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18日に衆院解散なら「野党はめちゃくちゃ困る」!?

8月28日に安倍晋三総理大臣が辞任の意向を表明して以来、マスメディアの関心はすっかり「ポスト安倍」に向けられています。ただ、ふと冷静になって思い起こすと、8月28日の前後ですっかり忘れ去られたような話題がひとつあることに気づきます。それが、今月10日に新代表が選出され、新党名が決定される、野党の「合流新党」です。いまやすっかり話題を自民党に持っていかれた合流新党。もしも9月18日に衆院解散などが実施されれば、きっと困ったことになることでしょう。

自民党総裁選

早ければ16日に「菅義偉政権」誕生へ

昨日の『菅義偉氏の出馬宣言と、「菅義偉政権」に期待すること』でも取り上げましたが、安倍晋三総理大臣が持病の悪化に伴い辞任する意向を明らかにしたことを受け、菅義偉・内閣官房長官は2日、自民党総裁選への出馬宣言を行いました。

すでに報じられているとおり、岸田文雄・自民党政調会長や石破茂・元幹事長が総裁選への出馬を表明しているものの、菅氏は麻生派、細田派、竹下派、二階派、石原派などの自民党の主要派閥の支持を固めたもようであり、「菅義偉総理大臣」の誕生はほぼ間違いないでしょう。

その自民党総裁選は8日に告示され、14日に実施されるそうであり、そのうえで16日に召集される臨時国会(会期3日間)で首班指名選挙が開催され、同日中にも「菅義偉総理」が誕生すると考えてよいでしょう。

党員・党友投票を省略

また、通常、自民党の総裁は国会議員票と党員・党友票(いわゆる地方票)の合計で選ばれますが、今回のように現職の総裁が任期途中で辞任する場合、自民党の党則上は、党員・党友投票を省略し、両院議員総会で選出可能とされているようです。

実際、党員投票を実施するとなれば、準備には2ヵ月程度が必要とされるようであり、安倍総理の持病が悪化しているとされるなか、党員・党友投票を実施することとなれば自民党総裁選の実施がさらに遅れてしまいますし、政治空白のリスクも高まります。

この点、相変わらず一部メディアは「密室選挙だ」、「党員・党友投票が実施されないのは不当だ」、などといわんばかりに大騒ぎしているようですが、あくまでも自民党総裁選は自民党の内部の話であり、手続が自民党の党則に沿っている限りは、私たち外部者としては、それを見守るより方法はありません。

また、自民党がこのような党則を持っていることに不満があるという方は、次回の総選挙で自民党以外の政党に投票すれば良いだけの話でしょう(※もっとも、自民党以外に投票したい政党があれば、という話ですが…)。

野党が行方不明

あれ?そういえばどうなったんでしたっけ…?

さて、勘の良い方ならお気づきかもしれませんが、8月28日の安倍総理の辞任会見以降、まったく目立たなくなった話題がいくつかあります。そのうちのひとつが、最大野党である立憲民主党、野党第2党である国民民主党の合流です。

これについては、当ウェブサイトでは8月中頃から後半にかけ、しきりに話題として取り上げた記憶があるのですが、改めて振り返ってみると、『安倍総理健康不安説と「ポスト安倍は安倍」の意味』や『合流新党は「どうせすぐもめる」』あたりで触れたのが最後でした。

(ちなみにあまり自画自賛しても仕方がないのですが、8月26日付の『安倍総理健康不安説と「ポスト安倍は安倍」の意味』、安倍総理辞任説を巡る取り上げ方としては、その時点にしては比較的バランスが取れていた考察ではないかと自負しています。)

あらためて振り返っておくと、国民民主党は8月19日の両院議員総会で、最大野党である立憲民主党への合流(あるいは事実上の分党)を決めました(『立憲・国民両民主党の合流と安倍総理健康不安説の関係』等参照)。

ちなみに、両党は7月22日時点で、衆参で合計151人の議員が所属していました。

両党の勢力図(7月22日時点)
  • 立憲民主党…89議員(うち衆56、参33)
  • 国民民主党…62議員(うち衆40、参22)
  • 両民主合計…151議員(うち衆96、参55)

国民民主党の全員が立憲民主党に合流するわけではないとはいえ、現実には両党以外にも社民党、野田佳彦前首相を含めた無所属議員のグループなどが合流新党に興味を示しているらしい、といった報道もありました。

このため、「新・立憲民主党」の勢力は150人前後、との観測も根強く、おりしもメディア各社が「安倍総理健康不安説」を報じ始めたなかで、このタイミングでの野党合流は、世間の注目を一身に集めようとする思惑が透けて見えていたように思えてなりません。

当てが外れた両民主党

ところが、ふたを開けてみたら、どうも安倍総理の辞任会見以降、安倍政権に対する批判的な報道がパッタリと止み、国内政治の話題は「ポスト安倍」一色になってしまったのです。枝野幸男、玉木雄一郎の両代表をはじめとする野党各党にとっては、明らかに当てが外れた格好ですね。

こうしたなか、産経ニュースにも8月31日付で、こんな記事が掲載されていました。

【野党合流】焦る立民・枝野代表 合流直前の首相交代劇で目算狂う

国民民主党などとの合流を決めた立憲民主党の枝野幸男代表が想定外の事態に直面している。<<…続きを読む>>
―――2020.8.31 21:50付 産経ニュースより

つまり、早期の衆院解散・総選挙の可能性が浮上するなかで、合流新党の結党大会に関する話題が自民党総裁選にかっさらわれてしまい、これに加えて国民民主党全員の取り込みに失敗したため、枝野氏にとっては目算が狂ってしまった、という指摘です。

産経ニュースによると、枝野氏は8月31日の記者会見で、「安倍1強」政権に対し「退陣に追い込む役割を果たすことができなかった」などと述べたうえで、野党が「大きなかたまりとして政権交代を実現する決意を改めてにじませた、などとしています。

ただ、まことに恐縮ながら、合流新党には理念も政策もありません(というよりも、理念も政策もないことが、玉木雄一郎氏自身が立憲民主党に合流しないと述べた理由なのですが…)。そんな政党が、自民党総裁選に話題をすべてかっさらわれて埋没するのも、ある意味では自業自得のようなものでしょう。

新党名と代表を慌てて決定

さて、その「合流新党」に、国民民主党などから何人合流するのか(あるいはしないのか)、最終的に何人の政党になるのかについては、まだよくわかりません。そして、もっと不可解なのは、代表と新党名が同時に決定されるという選挙方式です。

9月2日付の朝日新聞『新党代表選、総裁選で影薄く 結党大会は「仏滅」に変更』によれば、両党の代表選は7日告示、10日投開票ということですが、その投開票の際に合流新党の党名も同時に決まるのだとか。

おそらくこの日程に決めた理由は、自民党総裁選が8日告示、14日投開票、16日臨時国会、という流れを強く意識したからでしょう(といっても、人々の関心や注目が集まるかどうかについては、微妙なところですが…)。

代表選に立候補しているのは立憲民主党の現代表の枝野幸男氏(56)で、推す政党名は「立憲民主党」であるのに対し、対抗馬は国民民主党の泉健太政調会長(46)で、推す政党名は「民主党」なのだそうです。

いちおう、朝日新聞の記事によれば、所属議員は党名と代表を「それぞれ決める」とありますので、代表に枝野氏が選ばれる一方、政党名には「立憲民主党」ではなく「民主党」が選ばれる、という可能性もあるのだと思います。

ただ、当ウェブサイトの主観的な見通しに基づけば、新代表は枝野氏であり、新党名は立憲民主党で決まりでしょう。個人的には、以前から提示させていただいている次のような政党名もぜひご検討いただきたいと思う次第ですが…。

  • 残党
  • 民主党
  • 旧民主党
  • 共に民主党
  • 新党もりかけ
  • やっぱり民主党
  • 帰ってきた民主党
  • 立憲国民野合民主党
  • 新党コロナよりさくら
  • 議員としての生活が一番
  • 新党#宇都宮の#ギョーザ
  • 民主民進希望立憲国民民主党
  • 枝野幸男と福山哲郎と仲魔たち

(なお、上記以外にも「帰ってくれ民主党」、「帰ってくるな民主党」、「元祖民主党」、「どうせ民主党」、「#民主党」、「悪夢の民主党」などの心温まる党名をご提案いただいていますので、これらについてもあわせてごひいきに賜りますと幸いです。)

解散総選挙されると困るなぁ…

さて、ここで、あくまでもウェブ評論家としての勝手な印象を申し上げておきましょう。

もし自分自身が立憲民主党の立場だったとすれば、16日召集の臨時国会で新総理が誕生し、18日に衆院解散が行われると、正直、めちゃくちゃ困るのではないかと思います。

一般に内閣支持率は発足直後が最も高くなる傾向にありますし、また、『安倍総理の外国首脳との「ツイッター交流」が凄い』でも紹介しましたが、一部メディアの調査だと、安倍政権への支持率が急騰しているのだそうです。

もちろん、日程的にそんなことができるのかどうかは微妙ですし、結局は菅義偉「総理」の一存ということですが、自民党が一番「勝てる」タイミングを選ぶのであれば、やはり臨時国会の会期中に解散総選挙、というのが、合理的な発想ではあると思うのです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

いずれにせよ、菅氏は8年近くも安倍総理の側近として仕え、2012年12月の衆院選以降、6回連続で自民党が大型国政選挙を制してきたのを間近で見てきた人物です。総理大臣を経験するのは初めてのことかもしれませんが、政権運営や国会議員選挙の陣頭指揮については、「初めて」ではありません。

私たち日本国民は、早ければ今月中にも、さっそく、「仕事師」としての菅義偉氏の実力を目の当たりにするのかもしれませんね。

新宿会計士:

View Comments (43)

  • おはようございます。
    とわに野党。
    新病党。
    新心病党。
    新党滅却。
    失礼しました。

  • 支持率的にはベストであるのは確かではあるが、政治的空白を作るのは回避したいという安倍首相の意向とどう折り合いをつけるのかが悩み所かもしれません。
    通常国会開会までは十分に時間があるので、それを口実に組閣後即解散という手はありますけど。

    • ボーンズ 様へ
      屁理屈を承知で申し上げますが、衆議院を解散しても内閣は存続している訳で、政治の空白なんかは出来ません。
      それをしも空白だとすると、政治は年中無休24時間営業ですから、何時解散しても具合が悪いことになります。
      メデイアや野党が、密室だの国民の意見を聞けなどと言うなら、聞いてやれば良いのです。

  • 流動的ではありますが、解散総選挙は可能な限り早いほうが良いのは間違いありません。この状況を逃すほど菅氏は間抜けなのかどうか。

    そもそも、安倍総理が辞任しなくても来秋の総裁選前には解散総選挙は織り込み済みで、「政治的空白」を考慮して時期を見定めるだけでした。
    菅総理になった場合でも状況は大して変わりません。国民の信を問う必要がある当意味では選挙は早いほうが良いというのもあります。
    また、米中対立を考えると米国大統領選が近づけば中国は一時的に様子見モードになる可能性もありますし、下手に動いてトランプ現大統領を刺激するのもリスクが高いでしょう。
    日本国内の武漢肺炎流行状況も現在小康状態へ向かいつつあるという見方が強いなかで、冬に近づけば近づくほど流行リスクは上がるものと推測されています。

    国内ニュースが自民党総裁選一色であることを考えても、現在は政治的空白に対する許容度が一番高いということを裏付けています。台風のニュースも存在感はありますが、災害対応は被害把握が済み各省庁・地方自治体が動けるようになっていれば政府のやれることはもうあまりありません。

    • 米国大統領選関係補足
      上記の理由から、米国大統領選直前の僅かな日程で衆院選を済ましておけば、トランプ大統領再選直後から両者落ち着いて日米協議が可能です。何だったら、大統領選直前に日米首脳会談をぶち込んで、再選を後押しすることすら可能です。

  • >正直、めちゃくちゃ困る
    石破さんを党首に迎え入れれば、政権奪取できるんじゃないかな〜(°σω°)ホジホジ

    •  もし、石破さんが、離党して立憲民主党の党首になれば、・・・
       党名を『朝鮮半党』に変更することでしょう。

  • 「超密室選挙」で選出された「超長期党首」が存在するのが日本共産党です。 村上弘と言う人を除き 宮本、不破、志位と20年前後の任期。 選出方法も少数の中央幹部が密室で行います。

    皆さんご存じの通り毎年「公安白書」に登場する組織ですが、そのことをスルーするマスメディア。「日曜討論」なる番組に定期的に出演させる某放送局。 こことの選挙協力を試みる政党、、、。

    習近平は日本共産党を見習ったのでしょうね。

  • 菅内閣総理大臣への期待はひとまず置いて、合流野盗の新党名がまだ決まっていなかったのですから、失念しておりました。🐧
    いや、何も党名大喜利以外の興味が無い訳ではありません。🐧
    私は「自称中道左派」ですから。🐧
    でもまだ新党名が決まって以内なら、せっかくですから提案があります。🐧
    立件民主党や利権民主党等の心無い遠回しな皮肉ではなく、
    新党名はズバリ「終わり」でいかがでしょうか?🐧
    インパクトがある党名で大多数の国民にすんなりと受入れられ浸透すると思います。🐧
    いかがでしょうか?🐧

    • ハゲ親父さま
      新党「終わり」ニカ?
      せめて「最後の悪あがき」くらいにならないニカ。

    • ハゲ親父🐧 様

      お久しぶりにお見かけしました。

      どしどし投稿を期待してます!(笑)大喜利は、正直私、苦手で良い言葉が出てきません(頭が固い)。 ハゲ親父様のを楽しみにしてます。

  • 維新は都構想の住民投票とのダブル選を望むから歓迎しそう。
    公明はどうだろう。状況さえ良ければ都議会選挙と被らない時期を望むのでは?
    自民としても、内閣低支持率も払拭出来てるしチャンス。
    通常国会始まったら5月まで続くし、その後は予定通りならオリンピックも控える。任期満了が明らかに不利なのはわかってるなら、通常国会前の今しかないような。

    で、立憲の色々ゴタゴタ。

    まあ解散じゃないですか?

  • 更新ありがとうございます。

    16日に首班選挙、いや〜まずはめでたいですね。朝日新聞によると新党(両党)の代表選は10日投開票。え?そんなのやってた?って感じです(笑)。で、玉木氏はどうするんだろう。ガソリーヌとか(嘲笑)。ま、この際どうでもいいです。

    解散総選挙は、出来るだけ早くやって欲しいですね。それで菅氏が直接タッチした大型国政選挙は7連勝になる!*石破氏、何か満面の笑みを振りまいてますね。報道陣や同派議員には。何か不気味な面構えです(笑)。キショイ。失礼。

  • 菅さんには、とりあえず日本国内における外来雑音をなくして欲しいですね。
    下朝鮮に対しては「日本企業の資産が差し押さえられている時点で実害が発生している。今年年末までに解消しなければ経済制裁に進む」と宣言し、淡々と実行してもらいたいです。
    そうやって、外来雑音を減らした状態でスパイ防止法の制定に進む。
    特定野党やオールドメディアは反対の荒らし嵐でしょうから、それを論点に来年衆議院を解散でよいと思います。
    できれば、
    ・消費減税
    ・特別永住者をなくし永住者に一本化
    も論点に加えて。

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