「破綻するかどうか」よりも「いつ破綻するか」の問題になりつつある日韓関係
日韓関係が良好か、そうではないかと問われれば、多くの人は「良好ではない」と述べるでしょう。こうしたなか、世の中の議論の多くは、「では、どうすればこれを『良好な状態』に持って行くことができるか」という点に主眼が置かれているのですが、これはそもそも設問が間違っています。正しい設問は、「日韓関係が悪化し、最悪の場合、破綻してしまったとしても、日本の国益を確保し続ける方法はなにか」、です。こうしたなか、韓国メディア『ハンギョレ新聞』に続いていた連載が土曜日、終結しました。
目次
日韓関係は「悪い」
いまや日本人の7割弱が「韓国に親しみ感じない」
現在の日韓関係が良好かどうかと問われたら、おそらく論者が右派であろうが左派であろうが、日本人であろうが韓国人であろうが、「良好ではない」と答える人が圧倒的に多いのではないでしょうか。
内閣府が公表する『外交に関する世論調査』によれば、韓国に対して「親しみを感じない」と回答した人の比率は年々上昇していることが示されており、とくに今年2月に公表された最新調査では、その比率は64.5%にも達していたことが示されています(図表1、図表2)。
図表1 米中露韓4ヵ国に対し親しみを感じるかどうか(グラフ化)
(【出所】『外交に関する世論調査(令和2年10月)※郵送調査』より著者作成)
図表2 韓国に対する親近感
(【出所】過去の『外交に関する世論調査』を参考に著者作成。なお、内閣府のオリジナルの調査では、調査方法が変わったためとして、2020年の調査については単純比較を行っていない点に注意されたい)
ただ、事象として、日本の側で韓国に「親しみを感じない」と答える人が増えているのだとしても、「日韓関係の悪化の責任が誰にあるのか」、「日韓関係が悪化して誰が困るのか(誰が笑うのか)」、などについては、少々深い考察が必要でしょう。
日韓関係は日本には決められない
あらかじめ、当ウェブサイトなりの考え方を申し上げておきます。
「日韓関係の未来は、もはや日本単独で決められるものではなくなってしまっている」。
これについて説明しておきましょう。
古今東西、基本的にはどんな政府も「国民の平和と繁栄」のために存在するはずであり、政府のすべての行動は国民の平和と繁栄を達成するための手段でなければなりません。これは外交関係においても同じであり、日本にとっての日韓関係は「日本国民の平和と繁栄」のための手段だ、ということです。
では、日韓関係が日本国民の平和と繁栄のために、どう役に立つというのでしょうか。
いちおう、これまでの日本国内で一般的だったと思われる思考プロセスを辿っておきましょう(※ただし、これらには著者自身がまったく賛同していない考え方も多々含まれていますが、とりあえずツッコミは「後回し」です)。
まず「平和」に関していえば、朝鮮半島は地理的に見て、日本にとても近く、この地域に日本に敵対的な国家が出現すると、日本の平和と安全が脅かされる(と多くの戦略家や政治家らが考えている)、という状況があります。
つまり、「地理的に近い」からこそ「敵対国ではなく味方につけておかねばならない」、という発想が成り立つのです。
さらには、地理的に見て、韓国が北朝鮮、中国、ロシアを抑える上での要衝に位置している(と多くの戦略家や政治家らが考えている)という側面も大きいでしょう。韓国を日本の味方につけておけば、中国や北朝鮮、ロシアの牽制にも役立つ、というわけです。
次に、「繁栄」に関していえば、地理的にも歴史的にも日本に近い関係にある韓国が日本の友邦となってくれれば、それによって日韓の産業の水平分業も可能になるし、日本企業にとっても韓国という有力な市場が出現するのは歓迎すべき話だ、という考え方が成り立ちます。
また、日本と文化的にも近い韓国が経済発展し、力をつけてくれれば、日韓両国が力を合わせて、国際政治の分野でも影響力を発揮することができる、といった期待もあります。もしかして韓国がG7入りし、「G8」が発足した場合、日韓がG8で歩調を合わせる機会もある、といった考え方もあるでしょう。
日韓関係は日本の国益に役立たなかった
この「日韓関係が日本国民の平和と安定のために寄与する」という考え方は、中曽根康弘政権を含め、1970~80年代ごろの日本の保守派界隈で議論されていたものではないかと思いますが、結論からいえば、どれも間違いでした。
たとえば、韓国がいまや1人あたりGDPで日本と肩を並べる水準にまで経済発展したことは事実ですが、日韓両国の産業は「うまく水平分業をしている」のでしょうか?あるいは、日本企業にとって、韓国が有力な市場だといえるのでしょうか?
これについては『貿易統計③日本の貿易上、台湾と韓国の地位は逆転へ?』などでも議論したとおり、少なくとも数値の上では、そのような事実は確認できません。
日本にとって韓国は例年、2兆円前後の貿易黒字をもたらしてくれる相手国ですが、あくまでも「モノを作るためのモノ」(つまり生産装置や中間素材など)を輸出する相手国であって、最終製品(自動車や日本産の食品など)をたくさん買ってくれるという国ではありません。
それどころか、『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』などでも詳しく議論しましたが、2000年代後半から2010年代前半を通じ、韓国は日本からの金融支援を悪用し、為替操作で自国産業に不当な競争力を与え、日本の産業を潰しに来た相手国です。
要するに、日本の産業の一部をそのまま韓国が「乗っ取った」ようなものであり、半導体製造装置などを韓国が日本から大量に輸入しているのは、もともとは日本企業が日本企業に売っていた生産財・中間素材の一部が韓国企業に流れているだけだ、という見方もできるのです。
要するに、日韓両国は産業面で、「水平分業」どころか「競合関係」に立ってしまっている、という実態が浮かび上がってくる、というわけです。
さらには、日韓友好を通じて、日本の安全が確保・増強されたという説を裏付ける事実は、あまり見当たりません。それどころか、韓国との安全保障協力をしても大丈夫なのかと疑問に感じるような出来事も多々あるという方が実情に近いでしょう。
見かけ上、韓国は米国を通じた事実上の「三角同盟」の相手国ではありますが、その韓国は2018年12月には日本の海自哨戒機に火器管制レーダーを照射して来ましたし、2019年8月には日韓GSOMIA(※)破棄を通告して来たこともあります。
(※「日韓GSOMIA」の正式名称は『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』)
正直、韓国とのお付き合いが日本の国益にどれだけ寄与して来たのかと問われると、自信をもって「とても役に立った」と申し上げることはできないと思う次第です。
韓国って「近い国」なんでしたっけ?
これに加え、そもそも論として、韓国が「日本と文化的にも近い」、「日本と地理的にも歴史的にも深い関係がある」、といった評価自体が正しいのかどうかについては、冷静に考える必要があります。
これらのうち、韓国が日本と「地理的に近い」、という部分についてはそのとおりでしょうし、また、言語学的に見れば、日本語と韓国語が言語的に非常に近い関係にあることはたしかでしょう(基礎的な語彙にあまり共通点はありませんが、少なくとも文法に関してはそっくりです)。
しかし「文化的に見て近い」「歴史的にも深い関係がある」という点については、いかがでしょうか。
著者自身は金融評論家であって文化人類学者ではないので、「文化的に近い」かどうかについて、文化人類学的見地からの証明はできませんが、少なくとも「ウソをつかない」、「ルールを守る」という、日本社会で尊重される価値観が、韓国社会では尊重されていないと思わざるを得ない証拠は多々あります。
また、歴史的に見るならば、日本が歴史上、韓国や中国と「常に」密接な関係にあったのかどうかという点においては、極めて疑問です。
石平氏「日本は中国から離れるとうまくいく」
ここで、少しだけ余談です。
「日韓関係論」についての本稿の議論とは少し外れますが、「日中関係論」については、『天安門事件から31年 日本に対し恩を仇で返した中国』でも紹介した、石平氏の『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』という書籍に、参考になる記述が多く含まれています。
【参考】『なぜ中国から離れると日本はうまくいくのか』
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンクより)
刊行が2013年と約8年前の書籍ですが、いまになって読んでも、内容はまったく陳腐化していません。あとがきまで含めて212ページの書籍ですが、文体もわかりやすく、かつ新書サイズでもあるため、難なく読了できるはずです。
石平氏は、この書籍のなかで、「中国となるべく距離を置き、関係が希薄であったときのほうが日本は繁栄し、日中外交にも揉めごとが起きない」という「驚愕すべき結論」を導き出しているのですが、その内容については圧巻というほかありません。
ちなみに石平氏は本書を通じ、習近平(しゅう・きんぺい)政権が「経済成長の鈍化を覆い隠すようにウルトラ・ナショナリズムに走っている」と予想しているのですが、まさに先日の「クアッド首脳会談」が実現したこと自体、この中国のウルトラ・ナショナリズムにも原因があると思います。
この「中国との関係が希薄であったときに日本が経済発展している」という石平氏の指摘に含まれる「中国」を「韓国」に置き換えても、同じことが成り立つのではないか、というのが著者自身の仮説なのですが、これについてはもう少し研究が必要だと考えている次第です。
日韓関係をどうかのボールは韓国に存在
いずれにせよ、韓国との関係が、日本の平和と繁栄に対し、これまでにどのくらい寄与して来たのか、これからどのくらい寄与してくれるのか、という視点は、極めて大事です。
拙著『韓国がなくても日本経済はまったく心配ない』の前半部分で、かなり力を入れて議論したのが、「韓国がこれまで日本に対して仕掛けてきた不法行為」と、「それらの不法行為の最終的な落としどころ」という論点です。
日韓諸懸案を巡る「3つの落としどころ」
- ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
- ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
- ③韓国が国際法違反を続け、日本が韓国に譲歩しないことで、日韓関係が破綻する
この点、「日韓関係の破綻を避けること」自体が目的であれば、「③を何としてでも回避しなければならなず」、したがって「①か②、あるいはその折衷案を模索しなければならない」、という結論になります。
しかし、よく誤解されるのですが、古今東西、外交そのものは「国益最大化のための手段」に過ぎず、決して「目的」ではありません。「③を何としてでも回避しなければならない」と主張する人は、この目的と手段がゴチャゴチャになっているのです。
したがって、上記①~③の落としどころについては、次のように言い換えても良いと思います。
- 韓国が「日韓関係の破綻が望ましくない」と思うなら、韓国が全力で③を回避すべく努力しなければならないし、「日韓関係の破綻は止むを得ない」と思うなら、③を回避すべく努力する必要はない。
- 韓国が「日韓関係の破綻が望ましくない」と思うなら、日本が全力で③を回避すべく努力しなければならないし、「日韓関係の破綻は止むを得ない」と思うなら、③を回避すべく努力する必要はない。
その「最適解」はどこにあるのでしょう。
日本がもし、「全力で日韓関係を守るべきだ」と考えるなら、結局、①か②しか落としどころはありません。
これまでに当ウェブサイトで何度も議論してきたとおり、日本国内には「韓国に対し、譲れるところは譲歩して、名より実を取るべきだ」などとする人たちがいます。これを便宜上、「対韓譲歩論者」とでも呼称しましょう。
これまでの日韓関係においては、日本が「大人の対応」と称して、②の選択肢を模索し、その結果、日本が韓国に一方的に譲渡する、ということが続いて来ました。このような譲歩は、「対韓譲歩論者」が主導したものと考えて良く、それが結実したものこそ、1993年の「河野談話」なのでしょう。
そして、日本が慰安婦問題や歴史問題などで韓国に譲歩して来たことによる弊害は、拙著などでも指摘したとおり、「際限なく続く日本から韓国への譲歩」であり、韓国の日本に対するヘイトの結果として生じる二次被害や三次被害、というわけです。
しかし、日本が仮に、日韓関係を諦めたのだとしたら、選択肢②を切り捨てることができますので、結論は①か③しかありません。そして、もしも「日本が日韓関係を諦めた」ということが韓国に正しく伝わったとしたら、それ以降のボールは韓国側にあります。要するに、韓国が①か③を選べば良いのです。
その意味で、韓国自身に①か③を選ばせるというのが、おそらくは現在の日本政府の姿勢なのだと思います。
ちなみに、「日韓断交したら中国や北朝鮮が喜ぶ」、「だからこそ日本は韓国との関係を断絶してはならない」、といった理屈を聞くこともあるのですが、これなど論点外しの極みでしょう。
第一義的に議論しなければならないのは、「日韓断交した場合、日本にどんな影響が生じるか」、であり、「中国や北朝鮮が喜ぶか悲しむか」、ではありません。
いずれにせよ、日韓関係を巡っては「破綻するかどうか」ではなく、「いつ、どのように破綻するか」、「破綻した際に日本に生じるであろう悪影響を、いかにしてコントロールするか」という点を論じた方が生産的なのかもしれませんね。。
韓国人が見た日韓関係論
韓国社会も複雑だ
ただし、その韓国の側も、「反日」で一致団結するほどは単純ではありません。
ここで重要なのは、韓国の側にも、大きく「親日派」を装い、うまく日本を騙して利益を誘導しようと考える勢力(※当ウェブサイトの用語でいうところの「用日派」)と、そこまで深い考えもなく、単純に反日的な言動を取る人たち(いわゆる「反日派」)という2つの勢力が存在するらしい、という点です。
そして、「用日派」こそが、日本国内の「対韓譲歩論者」と結託し、日本の国益を韓国に渡していたのだ、というのが、これまでの当ウェブサイトならびに拙著などで深く議論した点、というわけです。
ところで、現在の文在寅(ぶん・ざいいん)政権関係者を日韓関係という面から敢えて特徴づけるならば、「純粋反日派」です(もう少し正確にいえば、文在寅氏自身、北朝鮮との関係をどうするかにしか関心がないという人物でもあります)。
すなわち、文在寅氏は北朝鮮との関係強化に腐心するあまり、2017年5月の政権発足以来、日韓関係を含めたその他の諸課題をすべてないがしろにしてきた、というわけです。
日韓関係のみならず、文在寅政権発足以降、韓国を巡る外交環境については、米韓関係、中韓関係、南北関係のすべてがうまくいかなくなっていることがその証左でしょう。
キル・ユンヒョン氏の『新冷戦韓日戦』シリーズ
こうしたなか、個人的に深く注目してきた論考があります。
韓国メディア『ハンギョレ新聞』(日本語版)に昨年7月、『[キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦1]「昔の良き時代」になぜ戻れないのか』という記事が掲載されました。
これは、ハンギョレ新聞の「統一外交チーム」に所属するキル・ユンヒョン記者(※本稿では原文どおり、カタカナでこう表記させていただきます)が日韓関係について論じた記事です。
この記事の末尾で、キル・ユンヒョン氏は「これから約10回にわたり、文在寅政権3年間で行われた韓日対立の展開過程を振り返って書く」と宣言したのですが、実際には約10回どころか、『GSOMIA破棄騒動巡る「韓国側からの答え合わせ」』で取り上げたとおり、10回を大きく超えています。
このシリーズ、日本政府が2019年に講じた対韓輸出管理適正化措置のことを、「輸出規制」だ、「貿易報復」だ、などと(おそらくは)誤って記載している箇所もあるなど、100%同意できるというものではありません。
ただ、当ウェブサイトがキル・ユンヒョン氏の論考に注目する最大の理由は、ここ数年の日韓関係の出来事に加え、それらが日韓関係に対して与えるであろう意味を、「韓国側の立場から大局的に見る」という意味で、大変に珍しく、また大変に価値があると考えるからです。
とりわけ、「保守派(≒用日派)」の中央日報や朝鮮日報あたりだと、「韓日関係は韓日双方が知恵を絞って元に戻さなければならない」、といった、まことに手前勝手な主張に終始することが多いのですが、キル・ユンヒョン氏の論考には、こうした「日本がXXしなければならない」という発想は、あまりありません。
いずれにせよこのシリーズは、「韓国の左派政権が何を考えているのか」という視点をもとに、「韓日関係は昔に戻れない」という一貫したテーマで構成されているように思えてなりません。
最終稿は第18回に!
さて、その最終稿が、土曜日に掲載されていました。
[キル・ユンヒョンの新冷戦韓日戦18]「構造的不和」の韓日、対話で解決は可能か
―――2021-03-13 12:44付 ハンギョレ新聞日本語版より
著者のプロフィール欄から紹介すると、いつのまにか、キル・ユンヒョン氏の肩書は、ハンギョレ新聞「外交統一チーム長」に変わっていました。昇格なさったのだと思いますが、「おめでとうございます」と申し上げておきたいと思います。
今回の論考では、冒頭に、こう記載されています。
「韓日は不和のまま、東アジアの未来をかけた2018~2019年の外交戦で韓国は敗れた。複雑に絡んだ不信と憎悪の沼から、劇的な『和解のきっかけ』を見出すことは不可能だ」。
「外交戦で韓国が敗れた」とありますが、単に韓国が日本に対し、一方的に不法行為を仕掛け、その結果、膠着状況が生まれただけのことではないかと思うのですが、「劇的な和解のきっかけを見出すことは不可能」のくだり、おそらく、主語が足りません。
ここでは、「韓国が」と補って読むべきでしょう。
それはさておき、今回の論考では、2019年11月22日以降、今日に至るまでの、「文在寅政権から見た日韓関係」がわかりやすくまとめられています。
数ヵ所、事実誤認と思しき記述もあるのですが(たとえば対韓輸出管理適正化措置を「輸出制限措置」などと誤記している点など)、これもあくまでも「文在寅政権の認識」という文脈で読むべきです。なぜなら、そのように読むことで、文在寅政権の行動が驚くほどスッキリと説明できるからです。
「大きな恥辱」論と勝手な期待
その典型例が、「大きな恥辱」論です。
その具体例が、2019年11月22日に韓国大統領府が日韓GSOMIA破棄を撤回すると発表したことです(※ちなみにこの話題については、当ウェブサイトでは『韓国の「GSOMIA瀬戸際外交」は日本の勝利だが…』)で取り上げています)。
これについて、キル・ユンヒョン氏は「結果的に韓国に対する『大きな恥辱』だった」と述べるのですが、これは、「韓国がGSOMIA破棄を撤回するという『譲歩』をしたのに、日本側は輸出規制を撤回するという『譲歩』をしなかった」、という意味です。
冷静に考えたら、輸出管理適正化措置と日韓GSOMIA問題、自称元徴用工問題などは、いずれも相互に無関係であり、韓国側が勝手に関連付けているだけの話なのですが、このあたりを疑問なく勝手に結びつけてしまうあたり、現在の韓国政府の情報処理能力がいかに低いかという証左でしょう。
もっとも、こうした「大きな恥辱」論を置けば、韓国政府の一見すると支離滅裂な行動(たとえば昨年、韓国が日本の「輸出『規制』」を巡り、対日WTO提訴を急に再開したことなど)についても、十分に説明可能なのです。
さらに興味深いのは、安倍総理が昨年8月、持病の潰瘍性大腸炎の再発と悪化を原因に、突如として辞意を表明したことを巡り、韓国大統領府が「韓日関係に思いがけない転機が訪れた」と勘違いした、というあたりの記述でしょう。
「大統領府は、その後9月16日に就任した菅義偉首相に対し『東京五輪の成功開催に積極的に協力する』とし、関係改善を積極的に推進した」。
結果は、どうだったのでしょうか。
私たち日本人もよく知っているとおり、菅義偉総理、茂木敏充外相らは、「日韓関係改善のきっかけを韓国が作ってほしい」とする姿勢で一貫しており、結果的に日本は韓国を突き放している状況にあります。
「対話を通じて解決」の段階は終わった
これについて、キル・ユンヒョン氏は、こう述べます。
「両国間に生じた根深い不信と憎悪はすでに『対話』を通じて解決できる線を越えているのではないかと懸念する」。
この「両国間に生じた根深い不信と憎悪」の部分については、「日本が韓国に対して抱くようになった根深い不信」くらいに言い換えた方が良いと思いますが、日韓関係が「対話を通じて解決可能な線を越えている」とする部分については、まったく同意します。
というよりも、キル・ユンヒョン氏の議論では、ほかの韓国人論者らが無視する、きわめて重要な前提条件が織り込まれています。
「2018~2019年に極限に達した韓日対立は、南北関係を改善し朝米間の妥協を促進して朝鮮半島の冷戦秩序を解体しようとした韓国の『現状変更戦略』と、中国の浮上、北朝鮮の核開発に立ち向かうため歴史問題を克服し(12・28合意)『日米韓三角同盟を強固にする』という日本の『現状維持戦略』の間の衝突だ」。
この視点、日本を代表する韓国観察者である鈴置高史氏を別とすれば、日本側でもほとんどの論者が指摘していない、あるいは認識しているであろうけれどもわざと指摘しない点です。
そのうえで、キル・ユンヒョン氏は、こう続けます。
「韓日首脳が最後に会った成都会談の短い冒頭発言でも、こうした『和解するのが難しい』見解の違いがそのまま表れている。文在寅大統領は『経済・文化・人的交流をはじめとする協力を続け、北東アジアの平和と繁栄に』韓日がともに歩もうと訴えたが、安倍首相は『北朝鮮をはじめ安全保障問題において日韓、日米韓の連帯はきわめて重要だ』と述べた」。
要するに、日本にとっての韓国は「北朝鮮をはじめとする安全保障問題における日韓・日米韓連帯」の対象国であり、韓国がその役割を果たさないのであるならば、日本は韓国を諦めるよ、という指摘でしょう。
韓国を諦める日本
この「日本が韓国を諦める」という記述、キル・ユンヒョン氏の論考では、日韓慰安婦合意に関連して出現します。
具体的には、日本側で自民党とそれを支える保守本流の転機となったのが、「韓国政府が歴史認識問題で『ゴールポスト』を動かしてきた」とする北岡伸一・東京大学名誉教授らの主張だった、というわけです。
そのうえで、日韓慰安婦合意に含まれた「最終的かつ不可逆的に解決」されたことを「日韓両国政府がともに確認する」という文言が含まれた目的も、「日韓両国が一緒になって和解の方策を考え、責任を共有する」ことで「ゴールポストを動かすことを防ぐ」点にあった、というのがキル・ユンヒョン氏の指摘です。
だからこそ、文在寅政権がこの合意を事実上無効化したことと、2018年10月に自称元徴用工判決が下されたことをもって、「日本の主流保守層が韓国に対する期待を事実上諦めるに至った」、というのが現在の姿なのでしょう。
キル・ユンヒョン氏は、日本の保守層のあいだで、「日本が12・28合意によって歴史問題で十分に譲歩したため、これ以上の後退は不可能であり、韓米日三カ国協力の必要性から韓日関係は重要ではあるが、これに執着しすぎる必要はない」と見ていると指摘するのですが、この点については全面同意です。
文在寅政権のダッチロール化
さて、一連の力作シリーズの連載を終えたキル・ユンヒョン氏の結語は、次のとおりです。
「互いの『戦略的立場』の違いを理解し、これ以上事態を悪化させない超人的な自制力と、絶えずコミュニケーションをとることが必要だ。その過程の中で、互いに共存できる新しい均衡点を見出すことを願う」。
これは、キル・ユンヒョン氏なりの、自国政府に対する痛烈な皮肉でしょうか。
文在寅氏に、少なくともキル・ユンヒョン氏のいう「お互いの戦略的立場の違いを理解すること」、「これ以上事態を悪化させない超人的な自制力を持つこと」、「絶えず相手とコミュニケーションを心掛けること」の能力があれば、そもそもこんな事態に陥っていません。
というよりも、「超人的な能力」どころか「凡人としての能力」すら怪しい文在寅氏が、大統領としての任期をあと1年少々残すなかで、政権がレームダックを越えて、「ダッチロール」状態となる可能性すらあるかもしれません。
とりわけ、北朝鮮との関係改善がうまくいかないことにいら立ちを覚え、文在寅氏が破れかぶれで再び日本に対して何らかの不法行為を仕掛けてくる可能性については、今後の1年間で十分に注意してみておくべき論点でしょう。
つまり、むしろこれからの日本にとって重要なことは、「韓国を諦めるかどうか」ではなく、むしろ「韓国を諦めたうえで、事態をどうコントロールしていくか」、ではないかと。思う次第です。
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>では、日韓関係が日本国民の平和と繁栄のために、どう役に立つというのでしょうか。
無為無策、不作為、日和見精神をもってして垂れ流し報道まがい記事を日夜連発してきた報道機関ソウル支局の罪は深いと言わざるを得ません。彼らはあきらめましょう。そして日本という国の経営資源は無駄がより少ない方角へ有効に活用されるべきとそのように考えます。
キル・ユンヒョン氏の連載を全て読みましたが、多くの日本人は違和感しか感じないのではないでしょうか。この違和感の根本について、考えて見たのですが、おそらく3つあって、①北朝鮮の核に対する考え方、具体的には、韓国は、北朝鮮の核を脅威と感じておらず北朝鮮との融和により核が温存されてもかまわないので何よりも北との関係改善が重要で、関係が改善すれば平和が来ると思っていること、②韓国は被害者なのでその感情、恨の情緒に配慮すべきでそのため日本が譲歩すべきといった甘えた考え方、③客観的事実に基づかない主張、なんだと思います。国際関係で価値観を共有していないと言う場合、民主主義、言論の自由、法の支配などの制度的なものを指すわけですが、韓国とはそれとは異なる次元、思考様式というような点でも価値観を共有できないということを感じざるを得ません。
文在寅氏の功績は、これまで日韓友好という言葉で隠されてきた、韓国との根本的な価値観の違いを多くの日本人に認識させたことではないかと思います。
ムッシュ林様のご意見に賛同します
>韓国とはそれとは異なる次元、思考様式というような点でも価値観を共有できないということを感じざるを得ません。
民主国家の価値観は、韓国人にとっては価値とは捉えていない様に思います。仰る通り、韓国には異次元の思考様式が歴然と存在していて、その思考様式は儒教の政治理念、特に李氏朝鮮時代に支配者が民衆を統治しやすくする朝鮮特有に変質した、いわゆる朝鮮儒教と言われるものが、韓国人の思考基盤になっているそうです。但し、宗教では無いらしいです。この辺は検索で多くヒットしますが、私には難しくてよく解りません(面白そうですが)。 かれこれ7〜8年前位でしょうか、米国の韓国人大学教授が現地TVインタビューで、「日本が強ければ韓国人は素直に従う」の一言が印象に残っています。反対に日本が弱ければ韓国人は突っ掛かって来ると言う事でしょう。これは単純な様でて、その裏には遠い過去の怨念・恨・劣等意識が心底深く渦巻き、何やら異様な恐ろしさを感じます。 こと、国交に関しては、ややこし過ぎて政治的な妥協は絶対に無理でしょうし、つまるところ、経済も芸能もスポーツも交流など長続きしないです。もう日本は距離をとるしか方法が無いです。
既に、明治時代の福沢諭吉先生を始め、多くの偉人の方々が隣国との関り合いを警告していましたよね。言う事を聞いていれば日本の歴史も大きく変わっていたでしょう。日本が移転した莫大な富も教えも日の目を見なかった訳ですから、今思えば残念で仕方がありません。
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信ありがとうございます。
以前他のサイト上で書いてWeb主様に否定されたのですが、日韓関係の問題は「構造」問題と当方は認識しています。
それも二重の意味合いで。
一つ目の構造問題とは双方の国民教育に基づいて日本は日韓関係を相互に平等な「ヨコ」の関係を認識して外交などを行うのですが、韓国では国際序列で日本の敗戦後は韓国が上位であるという不動の「タテ」の関係を認識して対日対応を行うので、認識「構造」が異なる事を国民の「コンセンサス」レベルで認識されないと外交で正しい対応を行う事はできません。
もう一つの構造問題とは韓国が国際序列で上位であると国民の「コンセンサス」で認識されているので序列の上位の認識に基づいた行動様式にしたがって韓国が行動する事です。
かつて李氏朝鮮の両班が下位の人間が行った事は序列の下位の人間に対して所有物の収奪や下位の人間への「東洋法」の一方的変更で両班が上位である事を認識させて支配をしていたのです。
パクりやウリジナル、旭日旗模様の否定の強要等のOINKルールの強要、日韓で締結の国際条約や協定の無視は韓国が日本に対して自らが両班であり、日本に対して両班にふさわしい支配を行うべきであると認識している事に基づいた彼らの行動様式での対応です。
この韓国=日本の上位という認識はアメリカが日本の特に対米復讐の防止の観点でそれを裏付ける様に行動した事がアメリカの国益に基づいた行動ですが、問題をややこしくした事になったと思います。
韓国=日本の上位という認識がある限り日本の行動は韓国に影響を与えません。
責任は下の存在が取るモノ。
解決策は下位の存在が持って来るモノ。
自らが上位である事を認識させる為に下位への規定、いえ「東洋法」を自由自在に変えて権威を見せつける義務を持つ。
彼らが「両班としてごく当たり前」の行動様式が日本にとっては「非常識」である事が韓国国民の「コンセンサス」レベルで合意できていない為に日本の行動は韓国に影響を与えません。
韓国の為政者が何か変更する試みは「土着倭寇」扱いされるのがオチなのです(笑)。
自分に甘いコンセンサスの変更は普通は無理です。
当方は日韓は「物理的に隔離」するしか根本的な解決策はないかと思います。
当方が時々こちらで書かせて頂く主権を取り上げてのドナドナ隔離か、英国がタスマニア島で実現した現世と来世への隔離(笑)かは別として日本が主体の隔離も日本国民の「コンセンサス」が必要です。
まだまだ日韓関係の解決は難しいと思います。
もっと良い解決策がどなたからかご提示頂ければ良いのですが。
以上です。駄文失礼しました。
パーヨクの工作員さま
>この韓国=日本の上位という認識はアメリカが日本の特に対米復讐の防止の観点でそれを裏付ける様に行動した事がアメリカの国益に基づいた行動ですが、問題をややこしくした事になったと思います。
今の日韓関係は米国の対韓政策の失敗によるところが大きいと私は考えています。
米国はある意味日本という国、日本国民の能力をみとめていると思います。それは第二次世界大戦では国力に見合わない大きな力を見せたことと、戦後米国の支援があったとは言え超短期間にあの焼け野原から経済大国にのしあがったからです。バブルの頃には「ジャパン・アズ・ナンバー・ワン」などという言葉が出るほど日本も傲慢になっていました。米国としては覇権国としての自国の立ち位置を脅かす存在は許せないのでジャパン・バッシングがされました。反面日本に民主主義を根付かせた成功体験でもあったのです。そこで韓国を支援して経済発展させれば日本のような民主主義国になると考えて一方では日本にも支援させて日本の富や技術を韓国に移転させ米国がコントロールしやすくすること、そして極東に安定した民主主義国が2つあり日米韓の連携がしっかりすればロ、中、北に対して優位に立てます。日本にとっても東アジア情勢が安定するのは国益にかなうと考えて米国に協力したのだと思います。ただし韓国にとっては、これは屈辱以外の何物でもなかったのでしょう。華夷秩序の価値感では日本が地位が上の韓国に富や技術を差し出すのは当たり前のことですが、どうも国際社会は日本を大国として接し韓国が下で支援されいると思われていて劣等感を刺激され続けたし、日本が妬ましくて唯一日本にマウンティングできるのは、歴史問題しかなかったわけです。そこで日米で東アジアを安定させようと努力しているのに韓国に乱されるのは、好ましくないと韓国を黙らせるためにアメを与えて来たわけです。それで韓国は、米国にとっては韓国が日本よりも重要で米国は韓国を見放すことはできないし、日本は米国の言いなりだから揉めれば米国は韓国の味方だと都合よく解釈してやりたい放題にやって日韓、米韓関係破壊する危機を作り出してしまったわけです。もちろん赤チームはどの国も人を信用したら騙されて痛い目にあうという価値観の国だから赤チームの国自体がその時々の打算で一致したとしても信頼関係はできません。したがって韓国は西側諸国からも信頼されてないし、赤チームからも言わずもがなで、動きが取れなくなっているのだと思います。
以前から阿野煮鱒様や私が唱えているように、アメリカの東アジアに関するインテリジェンス能力は著しく低いと言わざるを得ません(東アジアだけじゃないけどね(-.-;)。それは李承晩などというバカ者を「英語ができる&クリスチャン」という理由だけで、半島南部の政府首班に据えたことだけでも明らかです。
20世紀以降、アメリカの対アジア政策は誤謬に続く誤謬と言っても良い代物ですが、それがそう易々と改善されることなど期待できません。それでもアメリカは今なお隔絶された国力を持つ大国なので、少々の誤謬はなんとでもなるでしょうが、わが国はそういうわけにはいきません。アメリカを信頼するべきではあるけれど、けして依存することなく、わが国の戦略を構築していく必要があります。
地理的に近いだけに、朝鮮半島を完全に無視するのは無理がありますが、さりとて、軍事的にも経済的にも、決定的と呼ぶべき根拠はありません。ならば、朝鮮半島がわが国の邪魔にならないようにする方向で検討するべきでしょう。
>アメリカを信頼するべきではあるけれど、けして依存することなく
これをこれからの日本の外交政策の基本方針にすべきですね。
FOIPを掲げてこれに賛同する国との協力関係を築いていく必要があります。
また、今後に日本が世界の平和と安定に貢献するためにも憲法の改正と防衛力の見直しが必須ですね。
イジワルお姉さん様
龍様
はるちゃん様
当方の駄文にコメントを賜りありがとうございました。
皆様のコメントに共通のアメリカの極東外交の質の問題ですが、アメリカは日本が民主主義を採り入れて発展した民主主義国家に成れたので、「日本ができたように」「他国もアメリカの手で(笑)民主主義国家にしてあげよう」という成功例に基づく誤解が生じているのではないかと思います。
当方としてはちょっと待って欲しい(笑)です。
日本はかつて外来のモノを取捨選択して何度も採り入れた行動経験があったから、戦後の民主主義の成立と無から有を生じる自己改善を伴う経済発展の両立ができたと思います。
漢字を採り入れて訓読みや仮名の発明、西洋の技術思想の翻訳ができる位の社会条件ではじめて日本やドイツのように復興と民主主義の成立ができるのです。
アメリカがそれを理解して他国の行動様式とコンセンサスを尊重するようにならない限り、何度も同じ失敗をするのではないでしょうか。
以上です。駄文失礼しました。
> 戦後の民主主義の成立と無から有を生じる自己改善を伴う経済発展の両立
私の誤読・誤解かもしれませんが…
日本の民主主義は、大日本帝国憲法下の帝国議会以来、連綿と発展してきたもので、USAさんが思っているように彼らが植え付けたものではございません。USAさんにはそれがわからんのです。
阿野煮鱒様
「戦後の民主主義」とお読みください。
日本の民主主義は明治どころか民本主義に定義を拡げるならば仁徳帝の御代まで遡れますし、民側でそういった期待に応える能力はポイントごとで示していると思います。
小石川療養所とか幕末の志士や新撰組もそうです。
以上です。駄文失礼しました。
戦後日本は外交を「国益の追求」ではなく、「友好関係を保つこと」と間違った目的を掲げてそれに推進してきました。北朝鮮に日本人が拉致されていても外務省が国交を樹立しようとしたのがその証拠です。
「たかだか10人くらいのことで国交正常化が止まっても良いのか」
と言い放った外務省官僚のことは忘れられません。他にも政治家、マスコミ、知識人に自国民を見捨てる連中がたくさんいました。
韓国に対しては戦後一貫して譲歩を繰り返してきましたがもう限界です。これ以上譲歩はできません。韓国とは冷淡に貿易だけ行い、反日侮日行為をこれ以上させないよう制裁して日本に対する恐怖心を植え付けるべきです。外交関係が事実上破綻していても国交断絶も大使召還もしていないなら表面上は破綻していないように見えます。それで良いではないですか。
サイトには「国家は嫌われるのは仕方ないが、侮られてはいけない。」という記事を載せておきます。時間がある人は読んで下さい。
日本の対韓外交の失敗は侮らせてしまった事でしょうね。
外務省の事勿れ主義、左翼やマスコミの異常な朝鮮寄りの姿勢も大きな要因かと思いますが
アメリカの責任が一番大きいと思います。
今後バイデン政権が韓国を見切れるのかどうかを注視したいと思います。
バイデン政権が韓国を見切れない場合、日本政府はアメリカを説得できるのでしょうか、それともまた韓国へのを繰り返すのでしょうか?
返信ありがとうございます。
戦後日本は一貫して韓国に譲歩してきましたからね。敗戦の負い目や反共の砦としての韓国の価値もありますが、ご指摘の通り米国が日本と韓国に摩擦が起きると必ず日本に譲歩を強いてきたことも大きいです。
日韓慰安婦合意もオバマ政権による日本の譲歩の強要でした。それさえも韓国は順守しないのですが。日韓慰安婦合意は米国の圧力があったとはいえ安倍晋三は慰安婦への「強制」を認めるべきではありませんでした。河野談話以上の売国です。本当に失望しました。
米国もこれ以上日本に譲歩を強いることはないと思いますが、もし譲歩を強いてきた場合突っぱねることができるのか心配です。
それと韓国があれだけ反日なのは「小中華思想」もありますね。サイトにはそのことについて書いた記事を貼っておきます。
>要するに、日本の産業の一部をそのまま韓国が「乗っ取った」ようなものであり、半導体製造装置などを韓国が日本から大量に輸入しているのは、もともとは日本企業が日本企業に売っていた生産財・中間素材の一部が韓国企業に流れているだけだ、という見方もできるのです。
>要するに、日韓両国は産業面で、「水平分業」どころか「競合関係」に立ってしまっている、という実態が浮かび上がってくる、というわけです。
日韓の間に限らず、生産拠点の海外移設とは国富の分け与えであり、企業は潤っても国家は損をするのではないかと思います。
記事より。
>現在、韓国政府の背後には「日米韓安保協力の破棄や米軍の朝鮮半島からの撤退を求める勢力が韓国政府の背後でうごめいて」おり、韓日関係がさらに悪化すればこの勢力が「戦略的な勝利」を得ることになるという理由からだった。
その勢力とは文在寅大統領を筆頭とする一派だろうから、韓国政府の背後ではなく中心に位置してると考えるのですが。
クロワッサン様
新宿会計士様の後述の主張が、今日の日韓関係の本質を突いているものと考えます。
つまり、日本がある意味、意図的に自己(経済、ひいては歴史問題)を犠牲にして韓国(経済、韓国人の自尊心)を引き上げたといいうことです。
日本企業が優良な生産財・中間素材を韓国に輸出し、その材料をもって韓国が最終製品を製造して廉価に世界市場で売ることで、同じく最終製品を売るライバルの日本企業を駆逐してきました。
結果、より高い付加価値を生んでGNPに寄与してきた最終製品を売る日本企業が凋落し、来るIT時代に対して投資する余裕もなくなってしまい、一層凋落に歯止めがかからないという負のスパイラルに陥ってしまいました。
そういった日本企業が韓国企業に逆転された時期は、まさに民主党が政権をとって不可思議な円高が一挙に進んでいた時期であり、また韓国から日本企業への研修生名目の人材交流や派遣等が多くなされていたこともあり、ノウハウも含め一気に韓国企業が日本企業を抜き去った時期でもあります。(今でも資本財関係の人材交流や派遣を受け入れている企業多し)
シャープの液晶技術の流出がその典型ですが、日本企業は韓国の企業をライバルとは見ず、未熟な可愛い生徒のように扱い、ノウハウ提供や通常の取引においてもかなり有利な条件を与えていたことは、当時現場にいた日本のサラリーマンなら知っていることでしょう。
つまり単純に言えば、本来の自由経済取引の原則を無視して、意図的に韓国を官民あげて手助けし、補完的な「水平分業」でなく「競合関係」としてしまったのです、自分を慕う(勝手な信じ込み)仲間である未熟な後輩に対する先輩として助けるのは当然という心意気で。。
しかし韓国は長年にわたって、いかに日本に追いつき蹴落とし貶めるかということで、上記の「日本に打ち勝つ企業育成」と、日本の国際イメージ低下&韓国の自尊心の満足&永遠の金づるのための切り札である「歴史問題」、VANK等の「宣伝機関」、世界の韓国学の歴史学者を育成することでの「世界の協賛者」、それらの戦略を統括する「国家ブランド委員会」を立ち上げ、「ジャパンディスカウント運動」を戦略的に展開してきたのです。
上記にプラスして、アメリカ国務省による日米韓連携のための日本に対する韓国への譲歩圧力、GHQ史観による韓国への贖罪意識を最大限に利用してきたことは言うまでもありません。
【新宿会計士様の主張】
それどころか、『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』などでも詳しく議論しましたが、2000年代後半から2010年代前半を通じ、韓国は日本からの金融支援を悪用し、為替操作で自国産業に不当な競争力を与え、日本の産業を潰しに来た相手国です。
要するに、日本の産業の一部をそのまま韓国が「乗っ取った」ようなものであり、半導体製造装置などを韓国が日本から大量に輸入しているのは、もともとは日本企業が日本企業に売っていた生産財・中間素材の一部が韓国企業に流れているだけだ、という見方もできるのです。
要するに、日韓両国は産業面で、「水平分業」どころか「競合関係」に立ってしまっている、という実態が浮かび上がってくる、というわけです。
PONPONさま
>「日本の産業の一部をそのまま韓国が「乗っ取った」」
私もそう思います。
それに加担したのが、「当時の民主党」と付け加えさせて下さい。
> それに加担したのが、「当時の民主党」
90年代から日本の半導体製造業は韓国に食い荒らされていました。
自民党も同罪です。
何よりも経団連の自業自得です。
阿野煮鱒様
スパイが紛れ込んでいる民主党と確信犯のマスコミは論外ですが、おっしゃるように、反日モンスターを育てたのは、リスク意識が乏しい自民党、官僚、財界、さらには一般日本人なのでしょうね。
もしかすると、学校教育が一番の元凶だったのかもしれません。
ですが、昨今ようやく一部のカルト的な韓流フアンを除く殆どの日本人が韓国の真実に気づきました。
もはや騙されることなないでしょうが、万が一騙されたら、日本は世界から嘲笑されるでしょう、単なる低能バカだと。
PONPON様へ
ご賛同ありがとうございます。
失礼ながら一点だけ反論を
> 万が一騙されたら、日本は世界から嘲笑されるでしょう、単なる低能バカだと。
騙されたら単なる低能バカなのは間違いないとして、世界はまだ韓国の実態を知りませんので、日本が騙されたのではなく、「公正な競合において実力の低い日本が敗れた」と認識されるでしょう。
そもそも日本と韓国の区別がついている人の方が珍しいと思います。
深いお題ですので、出来るだけ簡単にしておきます
。
日韓の「構造的不和」は、「両国の価値観の相違」と「共通利益の喪失」によるものだと思います。
その主な原因は、韓国が中朝工作機関に乗っ取られた為です。
もし中朝工作機関から韓国を解放しても、韓国は「反日モンスターの暴走」により「反日」から「卑日」に変化していますので解決せずに、今後も着実に「構造的不和」は進行するでしょう。
長年の北の工作の賜物と言いたいところですが簡単に騙される平均的な韓国人の知性が一番の問題かと思います。
人間多かれ少なかれ好きな情報しか見ない性がありますが韓国の場合は無様を通り越して興味深い生態です。
だんな様
だんな様>韓国が中朝工作機関に乗っ取られた
当方の仮説ですが、日本のマスゴミも特定国家に乗っ取られたか、少なくとも意向を無視出来ない程浸透されているのではないでしょうか(笑)。
人を笑えないかと思います。
以上です。駄文失礼しました。
普段にも増して長文の力強い論考、ありがとうございます。
「韓国を諦める」という表現には違和感があります。
「韓国を損切りする」の方が近いかなと。
> 「超人的な能力」どころか「凡人としての能力」すら怪しい文在寅氏
朝鮮半島の知性学的リスク、全痴全膿の文在寅氏に対して、あまりにも失礼ではありませんか。
私は対韓国外交は順調だと私は思っています。韓国側の「ゼロ対100理論」攻撃にも完封は無理ですが、小さな失点ですんでいます。
「ゼロ対100理論」攻撃。実は韓国側に失点がないというのは実は嘘で、韓国としては本来はやるべきではない大きなデメリットがあるのです。それは「国家、国民の品格を貶める」。
日本からしてみれば、韓国に品格を感じることなど一貫してありませんでした。それは、在日の方々が日本の中で生きていくためにやった数々のことに日本人がまず腹を据えかねてたのです。そして、伝聞でなく直接交流が盛んになったここ10数年でその印象が確実に固定され揺るぎないものになりました。
一方韓国は日本を含め諸外国が「韓国は品格ある国」と思っていると勘違いしています。日本のように事前知識がある国もあれば、交流がなくて、本気で普通の国と思ってた国もあることでしょう。
日本は、韓国にどんな酷いことをされても応対を変えませんでした。そもそも評価がどん底だったからこそやられたことをもとに対応を変えるということはありませんでした。そのことで韓国が勘違いして韓国の自己認識に致命的なギャップを作ってしまったのです。
これから先韓国は今まで感じ取れなかった外国の評価の低さに韓国が苦しむ番です。少しずつ変化を感じて修正出来てたなら苦しむ必要もなかったのですがね。
私は「日本型嫌韓の国際化」がこれからの流れだと感じています。「韓国疲れ」って表現も近いかも。
日本は世論に押されて「対応を変えない」方針をやっと変更しました。それが現在の無視戦略ですね。
更新ありがとうございます。
キル・ユンヒョン氏の『新冷戦韓日戦』シリーズ、最終回を読んで、やはり韓国側の記者にとって、日韓関係を語る上で限界はスグ近くなんだな、と思います。「韓日は不和のまま、東アジアの未来をかけた2018~2019年の外交戦で韓国は敗れた。」とあります。
勝ち負けが好きな民族は理解するが、韓国が一方的に複雑に絡ませた、ゴジャを言い出した為、「不信と憎悪の沼から、劇的な『和解のきっかけ』を見出すことは不可能」だったのです。非は韓国に全面的にあり!
一方で俯瞰的に今後の日韓関係を憂慮しているのは他の韓国ジャーナリストには見られません。しかし、日本はもう、韓国はどうなろうが、期待はしてないという事です。
日本で韓国嫌いな人が65〜70%にまで高まった。「平和」に関しても「地理的に近い」も、「繁栄」に関しても、文化的にも近いと言っても『韓国が和解のきっかけ』と『大きな恥辱論』と書くようでは、話がまとまる事はありません。
本題とあまり関係はありませんが、以前は日本語は朝鮮語とともにアルタイ語族に属すると教えられましたが、最近はアルタイ語族とするには根拠乏しく、朝鮮語とも同一グループに属するとするのは難しい、つまり日本語の起源は分からないとういのが最も正しそうだ、との考えが主流みたいです。
一方最新のミトコンドリアのDNAから民族の足取りを探る研究からみても、日本人のルーツのひとつである縄文人のDNAは中国大陸人のDNAとはかなり離れたグループとなり、現代日本人はおおまかに縄文人と中国大陸人の間に広く分布するそうです。
可笑しいのは朝鮮人も同様に縄文人と大陸人の間に分布しており、土着倭寇などと蔑んでいる人も調べれば実は縄文人のDNAを持っているかもしれないことです。ナチスが信じた民族の純粋性などは結局は思い込みに近いですね。