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    Categories: 政治

軍事転用されていたのは「低価格フッ化水素」なのか?

本稿は『対韓輸出が急減しているのは「低価格フッ化水素」か?』の「続編」です。先日の論考では、昨年7月に日本政府が発表した韓国に対する輸出管理厳格化措置を受けて、韓国に対する「低価格帯の」フッ化水素の輸出が急減した(というかゼロになった)という仮説を提示しました。これについては、先日は韓国に対する輸出しか調べていなかったのですが、少し時間ができたので、韓国以外についても色々と調べてみました。現時点では、わが国から外国に輸出されているフッ化水素には、やはり「高価格帯」と「低価格帯」が存在するのではないか、という仮説が浮かびます。

低価格フッ化水素

フッ化水素の輸出について、もう少し調べてみた

以前、『対韓輸出が急減しているのは「低価格フッ化水素」か?』のなかで、「なぜか韓国に対する『品番2811.11-000』(フッ化水素)の輸出単価が、2019年9月以降、急激に上昇していた」、という話題を紹介しました。

あらためて、これについてデータを振り返っておきます(ただし、経産省の昨年9月27日付けの発表によると、日本から輸出されるフッ化水素は「品番2811.11-000」だけでなく「品番0000.00-190」(再輸出品)などに計上されることもあるようですが、本稿では「再輸出品」などを考慮していません)。

まずは、2011年以降の「品番2811.11-000」の韓国に対する輸出高を確認しておきましょう(図表1)。

図表1 韓国に対する品番2811.11-000の輸出高(暦年、2011年~2019年)
金額 数量 kg単価
2011年 40億円 23,512トン 170.8円
2012年 42億円 25,145トン 165.1円
2013年 42億円 26,315トン 158.3円
2014年 41億円 25,306トン 161.0円
2015年 35億円 21,385トン 162.5円
2016年 35億円 21,875トン 160.8円
2017年 47億円 29,058トン 162.0円
2018年 75億円 36,824トン 203.4円
2019年 44億円 19,000トン 229.1円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成。ただし、2019年については11月までのデータで作成)

図表1からわかることは、韓国に対するフッ化水素の輸出は、2011年から2017年までは毎年2~3万トン、金額は35~40億円ていどで、キログラム単価は150~170円くらいだった、ということです。ところが、2018年に入り、突然、金額が75億円、数量が36,824トンに増えていることが確認できます。

これが、「不自然な点・その①です。」

昨年9月以降、単価が急上昇している

次に、2019年1月以降、データが存在する11月までの「品番2811.11-000」の対韓輸出高についてもチェックしておきましょう(図表2)。

図表2 韓国に対する品番2811.11-000の輸出高(2019年各月)
金額 数量 kg単価
1月 6.3億円 3,348.3トン 187.2円
2月 6.9億円 3,215.6トン 213.3円
3月 7.7億円 3,518.5トン 219.1円
4月 6.3億円 2,874.9トン 219.3円
5月 5.5億円 2,628.7トン 210.1円
6月 5.9億円 2,932.7トン 202.8円
7月 4.0億円 479.1トン 837.0円
8月 0 0
9月 3,723千円 0.1トン 37,230.0円
10月 0.4億円 0.9トン 45,352.7円
11月 0.5億円 0.9トン 49,558.6円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)

1月から6月までは、数量は毎月2~3千トン、金額は5~7億円台であり、キログラム単価も180~220円ていどで推移していて、この点については先ほどの図表1と大した違いはありません。

ところが、日本政府が7月に韓国に対する輸出管理適正化措置を導入して以降に関していえば、たとえば9月には輸出金額が372万円、数量が100kgに激減していますが、それと同時にキログラム単価が一気に上昇。

9月は37,230円、10月は45,352円、11月は49,559円と、いずれもキログラム単価はそれまでの200倍前後に上昇しているのです。これが、「不自然な点・その②」です。

韓国の物資横流し疑惑

以上から、当ウェブサイトとしては、次のような仮説を立てたのです。

  • 2019年7月まで日本から韓国に輸出されていたフッ化水素は低価格帯が中心だったが、9月以降は低価格品の輸出がなくなった
  • 日本政府が発表した「輸出管理に関する著しく不適切な事例」とは、フッ化水素に関しては低価格品を中心とする「迂回貿易」や「目的外使用」であった

ちなみに半導体製造に必要なフッ化水素は純度がきわめて高く、日本企業が世界で強みを持っている品目ですが、そのキログラム単価が数百円と安いのは不自然です。このことから、日本の輸出管理適正化措置発動前後で半導体製造などに使われる「高級品」の輸出は継続されていると考えられます。

これについては『イランの核開発再開宣言と対韓輸出管理の関連性を疑う』でも述べたとおり、たとえば韓国がイランとの間で抱えている「ウォン建て銀行口座凍結問題」に関連し、日本から輸入した低価格フッ化水素をイランに横流ししていた、という疑惑にもつながります。

(※もっとも、くどいようですが、念のため付言しておきますと、「ウリィ銀行のウォン資金口座」、「物資横流し」などに関しては、当ウェブサイトとして確たる証拠を掴んでいるわけではありません。)

韓国以外の輸出先

輸出実績を比較してみた

さて、2019年のデータ(※11月まで)で見る限り、わが国が「品番2811.11-000」を輸出している相手国は10ヵ国確認できます(図表3)。

図表3 わが国の「品番2811.11-000」の輸出先と金額、数量、kg単価
金額 数量 kg単価
韓国 4,353,385千円 18,999,753kg 229円
台湾 611,899千円 2,059,539kg 297円
米国 366,833千円 1,429,799kg 257円
中国 238,457千円 622,660kg 383円
シンガポール 32,214千円 126,200kg 255円
インドネシア 17,813千円 87,680kg 203円
ドイツ 8,771千円 26,573kg 330円
マレーシア 3,942千円 102kg 38,647円
英国 601千円 15kg 40,067円
タイ 311千円 15kg 20,733円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成)

これで見ると、「品番2811.11-000」の韓国に対する輸出高は、金額、数量ともに群を抜いて多いことが確認できるのですが、ここで気になるのは「kg単価」です。

たとえば、上位7ヵ国に対する輸出のkg単価はいずれも200~300円台であるのに対し、下位3ヵ国(マレーシア、英国、タイ)へのkg単価はいずれも2~4万円台です。

このことから、日本から外国に輸出される「品番2811.11-000」は、高価格品と低価格品があり、輸出数量が非常に多い相手国の場合は、たいていの場合、低価格品が全体の単価を引き下げているのではないか、という仮説が成り立ちます。

米国、英国、台湾に対する輸出数量・金額

そして、図表1と同じものを、米国、英国、台湾についても作成してみたいと思います。なぜこれら3ヵ国の事例を選んだのかといえば、数量と金額の関係が非常によくわかる事例だからです。

まず、米国に関しては、輸出金額、数量ともに、2019年において韓国、台湾に次いで3番目の輸出相手国なのですが、単価については韓国と同様、kg単価は200~300円前後と安定しています(図表4)。

図表4 米国に対する品番2811.11-000の輸出高(暦年、2011年~2019年)
金額 数量 kg単価
2011年 1.9億円 1,004トン 186円
2012年 2.3億円 1,192トン 190円
2013年 2.4億円 1,155トン 210円
2014年 2.5億円 1,246トン 205円
2015年 2.6億円 1,000トン 262円
2016年 1.4億円 480トン 292円
2017年 2.1億円 843トン 248円
2018年 2.4億円 938トン 251円
2019年 3.7億円 1,430トン 257円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成。ただし、2019年については11月までのデータで作成)

これに対して英国に関しては、輸出金額、数量ともに、他国と比べて非常に少ないのですが、単価については数万円台と米国の200倍前後であることが確認できます(図表5)。

図表5 英国に対する品番2811.11-000の輸出高(暦年、2011年~2019年)
金額 数量 kg単価
2011年 2,987千円 72kg 41,486.1円
2012年 3,265千円 78kg 41,859.0円
2013年 4,030千円 101kg 39,901.0円
2014年 3,894千円 99kg 39,333.3円
2015年 3,894千円 99kg 39,333.3円
2016年 918千円 24kg 38,250.0円
2017年 708千円 18kg 39,333.3円
2018年 1,180千円 30kg 39,333.3円
2019年 601千円 15kg 40,066.7円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成。ただし、2019年については11月までのデータで作成)

この2つの図表から、

米国には汎用品を含め、高価格帯、低価格帯さまざまなフッ化水素を輸出している

英国には高価格帯のフッ化水素を少量だけ輸出している

という仮説が浮かぶのです。

一方、米国と英国を折衷したような輸出パターンが、台湾です(図表6)。

図表6 台湾に対する品番2811.11-000の輸出高(暦年、2011年~2019年)
金額 数量 kg単価
2011年 1.8億円 778トン 235円
2012年 0.7億円 56トン 1,181円
2013年 0.6億円 2トン 39,376円
2014年 0.9億円 2トン 40,652円
2015年 1.3億円 170トン 775円
2016年 1.2億円 21トン 5,522円
2017年 1.3億円 57トン 2,282円
2018年 4.3億円 1,396トン 311円
2019年 6.1億円 2,060トン 297円

(【出所】『普通貿易統計』より著者作成。ただし、2019年については11月までのデータで作成)

台湾に関しては、kg単価が上がったり下がったりしていることが確認できます。

たとえば、2011年には金額で1.8億円、数量で778トンを輸出したのですが、このkg単価は235円です。

しかし、2013年と2014年には輸出金額・数量がそれぞれ6312万円・1.6トン、8529万円・2.1トンにまで急減したのですが、単価はいずれも4万円前後に跳ね上がっていることが確認できます。

また、2016年と2017年には輸出数量がそれぞれ21トン、57トンだったのですが、単価は5,522円、2,282円でした。

このことから、台湾に対しては低価格帯のフッ化水素の輸出量が極端に増えたり減ったりしている、という仮説が同様に成り立つのです。

もしかすると、報道されていなかっただけで、フッ化水素の台湾に対する輸出管理は2013年や2014年に厳格化され、その後は再び緩和されていたのでしょうか(※このあたり、時間がなくて調べ切れていません)。

横流し疑惑

フッ化水素には汎用品とそれ以外がある?

以上、データから考察した内容からは、次のような傾向があると思います。

  • 日本が外国に対して輸出するフッ化水素は、キログラム単価で見れば数万円台の高価格帯のものと、数百円台の低価格帯のものがある
  • 高価格帯のフッ化水素を少量輸出している相手国は、マレーシア、英国、タイである
  • 低価格帯のフッ化水素を大量に輸出している(あるいは輸出して「いた」)相手国は、韓国、台湾、米国、中国などである

さて、もうひとつ重要な事実を挙げておきましょう。

韓国メディアからは、「フッ化水素は半導体産業に使われるものであり、日本政府の措置は韓国の半導体産業を潰すために行われた報復だ」、といった主張が見られます。

しかし、現実に半導体産業に使用されるフッ酸はきわめて高純度のものであるのに対し、輸出貿易管理令に規定されるフッ化水素は「濃度30%以上のもの」とされます。

輸出貿易管理令 別表1の3の項(1)

軍用の化学製剤の原料となる物質又は軍用の化学製剤と同等の毒性を有する物質若しくはその原料となる物質として経済産業省令で定めるもの

『輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令』第2条第1項第1号

軍用の化学製剤の原料となる物質として、次のいずれかに該当するもの又はこれらの物質を含む混合物であって、いずれかの物質の含有量が全重量の三〇パーセントを超えるもの

イ 三―ヒドロキシ―一―メチルピペリジン

(略)

ヘ フッ化水素

(略)

要するに、日本政府が韓国に対するフッ酸の輸出を個別承認に切り替えた理由は、韓国がこれを第三国に横流しした結果、「軍用の化学製剤の原料」として流用されたという個別具体的な事例があったからではないか、との疑いを抱くのです。

軍事転用するフッ化水素に高濃度は必要ではない

さて、以前、当ウェブサイトでは以前の『韓国へのフッ酸禁輸報道は北朝鮮核開発の関係があるのか?』などで取り上げたことがあるのですが、フッ化水素の軍事転用にあたって、よく使われるのはウラン濃縮工程です。

一般に、ウランを核燃料(原子力発電や核兵器など)として使うためには、

  • ①天然ウラン鉱石の採掘
  • ②製錬により粉末状のウラン精鉱(イエローケーキ)を取り出す
  • ③イエローケーキを六フッ化ウランに転換
  • ④六フッ化ウランの濃縮
  • ⑤二酸化ウランに再転換

…、といった工程を踏みます(詳細は日本原燃『ウラン採掘から発電までの流れ』参照)。

ここで、③の「フッ化」という工程が出てくる理由は、ウランをフッ化すれば、沸点が56度にまで下がるため、気体の状態を維持することが容易になるからです(一般財団法人高度情報科学技術研究機構ウェブサイト『六フッ化ウランの製造』等参照)。

そのうえで、遠心分離などの方法で「ウラン235」の濃度を高めていくのですが、一般に原子力発電所の核燃料として使う分には、「ウラン235」の割合は3~5%程度であれば問題ないとされます(国立研究開発法人日本原子力研究機構ウェブサイト『原子力とは?』参照)。

(※なお、これを核兵器(原爆など)に転用するためには、ウラン235はほぼ100%の濃度にまで濃縮しなければなりません。)

そして、その際に使用されるフッ化水素の濃度は別に日本企業が得意とする「高純度」のものである必要はありません。むしろ、横流しがバレたときに、「これは韓国産ではなく日本産のフッ化水素だ」という言い訳ができれば良いのではないでしょうか。

イランですか、北朝鮮ですか?

さて、当ウェブサイトではあくまでも公表されているデータのみから事実関係を探るというスタンスで分析をしてきましたし、今後もそのようにするつもりです。

ただし、複数の読者の方から、日本政府が7月1日の段階で輸出管理厳格化に踏み切った理由については、やはり米国から「日本から輸出された製品が韓国を経由して不適切な使用がなされている」との警告が届いたからだ、という「リーク情報」を頂いています。

これらの「リーク情報」が正しいのかどうかを巡っては、正直、私自身には判断が付きません。しかし、あくまでも表に出て来ている情報と突合していけば、それなりの信憑性があるように思えてなりません。

たとえば世耕弘成経産相(当時)は8月8日付の記者会見で、

あわせて、輸出許可申請についても引き続き厳格な審査を行って、迂回貿易ですとか目的外使用といった事例が出ることがないように、厳正に対処をしていきたいというふうに思っています」(※下線部は引用者による加工)

と発言しましたが、これは、「韓国が日本から輸入した低価格なフッ化水素を第三国に横流ししていた」という疑念を裏付けるものでもあります。

また、韓国が現在、イランとのあいだで「ウォン建て銀行口座の資金返還問題」や「ダヤニ一族への賠償金支払い問題」などを抱えているという事実、あるいはホルムズ海峡への派兵を巡ってイランから断交をチラつかされているという事実もあります。

イランの核開発再開宣言と対韓輸出管理の関連性を疑う(2020/01/06 10:45付 当ウェブサイトより)
【読者投稿】韓国はダヤニ一族への賠償問題を解決せよ(2020/01/09 08:00付 当ウェブサイトより)

「韓国がイランや北朝鮮などの第三国にフッ化水素を横流ししていた」というのは、あくまでもインターネット上で流れている噂に過ぎませんが、個人的には、それなりに可能性が高い話ではないかと考えている次第です。

新宿会計士:

View Comments (19)

  • 素材業界の方、教えてください
    前半の単価の件ですが、サンプルとか少量の時は単価高く販売してませんか?
    私の所属する電子部品業界では、試作単価と量産単価では一桁違いますし、今回の場合、年間数十トンあたりに閾値あるように見えます
    間違っていたらすいません

    • フッ化水素の市場価格の性質は知らないので、他分野からの推測に過ぎませんが、例えば半導体製品とかで、1本買ったら単価¥50なのに、1万本買ったら単価¥0.1と、500倍もの価格差になる商品は、少なからずあります。

      数量だけでなく、例えば、予約した数量を半年先に必ず買い取るといった契約をするだけで、予約無しで同量を買い取る場合と比べて単価が大幅に下がったりするものもあります。生産者側からすると、閑散期に作り貯めする事ができ、工場の稼働平準化ができる為。

      従って、2~3桁の価格変動があっても、同一商品である可能性はゼロではない様に思います。

  • 輸出量と単価だけでは、何処に横流ししたのか、しないのかも想像の範囲を出ません。フッ化水素は、不思議な物ですね。半導体製造工程では「洗浄剤」、ウラン濃縮には「中間体を作る化合物」。
    不思議なのは、韓国も同じ。
    何度も国内でフッ化水素を生産できるようになったとの報道が有りますが、日本から輸入してる理由は?
    日本のフッ化水素を韓国が輸入しなくなると、日本のメーカーが、倒産すると思っている事。
    サムソン、SKの半導体製造の情報が、漏れて来ない事。

  • おはようございます、初書き込みになります。

    6フッ化ウランへの転換に使用するフッ化水素の純度は、最終的なウラン235の収量とコストを考えた場合、半導体グレードである必要は無いと考えております。
    (兵器グレードのウラン235は純度が90%以上となっておりますし、濃縮開始時の天然ウランに含まれるウラン235の濃度は1%にも満たないので)

    最近韓国へ輸出が許可されるようになったフッ化水素は、使途が明確になった比較的高価な半導体産業向けの製品が主体になったことで、単位量当たりの価格が大幅に上がったと考えるのが妥当ではないかと。
    (一般包括許可が無くなったので、使途が怪しい所には出せなくなった)

  • ◆韓国で日本からのフッ化水素輸入が急増
    https://www.recordchina.co.jp/b771079-s0-c20-d0058.html

    上記によれば、12月のフッ化水素の対韓輸出は
     金額 1.54億円、輸出量 794t、kg単価 194円
    だったそうです。

    韓国ソースのみなので信憑性には疑問がありますが、
    さすがにもう在庫切れで輸入しないと生産回らない
    はずなので、ありうるかなとも思います。

  • Wild guess(でたらめ憶測)です。
    原油の代金を支払わずに、イランが欲しがる物資をゲンブツ回送することで認めて貰っていたとの仮説を立ててみれば、フッ化水素は自国製造できるようになったので自分らは大丈夫だよ~ん日本サマミロ報道の別な 側面が浮かび上がってくるように思います。

  • 更新ありがとうございます。

    よくもまあ、これだけ細かいデータを集めて分析されたものだと感嘆しております。低価格品のフッ化水素を韓国がイラン、北朝鮮に輸出していたのは明白です。

    確たる証拠も無しに、むやみに断定するな!と言われそうですが、これで十分に揃っているでしょう。

    • ウラン濃縮に使われそうな耐食性部材(接液部等がテフロンでできていたり
      コーティングされているポンプやバルブ等)の輸出状況にも影響がありそうですね。
      (リスト規制に入っているものは変わらないでしょうけど)

      • ボーンズ様

        ありがとうございます。
        耐食性部材。なるほど、そうですね。色んなところからボロが出そうです。また教えて下さい。

  • フッ化水素の高濃度と高純度は違います。

    高濃度品は無水フッ化水素と言われるもので、複数社を調べたところ濃度は99.9%以上で液体状、沸点19.4℃です。それに対して希釈品は水分を加えたフッ化水素酸で、一般用途では55%や80%などの製品を見かけました。
    半導体製造用は25%や50%の純水を加えた不純物の割合が極めて低い超高純度フッ化水素酸と言われるもので、科学的には一般的な希釈品と同じだと思います。

    一般品のサンプルとしてセントラル硝子株式会社の製品サイト(コンテナ写真入り)です。
    https://www.cgco.co.jp/products/search_category/chemicals/hydrofluoricacid.html

    半導体製造用は純度が歩留まりに直結する場合があり、単価が高くても製造コストが下がる関係になります。よって、コストが高くなっても純度を向上する意義があります。逆に言えば歩留まりが多少下がっても良ければ(例えば歩留まり99%が95%とか)、12Nなどはいりません。
    よって、高純度品が必要かどうかは生産する製品や製造装置に依存するはずです。

    水溶液であるフッ化水素酸をウラン濃縮用に使用するには再度水分を抜く必要があり、その用途としては不適切だという話なので、ウラン濃縮用は上述した無水フッ化水素(高濃度品)となります。

    とりあえず、輸出されたフッ化水素の単価が高いものは半導体製造用、低いものは一般用、と単純に考えています。

  • 森田化学工業さんのHPで製品情報をみると、目的に応じたいろんな製品があるみたいですね♪
    https://www.morita-kagaku.co.jp/product/C-HAFCE.html

    半導体用フッ化水素酸
    化学式 HF
    官報公示整理番号 1-306

    半導体用バッファードフッ酸
    化学式 HF+NH4F
    分子量
     20.01(HF)、37.04(NH4F)
    官報公示整理番号
     1-306(HF)、1-311(NH4F)

    記事を読んで、皆さんのコメントを見てると、自分でも探してみようって気になって、いろいろ楽しいのです ♪( ´▽`)

  • ウクライナ航空機撃墜事件においては、民間調査活動(opensource investigation) が決定的な情報共有活動を成し遂げました。スマホ動画投稿から投稿され、撮影地点北緯東経が特定され、それをググる検索すれば地図と衛星撮像がブラウザに「誰でも即座に表示」できてしまって当方は驚愕しました。夜空を照らした閃光から炸裂音到着まで10秒ほど掛かっていたことから、地点推測の妥当性が確認できます。日本の報道記事は、ニューヨークタイムズ紙が報じるところによればと書きましたが、ニュースソースの権威や信ぴょう性を都合よく糊塗するための表現としか当方には思えません。インターネット情報は自分たちの存在価値を損なう存在と敵視しているのでしょう。
    かつての日本合成ゴム株式会社ことJSR社の製品紹介ページはこちらです。
    https://www.jsr.co.jp/products/
    一国の半導体産業を壊滅させるだけの力を秘めている兵器級製品を作る企業には脱帽です(中天を見ながら棒読み)

  • コピペに失敗してしました。.../products/ までで表示できます。

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