自称元徴用工判決問題を巡る日本企業の資産の売却手続に関しては、昨日の『8月4日が到来しても、恐らく「現金化」は実現しない』で論じたとおり、おそらく8月4日という公示送達の期日が到来しても、いわゆる「現金化」はなされない可能性が高いです。ただ、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日掲載された記事によれば、韓国国内では日本政府の反応に対し、注目が集まっているようなのです。果たして韓国の裁判所が公示送達の手続を中止しなかったという事実をもって、日本政府は韓国に対する何らかの制裁に乗り出すのでしょうか。
目次
公示送達巡る誤解
「8月4日」が到来しても、すぐに現金化されない
いいかげん、うんざりします。
自称元徴用工問題、すなわち朝鮮半島で「戦時中に強制徴用工だった」と自称する者やその遺族らが日本企業を続々と訴えている問題を巡っては、当ウェブサイトでもかなり以前から何度も取り上げてきた論点です。
こうしたなか、8月4日には日本の被告企業のひとつである日本製鉄に対し、同社が保有するPNR社(日本製鉄が3割、韓国ポスコが7割を出資する合弁会社)の株式を巡り、公示送達の期日が到来します。
そして、この公示送達を契機に8月4日以降、日韓関係が重大な局面を迎える、といった報道も多く、さらには『秘密軍事情報の保護に関する日本国政府と大韓民国政府との間の協定』(日韓GSOMIA)の破棄通告期限が今月到来することも、こうした観測に拍車をかけています。
ただ、当ウェブサイトでは昨日の『8月4日が到来しても、恐らく「現金化」は実現しない』などでも報告したとおり、すくなくともPNR社の株式に関しては、8月4日にただちに売却命令が出て現金化されるという可能性は非常に低いと考えています。
その理由は簡単で、非上場株式の売却は一筋縄ではいかないからです。
まともな法治国家の場合、非上場株式の売却には、それに先立って株式発行会社の財務内容調査(財務デューデリジェンス=DD)の実施が必要ですし、株式の発行企業であるPNR社には、これに協力する義務もありません。
また、入札者が出現したとしても、譲渡制限株式の場合、取締役会の承認を得ていない株式譲渡は会社に対して効力を生じません(いわゆる「第三者対抗要件」の問題)し、株式の取得者は、せっかく株式を買っても株主としての権利を行使することはできない、ということです。
つまり、同社の株式の「現金化」には、原告側が売却できるようにするための下準備に、これからかなりの時間とカネがかかるのに加え、落札者が最終的に投下資本を回収するために、さらに時間とカネがかかります。
韓国の狙いは三文芝居を打つこと
ただし、『非上場株式の売却、「法治国家では」とても難しい』でも述べたとおり、韓国はそもそも法治国家ではありませんので、裁判所自身が自分の国の法律を無視して、でたらめな運営をするという可能性はあるでしょう。
また、韓国政府系の機関投資家(政府系金融機関や社会保障基金など)がPNR社の株式を買い取るという可能性も否定はできません。このため、「法技術的に、株式の現金化が絶対になされない」と断言することはできないという点には注意は必要でしょう。
もっとも、もし韓国でそれがなされた場合には、日本政府は何らかの対抗措置を講じると明言していますし、また、PNR社に関しては、最悪の場合、ビジネス上の判断として、日本製鉄がポスコとの合弁を解消して韓国からそっくり撤退してしまう可能性だってあります。
そして、韓国の政府、裁判所、原告側代理人などは、そんなことは重々承知しているでしょうし、だからこそ、わざと換金しづらい資産を差し押さえて見せて、「さぁ、日本企業は今すぐカネを払え」という三文芝居を打っているだけなのではないかと思う次第です。
三文芝居と対抗措置
聯合ニュース「韓日関係悪化必至」
ただし、こうした「三文芝居」を見抜けず(あるいは「見抜かず」?)、韓国側で行われている公示送達の期日満了をもって、非上場株式の売却が迫る、などと報じているメディアはあとを絶ちません。韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日掲載された次の記事など、その典型例でしょう。
解決策見えない「徴用工」問題 日本製鉄資産の現金化迫る=韓日関係悪化必至
韓国大法院(最高裁)が新日鉄住金(現日本製鉄)に対し、強制徴用被害者1人あたり1億ウォン(約900万円)の賠償を命じた問題で、韓国内資産の差し押さえ命令決定を伝える大邱地裁浦項支部の通知書類が同社に届いたとみなす「公示送達」の効力が4日から発生する。<<…続きを読む>>
―――2020.08.02 14:30付 聯合ニュース日本語版より
聯合ニュースによると、公示送達の期日が8月4日に到来し、これをもって、日本製鉄が保有するPNR株式の差押え命令決定は同社に伝達されたとみなされ、日本製鉄側が11日までに即時抗告しなければ株式の差押えが確定し、これ以降、地裁は差し押さえた資産の売却ができるようになるのだそうです。
なんともまどろっこしい手続ですね(笑)。しかも、先日から報告しているとおり、もし地裁が株式の売却命令を出したとしても、日本法をそのままコピペした韓国法の規定だと、売却は法技術的にきわめて困難です。
日本政府の反応は少し気になる
ただし、数日前の『安倍総理謝罪像巡り官房長官「日韓関係に決定的影響」』でも取り上げましたが、日本政府の反応については、少し気になります。
これは、例の「慰安婦像に土下座する安倍晋三」という下品な造形物を巡って、菅義偉内閣官房長官が記者会見で、「報道されていることが事実なら」という前提条件を置いたうえで、「日韓関係に決定的な影響を与えることになる」と述べた、という話題です。
韓国では日本を侮辱する変な銅像などがすでに大量に設置されていますし、しかも設置された場所が私有地であるという事情を踏まえるならば、菅官房長官の「決定的な影響を及ぼす」なる発言は、表現としては異例の強さです。
ただ、従来であれば日本政府が看過してきた問題に対し、こうした強い発言を行うようになったというのは、非常に気になる変化です。
というのも、日本の首脳である安倍総理を侮辱するという下品な造形物ではあるにせよ、たかが私有地に設置されたオブジェに対して「決定的な影響を与える」と述べたということは、日本政府が国際法違反と位置付ける公示送達の手続は、日韓関係にはなおさら決定的な影響を与えるはずだからです。
ということは、8月4日までに韓国の裁判所が公示送達の手続を中止せず、期日が到来したという事実をもって、日本政府が「日本企業に不当な損害が発生した」と判断する可能性も、皆無とはいえないのです。
日本政府の「対抗措置」は入国制限?
この点、先ほど紹介した聯合ニュースの記事では、これらの対抗措置、報復措置については
「日本政府はこれまで『現金化されるような事態は避けなければいけない』とし、そうなれば報復措置を取ると何度も警告してきた」/「報復措置としては、ビザ(査証)発給要件の厳格化や駐韓日本大使の召還などが日本メディアで報じられている。韓国産製品に対する追加関税措置や韓国への送金規制なども取りざたされている」
などと述べています。
ただし、対抗措置のうち、送金規制など、外為法上の経済制裁に相当する項目については、日本政府としては発動し辛いものです。なぜなら、経済制裁の多くは、はおもに安全保障上の理由でしか発動できないからであり、経済的な理由での発動は困難だからです。
したがって、対抗措置を発動するとすれば、あくまでも「経済制裁」ではなく、自称元徴用工問題に焦点を絞った措置であったり、あるいは「サイレント型経済制裁」(ほかの名目にかこつけた事実上の経済制裁)であったりすると考えるのが自然でしょう。
その意味では、輸出管理の再厳格化措置(とくに韓国のWTO提訴に含まれていない、グループBからの再ランクダウンについてはやりやすいです)、コロナショックで中断中の韓国人に対するビザ免除措置の恒久的廃止措置などは、法的にも発動しやすいものではないかと思う次第です。
自分で対話を放棄したくせに…
ちなみに先ほどの聯合ニュースによれば、康京和(こう・きょうわ)外交部長官の発言も紹介されています。
「康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は先月2日の記者懇談会で、『対話を通じ、お互いに対する理解を深めたと思っているが、立場の違いは非常に大きく、輸出規制問題も解決できずにいる』と説明した」(※文中「輸出『規制』」という誤植は原文のまま)。
盗人猛々しいとは、こういう発言のことを指すのでしょう。
対韓輸出管理適正化措置を勝手に「輸出『規制』問題だ」などと捏造したうえ、日本を世界貿易機関(WTO)に提訴するなど、自分で勝手に対話をキャンセルしておきながら、いったい何が「対話を通じて解決する」、ですか。
なお、当ウェブサイトとしては、韓国の対日WTO提訴については悪手中の悪手と考えており(『経産相発言から読む:韓国のWTO提訴は悪手中の悪手』等参照)、むしろ日本政府としては韓国に対する輸出管理をさらに厳格化する口実すらできたと考えているほどです。
また、聯合ニュースは韓国政府が
「対話による解決を目指し一時効力を停止させた日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了通告についても、いつでも破棄するとの立場」
だとしていますが、個人的には「どうぞいつでも破棄してください」という感想しか抱かないというのは、ここだけの話です。
View Comments (22)
制裁ではなく態度を明確に変えてみるのもいいかもしれません。
韓国などと呼ばずに、南朝鮮でいいではありませんか。
現実の呼称として、世界には South Korea が標準なのですから。
あちらも、日本海を勝手に東海とか別の呼び方をしていることですし、「もう、おまエラには忖度しねーよ」という意思表示として、こういう小さなことから始めたいですね。
なお、個人的には、下(しも)朝鮮の方がいいと思っています。
すでに南北朝鮮の上下関係は明白ですし、
性犯罪や売春婦が極めて多く、下半身がだらしない民族にふさわしいですから。
朝鮮半島の下の世話をする気はないという意思表示も当然含んでいます。
イーシャ様
南朝鮮人は日本の「天皇」を「日王」などと呼んでます。自分が呼びたいように呼んでよいということでしょうから、ボクはすでに南朝鮮の「大統領」を「文酋長」と呼んでますが、ネイティブアメリカンに叱られるような気がしてきましたので、只今、別の呼称を模索しています。
HN忘れた 様
断交に導いてくれる偉大な文さんは、むしろ史上最高の大統領と呼びたいです。
李氏朝鮮へと戻って行くなか、日本での支持率は 100% 近いのにと伝えてあげたいのです。
それよりも、下朝鮮が繰り返し蒸し返してくる問題を、正しい歴史認識に基づいて
・朝鮮人出稼ぎ労働者問題
・戦時売春婦問題
と呼びたいです。
昨日ユーチューブのコメントで、「私の歴史認識は、李承晩がラインをひき、たくさんの日本人を拿捕し人質にとり、日本の韓国にあった財産放棄とたくさんのお金をとった。日本は、謝罪も賠償もする必要は一切ない。」とございました。
日本から見た、日本自信の認識対応が大切なのではないかと感ました。
土下座像も日本がおかしいと思えば、韓国がどう言おうと、おかしいのです。(実際、韓国人からも一目見てわかる確信犯ですが。)
日韓関係において人質をとる、李承晩は日本の一番弱いところをつき大幅な譲歩を勝ち取りました。韓国人が、表だって言わないことです。輸出管理でフッ化水素意外ほとんど輸出は変わっていないのに、輸出規制と日本のせいにし、日本不買、WTO提訴とやり、国民もついていきます。事実、真実はどうでもよく国民を先導します。反日教育の結果、事実、真実はどうでもよく日本が悪い、対抗するとなります。事実、真実を言える状況ではないと、ユーチューブの韓国人を見ておもいます。本人を特定され、家にまでくるそうです。
日本はやはり竹島に関して、人質をとられて交渉し大幅な譲歩をしたと国民に説明した方が良いとおもいます。
これだけでも、すでに決定的だと昨日おもいました。
第三者的に見るとなぜ日本はここまでするのかと思いましたが、人質をとられては日本人として日本の決定に同情してしまう感じです。気持ちはわかります。戦力のない日本に仕掛けた李承晩は、その時点では勝ったかもしれませんが、対価を払ってもらうべきです。
文大統領は怖い人で、反日法をつくりいずれは外国人に適用し逮捕、人質にとるつもりだろうと、昨日おもいました。香港治安維持法と似ています。
それに対抗するため決定的な判断をした上で、日本から見た事実、真実の発信が大切であり必要であるとおもいました。
現金化にしても、現金化の後で日本が何かやってきた事実だけが必要なんだとおもいます。それをネタにして国民を先導する準備は、反日教育できています。
李承晩(米国の傀儡)→暴走→(共産拡大防止のため)米国容認→米国の日本への圧力
米国の責任は免れない
韓国内の日本の財産
これも同じ サンフランシスコ条約で財産放棄をさせ韓国に与えた
「日本の統治は恩恵も与えた」久保田貫一外務省参与 昭和28年10月13日
「日韓歴史認識失言のルーツ」と言われている
これをみてわかるように「事実」を「失言」とすり替える 当時でもメディアは腐っていた
制裁に関して、整理してみます。
大使召還、相互の入国制限の継続→韓国国民は大喜びでしょう。
関税を韓国と同等に引き上げる→効果は?
韓国資産の差し押さえ→現金化と同程度までなので、効果は?
金融+半導体原料の禁輸以外の制裁は、大して効果が無いんじゃないかと思います。
韓国は、日本がそこまで出来ないと、タカを括っているんじゃないかな。
真田先生が言っていたように、政府じゃなくて、金融機関に忖度させて、日本からの資金供給を抑えるのが、一番だと思います。
「紛争状態にある国に、金を貸すのは如何なものか」。
単に経済上の権利侵害と捉えるのは、事の本質を見誤り、事案を矮小化することになると思います。
単純な犯罪行為によって経済的損失を被ったなら、同等額の報復と言う事になるのでしょうけど、今回の事案は基本協定の破棄・戦後体制の否定という事ですから、70年前に遡って日韓関係を白紙にするという事です。
今までの協定を全て破棄して一からやり直す覚悟が、韓国は勿論、日本にも求められていると考えます。
韓国においてきた財産、払ったお金を返してくれというより、関係はここまでの方が、争い事の嫌いな日本人には受け入れやすいとおもいます。
j 様
波風を立てたくないというのは、ある意味日本人の長所でしょうけど、外交上は言うべき事は言った方が良いと思います。
こちらから波風を立てなくても、相手から立てに来た結果がこれなんですから。
関係はこれまで、とするにしても「貸したモノは返せ」ととりあえず言って、返すまで復縁は無いとしておきたいです。
門外漢 様
仰る通りです。
例え、損害額を上回る過度な「対抗措置」であっても、やってしまったもの勝ちです。
大切なのは、棒で躾ける(相手に深刻なダメージを与える)事です。
後々、非難の声が上がるかもしれませんが、ダメージを与えてしまえば、それを無かったことにする事は出来ません。
温い対応をしていたからこそ「どうせやってこねーだろ」と舐められ続けているのを忘れてはならないのです。
追記です。
波風を立てないというのは、今後のお付き合いを考えてのことです。
逆に言うと、今後のお付き合いを考えなければ、波風を立てても構わないのです。
「立つ鳥後を濁さず」も相手によりけりだと思います。
純粋な疑問
1. 日本製鉄の拠点は、韓国国内にはない様子
https://www.nipponsteel.com/company/location/oversea.html
親会社(日本製鉄)が保有する子会社(PNR)の株式を、子会社に保管しているというのは考え難い。
では、大邱地裁浦項支部は何を差し押さえる権限を有しているのだろう。
日本に存在する財産の差し押さえは、日本の裁判所でしかできないのではないのだろうか?
韓国内の企業の株式は、韓国国外で所有していても韓国内の財産なのだろうか?
2. 本日(8月4日)は、差し押さえ決定の公示送達日
すなわち、差し押さえを行うことができる効力が発生する日のはず
すでに差し押さえられた前提で報道されているのはなぜなんだろう。
売買を行えない状態にすれば、(証券証書を紙で押収しなくても)「差押えた」という事になります。
基本的な部分で、紙で保有している可能性自体が無いでしょうから、権利を差し押さえるという形になります。
PNRは韓国内の企業になりますので、韓国内の権利を差し押さえるのに何ら支障はありません。
問題は、会計士様のご指摘されるように、それを売買が出来るのかという点になります。
>こうした「三文芝居」を見抜けず(あるいは「見抜かず」?)
「見抜かず」か、もしくは「片棒を担いで」が正解なんじゃないのかな?
関係悪化というけど、米中対立って大きな枠の中で、日本は米国側についてて、韓国は米中間蝙蝠って、明確に立ち位置が異なってるんだから、軋轢はあって当たり前だと思うのです♪
最初の事務的説明会の場で、対話の位置づけの説明にかなりの時間を要したにもかかわらず、説明会のことを「協議」だと言ってのけたことの訂正さえされてません。
後日の政策対話の場でも「過去3年間のフッ酸の最終消費状況は明かせないが『未来志向で何とかならないだろうか?』」との道理の通らない執拗さが目に浮かぶようです。
世界平和に関わる安全保障上のことなのですから、日本が水に流せる要素はこれっぽちも存在しないはずなのにね・・。
*会合を重ねて深まったのは「話が通じないことに対しての理解」ぐらいなのでは?
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日本による対韓ビザ免の厳格化は「防疫上によらない事由で対日入国制限を課した韓国」に対しての相互主義に過ぎないのですし、差押え資産の現金化の有無に関係なくいつ発動しても対外的な不都合は生じないと思うんですけどね。
嫌韓webさん引用の連合ニュースから(孫引きで申し訳ない)
>日本製鉄が11日までに即時抗告しなければ、株式の差し押さえは確定し、地裁は強制徴用被害者への賠償のため、差し押さえた資産を売却して現金化できる。
これって「抗告」をして起訴事実を認めろ
とほのめかせているのでしょうか?
更新ありがとうございます。
いい加減私もウンザリです。公示送達が明日の4日、でも韓国オット下朝鮮は何も出来ないでしょう。もし、韓国が日本や日本製鉄に迷惑をかけるなら、制裁に出て欲しい。
輸出をグループBからCが妥当。ビザ免除プログラム無期限中止。更に輸出規制の更なる厳格化。3品目以外も。このぐらいはやってもいいでしょう。日本製鉄もPNRの株を処分したらいいのでは?どうせ大した額じゃないでしょう。
GSOMIAは、懲りただろうから言って来ないけど、なんだかんだとイチャモン付ける気はします。もう慣れたわ。アホさ加減に!
ここでも再々述べていますが、そもそも韓国は法治国家ではないので、法技術上の困難など彼らにとって何ほどのこともありません。第一、遡及法を平気で制定し、実施してしまうような国で、そのような常識的な判断がなされると想定すること自体が、根本的に間違いであるとあえて断言します。
従って、8月4日または8月11日に彼らが直ちに現金化に着手しなかった場合、それは法技術上の問題などという高尚な理由ではなく、単に政治的にヘタれたというだけのことだと考えねばなりません。
日本政府の再三の警告もあり、さすがの彼らも現金化実行が日韓関係に不可逆の傷を与えるかもしれないということくらいは薄々分かっているのかもしれませんが(わかってない可能性も否定できない)、彼らはもう引き返せません。ならば、彼らにできることはグダグダと屁理屈をこねて実行を引き延ばすことしかありません。そして、その際の屁理屈の一つとして「法技術上の問題」を持ち出す可能性はあるかもしれませんね。つまり、法技術上の問題をクリアできないから現金化を実行しないのではなく、現金化を実行しないための言い訳として法技術上の問題を持ち出すという、ある意味全く逆の方向性です。
その場合、表面的には似たような展開に見えるでしょうが、内実は全く異なります。韓国側が本気で現金化を実行しようとしたら、法的問題など吹っ飛ばしていとも簡単に実行できるのですから、現金化着手がズルズルと引き延ばされた場合、それはヘタれたせいだと断じても良いのかもしれませんね。