財政再建論というウソをばら撒く国民の敵をやっつけろ
喜んでよいのかどうかはよくわかりませんが、日本公認会計士協会・東京会の会報の書評欄で、今年7月に刊行した拙著『数字でみる「強い」日本経済』が取り上げられているようです。ただ、肝心の書評自体、拙著の主張が伝わらず、非常に残念でもあります。こうしたなか、昨日の『自民党PT中間報告に含まれる財政健全化という大ウソ』で、久しぶりに財政再建論を取り上げたこともあるので、改めて「財政再建論というウソをばら撒く国民の敵」について説明しておきたいと思います。
目次
財政再建論は大ウソ
東京会さん、ご紹介下さるのはありがたいのですが…
日本公認会計士協会・東京会の会報『TOKYO CPA NEWS NO.764』(2020年11月1日号)P15の『TOKYO CPA ライブラリー』で、今年刊行した拙著『数字でみる「強い」日本経済』を紹介していただいているようです。
【参考】『数字でみる「強い」日本経済』
(【出所】アマゾンアフィリエイトリンク)
ただ、紹介してくださる分にはありがたいのですが、書評の前半部分を読むと、次のとおり、まるで拙著が「財政再建論の正当性」を数字で検証しているかのように読めてしまう気がしてなりません。
「本書では、新聞やテレビで報道されている『日本は国の借金が1000兆円を超えている』、『国民1人当たりで計算すれば、赤ちゃんからお年寄りまで800万円を超える借金を抱えている』、『このままだと日本は将来、財政破綻する』といった話題に対して、政府・企業・家計・金融機関の資産・負債及びキャッシュ・フローの視点や諸外国における国債のデフォルト事例との比較等により、その正当性を検証しています。」
う~ん、そこまで書いてくださるなら、肝心の、「本書にて財政再建論の正当性を検証した結果、国の借金論が大ウソだという結論に至った」という点にまで触れていただきたかったのですが…(苦笑)。
財政破綻論の大きなウソ
仕方がないので、勝手にこの書評を補足してみたいと思います。
そもそも拙著では、財政に関しては、資金循環統計をはじめとする客観的なデータをもとに、「『国の借金』なる概念はそもそも存在しない」、「中央政府の債務を国民1人あたりで割ってもまったく意味がない」、「日本は財政破綻(?)するための条件を満たしていない」と説明したつもりです。
ただ、この「財政破綻」の定義自体、正直、よくわかりません。というよりも、「日本は財政破綻する」などと喜々として報じているメディア自身、「財政破綻」がいかなる状況を示しているのか、ちゃんと理解していないフシがあります。
仕方がないので、便宜上、「財政破綻」を「国債がデフォルトすること」、(「債務不履行状態に陥ること」、「借り換えができなくなること」、「新発国債を誰も買ってくれない状況になること」)と定義しましょう。
国債がデフォルトするためには、「国債デフォルトの3要件」、つまり①国内投資家が国債を買ってくれなくなること、②海外投資家も国債を買ってくれなくなること、③バックストップとして中央銀行が国債を引き受けることができないこと、の3つの条件を同時に満たす必要があります。
①は国内に資金供給が潤沢に存在しているかどうか、②は自国の国債または自国の通貨が外国人投資家から信頼されているかどうか、という問題であり、③については、その通貨を発行している中央銀行が国債を引き受けてくれれば、「デフォルト」は絶対に生じません。
(※もっとも、ジンバブエやベネズエラのように、無節操に自国通貨を発行したら、ハイパー・インフレで経済が崩壊するという事例もありますが、これは国債デフォルトとはまた別の問題です。これについては後述します。)
じゃぁ、どうやれば国債はデフォルトするんですか?
逆に言えば、3つの条件のうちどれか1つでも欠けていれば、国債はデフォルトしません。そして、日本の場合は3つの条件のすべてを欠いているため、どう頑張ってもデフォルトは発生しない、という結論が導けるのです。
実際、戦時下などの特殊な状況を除けば、アルゼンチンにしろ、ロシアにしろ、ギリシャにしろ、レバノンにしろ、諸外国における国債のデフォルト事例は、とくに発行通貨が外貨建て・共通通貨建てであるという事情もあるため、3つの条件を「同時に」満たしています。
そういえば昨日、読者コメント欄で「イーシャ」と名乗るコメント主の方から、「アフリカのザンビアが今月13日に米ドル建ての国債のデフォルトを発生させた」という情報を紹介していただきましたが(下記記事参照)、これも自国通貨建て国債ではなく、外貨建て国債の事例です。
ザンビアが債務不履行、コロナ下でアフリカ初
―――2020/11/14 7:34付 日本経済新聞電子版より
そもそも論として、理論的に見ても、具体的事例で見ても、自国通貨で発行されている国債の「デフォルト」自体、戦時下・終戦直後などの特殊な状況を除けば、絶対にありえない話です。日本国債もその全額が日本円で発行されている以上、デフォルトのしようがないのです。
ただし、国内で資金が枯渇したうえに、外国人投資家からもそっぽを向かれるような事例が生じれば、国債を中央銀行が無節操に引き受けることで、通貨価値の暴落(物価の暴騰)が生じる、という可能性はあります。
では逆に財政再建論者の皆さまにお伺いしたいのですが、日本国内は「国内で資金が枯渇している」という状態にあるのでしょうか?資金が足りなければ金利が暴騰するはずですが、10年債の利回りは10%や20%になっているのでしょうか?
また、外国人投資家が日本国債を買ってくれなくなるとおっしゃるのであれば、そもそも日本円という通貨は外国人投資家から信頼されていないのでしょうか?現在の外国為替市場では円が暴落しているのでしょうか?現在の日本は円安に悩まされているのでしょうか?
数字で読めば答えは見える
日本の現状を無視した財政破綻論
ジンバブエやベネズエラのように、経済運営を失敗し、自国通貨の価値が暴落したという事例もありますが、そもそも日本の場合、国内に円資金が潤沢に有り余っていて、ハイパー・インフレ状態に陥るどころか、デフレ圧力が強すぎて困っている状態です。
というよりも、なぜマイナス金利が成立している国で「円の信認」を心配する必要があるのか、とくに問題だらけの中間報告(『自民党PT中間報告に含まれる財政健全化という大ウソ』参照)を取りまとめた自民党の下村博文氏や宮沢洋一氏あたりは、きちんと理論的に説明する義務があります。
また、「日本企業は円高に苦しんでいる」という報道はよく目にしますが、個人的には、「日本経済が円安に苦しんでいる」という報道を見た記憶はまったくありません。
さらにいえば、日本国内では預金取扱機関(銀行、信金、信組、農協等)や保険・年金基金などの機関投資家が潤沢過ぎる資金を持っていて、それらを何らかの資産で運用しなければならないという圧力に、つねに悩まされているほどです。
図表 日本全体の資金循環(2020年6月時点・ストック、速報値)(※クリックで拡大、大容量注意)
上記のPDF版
(【出所】日銀『データの一括ダウンロード』のページより『資金循環統計』データを入手して加工)
財務省理財局の人間は、日本国債を発行すれば飛ぶように売れていくという状況を知っているはずでしょうし、国債市場の恒常的なマイナス利回り、金利スワップ市場のキャッシュ潰しという動きは、市場参加者であれば当然に知っている話です。
さらにいえば、これらの機関投資家の後ろには、家計が保有する1880兆円という莫大な金融資産、企業が保有する300兆円を超える預金などが控えています。日本全体で金融資産が有り余っているため、むしろ外国に純額で373兆円貸している状態です。
そして、日本円自体、外貨準備の組入資産で常に米ドル、ユーロに次ぎ、英ポンドと並んで3位から4位の地位を占めているほか、各種統計でもOTC外為市場や資金決済などにおいても同様の実力を有しています。
もっと言えば、自国通貨・円が国際的に広く通用するハード・カレンシーであり、市場では「安全資産」とみなされている、という点を無視すべきではありません。ということは円建ての日本国債は外国人投資家からも大人気だ、ということです。
つまり、「日本国債デフォルト論」は、こうした客観的な数字をことごとく無視した暴論(というよりも単なるトンデモ理論)だと結論付けて良いでしょう。
結論:日本国債はデフォルトできない
くどいようですが、日本国債の場合は、次の3つのバックストップを兼ね備えています。
- ①国内に資金が有り余っている(=国内投資家が競って国債を買ってくれている)
- ②日本円自体がハード・カレンシーであり、海外で広く保有されている(=それなりの利回りが出るならば、外国投資家が国債を買ってくれる)
- ③上記①、②が満たされなくなったとしても、自国通貨・円で発行されているため、日銀法を改正すれば、日銀が国債を買ってくれる
はて。これでどうやって「日本国債のデフォルト」が発生するというのでしょうか。
この際、下村博文氏や宮沢洋一氏らには、「円の信認が棄損するプロセス」を、ちゃんと合理的に説明してもらいたいものですね(※どうせ彼らも財務省に言わされているだけで、論理的な説明などできっこないとは思いますが…)。
日本国債市場・円スワップ市場の利回り、外為市場における円相場などは、いずれも市場参加者が日本国債のデフォルト確率を「きわめて低い」と評価している証拠ですし、むしろ、「日本国債はデフォルトするかどうか」ではなく、「日本国債はデフォルトしたくてもできない」、というのが実情に近いのでしょう。
理論性と国民の意見を無視した政策がまかりとおるわけ
ただ、拙著では、どちらかといえば「財政破綻論のウソ」にフォーカスを当てて説明したのですが、むしろ本題は「その次」にあります。
なぜ、「財政破綻論」のようなメチャクチャなインチキ理論がまかり通っているのか。
なぜ、国民から選挙で選ばれたはずの国会議員が、財務省ごときに負けてしまうのか。
じつは、このあたりについては、むしろ当ウェブサイトの「ライフワーク」のひとつでもあります。
日本は本来、自由・民主主義国家です。そして、自由主義国家では「自由主義に基づく競争原理」を勝ち残った企業が儲け、従業員に高給を支払う権利を持っていますし、民主主義国家では「民主的な投票」を勝ち残った政治家こそ、大きな権力を握ることを許されているはずです。
ところが、現実には、この「自由主義」、「民主主義」の洗礼を受けることなしに、日本社会を壟断している勢力が、いくつか存在しています。その典型例が、財務省と財務官僚なのでしょう。
財務省は予算の入口(=国税庁)と出口(=主計局)を一手に支配し、国税調査権を通じて政治家に睨みを利かせ、予算配分を通じて政治家を手懐けています。いわば、「アメとムチ」を使って、事実上、政治家を支配しているようなものでしょう。
また、財務省は学界に御用学者を大量に抱えており、マスメディアを通じて財政再建という誤ったプロパガンダを積極的に拡散しています。さほど賢くなく、また、勉強もしないで官僚の作ったペーパーをそのまま垂れ流してくれるマスメディアは、財務省にとっては本当に都合が良いのでしょう。
国民の敵をやっつけろ
さて、上述の『数字でみる「強い」日本経済』は、「新宿会計士の政治経済評論」名義で出版した最初の書籍だったという事情もあり、あえて掲載しなかった単語があります。
それが、「国民の敵」です。
「国民の敵」とは、自由主義や民主主義の洗礼を受けていないくせに、やたらと大きな政治的・社会的影響力を握り、それらを悪用して国益を損ねる勢力のことです。
国民の敵とは?
- ①普通選挙を通じて有権者から信任されたわけでもないくせに、不当に強い政治的影響力を握り、国益を損ねる勢力
- ②経済競争を通じて消費者から選択されたわけでもないくせに、不当に強い社会的影響力を握り、国益を損ねる勢力
くどいようですが、日本は民主主義国です。
そして、民主主義国における最高権力は、選挙で多数を得た政党や政治家らが握るべきですが、現在の日本では内閣総理大臣の権限は弱く、財務省を含めた官庁が、事実上、民主的に選ばれたはずの政治家をはるかに凌駕する強い権力を握っています。
財務省は歳入の入口(国税庁)と出口(主計局)を同時に支配し、緊縮財政・増税主義を掲げ、日本経済に悪影響をもたらしてきたというのが、著者自身のこれまでの評価です。とくに、昨年10月の消費税・地方消費税の増税は、明らかに不要であり、かつ、有害なものでした。
ただし、彼らが最も苦手とするものは、「議論」です。
要するに、自分たちの主張に正当性がないということは、自分たちがいちばんよく理解しているわけですから、そんな自分たちの主張を糊塗するためには、とにかく大きな声で自分たちの主張をゴリ押しするしか能がないのです。
このインターネット時代において、いつまでもそのようなやり方が通用して良いはずなどありません。
その意味で、当ウェブサイトでもささやかながら、ウェブ評論活動を継続する限りは、「国民の敵・財務省が垂れ流す財政再建論のウソ」を主張し続けようと思う次第です。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、上記で本稿を締めようと思ったのですが、もう少しだけ触れておきたい論点があります。
冒頭に紹介した日本公認会計士協会・東京会の会報の書評欄に、こんな記述がありました。
国民経済の健全な発展に寄与することを使命とする公認会計士として、今後の日本経済が発展していくために何ができるのかを改めて考えるきっかけとして、一読の価値があります。
なるほど。
公認会計士が「国民経済の健全な発展に寄与する」ことを使命としていることは間違いありませんが、現実の公認会計士業界がやっていることが、果たして国民経済の健全な発展に寄与しているのかは別問題でしょう。
粉飾決算を相次いで見逃したこと。
「のれんの非償却」「IFRS9」などのインチキ会計基準であるIFRSを強引に推進したこと。
どれも正直、万死に値するものだと思いますし、正直な気持ちを申し上げるならば、「新宿会計士」自身も、公認会計士を廃業しようと思ったことが何度かありますし、その気持ちは今でもくすぶっています。
なにより個人的に、べつに公認会計士業を営んでおらず、廃業してもまったく差し支えないという事情もあります。ただ、廃業してしまったら「新宿会計士」のペンネームも使えなくなるので、このあたりは悩みどころではありますが…(笑)
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
更新ありがとうございます。
国民の敵、財務省は入口と出口を握っている諸悪ながら、議論は苦手なんですネ。国会議員のセンセイなど、更に頭は悪いだろうし、言いくるめられている。
歳入と歳出、入口と出口を分ければいいんだ。既得権離さないズルい奴ら。しかし、会計士協会の会員の中にも、良からぬ輩が居るのでしょうね。何となく理解できます。最初の書評見ても、歪んでます。
日本公認会計士協会は財務省傘下である金融庁の指導監督下にあります。
財務省の方針に異論を唱えることなど出来ません。
会計士協会に明智光秀の役割を期待するのは無理筋です。
異業界だけに、単なる印象と憶測に過ぎませんが、『数字でみる「強い」日本経済』の書評を書いた方が「国の借金論」に踏み込まなかったのは故意犯のような気がします。そこを書けない大人の事情、あるいは思想信条があるのではないでしょうか。
左翼は無駄に頭がいいし、オルグが上手です。様々な業界団体の上層部に入り込んでオルグ活動していると思います。日本弁護士会も、経団連も、そして恐らく日本公認会計士協会も?
そして左翼本体は表に出てきません。表に出すのはお花畑や頭の弱いパヨチンで、彼らに騒ぎ立てさせるので、保守派は左翼をバカにしますが、その割には勝てていません。
未だに憲法改正議論は起こらず、NHKは好き放題に暴れ、財務省も横暴の限りを尽くす、そういう状態です。
安倍政権8年を以てしても、一向に日本の膿出しができていません。手強いですね。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
(なにしろ、朝日新聞と違って自分は間違う存在であると自覚しているので)
(国民の敵の)朝日新聞が、今日の朝刊で、『GO TO トラベル』批判の記事を嬉しそう(?)に書いてました。しかし、(効果の程は不明ですが)国民の生活を守るためには、何らかの政策で経済を回すことが必要です。(個人的な感想ですが)朝日新聞は、国民の生活より菅義偉総理批判のようが大切なようです。
蛇足ですが、今は「(究極的には)新型コロナの病死か、失業での自殺か」、「(簡単に言うと)新型コロナの危険があるシニアか、就職難の危険があるヤングか」、「(単純化すると)シニアしか見ないオールドメディアか、ヤングが見るネットか」、「政権打倒と優先するか、国民の生活を守ることを優先するか」の選択を迫られているのではないでしょうか。
駄文にて失礼しました。
引きこもり中年様
>駄文にて失礼しました。
は、もうやめましょう。毎回的確な指摘をされてると思います。けっして駄文ではありません。レベルの高い皆様の意見を毎回楽しみにしいる、いち投稿者より。
きたたろう様へ
ありがとうございます。しかし、そう書かないと、「自分は決して間違えない」と、自分で自分を勘違いしそうです。なにしろ、お調子者ですから。
ついでの蛇足ですが、(国民の敵の)今の日本マスゴミ村の一番の目的は、金をかけずに報道番組を作ることではないでしょうか。逆に言うと困るには、金をかけて取材したのに、報道番組を作るほどのネタがなかった場合で、そこから、金をかけて取材した以上、何が何でも番組を作らなくてはならなくなったのではないでしょうか。(そういえば、昔、朝日新聞のカメラマンが、沖縄のサンゴの傷の写真を撮るために、金をかけて沖縄に行ったので、自分でサンゴに傷をつけたことがありました)
相変わらずですが、駄文にて失礼しました。
「のれんの非償却」なんかは本当にひどいですね。先日の稿でのすかいらーくでも昨年末時点での”のれん残高”(無形固定資産?)が1460億円、資本の部合計額が1328億円。
*実質的には債務超過なのでは?・・って感じです。
*****
財務省再編のための前提条件が示されてるかの歌がありました。
ヘンなABC (みんなのうた)
https://www.youtube.com/watch?v=0xAjRlLT_50
*最後の部分だけなのですが、2回繰り返してくれています。
>た〇ん〇お〇ま〇・・ゼ〇ト♪
>〇た〇で〇し〇い・・〇ッ〇♪
伏字だと伝わらないのかもですけど・・。
カズ様
イエイエ、あなた、
>た〇ん〇お〇ま〇・・ゼ〇ト♪ なんて。
「売り家と唐様で書く三代目」ってほど、
洗練もされていなければ、アッサリともしていない。
血を見ずには済まないでしょう(笑)。
「国民一人当たりン百万円の借金」という、一頃お決まりだったキャッチフレーズは、そのインチキが散々に論破されて、さすがに財務省も最近表だって口にしなくなりましたが、この脅しで押し通したかった「財政均衡」という目標は、一向に取り下げる気配はなさそうです。資金循環統計などを元に国が借金まみれなどは大嘘ということを平明に解説されている新宿会計士さんをはじめ、財政均衡論の誤謬を指摘する論説は今や数多いにもかかわらず、本家本元の財務省はこれらにまともに反論することもないまま、財布のひもを握り続けています。そして、政財界、経済分野の識者、また少なからぬ一般人も、財政赤字の膨張は遠からず経済危機を招くと信じている。常識的に考えて、この現代の社会で赤字国債に頼らず、租税収入だけで国民の生活水準の維持、向上を図るなんて不可能としか思えないのですが、一体どうしてなんでしょうか。
思いつきに過ぎないかも知れませんが、軍部の増長から大戦、そして国家破綻に至る戦前の苦い経験が、わたしたちの意識をこれまで縛り続けてきたのではないかという気がします。ロンドン軍縮会議で海軍の恨みを買った若槻礼次郎、井上準之助、際限なく膨張する軍事予算の要求になんとか歯止めをかけようとした高橋是清。こうした大蔵省、農商務省上がりの政治家は軍部のテロの標的とされ、命落とした人までいた。過大な軍事予算を、国の繁栄の礎とみるか、衰亡の因とみるか、大戦の帰結があまりにも衝撃的だったが故に、少なくとも戦後の相当期間、大蔵省(財務省)が掲げる財政均衡論は一種の錦の御旗となれたし、またそれが通用した日本経済の急速な発展に伴う税収増加という背景も手伝ってこの考えは広く世の中に浸透し、そうした好条件が失せた現在まで、なお命脈を保ってきているのではないでしょうか。
高橋是清が対峙したのが軍事予算だとすれば、今の財務省が敵とするのは、防衛費に加えて、さしずめ教育、医療、社会福祉などの予算辺りでしょうか。どちらも投入した金額に比べて、税として回収できる金額はわずか、そのうえ放っておけば際限なく?膨張してしまう。家計簿的感覚からすれば、何を置いても緊縮を図るべき項目ということになるのでしょう。
このサイトの読者なら、国民経済全体という視点で見たとき、少なくとも現時点においては、こうした国が負う社会的コストが十二分にファイナンスされていることに異を唱える方は少ないと思います。しかし、もし政治がポピュリズムに堕し、国の財政が放漫財政の域にまで達してしまえば、今の状況が長期的に保つわけはないという議論も無視できないかも知れません。防衛、教育、医療、社会福祉などの直接的税収を生まず、また最終的な金銭的評価も難しい項目の損益を、国民経済の中に定量的に位置づける、そんな手法の開発はできないものなんでしょうか。
海軍軍人に射殺された犬養毅と、陸軍部隊に殺された高橋是清は軍部に殺されたと言ってもいいと思うのですが、血盟団に殺された井上準之助と右翼に暗殺未遂(のち死亡)浜口雄幸を軍部のテロと言い切られると少し概括的過ぎる様に思えます。
遺書を残した山本五十六や、斬殺された永田鉄山など有力軍人でも生命の危機があった時代なのは確かですが。
>高橋是清が対峙したのが軍事予算だとすれば、今の財務省が敵とするのは、防衛費に加えて、さしずめ教育、医療、社会福祉などの予算辺りでしょうか。
高橋是清は、昭和10年代初頭の大恐慌(デフレ)を脱出するのに軍事支出増額という財政出動を実行に移していますから(そして、成功している)、現在の財務官僚と違って財政家としての見る目はあったのでしょう。原理主義的な支出削減論者ではありませんでした。
>のれん非償却
あれ? 簿記試験でも税理士試験でも出題されますけど。少し前、USCPAの有名予備校の社長が「我が国でもIFRS導入が云々」て言っていましたけど、依然として我が国では現役のようです。
のれんの償却は必須です。
のれん償却不要のIFRSはM&Aバブルの要因となっているのではないかと思います。
買収時のプレミアをいつまでも資産計上するということは全く不健全であると言わざるを得ません。