先ほどの『日韓関係はどこに行く 外交論と「日韓断交リスク」』に加えて、本稿では2つほど、紹介しておきたい話題を拾っておきます。1つは日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の最新論考、もう1つは昨日の『思わず「ホンネ」がポロリ?南北平和経済という発言』でも触れた文在寅氏の「南北平和経済」発言に関する深読みです。
鈴置論考「文在寅の無謀な経済戦争」
先ほどは『日韓関係はどこに行く 外交論と「日韓断交リスク」』で、少し「大きな話」をしましたが、ここで2つほど、時事ネタを拾っておきましょう。
当ウェブサイトで公言しているとおり、私自身は韓国観察者である鈴置高史氏の大ファンです。最近、韓国に関する動向が激しさを増すなかで、どうしても優れた観察者の手による指針が欲しいと感じてしまうのですが、こうしたニーズに合致した論考が、昨日の『デイリー新潮』に掲載されていました。
韓国株・為替ともに急落 日韓経済戦争の「戦犯」文在寅に保守から「やめろ」コール
「日本を倒せ!」と雄叫びをあげる韓国。だが、「無謀な経済戦争」を起こした文在寅(ムン・ジェイン)大統領への恨み節も漏れてくる。8月5日には株式、為替ともに急落した。迷走するこの国はどこに行くのか――。韓国観察者の鈴置高史氏に聞いた。
当ウェブサイトを訪れてくださるような方にとっては、8月2日の、いわゆる「ホワイト国からの削除」に関する閣議決定や、その直後の韓国側からの猛烈な反発、といった一連の経緯については、すでにご承知おきではないかと思います。
ただ、鈴置氏の論考が優れている点は、その周辺のさまざまな論点を拾い上げ、有機的一体として議論を構築することにあります。今回の論考もウェブページで3ページにわたる長文ですが、具体的で豊富な事例に基づく説得力を伴った論考であるがために、分量を感じずに容易に読了することができるはずです。
おカネが逃げはじめた!?
こうしたなか、個人的には、この鈴置氏の論考中、「おカネが逃げはじめた」という下りに深い感銘を受けました。
――本当に、墓穴を掘っていますね。
鈴置: そんな「危ない」国からはおカネが逃げ出します。「ホワイト国(Aグループ)の適用除外」が決まった8月2日、KOSPI(韓国総合株価指数)は前日比19・21ポイント安の1998・13と、心理的抵抗線の2000を割りました。
(中略)
ウォンも売られました。 8月2日の終値は9・5ウォン安の1ドル=1198・00ウォン。その流れを引き継ぎ、8月5日には「防衛線」と見なされた1200ウォンをあっさり突破、17・15ウォン安の1215・15ウォンを付けました。
もちろん、昨日のウォン安は人民元安、台湾ドル安、円高などを伴っていたため、「ウォンの一人負け」ではなく、国際的な市場におけるリスク回避という側面が強いことは事実でしょう(『【速報】中韓台通貨などが急落』参照)。
ドサクサに紛れ、中国人民元(※オフショア)も1ドル=7.00元の大台をあっさり超えたほどであり、市場では「ウォン安」よりも「アジア通貨安」「リスク資産安」が強く意識されていることは間違いありません。
その意味で、これからの正念場は明日以降の通貨当局と投機筋の攻防ではないかと思うのですが、こうしたなか、鈴置論考では、こんな指摘もなされています。
――結局、韓国はどうなるのでしょうか。
鈴置: 通貨危機に向け、ひた走る可能性が増しました。1997年の通貨危機のデジャヴです。韓国は当時も外交的に孤立し、危機に直面しても誰からも助けてもらえなかったのです(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。
1997年から98年といえば、金泳三(きん・えいさん)政権から金大中(きん・だいちゅう)政権に交代する時期でしたが、当時は外交的に孤立していて、通貨危機で米国から助けてもらえず、国際通貨基金(IMF)の厳しい取り立てに苦しんだ、というショックが韓国に襲い掛かりました。
ただ、韓国の外交的孤立は、むしろ現在の方が激しいでしょう。
有事の際に、いつも身を切って韓国を助けてくれて来たはずの日本が、今度ばかりは通貨スワップを結ぶといった救済をしてくれないことは確実だからです。
「文在寅発言」、貧すれば鈍す?それともホンネ?
「時事ネタ」という意味ではもう1つ、昨日の『思わず「ホンネ」がポロリ?南北平和経済という発言』でも取り上げた、文在寅氏自身の「南北平和経済協力」についても少しだけ考えておきましょう。
これは、文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領が昨日、日本が韓国を「ホワイト国」から除外したことを巡って、
日本は決してわれわれの経済の飛躍を防ぐことはできない。むしろ経済強国に向かうためのわれわれの意志を高める刺激剤になる/日本の経済がわれわれの経済に比べて優位にあるのは経済規模や内需市場で、南北の経済協力で平和経済を実現すれば、一気に追いつくことができる
などと述べた、とする話題です。
結局のところ、韓国という国は、地政学的な価値を利用しまくって、日本や米国から徹底した優遇を受けることで発展してきたような国です。そんな国が日米を裏切り、北朝鮮側につくのであれば、最終的に日米も、韓国の地政学的な価値を諦めざるを得なくなると思います。
当然のことながら、万が一、「日韓断交」「米韓断交」のようなものが実現してしまえば、韓国は現在のような豊かな国というステータスを維持することはできなくなるでしょうし、なにより日米両国は「核武装した経済大国」の存在を許さないでしょう。
自然に考えて、日米両国は断交に先立って、韓国を経済的(あるいは物理的?)に「焦土」にするでしょうし、日本が韓国に対して適用する「経済制裁」の厳しさは、経産省が7月1日に発表した韓国向け輸出管理の運用見直しの比ではないでしょう。
ただ、それと同時に文在寅氏にとっての本当の目標は、おそらく「大韓民国を北朝鮮に献上すること」にあります。このように考えたら、日米による韓国の「経済焦土化」は、むしろ文在寅氏にとっては「南北赤化統一」という悲願の達成の近道でもあるため、歓迎すべきことではないでしょうか。
その意味で、昨日の同氏の発言については、実際のところ「ホンネ」だと考えるのが正解でしょう。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ただし、朝鮮半島問題でもうひと波乱あるとすれば、文在寅氏が「ろうそくデモ」あるいはクーデター、暗殺などによって排除されてしまう可能性です。
実行犯は米国かもしれませんし、意外なことに、北朝鮮かもしれません。
北朝鮮の目からみれば、南の同胞は「米帝の傀儡」ですが、それと同時に曲がりなりにも経済大国ですから、できればそのままの姿で手に入れたいと思うはずです。
それなのに、文在寅氏に韓国の行政を委ねていれば、韓国がどんどんと経済運営を失敗し、日米の手によって経済焦土化されてしまう可能性があります。その意味で、「文在寅排除」を北朝鮮自身が決断する、というのは「ウルトラC」としての可能性に含めおいても良いのかもしれません。
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ムンさんは、時計の針を戻すことで、民族を統一したがっている。
一番のネックは日本の資本が残っていること、韓国に。
日本が金融カード切ってくれれば、一番の近道。
でも、日本人の性格から、無理だろうと。
韓国側からフラグを立てて、焦土化をアシストしてる。
韓国から、日韓基本条約破棄まで匂わせてくれている。
韓国人の愛国心を維持して、日本の企業が出来るだけ早く撤退してくれ、と。
このままでは、日本企業に迷惑がかかり過ぎる事を心配してる、ムンさんは。
罷免されたら、この計画は終わってしまうから。
こんな時期のみずほグループの行動は、異常過ぎますね。前からですが....韓国にわざわざ出向いて、日本に成り代わって当グループが最後まで韓国を支えますと言ったとか。金融庁には、しっかり釘を刺して貰わないと。いざというとき、尻拭いは、われられの税金ですから。
>有事の際に、いつも身を切って韓国を助けてくれて来たはずの日本が、今度ばかりは通貨スワップを結ぶといった救済をしてくれないことは確実だからです。
身を切って助けた日本を、さっさと見捨てた諸外国よりも恨むところ、教訓としては『さっさと見捨てて他所の国に「お前が俺を見捨てた所為で俺は破産したんだ!」との矛先を向けさせるのが良い」ですね。
まぁ、それでも次回も日本を恨むのかも知れませんが(呆)
>ただ、それと同時に文在寅氏にとっての本当の目標は、おそらく「大韓民国を北朝鮮に献上すること」にあります。このように考えたら、日米による韓国の「経済焦土化」は、むしろ文在寅氏にとっては「南北赤化統一」という悲願の達成の近道でもあるため、歓迎すべきことではないでしょうか。
日米が焦土化を済ませた朝鮮半島を手に入れた中国が、日米に対する中国の優位性を周辺諸国に見せ付ける為のショーウィンドウとして朝鮮半島を復興させるかも知れませんけどね。
ただ、中国の覇権主義、軍国主義、侵略主義への認知度が高まっているので、周辺諸国は全面的に中国を頼るよりも支援を引き出しつつ中立を維持する事を狙いしそうですが。
会計士さん、おはようございます。
早朝からの配信、ご苦労様でした。
今朝方とある方のお勧めで、
Korea Naver News に『 원화 약세 (ウォン安) 』と打ち込み、
「いいね」の多い読者コメントをグーグル翻訳してみました。
また、文大統領の記者会見の写真付きの記事も同様にしてみました。
結果は鈴置さんの仰る通り、文大統領への批判が多く、日本への憎悪は少ない。
・安倍首相は国益を優先している一方、文大統領は国益を全く考えていない。
・この期に及んで、南北統一を言い出した。
・日本が今まで韓国にどれだけ貢献し、どれだけ謝ってくれたか。
こんなことは、教科書や新聞記事には全く出ていない。
いやはや、ここまで親日的だとは。また、皆さん非常に賢い。
・10年後に中国の支配下に入ったら、香港みたいな目に遭うことは明らかだ。
日本人も韓国人も今回の件では、似通った見方をしていることを初めて知りました。
その意味で、鈴置さんの記事は大変良かったですし、
会計士さんが取り上げる意図も良く分かりました。
では、会計士さん。本日も暑いのでお体に気を付けてお過ごし下さい。
文大統領の目標が南北統一だとしても、その過程は、米中の承認の下、経済協力を通じて穏やかなものを考えてたんだと思ってました
でも、最近の状況をみてると、反日煽って米韓離間に繋げて、北朝鮮に飲み込まれるための素地を作ってるようにも思うのです
実は北朝鮮の傀儡で、本人は適当なとこで国外逃亡ってのを考えてるんじゃないかとすら思えるのです♪
それとも反日煽って韓国人を統合して、その勢いで北朝鮮制圧、返す刀で日本侵略まで考えてるのかな??
昨日韓国の株安で、韓国市場から5兆円減りました。
昨晩ウォンドルが、1220を抜けて、アメリカも大きな株安でした。今日のウォンドルとコスピも、大きくマイナスに動くと思います。
今のところ、韓国のマーケットでブレーキがかかる事は、想定出来ません。
アジア通貨危機の時の韓国のデフォルトは、あっという間の出来事でした。
今回も、予想をしているうちに、デフォルトしてもおかしくないと思っています。
半島の歴史に刻まれし金文
お金(キム)は寂しがり屋
金の切目が縁(円)の切目
人を呪って穴(南北)二つ
トランプの威を借りれない
シュウに交わって赤くなる
失礼しました。m(_ _)m
更新ありがとうございます。
今日以後のドルウォン、KOSPI、また中国、台湾の数字がどう出るか、大変興味深いです。韓国はなんとなくこのまま、突き抜ける気もします。ドルは溶かして底をついたように見える。
さて、文大統領の南北統一発言、本音ポロリですが、日米はこのまま「焦土化」で良いと思います。別名「兵糧攻め」です。三星や現代など財閥企業は足腰立たなくなるまで、痛め付ける。無論中小は壊滅。
荒廃したら北朝鮮も統一の気は無くなる。しかし、その前の時点で民心を無視して文大統領が統一に進むと、クーデターの可能性もある。更に北が南朝鮮がボロボロになる前に文を暗殺するか。
文なんか金ブタにとってどうでもいいんです。幸い生き残って金と文が統一の握手しても、左手で発砲する。或いは祝杯を浴びせ倒して飛び降り自殺に見せる。統一は文の写真ナシに加工したものが出回るでしょう(笑)。
日本としては、発狂中の南朝鮮は放置する。更に第3弾を放つ。これで良いと思います。北の始末は日米印、そして中、露で決めれば良いと思います。
(南)北の始末は日米印、そして中、露で決めれば良い
印「薄汚いことに巻き込むな」
米「もう疲れたよ」
日「関わるのはもうまっぴら」
露「そんな余裕ねーよ」
中「」
アメリカが、中国を為替操作国に認定したという、記事が出ました。
人民元に連動しているウォンの運命は、決まったと思います。
今日も、大荒れな一日になり、日本円の105円ラインを巡る攻防になると思います。
100円を切るような事になれば、消費税増税を延期する口実になるのではと、期待しています。
レッドチームと全面戦争ですかね。
この株価、通貨大荒れ模様で文ちゃんのあの発言はThis is Koreaとしか言いようないですね。
責任感がないというか、責任の所在を分析する観念自体ないんでしょうか。常にウリは正しい、ですから、彼らの理論上他に責任があることになってるんでしょうね。
しかし周りからみるといよいよ正念場感出てきましたね。