難しいことのようです。
初めてのコメントを送らせて頂きます。
私がが初めて貴方様のWEBに訪問したのは、鈴置様の前出版社WEBの最後のWEBに記載されていたの見てからです。それ以来、ほぼ毎日拝見させて頂いております。
当方は、電気・情報関連の大学を卒業し、主に産業系の装置のプログラム開発に従事していました。趣味、仕事以外の他分野の視野が狭いことは自覚しておりましたが、当WEBで公開されました韓国在住の方や医療関係の方の投稿を見ていましたら己に書けるかと恥じ入るばかりでした。
ただ、今回コメントを書いたのは、全く畑違いの債務について書かれた「農家の三男坊」様の投稿で貴方様の仰っていた「国債発行大丈夫」、「財務省ダメ」というのがすんなりと理解できました。私ごときではこのような投稿はできません。有意義な情報、有難うございました。
裏の畑でポチが鳴く【わんっ!わんっ!】・・罪務省役人飛んで来てポチを何処かへ
「不況だから減税して景気刺激せよ、国債増発して減税しても問題無い。」という御説明は十分に感じますが、「減税のヰの一番が、消費税でなければならない。」(そういう御主張かどうかもよく判りませんが、減税というと、ここでは真っ先に消費税が登場する様に感じる)という御説明は無い様に感じます、如何でしょう。
固定資産税の場合、地価が上がった時はすぐに引き上げておきながら、地価が下がっても課税額が下がる速度は牛歩です。その為、ド田舎では、土地の取引額より、固定資産税の方が高いといった変な事が起こってます。例えば、土地をタダでやると言っているのに、固定資産税を恐れて誰も受け取ってくれない。(都会では考えられない事でしょうけど。)
固定資産税がおかしい為に、本来行われたであろう土地取引が行われないのですから、地方経済が寂れるのは当然カモ知れません。
減税するなら、消費税減税より、上記の様なおかしな税を正す方が先ではないかと、素人は思うのですが。
(国税と地方税の違いはあるでしょうけど、地方税が減った分、国からの交付額を増やせば大して変わらないのでは?)
消費税は貧乏人につらく大金持ちにはとてもとても とてつもなく優しくて有利な税金なんですよ、かつ、在日朝鮮半島人は笑いが止まらない税金!
消費税は、本物の日本人(庶民)一億貧窮化税制なんですよ(残りの二千五百五十七万人のうち何割だろう、消費税増税の恩恵に笑いが隠せないのは)
いつも楽しく拝見させて頂いております。
細かい指摘になりますが、PDF資料中にある
非金融法人企業の金融負債が20246兆円となっております。
(正しくは2024.6兆円?)
別人28号 様
誤植のご指摘、大変にありがとうございました。さっそく修正します。
今後とも当ウェブサイトのご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
更新ありがとうございます。
日本が30年連続で世界最大の純債権国になった。金額で383兆円が対外純資産。これだけあるのに、何故国民は毎年生活に余力なく、「ギリギリの暮らし感」を抱くのでしょうか?
日本経済は、国債を発行してオカシクなるほど、ヤワじゃないです。せめて500兆円ぐらい発行出来るでしょう。でないとデフレから脱出出来ません。増税至上主義の悪財務省、潰すしか無いです。
思いますに。
対外資産世界一とは、世界一自国の為に投資してない国という情けない称号ではないか。
外国に延々と通貨という名の記録を紙を積み上げて、自分の生活を良くする事に使わない。生活を切り詰めて積み上がる帳面の数字を眺めてニヤニヤする餓鬼のような国が日本なのではないかと、最近思います。
試みに敢えて財務省の肩を持ってみたいと思います。
まず、国債の発行高は経済力に見合っておらず、資産に見合う額に負債をバランスさせ、借換で維持するのも良いでしょう。プライマリーバランスの赤字だって、国家予算の1/3を国債で賄うとて、適正規模まで国債で賄う余地があると思えばよいではありませんか。
ただし、なにもかも現在の日本が永続するならば。
軽く現在と将来の状況を見てみます。
現在、凡そ1%ほどのデフレにあり数年来、物価の下落、貨幣価値の上昇、賃金の下落、雇用環境の悪化が継続しています。
同時に少子高齢化が進行、生産人口の減少は定年の延長など施策をもってしても避けられずGDP成長が鈍化する程度ならまだマシなほう、税収は伸びず社会保障費は増大。
人口と経済の関係が一変するほどのブレイクスルーがなければ、多分お先真っ暗です。
将来、税収減・社会保障費増、しかもデフレが続くなら35年債が償還時期に実質1.3倍になるという不合理な状況下にあって、国債・予算を締めていけるのでしょうか。
だからといって国債を野放図に放っておくと、デフォルトまっしぐら。ただでさえ年金負担で地獄を味わう後の世代は堪ったものではないでしょう。
結局、人もいっぱい、金もいっぱいの今なら国の借金はヤバくないのかもしれません。
でも、先はほぼ多分かなりヤバい。その意味で財務省が恨まれるほどに極端な保守主義に立つのも理解できなくもない、というかそれ以外にやりようがないでしょう。
なにより、国債は手段であって財務省はそこを締めるところ、立場からすれば当然で、将来を見据えた有効な投資や景気の回復策、つまり目的を示せない側に問題の根源がありそうな気がします。
日本なら、医療福祉でGDPを増やす方向でも大丈夫だというのが私の持論です。
軍事でGDPを水増ししても大丈夫な実例があるのですから。
以前見た話だと、防衛費は生産性を高めないので、設備投資等に振り向けるよりもインフレ退治にはずっと有効という議論を読んでなるほどと思ったものです。実際に海外に向かっている金を国内に振り向けようとすると海外の金利が上がってそんなにすんなりと国内に帰ってこないような気もしますが。
日本の場合は,国債を発行すると,そのかなりの部分を日銀が間接的に引き受けて,日銀が市場に現金を供給します。その現金はめぐりめぐって資産パブルを引き起こし,富裕層の資産増加として反映されます。商品の物価のほうには,あまり関与しないようです。貧乏人はもともとあまり税金を払っていないので,国債増発による恩恵は少なく,主に富裕層が恩恵を受けます。もともと払っている税金もすごいです。消費税額でガタガタ言っている人達は生活も苦しく,資産インフレ効果の恩恵も少ないでしょう。
欧米の場合はそうはいかず,増発した国債が,いろいろな要因でインフレを引きおこしてしまうようです。それが日本にどういう影響を及ぼすか,現在観察中です。米(コメ)以外の穀物相場の上昇は,数ケ月後に日本に影響してきそうです。あと,国債とは関係ないですが,米中関係の影響で中国からの輸入が減少すると,様々なものが値上がりします。正確にいうと,多少粗悪だけど安い中国製品が買えなくなって,高品質だけど高い日本製品を買うしかなくなる。
対外資産は,貿易収支はダメでも金融収支で増え続けるかも。貧富の格差の拡大は,全世界共通の課題です。その固定化も。
愛読者様
「対外資産は,貿易収支はダメでも金融収支で増え続ける」
一時期、これを「成熟した債権国」とか称してあこがれたものですが、
なってみたら、弊害もいっぱいあって、よいばかりでもない。
皮肉なものです。
昔は株式の収入が分離ではなかったので配当や取引の税率が所得税と同じになり、高額納税者の場合50%~60%だったのが今分離になって誰でも20%になっているのが昨今の税収の落ち込みの主原因と思います。まあ、貯金ばかりして投資に回さない一般国民も悪いと言えば悪いのでしょうが。
とりあえず、どんどんお金を刷って、インフレにし、貯蓄に比例した資産減=ある意味の税金が発生(資産税)、その分、所得税と消費税減税、となったほうが経済は回ると思います。