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日本政府「韓国は歴史書き換えるな」「賢明に対処せよ」

本日から韓国を輸出管理上の「(旧)ホワイト国」から除外する政令改正が施行され、晴れて韓国は「非ホワイト国」となります。一方で、韓国側の日本に対する揺さぶりは相変わらず続いているのですが、こうしたなか、本稿では官庁のウェブサイトから、安倍政権の閣僚3名の発言を取り上げておきたいと思います。とくに、間接的にではありますが、河野太郎外相が「韓国は歴史を書き換えようとしている」という事実を指摘したことは、地味ながらも非常に重要な出来事ではないでしょうか。

菅義偉官房長官の「無茶振り」

さて、韓国の日韓GSOMIA破棄を巡り、本稿では政府閣僚の発言をいくつか紹介しておきたいと思います。はじめは、菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官の記者会見です。

菅官房長官は、昨日午前の記者会見のなかで、日韓関係を巡って

韓国側から否定的で非合理的な動きが相次ぎ、非常に厳しい状況

としたうえで、あわせて

一貫した立場から韓国に賢明な対応を求めたい

と述べたそうです。

相変わらずキレが良い談話ですが、ただ、この発言に対し、ツイッター上では「賢明な対応を韓国に求めるのは無茶振りではないか」、といった反応も出ているようです。

世耕大臣「予定どおり実施へ」

一方、昨日は『GSOMIAでまた瀬戸際外交 「相手にしない」が鉄則』のなかで、韓国側が「もし日本がいわゆる『ホワイト国』リストからの韓国の除外を見直すなら、韓国側も日韓GSOMIA破棄を見直す(かもしれない)」と述べた、という話題を紹介しました。

ただ、これについて世耕弘成(せこう・ひろしげ)経済産業相は昨日の会見で、こうした韓国側の要求は「受け入れられるものではない」としたうえで、輸出貿易管理については今までどおり「粛々と運用していきたい」と断言しました。

世耕経済産業大臣の閣議後記者会見の概要(2019年8月27日付 経産省HPより)

折しも昨日、「瀬戸際外交」は無視することが鉄則だと申し上げましたが、まさにこの世耕氏の発言は瀬戸際外交に対して理想的な対応といってよいでしょう。

独フランクフルター・アルゲマイネにこの切り返し!

さて、3つめの話題は、これです。

河野外務大臣会見記録(令和元年8月27日付 外務省HPより)

河野太郎外務大臣は昨日の記者会見で、見事な切り返しをしました。

【フランクフルター・アルゲマイネ ウェルター記者】(※以下は英語にて発言)

日韓関係についてお伺いします。韓国政府関係者、外務省関係者からは、日本は歴史の理解が十分ではないという声が聞かれ、このことが韓国側にとって、GSOMIAや輸出管理運用をめぐる対立の根本になっているように見えます。韓国側の日本に対する批判に、どのようにお答えになりますか。

【河野外務大臣】(※以下は英語にて発言)

日韓間において今最大の問題は、1965年の協定に関するものです。もし韓国が歴史を書き換えようとするならば、それは実現できないことを韓国側は理解すべきです。

外務省が公表している動画(13:30~)から原文を書き起こすと、やりとりは次のとおりです。

(記者)Kono-san, I would like to ask about Japanese-Korean relations. If you talk to, government officials from the Korean government, if you talk to, (inaudible) always mention that Japan has not (inaudible) understanding of its history and (inaudible) it seems to be fundamental (inaudible) Korean side of this comflict about GSOMIA and export controls… How is your answer to this approach by the Korean side?

(河野外相)The most important issue right now between Japan and the ROK is about 1965 treaty. If Korean wants to rewrite the history they needs to know that cannot be done.

要するに、日韓問題の根底には歴史があるのではないか、というドイツ人記者の質問に対し、河野氏は短く「歴史の書き換えは不可能だ」と指摘したのです。裏返していえば、「韓国が歴史の書き換えをしようとしている」という点を強調した格好だとも言えます。

(個人的には、少なくとも第二次世界大戦の全責任をナチスに押し付けてホッカムリしているような国の記者に、日本の歴史について云々言われたくはないと思いますが…。)

これについては現時点までにフランクフルターアルゲマイネが記事にした形跡はありませんが、わが国の政治家が不勉強な新聞記者に対し、「事実に向き合え」ときちんと牽制することは非常に大事です。

ただし、韓国側が全世界に対するプロパガンダで誤った歴史をばら撒いていることは危惧すべきことであり、こうした韓国側からのプロパガンダ攻撃はむしろ今後本格化すると見ておくべきでしょう。

新宿会計士:

View Comments (29)

  • 菅長官、世耕大臣、河野大臣、三人ともブレる事なく頼もしいですね。
    昨日の河野大臣の話は、毎日新聞から引用して中央日報が、朝一番で報道しています。
    日本政府が、韓国の歴史のねつ造に対して、初めて警告した歴史的な発言だと思います(時期は遅かりきと思いますが)。
    韓国や日本在住反日人は、日本政府の歴史修正主義が、深刻だと反応するでしょう。韓国政府も反応するんじゃないかな。盗人猛々しいやつですね。
    普通の日本人に、韓国の歴史修正行為が広まるきっかけになればいいと思います。

  • 欧州も米国も本当は関心が無いと私は考えています。
    (米国にとっては、初めて韓国の厄介な1面に触れたので面食らっているかも知れませんが…)
    まさか、独立国が国ぐるみでウソを吐きプロパガンダを行うなんて思いませんからね。

    今週が面白そうだと踏んでいますが…

  • 連日の記事更新お疲れ様です。

    少なくとも本年5月まではほとんど更新記事書かず開店休業状態のように見えた在韓日本大使館ですが、最近は忙しいようで何よりです。

    韓国の反日暴言にも英語版含めきちんと反論しているようです。
    (https://www.kr.emb-japan.go.jp/people/news/news_190827.html)
    本年8月19日付大韓民国外交部口上書への回答について)
    令和元年8月27日

    2019年8月27日,当館西永知史公使が韓国外交部を往訪し,東京電力福島第一原子力発電所の処理水の問題に関し,我が方の立場につき,申し入れたところ,その概要は以下のとおり。(その際,併せて我が方より口上書を発出。)

    1 8月19日付口上書に記載された質問に関し,日本国政府作成の回答を別添として手交する。
    (右回答の内容は以下のとおり)(https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190827005/20190827005.html)

    2 2019年9月4日,日本国外務省において,東京電力福島第一原子力発電所の処理水に関する在京外交団等への説明会を開催することとし,韓国を含むすべての在京大使館に案内をすでに発出したところ。

    3 我が国は,本件に関して,科学的根拠に基づいた措置を,責任を持ってとっており,韓国政府に対し,本件を含む種々の案件に関する対外発表は,事実に基づいて行われること,また,同国政府がとる措置は科学的根拠に基づくべきであることの重要性を強調する。

    4 8月19日の当館公使による韓国外交部への往訪は,同外交部報道資料において,「召致・協議」とされているが,東京電力福島第一原発の処理水に関する我が方の立場を申し入れるため,今回も含め,召致としてではなく,大使館が我が方の求めにより往訪したものである。同日韓国側がかかる発表を行ったことにつき韓国外交部に抗議する。

    以上です。重複があれば無視下さい。失礼しました。

    • 理系初老さま
      このように韓国側の嘘ねつ造に対して、地道に一つ一つ対応して行く事が、重要だと思います。
      日本のマスコミが、それを報道してくれればいいんですが、ATMはしないでしょうね。
      韓国側の、行動パターンは決まっているので、すぐに多くの人が「韓国また嘘ついてる」と分かるようになると思うんですけどね。

    • 理系初老さま

      情報ありがとうございます。
      残念ながら、ヨーロッパ方面の大使館は、全く仕事をしていないようです。

      海外紙論調に反映する「朝日」の誤報 : ウィーン発 『コンフィデンシャル』
      http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/52253615.html
      ※コメント欄にはスイスの日本大使館も酷いと書き込みがあります。

      日本外交官は中国大使に見習え! : ウィーン発 『コンフィデンシャル』
      http://blog.livedoor.jp/wien2006/archives/52253698.html

      なんとも、情けないやら腹立たしいやら。
      尚、有能な読者の皆様が、既に同様の書き込みをされていらしゃっいましたらお許し下さいませ。

  • 更新ありがとうございます。

    おお、ドイツ記者か。「ユングフラウ ヨッホ」行ったよ〜(関係無いですね)。

    しかし菅官房長官の会見のキレは見事ですね。『一貫した立場から、韓国に賢明な処置をお願いしたい』ツイッターの意見は私は異にしますが、ようやく日本が韓国に上から目線でモノ言えたッて感じでしょうか。気分スッキリです。

    だって韓国人に誰一人として、それは出来ない(笑)。「ぐぬぬ」かな韓は(笑)。

    世耕大臣もアッサリ毒饅頭をポイしました。一番良い切り捨て方です。河野大臣!ドイツの自国歴史認識出来ないバカに言ってやってくれ、もっと(爆笑)。

  • 日本高野連が、韓国国民の感情に配慮して日の丸を付けずに韓国で開催される野球の国際大会に参加するという不可解な発表をしました。
    コレは、韓国側の全世界に対するプロパガンダに対して警戒をしなければならない現状を全く理解していない行動なのか、もしくは既に韓国側のプロパガンダに洗脳されているのか?と感じ知識も知恵もない庶民の私でさえ、日本高野連に対して「事実に向き合え」ときちんと牽制できるのなら、何か声をあげたいです。
    代々木の委員長の発言では、「政経分離の原則」だとか聞き慣れないプロパガンダも発信されていますが、高校野球と言えば朝日新聞主催、後援毎日新聞の大会もあります。
    今回の日本高野連の発表は、スポーツに政治を介入させたプロパガンダの一環なのでしょうか?

    ブログ主様のご意見を参考にしたいと思い、コメントを致します。

    • 「政経分離」とは、もともと中国との関係を指したもので、共産主義国の彼らと貿易するために出てきた言葉なのです。
      したがって、同じ西側陣営で民主主義国との韓国には別段適用される事ではありません。はい。

      • わたけんさまへ

        そうだったんですか。
        でも、政治学者の三浦瑠璃さんは
        「日韓政治対立が民間交流に波及しないようにせねばならない」と仰ってましたよ。
        日韓関係に関しては「政経分離」は西側陣営で民主主義国家同士だけれども、議論の対象になるのではないでしょうか。

        私は、日韓関係において、日韓友好を深めるためには、民間交流は出来るだけ、やらない方がいい、という考えです。

        特に、経済交流は、無くせば無くすほど、日韓関係は良好になると思います(笑)

    • 横からすみません?

      高野連=朝日新聞=毎日新聞=高校野球の指導者層は、皆繋がってます。

      いまだに白球を追いかけ、青春をかけるイメージ、純粋なもの、穢れのないものと作り上げてます。ところがどっこい、高校野球はそんな綺麗ごとでは済みません。

      日の丸外しは朝日、高野連らの朝鮮への忖度間違いなしです。本来、付けてプレーして当然です。しかし、「選ばれる」側の選手、監督、学校は文句言えません。

      センバツも選手権も、運営にマスゴミと高野連を外すべきです。インターハイという高校生最高の大会に野球は不参加です。何故か?甲子園大会が最優先であり、「他のスポーツと一緒にしてくれるな」という、強い驕りがあります。経営的にもダントツでカネ持ってますからね。

    • かねてより私の主張ですが、一番厄介なのは韓国ではなく、北朝鮮でもなく、中国でもなく、日本にいる反日勢力、親韓派、親中派です。

      これはもう、日本人が少しずつでも賢くなって、彼らの勢力を弱めていくという方策しかないように思います。

    • 高野連担当者の裁量権の範囲で国際大会の参加と参加生徒の安全確保を両立させるという命題に対する回答なのでしょうね。
      スポーツに注力した経験がないので国際大会に出ることの価値や重要性が実感できませんが、「スポーツに専念できるのは国があってこそ。安直な忖度や妥協は国を危うくする」という基本認識はスポーツ関係者に持ってほしいと思います。

    • 高野連が「危険」と認識しているなら、派遣を取りやめる選択肢もあったと思いますが。
      敢えて、高校球児を危険に晒すというリスクを取って派遣することにしたんですね。

      高野連はイメージ的に、リスクを過大評価しそうな組織だと思ってたんですが、意外です。(笑)

      恒例行事を取りやめる「リスク」は取れなかったのでしょうかね。

    • 高野連に関しては、新聞どうこうより、年寄りの「事なかれ主義」だと思います。皆、名誉職のおじさんばかりですからね。何かあったら責任取りたくない、それだけだと思いますよ。彼ら自身、「偉そうなこと言ってるが、何かあったら責任とってくれるのか?」と思ってるでしょう。実際、日本女性がナンパ失敗の腹いせで暴行されたばかりですから。
      代表を韓国に送らない選択肢もあったと思います。韓国自身、直近ではスポーツ選手の派遣を取りやめてますから。
      代表選手には申し訳ないですが、私は韓国がどのように日本代表を扱うか、興味深いものがあります。罵倒していやがらせをすれば、韓国人の気は晴れるでしょうが、若い将来を担う日本人は韓国に対してネガティブになるでしょう。
      そうならないために、「せめて民間の交流を」というのが本来の趣旨でしょうけどね。彼らのナショナリズム(もはや反日反米反中になってきている)はコントロール不能になってきてますから、どうなるでしょう。ケガだけは避けてもらいたいと思ってます。

  • 今朝の聯合ニュースによると、大統領府高官が、日本の二律背反な態度に対しても外交努力、と述べたらしい。
    彼等が言う、二律背反な態度、というのがさっぱりわからない。
    世界共通の価値観に立脚していないからだろう。
    朝鮮民族独特の解釈、論法だ。

  • いつも精力的な情報発信をありがとうございます。ほぼ毎日、拝読させて頂いております。

    河野大臣の会見で、inaudibleとされた部分を私なりに補足します。(聞き間違いはご容赦下さい)

    (韓国のしかるべき人達に訊くと、彼らは)they always mention that Japan has not (come up and ← toの言い間違い?) understanding of its history and (I just …言い淀む…and) that seems to be a fundamental (point from) Korean side of this conflict about GSOMIA and export controls… How is your answer to this (コトバを探す→) approach by the Korean side toward Japan?

    前半の「誰に訊いても、いつも。。。」というニュアンスからすると、特に同記者は外人なので、何かにつけ、韓国側の洗脳策=“日本が歴史を理解しようとしないのが根本原因”を耳タコで聞かされているのだと思われます。(欧米の諸マスコミも同様かと。)
    彼がその上で、「このapproach(←よくぞ言った)をどう思うか?」という質問したのに対し、
    河野大臣は、
    1)「一番大事な論点は1965年の条約という“歴史”」と指摘した上で、
    新宿会計士様が指摘された通り、
    2)この1965 treatyという「歴史の書き換えは不可能だ」と指摘
    3)→裏返していえば、「韓国が歴史の書き換えをしようとしている」という点を強調した格好
    ですね。

    私は同記者の普段の言動を知りませんので、あくまで当やりとりだけを聞いた限りのコメントでした。

  • 記者会見時には必ずインタビューアーの国籍・社名を明らかにしてもらう、でなければ答えない、という取決めを内閣内でしてみてはいかがでしょうか。で、答えるときには「ただいまの( )の質問に対してお答えいたします」と前置きをすることにします。

    ( )の中は、面倒でも毎回次のように詳しく言及してください。
    (戦争を全てナチスに責任転嫁しているドイツのA社のb記者)
    (捏造により日韓軋轢の原因を作った朝日新聞のc記者)
    (政府の公式発表、大臣の抗議にも関わらず歪曲をやめない共同通信のd記者)
    (変態報道で日本の名誉を毀損した毎日新聞のe記者)
    ただしイソコ、オメーはダメだ。

  • フランクフルター・アルゲマイネと南ドイツ新聞は中日韓の問題になるといつも中共や韓国寄りの記事を書くところですよね。理由のひとつはドイツメディアによくある俺たちは常に正しいという論調でしょう。
    全くNYTのドイツ版です

  • 世界には二種類の国があります。

    「歴史は学問の国」と「歴史は政治の国」です。
    前者は研究が進む過程で多少なさの変化は有りますが、後者は統治者が変わると歴史そのものが変わります。

    日本はもちろん、殆どの国は前者です。
    ならば後者にあたる国は何処でしょうか?(笑)
    そして後者の国々は「歴史と向き合え」なんて言えるのでしょうか?(笑)

    • 言えるんでしょうね.なにせ,英語の達人を自認するカンなんとかっていう高官が,「われわれが考える『理解する』と米国の『アンダースタンド』は大きな乖離がある」なんて,シレッと言っちゃう国ですから.

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