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    Categories: 金融

麻生総理が「対韓金融制裁」に言及したことの意味

三々五々の記事執筆で申し訳ないのですが、『麻生太郎総理、「憲法改正なら4選覚悟せよ」』の続きです。先ほどの記事で紹介した、『文藝春秋』に掲載されたという麻生太郎総理のインタビュー記事について、一部が『文藝春秋デジタル』に掲載されているようです。そこで、この記事の中から興味深い記述をいくつか選んで紹介しておきたいと思います。(※なお、2019/12/10 13:30付で本文中の誤植を修正しています。)

文藝春秋のインタビュー記事が面白い!

三々五々の記事公開で申し訳ありません。

先ほどの『麻生太郎総理、「憲法改正なら4選覚悟せよ」』では、麻生太郎総理(※安倍内閣における副総理兼財相)が雑誌『文藝春秋』のインタビューに答えた、という話題を紹介したのですが、これについて、部分的に無料で閲覧可能なサイトを発見しました。

該当する記事は、『文藝春秋デジタル』に掲載された、次のページです。

麻生太郎副総理が激白 「安倍総理よ、改憲へ四選の覚悟を」(2019/12/10 06:00付 文藝春秋digitalより)

いちおう、どなたでも途中までは読むことができるようですが、続きを読むためには有料会員になる必要があるそうです。

端的に申し上げれば、いかにも麻生総理らしい、非常に面白いインタビュー記事です。

たとえば、先ほどの『麻生太郎総理、「憲法改正なら4選覚悟せよ」』では、麻生太郎総理が安倍晋三総理にとっての「精神安定剤」のようなものになっているのではないか、という仮説を提示したのですが、その裏付けでしょうか、こんな記述もあります。

総理経験者だからこそ、分かることもあります。(中略)最終責任を取るのは自分しかいない。どす黒いまでの孤独に耐えうる精神力と体力が必要です。(中略)海外訪問から戻ってきた時や国会が始まる前など、折に触れ、2人で会うこともありますけれど、私はその種の問題の話し相手にはなれるし、対応できたと思います。

日米首脳会談では、トランプさんに追い込まれる場面がよくあります。いきなり安倍さんに向かって「Ok. If Shinzo says Yes, I say Yes」と中学生でも分かる英語でまくし立てるんです。当然、みんな安倍さんの顔を見る。どうでもいい話だったら、後ろから「いいですよ」と言って、安倍さんも「うん」と頷きます。トランプさんはそれを見て「Ok. He nods that, so I say Yes」。それほどトランプさんは安倍さんを信頼しているんです。ただ、難しい問題になると、総理が振り向いた時に、「頷いてはいけません」と止めていますが。

つまり、麻生太郎総理は安倍政権において、一閣僚ではなく、やはり安倍総理をしっかりと支える、きわめて重要な役割を担っているという証拠でしょう。

万が一の場合は韓国への金融制裁も

ところで、この記事のなかで、無料で閲覧可能な部分に、麻生総理のこんな発言も含まれています。

北朝鮮問題をはじめ、東アジアの安全保障環境は厳しさを増していますが、最大の懸案は韓国との関係でしょう。問題は、韓国という国家そのものよりも、国際法を甫ろにし続ける文在寅政権の姿勢だと思いますね。

麻生総理が述べているのは、もちろん、昨年10月30日の自称元徴用工判決に端を発する一連の自称元徴用工問題でしょう。

麻生総理はインタビューで、そもそも1965年の日韓請求権協定に基づき、日本が韓国に有償・無償あわせて5億ドルの経済支援などを行ったことが、「漢江の奇跡」と呼ばれる経済発展につながったと指摘したうえで、次のように述べます。

それを今さら『なかったこと』にすると言われたら、ちょっと待ってくれと言うしかない。(中略)厳しい例をあえて言えば、韓国との貿易を見直したり、金融制裁に踏み切ったり、やり方は色々あります。いずれにしても、日本より経済規模の小さい韓国が先に疲弊するのは間違いない。

つまり、自称元徴用工判決問題で、韓国側が日本企業の資産の売却など、「一線を越えた」場合には、日本としては韓国に対する何らかの経済・金融制裁に踏み出す可能性がある、ということです。

もちろん、これは麻生総理が本気で韓国に対する金融制裁を検討している、という意味と見るべきではなく、あくまでも「万が一、韓国側が『越えてはならない一線』を越えてしまったら、日本には伝家の宝刀があるよ」と述べているだけに過ぎないと見るべきでしょう。

具体的には、支払いの凍結や資本取引の禁止など

ところで、当ウェブサイトでは過去に、「ヒト・モノ・カネの面からの韓国に対する経済制裁」について議論したことがあったのですが、まことにお恥ずかしいことに、このうち「カネの面からの経済制裁」に関する記事が誤っていた、という「事件」を発生させています。

具体的に「誤っていた記事」は、『外為法第16条の研究:韓国に対するカネの流れの制限とは?』ですが、これは、外為法第16条(支払いの制限)と第21条(資本取引等の制限)を混同してしまっていた、という、「専門家」としては非常にお粗末な単純ミスです。

ただ、議論そのものについては部分的には正しく、このあたりの関係については、『過去記事を訂正し、改めて外為法の金融制裁を解説します』のなかで改めて整理しています。

簡単にいえば、外為法とは「カネ、モノの流れに制限を加えるときの法律」であり、このうち「カネの流れ」に関わる分は第10条、第16条、第21条、第26条などがあり、また、「モノの流れ」(つまり外国貿易)に関わる部分は第47条以降に規定が設けられています(図表)。

図表 外為法の概要
規定 規定 概要
カネの流れ わが国の平和、安全の維持のための措置(第10条) わが国の平和及び安全の維持のため特に必要があるときに、閣議で「対応措置」を決め、事後的に国会の承認を受けること
支払(第16条~) 外国に対する支払いの規制
資本取引(第21条~) 外国に対する資本規制
対内直接投資(第26条~) 外国からの直接投資の制限
モノの流れ 外国貿易(第47条~) 外国に対するモノの流れの制限

(【出所】著者作成)

なお、「カネの流れ」(平和安全措置、支払、資本取引、対内直接投資)については、7月8日付の記事にまとめていますので、ぜひ、ご参照ください。

輸出管理適正化措置は経済制裁に非ず

それよりも、文藝春秋のインタビュー記事で麻生総理が金融制裁に言及しているということは、もうひとつの意味があります。

それは、現時点において日本政府は韓国に対する経済制裁を発動していない、という事実です。

よく、韓国側のメディアや政府は、日本政府が7月1日に発表した対韓輸出管理適正化措置を「貿易報復」だの、「(自称元徴用工問題に対する)対抗措置」だのと批判するのですが、輸出管理適正化措置はあくまでも平和と安全を守るための条項であり、自称元徴用工問題と無関係です。

むしろ、韓国の輸出管理体制に不備がある場合には、日本政府としてはさらに対韓輸出管理を厳格化しなければなりませんが、これについては今朝の『対韓輸出管理、今後さらに厳格化される可能性を考える』で議論したので繰り返しません。

それよりも、韓国側が自称元徴用工問題で、自分たちが差し押さえている日本企業の在韓資産を1円でも換金処分したら、その瞬間、日本側としては、7月1日の輸出管理適正化措置とはまったく別次元における経済・金融制裁を発動しなければなりません。

なぜなら、自称元徴用工問題は、日韓関係の法的な基盤という、もっとも基本となる部分に関わってくる問題だからであり、これを放置すれば、日本はもはや「国」とは呼べなくなるからです。

安倍総理の登場が5年遅かったら…

さて、もうひとつ、先ほどの記事では「安倍政権の目的が憲法改正などの戦後レジームからの脱却にあるのではないか」という趣旨の指摘をさせていただいたのですが、この読み方が合っている証拠についても紹介しておきましょう。

麻生総理は、

現下の国際情勢は全く油断できない。おそらく後世の歴史家は、『令和の時代は米中新冷戦の始まりだった』と書くでしょう。そういう意識で、アメリカとも中国とも付き合わなければ、日本の国益が損われてしまう。

と述べているのですが、この指摘が本質を突いています。

というのも、そもそも論として、中国はGDPの規模ですでに世界第2位の経済大国に浮上し、2030年までに米国を逆転するとの指摘もあるなかで、中国が「共産主義国である」という点にこそ、おおきな問題が含まれているからです。麻生総理は

共産主義の国からは新たなイノベーションが出てこない。それは歴史が証明しています。

としたうえで、

中国は(中略)現在の体制を維持したまま、アメリカなどの自由主義陣営に勝つために、個人情報を徹底管理しようとしている(中略)彼らが目指すのは、誰がどこにいても、瞬時に個人を特定し、あらゆる行動を追跡できる究極の監視社会では、という見方も出ているほど

と述べており、

だからこそ、日本はこの数年間のうちに、中国に負けないだけの国力を蓄えておかねばなりません

と結論付けるのです。この指摘は大変重要であり、指摘内容自体には心の底から共感できます(もっとも、麻生総理自身が財務省という「国民の敵」を抑えきれていない点についてはまことに残念というほかありませんが…)。

そのうえで、麻生総理は安倍政権について、次のように述べます。

幸いにも、安倍晋三というリーダーが登場し、この間、安全保障関連法や特定秘密保護法など国民を守るための法律が整備されました。アメリカにも安倍総理と波長の合うトランプ大統領が現れ、日米の連携は一層強固になった。もし安倍総理の登場が5年遅かったら、えらいことになっていたんじゃないか。対中国という意味では、ギリギリ間に合ったという印象を持っています。

まさにこれが安倍政権の本質なのでしょう。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

もっとも、このように考えていくと、安倍総理が習近平(しゅう・きんぺい)中国国家主席を来年、国賓として日本に招こうとしていることは、非常に危険な行為でもあります。

習近平政権下で、ウイグルで、チベットで、あるいは香港で何が発生しているのか。

せっかく迎えた令和という新時代において、ヒトラーやスターリン、毛沢東にも比肩しうる、人権を弾圧している犯罪者・習近平を、よりにもよって御即位されたばかりの天皇陛下に拝謁させることは、歴史的な汚点でもありますし、せっかくの安倍政権の成果が無に帰する可能性すらあります。

余談ですが、安倍総理におかれては、是非とも習近平の国賓招請を再考していただきたいと思う次第です。

新宿会計士:

View Comments (31)

    • 大事なのは国家であって庶民の生活ではありませんからなァ
      国防蔑ろにしては国は成立せぬってな訳で
      日本はまだまだ貧困とは程遠いし、精々苦しんでもらいましょうってなもんでしょ

  • 記事更新ありがとうございます。 ファンの一人です。
    細かい話しですが
    →有償・無償あわせて5億円 5億ドル ですよね。
    当時の為替レートは、360円/ドル しかも 竹島周辺で不法に拿捕-抑留された魚業関係者を
    人質に取られた、卑劣な交渉の結果だと認識しています。
    近頃散見される、不動産屋の朝日捏造社などの記事では現状レートでの換算で事実を
    矮小化しようとしています、とことん卑怯者の輩てす。

    以上 今後も知的好奇心を刺激させる記事の投稿をお願い致します。

    • やす 様

      コメント大変ありがとうございます。また、誤植のご指摘も大変助かります。早速修正しました。

      引き続きのご愛読とコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

  • >安倍政権の目的が憲法改正などの戦後レジームからの脱却にあるのではないか

    安倍政権は対米などの関係から積極的に戦後レジームからの脱却を目指していないとは思いますが、米国自身が戦後レジーム=世界の警察官を放棄しようとしています。
    同様に共産中国も経済成長を背景にして戦後レジーム=3等戦勝国からの脱却を目指していると思います。
    独はEUを手品の種にして戦後レジーム=敗戦国から脱却して第三帝国を実現しつつあります。
    東南アジアも後進国と言う役割を返上したいと思って、日夜稽古に励んでいます。
    そのように考えて来ると、冷戦を主舞台にして来た俳優達は新たな舞台の幕開けに備えて、監督(誰なのでしょうねえ?)に売り込みを掛ける時期なのでしょう。
    この新たな筋書きの中で日本はどのような役割を担うのか、どのような役割を希望するのがが問われていると思います。

    勿論、我らが韓国も何とか戦後レジーム=日米韓同盟からの脱却を考えて、主役級のキャストを希望しているようですが。

  • > 簡単にいえば、外為法とは「カネ、モノの流れに制限を加えるときの法律」であり、

    私もそう思いますが、ここには「人の流れにも制限を加える法律」論者も居られる様です。

    私は、その場合でも、人に付随している情報やモノや役務等が問題なのであり、人そのものの問題ではないと思います。

    例えば、日本人のAさんが、日本国内に存在しない情報を、どこかの国に提供した場合、日本の外為法には抵触しない(別の国の外為法等に抵触する可能性は否定しない)と思いますが、専門家の御意見は如何に?

  • 毎日の更新大変でしょうが、楽しく拝見しております。
    最近ニュースになる事が多いのですが、中国の方が日本の土地を買っているとの事です。日本はアメリカのように外国人の土地購入に制限されていないと認識しております。気がつけば中国になりうるのかと心配がつきません。題材として取り上げて頂けたら幸いです。

    • >日本はアメリカのように外国人の土地購入に制限されていないと認識しております。

      米国にそんな制限がありましたか?
      米国在住の方にお聞きしたいですが・・・。

      https://ja.sekaiproperty.com/article/2610/how-to-buy-us-property

      >物件を購入する際に取得しなくてはいけないビザはありません。観光ビザで大丈夫です。

      >不動産を購入することによって長期ビザや永住権を取得することはできません。
      >100万ドル以上(指定地域によって50万ドル以上)の不動産に投資し、少なくとも10名の従業員(米国籍、永住権保持者)を雇用することによりEB-5投資家ビザを取得することは可能です。

      銭さえあればなんでも叶う国・・・。

      • りょうちんさん
        リンク先拝見しました。
        ありがとうございます!
        アメリカはお金があればなんとかなる国なんですね。
        ありがとうございます。

    • 中国人の土地購入について危機感を煽る記事が多いですが、まずは落ち着いて整理してみましょう。
      私も専門ではないので間違いはあると思いますが…

      「気がつけば中国になるのか」というのは「日本が中国の属国か植民地になるのか」という事でしょうか?「いずれは日本の土地は中国人のものになり、日本人は住めなくなるのか」という事でしょうか?
      中国人が日本の土地を買ってもそこが中国領になるわけではありませんし、その土地で好き勝手にできるわけではありません。日本領ですので、日本の法律や警察権に従わなければなりません。犯罪行為やテロの準備、果ては日本を乗っ取る工作活動を行なっている疑いが有れば警視庁か道府県警察が立ち入り捜査ができます。地元の自治体に税金は払わなければなりませんし、債務不履行を起こせば土地を差し押さえる事もできます。震災や未曽有の水不足が起きた時にはただで供出、または強制収容も可能です。
      幕末にハリスが下田の玉泉寺を臨時の領事館とした時には「日本中が夷狄の物にされる!」と思って暗殺しに来た武士もいました。今では中国人に限らず、外国人名義の土地が日本各地にありますが、その現状を「日本はもうすでに外国に土地を取られてしまった。もうここは日本じゃない、外国の植民地だ」と嘆くのは幕末からタイムスリップした人くらいでしょう。

      中国人地主が購入した土地から日本人を締め出す事は考えにくいです。中国人が土地を購入するのは投資目的ですからホテルやリゾートを建設して日本人中国人を問わずに人を呼び込んで儲けようとするでしょう。
      逆に日本人が中国人地主の土地に賃貸等で一定期間住み着けば居住権が得られますし、中国人地主は日本の借地借家法に従う限り、正当な理由なしに強制的に立ち退かせる事はできません。強引にやればそれこそ中国人地主側に逮捕者が出ます。
      中国のように反対派住民の家を予告なしに重機で破壊し、公安の力で反対派住民を連行して拷問にかける、または強制収容所へ監禁する、というような中国式の強引な方法を使う事はできないのです。

      水源の森を購入しても、そこから水を中国へ運び出すには膨大な設備と大型車、大型船、そして人手が必要ですので、「日本の水資源を奪われる!」と危機感を覚える程の水は持っていかれないでしょう。日本の水が欲しいならメーカーからミネラルウォーターを輸入販売した方が効率的ですし、国内の農業・工業用水が欲しいなら黒龍江、紅河、メコン川、ブラマプトラ川のように中国を源流とする川の水利権を一人占めした方が利用しやすく、陸軍も動かせます。
      水源の森を購入する理由は、放置されているのでただ同然で買える事、国や地方自治体による高額買取が見込めるからではないでしょうか?「日本の水資源が中国に取られる!」とマスコミが煽っているのは記事自体を売り込むだけでなく、水源の森を買い取るよう世論を煽るステルスマーケット(=提灯記事)である可能性もあります。義憤や恐怖に駆られた無知な視聴者があちこちで叫び出せば国や地方自治体も買い取りを図ろうとするかもしれませんから。中国が本気で海外の水資源を狙うつもりなら、日本のような田舎の小さな川ではなく、発電や水利事業で大きな利益が見込めるアジア・アフリカ大陸の大きな河の支流を狙うでしょう。

      中国人投資家の視点からも考えてみます。中国では土地の私有が認められてませんので、中国共産党の意思一つで資産を取り上げられます。また日本と違って、国内から外国の国債や株を自由に買う事ができません。するとリスクヘッジとなる資産は海外不動産です。当然、できるだけ安く買えて比較的短期間で高く売れる物件を探す事になります。その結果として中国のマンションより安く、転売が比較的やりやすく、私有財産が保護されている日本の土地が選ばれているに過ぎません。円高元安になったり、もっといい物件が他の国で見つかったら、投資家は日本の物件をさっさと売ります。

      中国になる、と言えるのは中国公安が警察権を行使する段階になった場合でしょう。尖閣諸島周辺の海は中国公安の船が領海侵犯を繰り返しており、漁船に偽装した工作船を取り締まる自作自演や日本の漁船への嫌がらせを続けてます。海上保安庁が追い返してますが止める事はなく、日本の漁船も危険を感じて尖閣諸島周辺に近づかなくなりました。この状態を玉城デニー沖縄県知事は「中国公船がパトロールしていることもあるので、故意に刺激するようなことは控えなければならない」と発言しました。これは尖閣諸島周辺における中国の警察権を承認したとみなされかねない発言で、ここまで来ると「尖閣諸島周辺海域は中国になった」と言えるかもしれません。
      まだ尖閣諸島そのものが私有地を含めて日本領ですので、早く手を打たなければなりませんね。

      中国の「国家情報法」では海外在住の中国人は事変の際は中国共産党のために工作活動をしなければならない、という決まりがあるそうです。中国人が買収した日本の土地が工作活動の土台に使われる可能性はあります。ただ、海外に関心を持つ中国人が共産党にどこまで従うかは疑問ではあります。
      仮に土台にされたとしても、怪しい行動は警察の目に付きますから早めに対処する事はできます。また、実際に日本を植民地にするには在日米軍と自衛隊との全面戦争を避けられないので、中国にとってもあまりメリットはありません。
      外国人の土地購入制限は、政治レベルでは予防策を張るのに越した事はありませんが、一般市民の私達が恐怖やパニックになる程の物ではないでしょう。

      以上の事から、中国人に日本の土地を買われる事について、「気がつけば中国になりうるのか」と心配する必要はないと私は考えます。

      • 詳しい解説有り難うございます。中国人が水源となる森を買っても、勝手に木を伐採できない法律が今はあると聞いています。

        まー、日本人もバブルの頃はアメリカの不動産を買いまくって相当反感やら顰蹙をかったので、あまり人のことは言えませんね。

        外国に土地を持っていても、自分ちに持ち帰れる訳でもなし、山林などは開発も規制されているし、投資には不向きだと思うのですが、バブル期のように余程お金が余っているのでしょう。

      • とある福岡市民さま
        日本は、外国人の財産権を保証していますので、正規に購入した土地を取り上げる事は出来ません。
        辺鄙な島を丸ごととか、山を丸ごととか買えば、中国人が、ルールを守るとは思えませんね。
        サラミスライスの得意な国ですから、警戒するに越した事は、無いでしょう。

        • だんな様
          もちろん、正規に購入した土地を取り上げる事はできません。平時であれば。
          ただ、外国人の私有財産を絶対に守る、という法律や政令省令、規則は調べた限りはないようです。財産権は日本人と外国人を区別せずに保証する、という事でしょう。つまり、阪神淡路大震災のような非常時では土地をただで供出させられる事、新幹線や道路、ダム建設で買い取りに応じなかった場合は土地収容法に基づいて強制収容する事のように、日本人が受ける不利益も同様に受ける事になりそうです。実例を知りませんので推測ではありますが。
          もっとも、強制収容はハードルが高いようですので、実際はかなりの高値で買い取る事になるでしょう。外国人の地主側もよっぽどその土地に思い入れがあるか、本国の命令でわざとごねているのでなければ大抵は売却に応じると思われます。

      • とある福岡市民様

        >「気がつけば中国になりうるのか」と心配する必要はないと私は考えます。」
         おっしゃることは理解しているつもりですが、「心配」とはいかないまでも、小生は、「警戒」しておく必要を感じています。
         「斜め上を行く」のは、朝鮮人の専売特許ではありません。「小中華」の宗主国=本家の「大中華」です。「世界は自分(たち)を中心に回っている」と信じて疑わない人達です。
         貴兄、また、よくわかってないジジイ様にも伺いますけど、大中華の人達が、金銭(面子を含む)が絡んだときに、法律、ましてや日本の法律に従うと思われますか?
         

         

        • 私の独断と偏見でよろしければお答えします。
          私は、中国人なら「利益が大きい方法を取る」と考えます。今後も日本への投資やビジネスを行うつもりなら日本の法律に従った方が大きな利益を稼げますし、逆に日本から撤退するなら踏み倒しでも契約不履行でもやって日本の法律が及ばない所へ逃亡するでしょう。

          「日本人は理で動き、中国人は利で動き、朝鮮人は情で動く」という印象を私はなんとなく持ってます。中国人にとって理、つまり理屈や法律はただ従うものではなく、上手く利用したりその抜け道をついてかわしたりするもののようです。だから自分にとって有利であれば従うし、不利であれば背く。
          これは権力者が入れ替わる度に粛清を繰り返して法律を正反対に変えてしまったり、王朝が滅亡して社会が混乱したりといった事が繰り返されたため、法律を遵守してもあまり報われなかった中国人が身につけた生き残り戦術です。そのしたたかさは「上有政策、下有対策」と否定的に言われますが、私は中国人民のたくましさや小気味良さを現している言葉のような気がするので割と好きです。
          確かに斜め上を行く事がありますが、中国人は相手の態度を見て自分の損得を計算した上で行動してます。損得を考えず、目先の利益と自分の体面と感情だけを重視して感情的な行動を取りがちな朝鮮人とはここが違います。一括りにしがちですが、両者は違うのです。

          日本人は目の前の利益よりも理、つまり論理、ルール、手続き、慣例を重視する傾向がありますね。それは短期的には損する事が少なくないのですが、最終的には金銭の他、人間関係や社会的信用も含めた利益をある程度得てきました。だから今後も変わらないでしょう。
          ただ、日本人が理を重視するのも最終的には利を得るため。ここは中国人と同じです。
          という事は、日中双方の目指す利益が「一致するならば」協力し合えるという事です。麻生副総理は外務大臣だった時から「目指すのは日中友好ではなく日中共益でなければならない」と言ってましたが、まさにその通りです。改革開放期に日本の会社が進出したのも、お互いが目指す利益が一致したからに他なりません。

          逆に日中の利害が対立する事は当然あります。残念ながら今後は政経公民全てで対立するケースが増えるでしょうし、そうなったら中国人は日本の法律やルールを無視してやりたい放題をするでしょう。その時に備えて法律の整備や警察の監視強化を行い、いざという時に対応できるよう準備する必要があります。国会もちゃんと仕事してさっさとやって欲しいものです。

        • 最近、中国進出企業が撤退しているのは、中国の安い人件費を当て込んだ労働集約型産業が中国の経済大国化による人件費の上昇で、採算が取れなくなっただけで、日中関係は全然関係ないと思うのですが、因果を逆に捉える言説が多いような気がします。
          日中関係が悪化したから企業が撤退するみたいな。

          • りょうちん 様

            ちょっと古い個人ブログですが、『対中投資の急減は人件費が原因』というのがあります。
            https://plaza.rakuten.co.jp/shinjukuacc/diary/201310060000/

            執筆者が怪しいのですが、いちおう参考になるかもしれませんのでご笑納ください。
            引き続きとウェブサイトのご愛読並びにお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

        •  >貴兄、また、よくわかってないジジイ様にも伺いますけど、大中華の人達が、金銭(面子を含む)が絡んだときに、法律、ましてや日本の法律に従うと思われますか?

          1980年代より中国とのビジネスに関わって来ました。彼らとてどこでも好き放題にするわけではありません。一応理に叶う思考、行動を取ります。日本国内にいれば日本の法律に縛られますが、中国の苛烈とも言える統治に比べると日本は緩やかで抜け道も多いので、好き放題に見えるのでしょう。

          ただ、尖閣諸島に端を発する習近平の大規模デモ扇動を境にして、中国社会が明らかに変質したように思います。あれを見て日本のみならず諸外国も中国は法治国家であることを信じなくなりました。つまり自分の利益のためには法律などおかまいなし(共産党独裁だから当然なんですが)です。

          企業も中国国内で商売していては、人件費が高騰したのが直接のきっかけとしても、何時なんどき政府の都合で潰されるか、そのリスクを痛感したので中国から逃げ出したという側面もあります。

      • ・不要な条約の撤廃

        例えば「拷問等禁止条約」。日本には公権力を使った拷問は存在しない。ならば「日本では解決済み」ということで、条約を撤廃すればよい。この条約を批准しているため、拷問禁止委員会で、存在しなかった性奴隷(慰安婦への拷問)について国連から勧告を受け続けている。

        日本は戦後結んだ条約を何一つ撤廃していない。これはおかしい。外国人の土地取得の問題についても、WTOのGATS(サービス貿易に関する一般協定)が内国民待遇義務を定めているため、これによって日本人に対する土地の権利の待遇と外国人に対する権利の待遇に格差があってはならないというルールが存在しているから規制ができない。

        https://ameblo.jp/miosugita-blog/entry-12447105843.html

        • 太平洋進出を目指している中国は、外国人土地取引に制限がない日本を標的にし、土地や水源等の買収を繰り返しています。

          これに対し日本はその対応が全く出来ていません。GATS協定(サービスの貿易に関する一般協定)の影響が大きいからです。1994年、WTOでGATS協定が締結されましたが、日本は外国人等による土地取引については制限なしで署名をしてしまったのです。この間違った判断が令和時代の今日においても深刻な影を落としています。米国を始めとする多くの国は、外国人による土地取得は条件付きで可能とし署名をしましたが、当時日本は海外からの投資を呼び込むために市場開放を優先し、安全保障の意識もなく制限なし署名をしたのです。

          https://blog.goo.ne.jp/japan-n/e/52026e9608badfcb7d0e51dfa26a21e9

  • 麻生氏と比べるつまりは、全く有りませんが、韓国政府には、文二号が居ます。文大統領の観測気球を上げる、腹話術人形です。
    麻生氏は、韓国を牽制する事にかけて、日本の閣僚で一番優秀です。そういう人が、韓国を牽制して身動きを出来ないようにしていると思えば、良いのではないでしょうか。
    麻生氏が、国益を考えているのは、中国への対応等をどう考えているかを読めば、分かると思います。

  • いつもありがとうございます。
    今回の麻生副総理の発言から見て、南鮮への対応策が相当具体的に練られており、その際のアメリカへの説明等も考えられているものと推測されます。
    政府要人としてこれを明らかにすると言うことは、日本の南鮮への対応がはっきり変わったことを再度南鮮に伝えようとしているのか、一線を越えるなという警告なのか、それとも、南鮮が対日対応をある程度に抑えれば元の関係に戻すつもりなのか、よくわかりません。態々『問題は、韓国という国家そのものよりも、国際法を甫ろ(蔑ろでしょうかね)にし続ける文在寅政権の姿勢だと思いますね。』とあたかも文政権が変われば問題解決と言った口ぶりは気になるところです。
    個人的には、会計士さんも書いておられるように、FCレーダーなど多くの問題が解決されておらず、うやむやになるより、南鮮にはこのまま暴走してもらいたいと考えています。
    支那に関しては麻生副総理の仰る通りで、ここで踏ん張らないと相当ひどいことになりそうです。

  • 旭日旗の問題も、外相や日本政府が遺憾の意を表明していますが、
    正論を戦略立てて、韓国を締め付ける必要かと。

    攻撃は最大の防御

  • 「だからこそ、日本はこの数年間のうちに、中国に負けないだけの国力を蓄えておかねばなりません」
    それなら消費税増税するなよと言うしかありません。
    麻生さんは経済に対する理解は素人と断定せざるを得ませんが。

  • 麻生さんは優れた政治家だとは思うのですが、口をねじ曲げてものを言う癖があるので、大きな舞台では損をしていると思います。 テレビで音声を消して画面だけ見ていると、やーさんだもんな。

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