先ほどの『米ドル為替スワップを最も多く引き出している国は日本』に続き、本稿も米国の為替スワップに関する話題です。先ほどは「日本と欧州が米FRBから巨額のスワップ借入を行っている」と指摘したのですが、もうひとつ気になる話題があります。それは、日英欧瑞加という5つの中央銀行を除くと、FRBから為替スワップを引っ張っている国のダントツのトップが、韓国である、という事実です。
米国の為替スワップ引出額への「違和感」
先ほどの『米ドル為替スワップを最も多く引き出している国は日本』でも報告しましたが、コロナショックを受けて先月末、世界的に米ドルの流動性不安が生じ、これを受けて、米FRBが世界の14の中央銀行・通貨当局に対し、為替スワップを通じたドル資金の供給に踏み切っています。
ただ、こうした努力が奏功したためでしょうか、世界的なドル流動性逼迫の一方で、『新興国からの資金流出は「落ち着いた」といえるのか?』でも報告したとおり、新興市場諸国の通貨市場は一時期と比べ、落ち着きを取り戻しつつあります。
実際、先ほども掲載した「為替スワップに基づく流動性供給による借入残高」については、現時点において巨額の資金を借り入れているのは日本とユーロ圏が「ツートップ」であり、ドルの流動性不安はどちらかといえば先進国で生じていることがわかります(図表1)。
図表1 為替スワップに基づく流動性供給による借入残高が多い順(14中銀)
中銀 | 借入金額 | 平均利率/日数 |
---|---|---|
日本銀行 | 1,934.5億ドル | 0.34%/72日 |
欧州中央銀行 | 1,406.3億ドル | 0.36%/79日 |
イングランド銀行 | 219.4億ドル | 0.35%/77日 |
韓国銀行 | 123.4億ドル | 0.77%/82日 |
スイス国民銀行 | 106.5億ドル | 0.32%/52日 |
メキシコ銀行 | 65.9億ドル | 0.77%/84日 |
シンガポール通貨庁 | 47.2億ドル | 0.68%/42日 |
デンマーク国民銀行 | 42.5億ドル | 0.34%/82日 |
ノルウェー銀行 | 15.8億ドル | 0.35%/84日 |
豪州準備銀行 | 6.5億ドル | 0.32%/84日 |
NZ準備銀行 | なし | ― |
スウェーデンリクスバンク | なし | ― |
カナダ銀行 | なし | ― |
ブラジル銀行 | なし | ― |
合計/平均 | 3,967.8億ドル | 0.37%/75日 |
(【出所】ニューヨーク連銀(Federal Reserve Bank of New York)の “Central Bank Liquidity Swap Operations” のページに掲載されているエクセルファイル “U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results” を参考に著者作成)
韓国は9つの中銀・通貨当局のなかで断トツのトップ
ただ、この図表1では日本、ECB、イングランド銀行の陰に隠れてわかり辛いのですが、借入額を並べ替えたところ、(先進国でも何でもない)韓国が上位4位に付けている、という点に気付きます。
そこで、この図表1から、日本、ECB、英国、スイスなどの「無制限の為替スワップ」を保有している国を除外して書きなおしたものが、次の図表2です。
図表2 為替スワップに基づく流動性供給による借入残高が多い順(5中銀除外)
中銀 | 借入金額 | 平均利率/日数 |
---|---|---|
韓国銀行 | 123.4億ドル | 0.77%/82日 |
メキシコ銀行 | 47.2億ドル | 0.68%/42日 |
シンガポール通貨庁 | 42.5億ドル | 0.34%/82日 |
デンマーク国民銀行 | 15.8億ドル | 0.35%/84日 |
ノルウェー銀行 | 6.5億ドル | 0.32%/84日 |
豪州準備銀行 | 123.4億ドル | 0.77%/82日 |
NZ準備銀行 | なし | ― |
スウェーデンリクスバンク | なし | ― |
ブラジル銀行 | なし | ― |
合計/平均 | 235.3億ドル | 0.63%/74日 |
(【出所】ニューヨーク連銀(Federal Reserve Bank of New York)の “Central Bank Liquidity Swap Operations” のページに掲載されているエクセルファイル “U.S. Dollar Liquidity Swap – Operation Results” を参考に著者作成)
こうやって眺めてみると、やはり違和感があります。
当ウェブサイトでは先日の『為替スワップ2回目の入札、「韓国の危機は去った」?』で、韓国で4月7日に実施された第2回目の為替スワップに基づく資金供給額については「札割れ状態」に陥ったという事実をもって、「意外と流動性は逼迫していない証拠だ」と報告しました。
当ウェブサイトでそう申し上げた理由は簡単で、この「札割れ」とは、「韓国銀行が考えていたほどは資金需要が高くなかった」という意味であり、わかりやすく言い換えれば、「韓国の民間銀行は韓国銀行の想定と比べて、意外と資金繰りが安定している」、という意味でもあります。
しかし、実際にこうやって一覧を見てみると、現時点における韓国の資金調達額は、日本、欧州、英国、スイス、カナダの5ヵ国を除けばダントツトップの123億ドルであり、「5大通貨」の一角を占めているはずのスイスの106億ドルをも上回っています。
やはり、韓国が新興市場諸国のなかで借入額が突出しているというのは、非常に気になる論点です。
一見すると為替相場は安定しているが…
この点、『【記事内容に修正あり】韓国銀行、50億ドル以上を為替介入で溶かした模様』などでも報告したとおり、韓国銀行はおそらく3月を通じて少なくとも50億ドル以上(おそらく70~80億ドル)を使って通貨防衛を行っていたものと考えられます。
こうした通貨防衛に加え、米韓為替スワップにさっそく手を付けたことが奏功したのか、現時点においては韓国の通貨・ウォンの対米ドル相場は1ドル=1200ウォンを少し超えたあたりで安定しています。
そして、『日韓通貨スワップこそ、日本の半導体産業を潰した犯人』でも報告したとおり、韓国はこれまで、「通貨が暴落しないようなバックストップがあれば、それを悪用して自国通貨安誘導を行い、結果的に日本の産業を潰す」という行動を取ってきたように見受けられます。
現在のように、為替相場が1ドル=1200ウォンを少し超えたくらいで安定している状況というものは、韓国にとっては心地よいものなのかもしれませんが、もし韓国銀行の当局者がそんなことを考えているのだとしたら、足元をすくわれるかもしれません。
というのも、韓国メディア『聯合ニュース』(日本語版)に昨日、こんな記事が掲載されていたからです。
外国人の株式資金 コロナ不安で3月は1.2兆円の純流出=韓国(2020.04.10 12:30付 聯合ニュース日本語版より)
これは、3月に韓国から110億ドル(約1兆円)もの外国人の資金が韓国から流出した、とする記事であり、先日の『新興国からの資金流出は「落ち着いた」といえるのか?』でも紹介した「国際金融協会(IIF)の調査レポート」とも整合する内容です。
経済規模、金融の脆弱さなどを考慮すれば、韓国から1兆円を超える資金が流出するというのは、きわめて異例な事態です。そして、この110億ドルとは、奇しくも米韓為替スワップに基づくFRBからの借入額と近似しています。
実際、聯合ニュースによると、110億ドルは「韓国銀行が2007年1月に関連統計を取り始めてから最大」であり、あのリーマン・ショック直後の2008年10月(75.5億ドル)を上回ったそうです。
「4月の配当シーズン」「コロナ」「総選挙」3つの不安要因
何より、強く警戒しなければならないのは、毎年4月は韓国にとって、外国人投資家に対する配当金の支払いで、経常収支の黒字幅が非常に小さくなる(あるいは赤字になってしまう)という傾向がある、という点です。
今年に関してはコロナショックの影響もあり、企業が配当金を抑えるという動きに出る可能性もありますが、ただ、こればかりはやはりふたを開けてみなければわかりません。
それにコロナショックの影響は現在、小康状態にあることは事実ですが、またいつマーケットの不安がぶり返すかわかりませんし、それにいったん市場の不安心理に火が付けば、株価、金利、為替などが乱高下する展開が戻って来ないとは限りません。
このように考えていけば、為替スワップの借入残高がほかのEM諸国を大きく上回っているという事実は、やはり非常に気に掛かります。
そして気のせいでしょうか、最近、「韓日通貨スワップ待望論」が一時的に影をひそめました。これは韓国側で来週の総選挙を控えているためなのか、それとも政策当局者側に気の緩みが出ているためなのかはよくわかりません。
しかし、「4月の配当シーズン」、「コロナショック」、「総選挙」という、少なく見ても3つの不安要素が残る韓国で、いきなり資金流出が始まらないかについては、警戒しておく価値はあるのかもしれませんね。
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>最近、「韓日通貨スワップ待望論」が一時的に影をひそめました。これは韓国側で来週の総選挙を控えているためなのか、それとも政策当局者側に気の緩みが出ているためなのかはよくわかりません。
韓国側で来週の総選挙を控えている為、保守派左派どちらが言い出して、結べないは
WON暴落、資金流出の引き金になりかねないからかと。
みずほをはじめ資金引き上げに動いているようですし。
ついに韓国に対して貸し剥がしを始めた日本メガバンク! 各行の韓国への融資、その驚きの金額とは?
2019/09/28
https://www.youtube.com/watch?v=kKpjp0_gZ9s
みずほがついに… 日本メガバンクの韓国向け貸出残高がついに判明!
2020/04/07
https://www.youtube.com/watch?v=YniQWShkZ1M
2019-08-01
韓国向けの邦銀の貸出残高はどのようになっているのか?
https://www.financepensionrealestate.work/entry/2019/08/01/210027
2019年3月末時点となります。
MUFG 4,255億円
海外貸出全体 421,796億円(米国持株会社、タイ現地銀行含む)の1%
三井住友 2,330億円
海外貸出全体 221,205億円の1%
みずほ 7,196億円
海外貸出全体 253,970億円の3%
なお、上記は純粋な貸出残高です。
みずほが韓国向け貸出の残高が多いというところが特徴でしょう。
MUFGとSMFG(三井住友)は問題ない水準と言えます。
韓国向けの与信・貸出を回収する等の対応を迫られたとしても、邦銀へ致命的なダメージを与えることにはならないと思われます。
なお、日韓関係がこれ以上悪化すると、韓国に与信を行っていること自体がネット等で「国賊」と非難される可能性も銀行にはあるのではないでしょうか。
邦銀の感覚からいえば韓国への与信は完全にアンダーウエイトでしょう。世界の経済に占める彼らの割合からいったら与信割合はずっと抑えてる。長い間の日本国内の嫌韓が効いているのでしょう。
それでも相対的にはみずほが飛び出てるって批判はあるかも知れません。
それよりも、東南アジアへの傾倒が強すぎるのが邦銀が格付け機関から嫌われる要因になってます。度重なる地場銀行の買収。買収金額も株式評価損の減損金額も韓国与信なんて比じゃない、桁が違う。
邦銀経営は韓国なんてその他一般程度の注目しかしてないですよ。批判無いように増やさず減らさず目立たぬよう。
G様返信ありがとうございます
>批判無いように増やさず減らさず目立たぬよう。
河島英五:時代おくれ
https://www.youtube.com/watch?v=g7l67VKDL8w
目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは 無理をせず
人の心を見つめつづける 時代おくれの男になりたい
回答した企業の損益分岐点のレートは1163ウォンだった。業種別では金属製品(1263ウォン)、化学製品(1165ウォン)、繊維製品(1150ウォン)、機械(1147ウォン)、電気電子(1145ウォン)、鉱物(1138ウォン)の順だった。
全経連は「輸入企業が予測する上半期のレート展望レベル(1266ウォン)を考慮すると、事実上すべての輸入業種が赤字を免れないものと予想される」と述べた。
中央日報日本語版
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200410-00000021-cnippou-kr
「死💀月」のラプソディー、
主旋律に「コロナ」、出ては消えるアドリブに「日韓通貨スワップ」
中盤の盛り上がりは「国会議員総選挙」
クライマックスは「月末の配当金支払い」
ずっと感じていた事を、上手く言葉に纒める事が出来ました。🐧
あんまり他国を笑ってられない…
日本も緊急事態宣言で経済は大幅に萎縮。
これは賭けで、これで感染者が減少に転じなかったら最悪だ。
長引くし、完全封鎖までレベルも上げて、経済回復のタイミングも失って、政権にも大ダメージだ。
嫌な言い方になってしまうけど、人命価値、安全価値が低い国の方が経済回復は早いね。
次の読者雑談専用記事に書こうと思って,ここ1ケ月の主要国の感染者データを PC で統計処理して,日本の感染者数予測を,今日までの新しい数字で再計算しました。細かいことはそっちに書きますが,4月14日か15日には日本の感染者数が韓国の感染者数を越え,それが選挙と重なって韓国が騒ぎそうで,嫌な予感がしています。
愛読者さま
感染者数が減少に転じなければロックダウンを強化せざるを得ないし、
ずっと経済を止めておくしかなくなるので、
失業者も溢れ、国の出費も激増し、
V字回復のチャンスも掴めず、ズルズル停滞になりますね。
韓国より国内野党が騒ぐほうがめんどいです。
失策だ糾弾だと朝日も連日叫びまくるでしょう。
「対応遅れた安倍、国内パンデミックで混乱」
「中国は収束、日本が学ぶべき姿勢」
「失敗した安倍政権、国民の審判は近い」
容易に見出しが想像できます。
国がこんなにも未曾有の危機なのに、自覚がない人が多くて困る。
日本は非常事態宣言を受けて、検査機能をフル活用すべくPCR検査強化。今までとはフェーズが変わりました。
かたや韓国は総選挙モードで検査数を抑えて順調アピール。
この辺の事情が「総選挙の後に」明らかになってくるでしょう。
20日には、島津製作所が1時間で結果の出る検査キットを発売するそうです、PCRじゃないのを。
ヤル気になれば出来るのですね。
これでインフルエンザ並みに検査が出来るので、韓国製のパチモノ検査キットなんて買わなくても良いのです。
政府が初期から「検査するよ、検査するよ。」と言っていれば、3月ころには実用化していたんでしょう。
アビガンだって、もっと積極的に使っていれば救える命もあったと思うんですが、何かにつけてちょっと慎重すぎる気もします。
でもまあ、「直ちに人体や健康に影響を及ぼす状況ではない」なんて言って、傍観しているよりはずっとマシですがね。
島津のはPCRの検体調製を省力化するものです。
RNAを抽出・精製するのにスピンカラムというもので濾過して不純物を取り除いていたのを、不純物があっても影響が少なくなるようにする試薬をキットに組み込んだというものです。
それ自体はいいんですけど、カラム精製では濃縮して容量が少なくなるのですが、島津のキットでは薄い溶液のままでPCRまでやるみたいなのでそこが不安ですね。
カレーの肉理論でいえば、おたまですくうカレーの肉の数が同じなら、どんな方法でやっても同じ結果になります。しかし、煮込んでドロリとしたカレーと、シャパシャパで薄いカレーとでは、同じ肉の数をすくうのに、薄いカレーではお玉が巨大でなくてはいけないのですけど、大丈夫かな。
<カレーの肉理論>
カレー鍋:患者さん
カレーのおたま:1回分の鼻や喉の粘膜検体
カレーの肉:ウイルス
PCR:見えない肉を見えるようにする魔法
見えない肉が入っているカレー鍋からお玉でカレーをすくいます。肉の入ったかカレーか肉の入っていないカレーかを調べるために魔法をかけます。肉が少なすぎると肉が入っていてもおたまに肉が入らない確率が高くなってしまいますが、肉入りカレーで肉がおたまに入ってなくても、別に魔法を失敗したとは限らないのです。むしろ、肉がすくえたかが問題です。確実に判定するには、肉の数が多いカレーで魔法をかけるようすれば良いのです。肉が入っていても少なそうなら魔法をかけても意味がないのでやらないほうがいい場合が多いです。間違った結果が出て、間違った解釈をするくらいなら、症状が進行した段階でPCRをすればいいだけです。
「これから考えられること 」① 緊急事態宣言中 新型コロナ感染者数の推移を予測
https://www.youtube.com/watch?v=Tzw9BBrnSHg
「これから考えられること 」② 緊急事態宣言中の防衛戦略と社会の転換期の話
https://www.youtube.com/watch?v=tyQd-_Y5S_M
生田よしかつの公式チャンネル
緊急事態宣言が発令された今、vs新型コロナ防衛戦略の成功の鍵は?
東京海洋大学准教授・勝川俊雄さんが、
防衛戦略と迎えた社会の転換期についてわかりやすく解説します。
図表2には編集ミスがあります。
韓国銀行 123.4億ドル 0.77%/82日
豪州準備銀行 123.4億ドル 0.77%/82日
図表1の
豪州準備銀行 6.5億ドル 0.32%/84日
こちらが正しいかと。
阿野煮鱒 様
確認し、修正致しました。ご指摘大変ありがとうございました。
引き続きのご愛読とコメントを何卒よろしくお願い申し上げます。
初めてコメントいたします
いつも興味深く記事コメント拝読しております
先に記された
数字違い後の表
二行目のメキシコ銀行からずれていってるようです
以上
お目汚し失礼しました
ご指摘のとおりです。申し訳ございません。あとで修正します。
ディー 様
確認し、修正致しました。ご指摘大変ありがとうございました。
引き続きのご愛読とコメントを何卒よろしくお願い申し上げます。
更新ありがとうございます。
日本と欧州と英(約計3,600億ドル)が米FRBから巨額のスワップ借入を行っています。しかし、日本、EU、英を除けば「一流国でも大国でも無い」韓国が4位!
米韓為替スワップ120億ドル、ソッコーで借りたんですね。でもって韓国から110億ドルの資金が流出したということは、ちょうど米韓為替スワップに基づくFRBからの借入額と同じじゃねーか(苦笑)。
4月の配当、コロナ対策、国会議員選挙。荒波3連発ですね〜。タノシミ。
更新ありがとうございます。
借入残高の金額だけでなく、何かの金額に対する借入残高の比率も算出すると面白い気がします。
適切な対象項目が思い浮かばないのですが、例えば外貨準備高とかになるのでしょうか?
メキシコと韓国は2.5倍の差が有りますが、韓国がメキシコより2倍の規模で米ドルを使用?運用?していれば、実質的には1.25倍の差になります。
韓国のプルデンシャル生命が18.9億ドルで売却して撤退というニュースを見ました。ここでもドルが必要ですね笑。
そもそも韓国って自由に外貨を韓国の外に送金できるんでしたっけ?認可制だったような記憶も。どなたか知ってたら教えてもらえたらと。
ウォン建て送金の制限金額についてのご案内
http://koex.jp/news/dat/remminfo.pdf
韓国の外国為替管理法によって送金目的別に制限金額があり、制限は 2万米ドル相当額までとなっております。
資本取引 (本人名義預金、貸借、投資等)USD20,000以下 金額により資金出処等確認が必要
経常取引 (貿易/役務取引等) 制限なし 但し、ウォン表示のインボイス/契約書等のエビデンスが必要
二日市保養所様
ご説明ありがとうございました。
よく考えたら、ウォン建てで売却代金を受け取って、アメリカでドル転するんですよね。
いずれにしてもドル転が発生するので、ウォン安の要因にはなるのだとは思いますが。
米FRBが各国中銀と締結している為替スワップ協定のうち,無期限,金額無制限の5中銀を相手としたものと,最近新たに設けられた9中銀相手のものとでは,その性格が全く違っているのではないでしょうか.
米国との間で恒常的に多額の貿易,資本取引を行っており,経済基盤もしっかりしている国との間でのドルの出入りについては,そのときどきの経済状況でドル買いが優越することもあれば,ドル売りに偏ることもある.その傾向が一時的に強まった際のドルのファイナンスを円滑に行うために,無制限のスワップが設けられているのだと思います.
他方,新たにスワップを締結した9国は対米貿易では黒字基調を保っている一方,国内の貧弱な資本蓄積の穴埋めを米国からの投資に頼り,貿易の稼ぎのかなりの部分を配当の形で米国に払い戻している.今回のFRBの措置はこのドル還流の状況が危なくなってきたとの懸念によるものではないでしょうか.
4月8日付の本サイトの記事「米為替スワップ巡る「高金利国」と「低金利国」の現状」は,なかなか意味深長に思えます.つまり,低金利国扱いの6カ国については,必要なドルを手当しておけば,当面外為市場発の経済混乱は避けられると見ているのに対して,韓国,メキシコ,シンガポールの3国は下手をすれば,これまでの米系ファンドの投資が焦げ付く恐れありと見なしている可能性も考えられるのではないでしょうか.ここは投資資金を引き抜くまでの間,とりあえず経済を保たせようとの思惑で,あくまで米国の都合によるスワップが策定されたというのが真相ではないかと思えます.その毒まんじゅうに真っ先に飛びついてた韓国は,その圧力が最も早く顕在化しつつある国ということになるのではないでしょうか.
札割れの事実よりも、初回が札割れだったにもかかわらず早々に二回目の入札が行われたことの方が気になります。
誰かが米ドル大量流出の予兆を知っていて「もっと米ドルが必要なはずだ」と考えたのかもしれません。
もともと短期間で最低二回は実施する予定だっただけかもしれませんが・・・