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慶事にそぐわない、安倍総理と韓国首相の会談

昨日の『天皇陛下の御即位に韓国が派遣できる一番マシな人物』の「続報」でしょうか、本日はNHKが「安倍総理が即位礼正殿の儀にあわせて来日する李洛淵・韓国首相と短時間の会談を予定している」などと報じています。ただ、この報道については①安倍総理が韓国に言えることは「国際法を守れ」しかないこと、②このこと自体が慶事に相応しくないこと、③安倍総理がきわめて多忙であること、の3点から、虚報、もしくは単なる「観測気球」の可能性が考えられるのではないかと思います。

「神社に悪霊を呼ぶようなもの」

昨日、『天皇陛下の御即位に韓国が派遣できる一番マシな人物』のなかで、天皇陛下の即位礼正殿の儀を22日に控え、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領が参加を見送る一方、李洛淵(り・らくえん)首相が代わりに日本にやってくる(らしい)、という話題を紹介しました。

これに対して「簿記3級」と名乗るコメント主様から、こんなご指摘をいただきました。

世界平和を願う皇室外交ですので韓国も呼ばない訳にはいかないのでしょうが、神社に禍々しい悪霊を呼ぶようなもので悩みどころです。相手を利用することしか考えない人達ですから慰安婦や安重根なども登場しかねません。邪な事しか頭にない人には利用されないよう言質を取らないよう会話をせずに会釈程度がいいのかもしれませんね。(下線部は引用者による加工)

これはあまりにも無礼というほかありませんよ、悪霊に対して!悪霊に謝れ!それから、思わず飲んでいたコーヒーを吹き出してしまいました。コーヒー返せ!(笑)

…というのは冗談として、このコメントは現在の日本国民の気持ちを代弁しているのではないでしょうか。

なぜなら、日韓関係がここまで悪化した直接の原因が、韓国側の不誠実、非合理、非友好的な行為・態度の数々にあることは間違いないからです。

ちゃんと調査したわけではありませんが、正直、日本国民に緊急アンケート調査を取れば、かなり多くの人が「正直、呼ばないでほしい」と答えるような気がしてなりません。

ただ、いかに日韓関係が悪化しているとはいえ、皇室には「政治的権能を持たない」という原則もあります。天皇陛下の御即位という慶事にあって、いちおう国交がある国に対しては、国際儀礼上もいちおうは招待状を発送しなければならない、という事情もあるのでしょう。

(※ただし、韓国が行っているのは「無法行為」ですし、また、『これからの日本は、「韓国ザマミロ」では済まされない』でも触れたとおり、韓国が日韓請求権協定などの手続を一切無視した以上、個人的には韓国に対して外交儀礼を尽くす必要があるのかについては、はなはだ疑問ですが…。)

「安倍総理が李首相と会談」、本当?

こうしたなか、韓国メディア『中央日報』(日本語版)の次の記事によると、日本のNHKの報道を引用する格好で、「訪日する李洛淵首相が安倍総理と短時間の会談を検討している」と報じました(※NHKの記事はリンク先記事が消えるのが早いので要注意)。

NHK「安倍首相、天皇即位式の際に李洛淵首相と短時間会談検討中」(2019.10.09 13:48付 中央日報日本語版より)

「韓国から李洛淵首相が訪日する」と報じたのは、共同通信に続きNHKで2社目ですが、中央日報はこのNHKの報道を大きく取り上げ、目立つ場所に配置しています。

ちなみに元のNHKの記事によれば、参列を予定しているのは

  • 王室では▼英国のチャールズ皇太子、▼サウジアラビアのムハンマド皇太子、▼ベルギー国王、▼スペイン国王
  • 首脳級では▼ドイツのシュタインマイヤー大統領、▼トルコのエルドアン大統領、▼イスラエルのネタニヤフ首相
  • その他では▼中国の王岐山副主席、▼ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問、▼パレスチナ暫定政府のアッバス議長

などとされているのですが、安倍総理は「総勢50人あまりに及ぶ世界各国の首脳らと約15分ずつ会うと伝えられた」などとしています。

そんな時間、ありますかね?

さて、「50人あまりの首脳と会談を行う」と報じたのは、じつはNHKだけではありません。

今月初旬には産経ニュースが「(即位礼正殿の儀の)前日の21日から25日にかけ」、約50ヵ国の要人との個別会談を予定していると報じています。

即位礼正殿の儀「祝賀外交」 安倍首相との会談ラッシュ(2019.10.3 21:09付 産経ニュースより)

一方で、次の日経電子版の記事は「国家承認している195ヵ国すべての元首級を招待した」、としており、実際に国家元首が195人やってくるわけではないにせよ、それなりに多数の要人の来日が予定されるため、やはり優先順位を付けることが必要です。

「即位礼」で外交強化 首相、50カ国首脳と会談へ(2019/10/8 2:00付 日本経済新聞電子版より)

このうち産経ニュースによれば、安倍総理との「会談を希望する参加国は多い」が、「時間の制約で50ヵ国程度に絞られる」見通しだとしつつ、儀式当日の22日を除き、21日、23日、24日、25日の実質4日間で会談をこなす予定だとしています。

しかし、先ほどのNHK報道にもあった「1人あたり15分」という時間配分を単純に50倍すれば、750分、つまり12.5時間(!)という長丁場です(担当官からのブリーフィング等の準備時間を含めれば、実際にはもっと時間がかかります)。

さらには、自称元徴用工問題を巡り、日本政府が今年1月に外交協議を申し入れたにもかかわらず、韓国政府はそれを放置し続けましたが、その際の実務責任者が李洛淵氏その人であったという点も見逃せません。

実際、日本が韓国に対して日韓請求権協定上の仲裁手続を申し入れたのも、今年5月15日の李洛淵氏による「韓国政府の対応には限界がある」という発言だったことを踏まえるならば、安倍総理が激務のなか、わざわざ時間を割くのに値する相手とも思えないのです。

もちろん、日韓は外相レベルでは頻繁に会合をしているわけですし、安倍総理が文在寅氏に近いとされる李洛淵氏に直接会って本音を探るという機会があったとしても良いでしょう。

ただし、もはや現在の日韓関係は、自称元徴用工問題ひとつ取っても、

  • ①韓国が国際法や約束をきちんと守る方向に舵を切ることで、日韓関係の破綻を避ける
  • ②日本が原理原則を捻じ曲げ、韓国に対して譲歩することで、日韓関係の破綻を避ける
  • ③韓国が国際法を破り続け、日本が原理原則を貫き続けることで、日韓関係が破綻する

の3つしか選択肢が残されていません。

もし安倍総理が李洛淵氏に会ったとしても、「韓国は国際法を守れ」と伝えてお終いとならざるを得ず、慶事というタイミングで、わざわざ関係が悪化している(しかも約束を守らない)国のために貴重な時間を割くということを考えると、やはりNHKの報道は不自然です。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

もっとも、日韓関係が悪化した局面では、必ず、日本の側にも「韓国に対して譲歩しろ」と言い出す、二階俊博自民党幹事長のような人間が出てくることもまた事実です(『二階氏の「日本は韓国に譲歩せよ」論は正しいのか?』参照)。

このように考えていくと、今回のNHKの報道も、安倍総理に対して「韓国首相と会談しろ」という工作が、外務省や自民党などから出ていて、彼らがNHKを使ってその観測気球を打ち上げただけと見るのが正解ではないでしょうか。

新宿会計士:

View Comments (17)

  • お疲れさまです。

    2は、ありえないです。もしあれば、私は失望します。

    元寇は、ウィキペディアで勉強しました。かなり前のことなので。

    しかし竹島はまだ読むのが怖いです。

    コメントであまりにも、近い年代で非人道的な行為があると感じられたので。

    日本は黙っていては、いけないとおもいました。

    常に事実を政府は、ホームページなりで発信をして欲しいです。

    国民が意見を言えるよう、ホワイト国の意見のような場所を、常に開設して欲しいです。

  • NHKのニュースは、朝聞きました。
    新宿会計士さんは、観測気球と読んだようです。
    私は、マスコミネットワークでNHKと中央日報が、繋がっていて、願望を報道したのだと思います。NHKニュースは、新韓、新中の内容がとても多く、社内では空気のようなものなのでしょう。
    実際に安倍首相と面談するかに関しては、もう50人の面談が決まっているんだろうと思います。
    こんなギリギリまで、誰が来るか分からない国の参列者と面談しますかね。会計士が考えている外務省が会わせたがっている可能性はあると思いますが、韓国外交は官邸主導で行われていると思いますので、会談しないと思います。
    慶事を汚すようなことは、しない事を期待します。

  • 「「時間の制約で50ヵ国程度に絞られる」見通し」の中には、実際には韓国が入ってなくて別の国が入ってるっていうオチじゃないのかな。

  • ムン・ヒサンが来るのであれば、当然会談なんてできないでしょうが、イ・ナギョンだったら、立ち話くらいはしてやってもいいのかなという気はします。もちろん、日本の方から積極的に会談をセッティングする必要はありませんが、まったくの門前払いというのも、あまりうまいやり方だとは思えないんですよね。イ・ナギョンは、一応は「知日派」とされているらしいので、とりあえず対話の可能性はあるんだよ、くらいのニュアンスを伝えるのは、それほど悪い作戦でもないような気がします。まあ、それで何かが好転するわけでもないとは思いますが。

    とりあえず、まったくの門前払いではなく、会いたいのであれば会ってあげてもいいよ、くらいの感じで対応するのがいいと思います。もちろん、絶対に正式な会談という形式にすべきではありません。あくまでも、「ついでに立ち話してやった」という形にすべきです。

    • みつみねさま
      立ち話なら良いと言いますが、話をしようものなら、後からどんな嘘が、出てくるか分かりません。
      韓国側に、間違ったメッセージを送ることにもなります。
      彼らに自分の立場を分からせる為にも、末席で冷や飯を食わせておけば良いと思います。

      • そうなんですよね、たしかに都合のいいように対話の内容を切り取られてしまう可能性はものすごく高いですよね。ただ、国家間の問題を解決する手段としては、戦争をしたくなければ、結局は対話をするしかないわけで、その可能性を提示するというのは、間違った方法ではないとも思うんですよね。その方法をとるのはまだ早い、と言われれば、たしかにそうなのかもしれません。

        • 安倍総理は既に十分答えを返してるじゃないですか。
          「約束を守れ」と。

          ガン無視であっちの都合がいい解決策だけ持ってきたのではまさに「話になりません」。
          誰であろうと会う必要は無いです。

          いや、唯一会えるとしたらまさかの文ちゃんですね。
          もちろん徴用工はじめとした全ての問題の解決策を手土産にしないと会えませんけど。

        • 人生休憩中さま

          たしかに、日本としては「約束を守れ」という以外に答えはないですよね。ただ、原理原則を守っているだけでは、対話の突破口は見つからないのかなという気がします。もちろん、日本が譲歩して韓国と対話をするべきだと思っているわけではありません。逆に、早く大々的な制裁を課すべきだとすら思っています。正直なところ、巨大な台風が韓国を直撃しないかな、みたいなことすら妄想しています。

  • 更新、ありがとうございます。
    話題とは関係ないですが、吉野彰さん、ノーベル賞受賞おめでとうございます!

    韓国が文喜相が送って来ると言うのなら、対応は楽だったのでしょうが…
    もう、対応は決まりきっています。
    李洛淵なら困りものではあるのでしょう。なかなか、悩ましいところです。こういう悩ましい人物を日本に送って来るところが、韓国の本当に嫌らしいところかもしれません。
    日米韓三国連携を日米韓ともどもに(それぞれの思惑で)謳っているのですから、韓国からの要請を無下に断る個とはできません。皇室が穢れるとか、そういう問題じゃないと思います。
    一応は(一応は、一応!)、隣国でありますから、通信使を送って来るという要請を断ることはできないでしょう。
    安倍総理も、北朝鮮となんとか対話の道を開きたいと考えておられるでしょうから、李洛淵首相と会談することに意味がないとは思えません。

  • 政府高官から「朝鮮半島出身労働者問題で謝罪に来るのなら日米韓連携を鑑み、安倍総理も会わないわけではないと思う」
    とリークすればよいと思うのですが。
    実際は茂木外相のデビュー戦にするのも良いと思います。

  • J さん、首相官邸のH.Pに、2000字以内で楽に意見を伝えられる投稿欄があります。
    各省庁へも出来ます(少し面倒ーー何か忘れましたが、余計な入力作業が必要)。

    では、コツコツ頑張りましょう。

  • 私はたとえ相手がヒサンさんであろうと国を代表して来る人に対しては相応の応対をすべきと思う。問題は、会って話をした場合、日本の立場主張をブレなくきちんと伝えられるかどうかである。

  • >なぜなら、日韓関係がここまで悪化した直接の原因が、韓国側の不誠実、非合理、非友好的な行為・態度の数々にあることは間違いないからです。

    この世の陰の気や邪な気が集まって形になったのが朝鮮民族である、って考えれば、不誠実その他諸々の人間として駄目な要素が集まって形になったのが彼らだってなる訳で、やはり霊的に生まれ変わるしかないんでしょうねぇ。。。

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