当ウェブサイトでこれまでしばしば取り上げて来た「姜昌一(きょう・しょういち)問題」を巡って、最新の報道が出て来ました。『日テレNEWS24』などNNN系列の報道によると、姜昌一氏が「足のけが」を理由に、今週8日に予定されていた信任状捧呈式をキャンセルする、というのです。これが事実かどうかについては確認が必要ですが、それと同時に、ある意味では現在の日韓関係を象徴する「事件」でもあります。
姜昌一問題
『歴史問題「政治的解決の準備を進めている」と騙る韓国』などを含め、当ウェブサイトで以前からしばしば取り上げているのが、韓国の「次期駐日大使」である姜昌一(きょう・しょういち)氏の信任状捧呈式、という話題です。
姜昌一氏といえば、今年1月22日に成田空港から日本に入国し、2月には信任状の写しを外務省に提出したことで、外務省のウェブサイト『各国駐日大使リスト』上も、正式に「次期駐日大使」として取り扱われています。
ただし、ある人物が日本政府から正式に「特命全権大使」と認められるためには、天皇陛下に信任状を捧呈しなければなりませんが、このための儀式を「信任状捧呈式」と呼びます。逆に、この信任状捧呈式が終わるまでは、その人は「次期大使」のままだ、ということです。
そして、韓国の姜昌一氏は入国してもうすぐ3ヵ月が経過するのですが、いまだに信任状捧呈式は実施されておらず、少なくとも日本政府からは正式に大使とは扱われていないのです。
「対韓制裁」ではなさそうだ
ただし、これについても注意が必要です。
姜昌一氏の信任状捧呈式がいまだに行われていないというのは事実ですが、これは韓国だけを遅延させているわけではありません。同じ時期に入国したであろうほかの国の大使についても、「次期大使」のままの状況で留め置かれているからです。
では、「次期大使」はいつ、公式に大使となるのでしょうか。
宮内庁のウェブサイトなどから判断して、これまでに信任状捧呈式は1回あたり2ヵ国ずつ行われています。そして、たとえば3月8日時点だと「次期大使」欄には8ヵ国の記載がありましたが、4月1日時点だとこのうち前半の4ヵ国の記載が欠落し、あらたに4ヵ国、記載が加わっています。
外務省ウェブサイト『駐日各国大使リスト』上、「次期大使」欄に記載がある国
- 3月8日時点…ドミニカ、エルサルバドル、スリランカ、UAE、アイスランド、韓国、アルゼンチン、アルメニア
- 4月1日時点…アイスランド、韓国、アルゼンチン、アルメニア、ブルガリア、ケニア、英国、トルコ
各国ともに大使の交代は定期的に行われている一方で、昨今の新型コロナウィルス感染症の蔓延による影響でしょうか、少なくとも今年に入ってから同ページを閲覧すると、「次期大使」欄には常に6~8ヵ国の大使が待機状態にあるようです。
もしかすると、外務省も宮内庁も、信任状捧呈式の実施頻度を落としているのかもしれません。
しかし、いずれにせよ、順番からすれば、本日の定例閣議あたりでアイスランド、韓国、アルゼンチン、アルメニアの4ヵ国の「次期大使」に関する信任状捧呈式が決定される可能性が高いのではないか、というのが、当ウェブサイトなりのこれまでの予想だったのです。
日テレNEWS24の報道「信任状捧呈式を急遽延期」
ところが、こうした予想を覆す、意外な報道が出て来ました。
韓国駐日大使と天皇陛下の面会 急きょ延期
―――2021/4/5 20:33付 Yahoo!ニュースより【日テレNEWS24配信】
『日テレNEWS24』やNNN系列の各局は昨日夜、「複数の関係者」の話として、姜昌一氏が天皇陛下に面会する日程が、5日、急遽延期された、と伝えています。
いちおう主なウェブサイトを検索してみたところ、本日の朝8時時点でこれを報じていたのは、『日テレNEWS24』やNNN系列各局などに限られていたようであり、他メディアからの報道については、まだ発見していません。
『日テレNEWS24』によると、今回のキャンセルの理由は韓国側からの申入れによるものであり、「姜昌一(カン・チャンイル)駐日大使」(※原文ママ)が「足を痛めたことが理由とみられる」と報じているのですが、はて、本当でしょうか。
コロナで外出がままならない中、突然「足を痛める」というのも、非常に不自然です。
もしかして、「日本政府側が韓国に対し、『順番を飛ばす』と警告していたところ、韓国側がメンツを潰されるのを嫌い、わざと『足を怪我した』など適当な理由をでっち上げた」、といった理由でもあったのではないか、という気がしないでもありません。
信任状捧呈式無期限延期?
ただし、そもそも論として、姜昌一氏の駐日大使としての赴任は、異例づくめでした。
韓国政府が姜昌一氏を「次期駐日大使に内定した」と発表したのは、11月23日のことですが、この日は日本が勤労感謝の日の祝日であり、かつ、外交慣例に反して姜昌一氏はアグレマンを取得していなかったため、日本政府関係者にとっては「寝耳に水」だったようです。
実際、『「極めて遺憾」は聞き飽きた…抗議ではなく実効措置を』でも紹介したとおり、外務省の吉田朋之報道官は2月3日の記者会見で、次のように述べました(適宜、文章の順序を入れ替えているほか、正しい振り仮名を補うなどの修正を施しています)。
- 国際慣習法上は、派遣国は接受国側のアグレマンを得たうえで公表するというのが一般原則であるが、今回、(韓国政府による)姜(昌一)次期(駐日)大使の内定発表は、(日本政府による)アグレマン(付与)の前に行われたものである
- 今回、アグレマンを出す前に韓国側が対外発表した点については、直ちに海部儀典長から在京韓国大使館の金容吉(きん・ようきつ)次席に対して、「通常の国際慣行から大きく逸脱しており、極めて遺憾である」ということを申入れた
また、当ウェブサイトでは年末から年初にかけて、姜昌一氏にアグレマンが出たのかどうかを巡り、日本側から何も報道が出て来ていないという事実を指摘したところ、外国のサーバー経由で怪しい匿名コメントが付きました(『強烈な匿名コメントに遠慮なく所見を述べさせてもらう』等参照)。
こうした不自然な事象が相次いだこと自体、日韓両政府は水面下で姜昌一氏の次期大使赴任を巡り、さまざまなやりとりを交わしていた可能性はあるでしょう。
いずれにせよ、今回の信任状捧呈式の延期という報道が事実なのかどうか、事実なのだとしたらそれが「韓国側からの申入れ」によるものなのかどうかについては、まだわからないことも多いのが実情です。
しかし、姜昌一氏に対する信任状捧呈式が結果として「無期限延期」されるのならば、それはそれで、現在の日韓関係を象徴するひとつの出来事といえるのかもしれません。
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定例閣議が火曜日と金曜日に行われるというのがミソのような気もします。
今日開かれる閣議に先立って、昨日月曜日に捧呈式の順番を飛ばす連絡があったのでしょう。そこで、急遽「足の怪我」理由の欠席の言い訳を思いつき報道1社に対してリークした。嘘をたくさんつくとバレますからもうそれ以外では話さない。
そんなシナリオだろうなって妄想です。
妄想通りなら足の怪我はずっと治らないでしょうね。
今日の閣議で、アイスランド大使他1名の捧呈式といった報告がされるのか、アイスランド大使単独となるのかは注目です。
他1名が付いてたら多分元から韓国が飛ばされた。アイスランド大使単独とかなら、急遽閣議から外された(本当に怪我で順延になった)そんな感じで答え合わせ出来そうです。
G 様
答え合わせの件、一瞬なるほどと思いましたが、昨日申し出があったのなら、閣議資料を差し替える時間はあったでしょうし、1名繰り上がったとしても、閣議決定後即日奉呈式と言うのでない限り大使側も準備出来ないことも無いと思います。
2名ずつと言うのが定例なら、韓国云々は関係なく、2名で手続きを進めてる筈です。
なので、アイスランド大使単独は無いと思いますが。
なんだ、資料を差し替えずにカンチャンイルだけ塗りつぶしたのか。
会計士様の報告によると、アイスランド大使外2名だそうです。
G様
もしかして一見民主党の幹事長を名乗る方と共に、京都の幹線道路の大きな交差点で何やら大声で主張していた時、左折してくる車のクラクションに驚いて転倒し、足をくじいてしまったとか・・・?!
どうでもいいことだけど・・・・
いつまでも次期大使だったら、そのうちVISAが切れて不法滞在とかになっちゃうのかな?
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(そう自分に言い聞かせないと、韓国と同じく、自分は間違えない存在と自惚れそうなので)
北朝鮮が東京オリンピック不参加を決定したそうです。
>https://www.sankei.com/world/news/210406/wor2104060010-n1.html
だとしたら、「東京オリンピックで南北に日米を加えた4か国首脳会談を行う」という、韓国の文大統領の壮大な計画が破綻したことになります。もっとも、まだ諦めてなくて、「北朝鮮チームが不参加でも、東京オリンピックに金正恩委員長を菅義偉総理は招くべきだ」と文大統領が言い出すかもしれませんが。
蛇足ですが、文大統領のなかでは、今月の日米首脳会談で、「東京オリンピックを利用して、文大統領が提案した4か国首脳会談」実現のための協議が行われることになっているのでしょう。
駄文にて失礼しました。
現状この件は、バイアス無しに日テレのニュースを理解した方が、良いと思います。
天皇陛下に対する過去の言動を不問として、天皇陛下の御前に出すことは、それはさすがに許されない。思うに、信任状捧呈式に出席したければ、過去の言動を、公式に、明確に自己否定し、謝罪せよ、との要求が日本側からあったものと考えたい。もしそうであるならば、姜昌一氏は、韓国内における自身の立場の今後にびびりまくり、病気でも理由に、そのうち尻尾を巻いて逃げ出す(次期駐日大使を辞退する)ものと予想する。
本人より追伸。
で、韓国に帰るやいなや、日本憎し、で吠えまくると見た。
全く同感ですね。
なんだかんだ言っても、こんな御仁にアグレマンを出した時点でに日本政府の過失、負けです。外相は腹を切れ、と言いたい。
更新ありがとうございます。
たぶんN N Nの報道が確実なんでしょうが、「足の怪我」(プッ)なんて、狭い大使館で何をしてたんでしょうか(爆笑)?
昨年中に日本の許可も取らず勝手に姜昌一を大使に発表した。あんな野郎、本来なら打首獄門です!日本の大学出た?関係ねー!日本語覚えて将来の反日分子を育ててたのではないか?近年の姜氏の発言は異常な反日、侮日でした。
姜昌一氏に対する信任状捧呈式が無期限延期なら、相星大使も送還命令を出されるのか?相星氏は足は怪我してないので(笑)、十分職務に耐えれるはずだ。さあ韓国、どうする?おっと韓国からの後任はもう要らないヨ!
4月6日の閣議決定で、『アイスランド国特命全権大使ステファン・ホイクル・ヨハネソン外2名の接受について(決定)』とありますね。
相星駐韓大使の赴任の際、『イスラエルを出国出来ないので赴任が遅れる』といったガセネタが報じられましたが、何かそれと似た様なにおいを感じます。
東京駅から馬車で皇居に行く間の警備に問題が出そうなので、延期になった様なガセネタが報じられているのではと・・・
よその知韓サイトをハシゴしましたら同じ話題をエントリーしていたところがございまして、そこのコメント欄の中に
『ソウル市長選を間近に控えた時期にカンちゃんの捧呈式が公表されるのはマズい』という与党の考えが反映されたんじゃないか、という解釈の方がいらっしゃいました。
その方は明記していませんでしたが、
・明日行われるソウル市長選挙で与党不利とされている
・これに敗れるとムン政権のレームダック化が始まる恐れがある
おそらくこの様な前提の元にそう考えられたのでしょう。
確かに日王がどうとかと勇ましく吠えてた人が陛下に恭しく最敬礼するイメージが韓国民の脳裏に浮かぶのはヤバいかもしれませんね。
仮にこれが正確だったら、そのうちあっちのマスコミにカンちゃんが「首相とも外相とも話をさせてもらえないのに日王が一方的に呼びつけて来た!腹立つからドタキャンしてやった!」とか放言する姿が見られるかもしれませんね。
> 足のけが
あれだけ地雷を踏めば、けがして当然。
致命傷でも不思議はない。
膝に矢を受けたのかもしれないw
>足のけが
すね毛処理に失敗したのかもしれない?
m(_ _)m
・「本当に怪我をした」(他意なし)
・「コロナ検査で陽性」(感染隠蔽)
・附帯条件からの逃避(公開謝罪)
・冷遇への憂さ晴らし(意趣返し)
・「偽装馬車への疑念」(成田行き)*
とか、考えてしまいます。
*たぶんリムジンカーですよね。コロナ禍だし。