本日の「速報」です。複数の韓国メディアの報道によれば、韓国政府は昨日、米国に対し、在韓米軍基地の早期返還を求める意向を示したそうです。日韓GSOMIA破棄を巡る争いが次第に米韓間で同盟そのものの存立基盤に及んできた証拠と見るべきでしょうか。現段階ではこの話題だけをもって「米韓同盟が破棄されることが確定した」と見るのはあまりにも尚早ですが、確実にその兆候が出ているように思えてならないのです。
ハリー・ハリス大使と米韓関係悪化の象徴
先週、日韓包括軍事情報保護協定(日韓GSOMIA)破棄を巡り、当ウェブサイトでは「これは日本との関係に留まらず、米国との関係を決定的に損ねることになる」、と申し上げました(『もう日本は関係ありません、今後は米韓間で直接どうぞ』等参照)。
もちろん、米国側はこの問題を巡って、さも「米国は日本と韓国の間で中立ですよ」と装いながら、日本を関わらせようと必死になっているフシもあります(『日韓GSOMIA破棄問題、米国の「逃げ得」を許すな』参照)。
しかし、米国がいかに中立を騙ったとしても、実際にこの問題は米韓両国間のものになってしまっています。
これまで当ウェブサイトでは取り上げませんでしたが、韓国政府・外交部は28日午前、ハリー・ハリス駐韓米国大使を呼び出し、米国が日韓GSOMIA破棄に対する「深い失望」「強い懸念」などのメッセージを自重するよう要請する、という「椿事」がありました(下記ハンギョレ新聞記事参照)。
韓国外交部、米大使呼び出し“GSOMIA”への不満表出の自重を要請(2019-08-30 08:09付 ハンギョレ新聞日本語版より)
こうしたなか、本日は韓国メディア『朝鮮日報』(日本語版)に、米韓関係の悪化が伺える記事が掲載されていました。
在郷軍人会での講演をキャンセルしたハリス大使、米ブランドのハンバーガー店へ(2019/08/31 08:16付 朝鮮日報日本語版より)
リンク先の朝鮮日報の記事によれば、ハリス大使は29日、当初予定されていた「在郷軍人会」の招待講演や「対外経済政策研究院(KIEP)」での行事日程などをキャンセルしたうえで、米国のハンバーガーチェーン「シェイクシャック」のオープンイベントに参加した、と述べています。
29日といえば、先ほどの『ハンギョレ新聞』(日本語版)の記事にあった、ハリス氏が韓国外交部に召致された日ですが、朝鮮日報はこれについて、韓国政府が「日韓GSOMIA破棄決定への失望コメントを自粛して欲しい」と要求して来たことに対する不満、との見方を示しています。
韓国大統領府が基地の早期返還を求める
米韓関係がギクシャクする要因は、これだけではありません。
本日、複数の韓国メディアの報道によれば、韓国大統領府は30日の国家安全保障会議(NSC)で、米軍基地の早期返還を推進する立場を明らかにしたとしています。
青瓦台「米軍基地の早期返還を」…「GSOMIA葛藤」圧力カード?(2019年08月31日09時34分)
青瓦台、NSC会議後に「米軍基地早期返還」を公に要求(2019/08/31 08:40付 朝鮮日報日本語版より)
『中央日報』(日本語版)などの報道によれば、竜山など米軍基地26ヵ所の早期返還と平沢基地(キャンプ・ハンフリーズ)への早期移転などを「推進する」方針なのだとか。
また、韓国政府は「この発表を拡大解釈すべきではない」などとしたうえで、韓国大統領府関係者はこのタイミングでの基地返還要求発表が偶然だと強調したようですが、さすがにこの説明では無理があるでしょう。
米韓関係はどこまで悪化するのか
おそらく、「在韓米軍基地を返還せよ」との要求を突き付けられて、良い気分になる米国人はいないでしょう。そもそも米国政府には、韓国という国自体、米国が北朝鮮から守ってやっているという意識が強いはずであり、このような物言いが米国政府を刺激しないはずはありません。
いずれにせよ、この件については日韓GSOMIA破棄決定を巡る一連の応酬と関連付けて理解すべきものであることは間違いなさそうです。
その意味で、先週、当ウェブサイトの『もう日本は関係ありません、今後は米韓間で直接どうぞ』で提示した、「日韓GSOMIA破棄は、もはや日韓問題ではなく米韓問題である」との見方は、やはり正しいように思えてならないのです。
もっとも、本件をもってただちに「米韓同盟が終焉することで確定した」と見るのはあまりにも尚早ですが、ただ、本件では「米韓同盟の将来性」を含め、もう少し掘り下げて議論したい部分もいくつかあるため、本稿では取り急ぎ、事実関係をお知らせした次第です。
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速報お疲れ様です。
事態はかなり早く動いてるのでしょうか……
あと会計士さん、基地が吉になってますよ。
運気まで返せとか言いかねないとはおもいますが笑
田舎者 様
いつもコメントありがとうございます。また、誤植のご指摘、大変ありがとうございました。
さっそく確認し、修正致しました。
引き続き当ウェブサイトのご愛読ならびにお気軽なコメントを賜りますよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
最低でも県外、じゃなく国外なんですか!?
どうも来る所まで来てしまったようですね。
ムンポッポは、やれば出来る子ですねえ(笑)。左巻きの秘蔵っ子チョグクがヤバそうな雰囲気なので、自分の代で何とかしようとアクセル踏んだか。こりゃ、日本侵攻もあるかも。
既出ですが、「上念司の深堀りpart9-1.2.3.4」 元共産党国会議員秘書の篠原常一郎氏との対談が面白いです。
https://m.youtube.com/watch?v=5opWlQVqUEk
平沢まで引いた在韓米軍は今増員しているとか。韓国軍もなぜか近くにいるし、何を想定しているんでしょうね。
何も言わずに、
座布団2枚…
アメリカが韓国に噛みつかれてどのように対応するのか興味深いです。
自分に噛みつかれると、冷静になれずに怒りを抑えきれませんが、米国と韓国との確執なら第三者的に落ち着いて観察でき、得られるものがありそうです。
それにしてもこのトラブルメーカーぶり。分かってはいますが、頭抜けていますね。とてもじゃありませんが真似できません。
隠居爺様に一言申し上げます
アメリカの対応はあくまで対中国戦略の一部分として決まるのではないでしょうか。文政権の暴走には呆れ果てていると思いますがトランプ政権が冷静さを失うことは無いと思います。
私の持論として「アングロ・サクソンは喧嘩が上手いし強い」。空恐ろしい方策が出てくるように思えてなりません。
匿名老人 さま
>私の持論として「アングロ・サクソンは喧嘩が上手いし強い」。
かもしれません。
喧嘩のしかたを教えてもらいましょう。
なんだかワクワクしてきますね。
独断と偏見かもしれないと、お断りしてコメントさせていただきます。
韓国政府が、「米韓同盟破棄まで覚悟している」か、「この程度で米韓
同盟が破棄されることはない」かの、どちらを考えているかで、話は違っ
てくると思うのですが。(勿論、アメリカ政府がどう考えるかは別です)
さて、(韓国の)文大統領は、どう考えているのでしょうか。
話は変わりますが、韓国ではテレビ業界を追われた保守派識者が、活躍
の場をYouTubeに移しているとのことですが、
>https://www.news-postseven.com/archives/20190824_1433943.html
だとそれば、支持率低下に悩む文大統領が、ネット規制に乗り出す可能
性は、ないでしょうか。(トルコとかの(一応の)自由主義国でも、その
ような例もあると思うのですが)
駄文にて失礼しました。
私の脳内には二つの仮説が競っており、どちらか判断がつきかねるのですが、
【推測その一(阿野煮鱒説)】
反日ですっかり味をしめた韓国は、米国に対しても「何をしてもよい」と勘違いを始めた。なぜなら米国は日本と同様、抑制された物言いで紳士的に対応してくれるからだ。つまり優しいのだ。優しさは弱さだ。強い者は威張り、弱い者は優しくなるのだ。だから米国は弱くて、韓国は強いのだ。だから韓国は米国に何を言っても良く、何をやっても良い。米国は諄々と勧告に従うはずだ。米韓同盟は当然続くし、格安の料金で韓国を守ってくれる。その一方で中国になびいても良く、北に援助しても良い。
【推測その二(鈴置説)】
北に韓国を献上するという最終目標に向かって、邪魔な米韓同盟を破棄に持っていきたい。韓国から言い出すのは悪手だから、米国から破棄を宣告するように仕向けている。今後も無礼の限りを尽くして、米軍が朝鮮半島から出ていくように無礼作戦を継続するつもりだ。
普通に考えると後者だと思うのですが、私はどうしても前者の可能性を捨てきれません。
阿野煮鱒様へ
前者も後者も、それなりに論理的で整合が取れています。
朝鮮人がそんなに論理的な考えをする筈が無い。
故にどちらも違っている。
どうです、この三段論法ww
うーん、前者は論理的ではないし、整合は取れていないと思うんですよね。ねじ曲がった朝鮮人の思考回路をできるだけ再現しようと屁理屈を重ねてみたのです。
門外漢様
私もなんだかお説に一票入れたくなりました。
どうもこの政権を支えているメンバー、①盧武鉉を自殺の追いやった保守派憎し、②労働者を搾取して贅の限りを尽くしている財閥憎し、③キタの同胞を苦しめるために勝手に居座っているアメリカ憎し、④敗戦国の分際で被害者のわれわれより繁栄を謳歌している日本憎し、くらいを最大公約数にして集まってきた烏合の衆って感じじゃないでしょうか。憎しみの負のエネルギーってのは強烈ではあるが、それでなにが産み出せるかっていったら、何にもない。まあそれでネズミ花火みたいに、音だけは派手だが、おんなじ場所でくるくる回っているだけ状態に見えます。
カルト的とは言っても一応チュチェ思想なる教義を持ってるキタと違って、この政権発足して2年以上になるのに、指導理念みたいなものが一向に見えてこない。所得主導経済だの、雇用内閣だのと聞き心地よいお題目は唱えてますが、ふつう左翼政権を名乗るなら、まずは自らの政治理念を大々的にアピールするもんでしょう。夢みたいなことは各自バラバラに考えてはいるんでしょうが、それを政治理念にまで高める擦り合わせ作業はやりたくっても出来ない。やる能力もない。
それで国の舵取りをどうするかという肝心な問題は、もうどうやってもうまくいかないところまでドジを積み上げてしまったから、あとやることといったら憎しみの対象を叩くことだけ。保守派潰しはまあ溜飲を下げるくらいのところまではやった。財閥潰しは労組が着々と成果を上げている。外国の方は(多分)主敵はアメリカだが、やりやすい方の日本を叩こうと思ったら、予想外のしっぺ返しを喰らったばかりか、あろうことか自国経済を潰したくなければ、憎い財閥につらなる経済界に資金をつぎ込むことまでやらされるハメに陥ってしまった。まあそんなこんなで、政権内部はバラバラ、あいつが悪い、オレのやり方ならうまくいくなんて、朝令暮改、明確な展望なんて誰も持ってない、そんな状態に陥った挙げ句の発狂状態で、いま唯一残ったアメリカ相手に吠えかかってるってところじゃないでしょうか。
阿野煮鱒様へ
レスありがとうございます
米国は日本と同様優しいのだ。
優しいのは弱いからで、ウリは(相対的に)強いのだ。
強い者は弱い者に何をしても良い。
どうです、この3段論法ww
優しいのは弱いからだと言うのは勘違いで、強者に求められるのは仁だなんて、ツッコミは別にして。彼らの儒教的にはスジが通っていると言うべきなんでしょう。
しかし現状はその余裕すら無くなって、行き当たりばったり、八つ当たり、火病状態ですので、平常時の分析は当てはまらないと思いますが。
伊江太様へ
レスありがとうございます。
>朝令暮改、明確な展望なんて誰も持ってない、そんな状態に陥った挙げ句の発狂状態
おそらく政権自体が漂流しているのでしょうね。でも行き着くとこまで行かないと止まらない。
ムン氏はサヨク闘士として北との統合をチャクチャクと進めている。反日も反米もそこから見れば理解できるなんて、持ち上げ過ぎの意見も見かけますが、そんなに上等なものでは無いと思っています。
だからこそ怖いのでしょうけど。
阿野煮鱒 様
先日紹介した、
中国ウォッチャーが見た韓国人の頭の中-最近の日韓関係に添えて ※2019/8/28編集
https://parupuntenobu.hatenablog.jp/entry/korean-thinkingandculture
によると、文ちゃんは「ガチの民族主義者」であり、「小中華思想」を妄信しているようです。
したがって絶対的強者の中国の下に韓国があり、さらにその下に米国がそしてさらにその下に日本がいると信じきっている可能性は否めません。
また、文ちゃんはNews U.S(面白おかしく書いているんですべてを信用するわけにも行きませんが)によると1919派であり、金ちゃんとは対立している立場との事であり【推測その二(鈴置説)】は違うような気がします。
https://news-us.org/article-20190206-0010196451-korea
考えにくいけれども【推測その一(阿野煮鱒説)】の可能性が高いように思えます。
NANASHIさん
文政権のこれ迄の行いをみれば、綿密な意思疎通なとあったためしがなく、一方的な思い込みで突き進むのが定番のように思えます。対日しかり、対米しかり、イランやUAEにも。
だから北朝鮮ともそうなんだと思います。
一方的に北との統一を志向して、口でなんと言おうと北もそれを望んでいると思い込んでいるなら、阿野煮鱒さんの【推測その二(鈴置説)】もそのまま成り立つように思うのですが、どうでしょうか。
NANASHIさん
私もこの考察は読みました。
話はそれますが、現在北米で生活してるのですが、知り合いの韓国人はこの考察の製作者様の会った韓国人と全く同じ行動をしてました。
それは余りに閉鎖的な韓国の社会性に嫌気が(本人は絶望と言ってましたが)指して、同じ韓国人との関係を一切断って生活しています。
さて話は戻りますが、これはあくまで個人的な想像なのですが、もし仮に文氏が極度の小中華狂信者であり、また重度の理想主義者で選民思想に塗れていた場合(誰も予想出来ないレベルで)、今の北朝鮮と米国の関係(韓国抜きのコミュニケーション)を間違えたものと捉え、金氏に朝鮮半島の未来を任せられないと考えている可能性もあるのでは無いのでしょうか?
よく韓国はリスカする某と評されますが、そのような精神構造の持ち主は、勝手に恋をし、勝手に失恋し、勝手に逆恨みします。
例えば文氏が勝手に金氏に恋(盲信)をし、勝手に失恋(蚊帳の外)し、勝手に逆恨み(金氏を省いた南北朝鮮統一)を考えている可能性もあるのではないかと考えています。
阿野煮鱒さま
面白いです。どちらもあり得る話ですね。
たぶん、どちらも正しくて、波動関数みたいに立場が重なり合っているのが半島人なのでしょう。(「そんな立派なものか?」と反論されそう)
その時々で揺れ動いており、観測した瞬間に立場が決まる(ように見える)連中としか言えませんな。
仮説を検証してあげる価値があるかどうかは別問題。
阿野煮鱒説に期待を込めて一票…
文春に文ちゃんのひととなりが記載されていました。
有料のため、最後まで読んでません(~_~;
「文在寅の韓国」が分かる52の質問 ベストセラー「反日種族主義」の韓国人学者が答える【全文公開】
https://bunshun.jp/articles/-/13658
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190830-10000879-bunshuns-int
拡大解釈するな!といいつつ、のらりくらりヘリクツ並べてイライラさせるお得意戦術。
「北朝鮮との明らかな関与が認められた」として日本と協力して制裁を断行すればいい。
慌てふためくほどのダメージと言い訳を並べても後戻りができないショックを与えないと、見栄っ張り根性は叩き潰せない。強固な連帯とスピード勝負。
昨日のニュースだから速報でもないようなw
だから?
GSOMIA破棄をきっかけにして始まった反米が、どんどん過激になってきましたね。
これどこまで行くんでしょうか?
トランプ大統領は呆れ、米高官は激怒するという今までにない様な事態になっています。
文在寅のことですから、米韓合同軍事演習も廃止するとか言いかねないと思います。
彼は北朝鮮の為なら、何でもやる人ですから。
これから韓国はどれだけ米国の顔に泥を塗り続けていくのでしょう。
韓国の動向に目が離せませんね。
米軍26ヶ所の早期返還はすでに撤収して使われなくなった所、今後移転により使われなくなることがはっきりしている所の早期返還を求める、ということではないでしょうか
「そうはならんやろ→なっとるやろがい」
みたいなピタゴラスイッチデスねえ。
日本で、基地移転費用はその国に負担させるのが癖になっていますから、次回のSMAでその予算を載せて倍プッシュはしてくることでしょう。
米軍がそんな要求をするのは日本がそんなお金を払うからだという批難をするところまで既定路線w
ちなみに
https://www.thekoreanpolitics.com/news/articleView.html?idxno=2676
>今日の光復節を記念するために私たちが共にしているこの場所は
>114年ぶりに国民の懐に戻ってきたようやく完全に私たちの土地となった
>ソウルの心臓部・龍山(ヨンサン)です。
>日帝による強制占領期に龍山は日本の軍事基地であり
>朝鮮を搾取し支配する核心部でした。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BE%8D%E5%B1%B1%E5%9F%BA%E5%9C%B0
>歴史
>13世紀、高麗時代の末期に朝鮮半島に侵入したモンゴル軍は龍山を兵站基地として利用したといわれる。文禄の役で、日本軍は元暁路と青坡洞一帯に陣取ったともいわれる。 [1] 1882年(明治15年)、壬午事変に日本軍とともに介入した清国軍が龍山に駐留した。以後、龍山には常に外国軍が駐留することになる。
114年じゃ足らんやろ・・・。
基地を早く返して欲しければ、早く戦時統制権を受け取っておけば良かったのにw
まあ、辺野古移転を遅らせている日本もあまり大きな事を言えませんが。
基地とか撤退とか同盟破棄とかが具体的になる前に、米によって金融や為替から攻められるリスクが増大するという認識をしてるのかしてないのか。来年の選挙で勝とうと思ったら通貨危機の類だけは避けたいはずなのだが。
そう考えるとやはり場当たり的に脊髄反射してる無能なのかなと思う。無能でないとしたら、選挙や支持率にかかわらず体制を変える腹積もり(物理的な武力行使含む)かもしれない。