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日韓問題にかこつけて米韓同盟破壊を目論むのは予想どおり?

河野太郎外相が韓国の駐日大使に対し、「極めて無礼である」と「キレた」という話題は、『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』で紹介しました。これに対し、韓国政府はさっそく問題を混同し、日韓GSOMIA破棄に言及したのだとか。これについては現段階で情報は少ないのですが、事実だとしたら、米国を激怒させかねないものです。そして、こうした情報は、「文在寅政権が大韓民国を北朝鮮に献上しようとしている」という当ウェブサイトの仮説と、うまく整合しているように思えてなりません。

初動としては完璧

自称元徴用工問題を巡り、日本政府が韓国政府に対し、日韓請求権協定第3条第2項・第3項に基づく仲裁手続実施を要求していたところ、韓国政府がこの手続を無視。請求権協定上の期日である7月18日を過ぎても、韓国政府はこれにまったく応じませんでした。

このことによって、7月19日は、戦後日韓関係の本質が決定的に変容した、歴史に残る日となりました。なぜなら、戦後日韓関係は1965年の日韓基本条約と日韓請求権協定をベースに成立しているものであり、これを破ってしまったという状況は、1965年以来の日韓関係をすべて覆すに等しいからです。

ただ、日本政府の対応は、迅速でした。

日本の外交責任者である河野太郎外相は、韓国の駐日大使に対し、「問題を混同するな」、「(同じ提案を持ってくるのは)極めて無礼である」などと凄んで見せました(『「河野太郎、キレる!」新たな河野談話と日韓関係』参照)。

また、経産省が7月1日に打ち出した、『大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて』を巡り、韓国側から自称元徴用工の問題と混同するむきがあることを受けて、経産省も同日、韓国に反論する発表を行いました(『無法国家には紳士的・平和的に、そして毅然として対処せよ』参照)。

つまり、河野太郎、世耕弘成(せこう・ひろしげ)の両大臣が、それぞれ日本政府の立場をきちんと示して韓国を牽制した格好となっているのです。

もちろん、現時点において日本政府は自称元徴用工問題で何らかの対抗措置を打ち出したという事実はありません(※おそらく早くても参院選後、内閣改造などを踏まえて打ち出されるのではないでしょうか?)。

しかし、韓国が日韓請求権協定を踏みにじった翌日の「初動」としては、両大臣の行動はパーフェクトだったと言って差支えないでしょう。とくに、河野氏が駐日大使の発言を遮り、激高したのは、政治的なパフォーマンスとしても、なかなかの見物でした(次の動画の8:09~)。

参考までに、河野氏の発言で聞き取れた部分を音写しておきましょう。

ちょっと待ってください。/韓国側の提案は、まったく受け入れられるものではなく、国際法違反の状況を是正するものではないということは、以前に韓国側にお伝えしています。(通訳)/それを知らないふりをして、改めて提案するのは、きわめて無礼です。(通訳)/また、この旧朝鮮半島出身労働者の問題を、他の問題と一緒に、(※聞き取れず)しているかのように位置付けるのはやめていただきたい。(通訳)/それは韓国の世論におかしな影響を与えることになります。これ以上はマスコミが退出してから申し上げましょう。

「無礼だ」に対しGSOMIA

こうしたなか、金曜日の河野太郎外務大臣による「無礼だ」という発言に対し、韓国政府が土曜日、とんでもない反応を示してきました。

河野外相の「無礼」な主張に青瓦台はGSOMIAで対抗(2019年07月20日11時30分付 中央日報日本語版より)

韓国メディア『中央日報』(日本語版)によれば、河野外相が韓国の駐日大使に「無礼だ」とキレたことに関連し、韓国大統領府は「国際法違反の主体はむしろ日本」と居直ったうえで、このGSOMIAの見直しにも言及したからだそうです。

この「GSOMIA」、つまり日韓包括軍事情報保護協定は、事実上の「日米韓3ヵ国同盟」における、極めて重要なパーツです。

日本は韓国とのあいだで、直接の同盟関係にあるわけではありません。

しかし、日米同盟と米韓同盟が存在していて、在日米軍と在韓米軍が有機的一体として機能しなければならないという安全保障体制において、日韓は事実上、同盟国に準じた軍事協力をしなければならない国同士です。

もちろん、こうした状況が日本にとって良いことなのかどうかは別問題であり、とくにわが国の哨戒機に対して火器管制レーダーを当ててくるような国を友好国として扱うのは、日本の国民感情に照らしても耐え難いことになりつつあるのは間違いないでしょう。

(※もっとも、韓国の側からGSOMIAを破棄してくれるのだとしたら、私たち日本国民にとっては「危機」であると同時に「渡りに船」であることは間違いありませんが…。)

米韓同盟消滅へ直結?

この「韓国大統領府が日韓GSOMIAに言及した」という話題は、金曜日の夜、『「新・河野談話」に対する韓国政府の逆ギレ』のなかで韓国政府の反応を調べた時点では、目に入りませんでした。

調べた限り、日本語版のメディアにこれが出て来たのは、あくまでも土曜日になってからだと思います(※見落としがある可能性はありますが…)。

先ほども紹介したとおり、日本政府の立場としては、「問題を混同するな」、「同じ提案を何度も持ってくるな」というものですが、むしろ河野氏の「無礼である」の罠に、韓国政府がみずからが引っ掛かりに行っているように思えてなりません。

あくまでも日本政府の説明によれば、韓国に対する輸出管理強化などの措置は、「安全保障上の問題」と「日本政府の韓国に対する信頼が損なわれたこと」、「不適切な事案が発生したこと」を原因とするものであり、自称元徴用工問題への対抗措置ではありません。

それなのに、韓国側は政府、メディアを挙げて、いまだにこの自称元徴用工問題と「輸出規制強化という報復」(※報復ではありません)を混同していて、「日本による経済制裁は強制徴用工問題(※自称元徴用工問題の韓国側の呼称)への報復だ」、と位置付けているようです。

そして、ついにGSOMIAに言及してしまったとなれば、韓国の自爆であり、自滅のようなものでしょう。万が一、韓国政府が日韓GSOMIAを破棄するとなれば、米国の激怒を招くであろうことは間違いないからです。

この点について、今ひとつわかり辛いという方は、『鈴置論考「米中代理戦争」と経済焦土化』で紹介した、日本を代表する優れた韓国観察者である鈴置高史氏の論考をご参照頂くのが早いでしょう。

韓国は米国に対し、「日韓関係を仲介して欲しい」と依頼したところ、米国側は判で押したように、「自由で開かれたインド太平洋への参加が重要だ」とくぎを刺したのです。いわば、華為(ファーウェイ)への半導体供給を続けるサムスンへの警告、といったところでしょうか。

それなのに、GSOMIAに言及するとなれば、米国が韓国に対し、どういう反応を下すのか、目に見えるようです。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

こうした情報を眺めている限り、「文在寅(ぶん・ざいいん)韓国大統領の目的が、大韓民国を北朝鮮に献上することである」という、当ウェブサイトでの仮説の正しさを裏付けているように思えてなりません。

というのも、文在寅政権の目的である「南北赤化統一」に向けた「最大の障害」は米韓同盟ですが、日韓関係を破壊すれば、おのずから米韓同盟にもヒビが入るからです。

もちろん、文在寅氏自身が政治家として有能な人間であるとは思えませんが、それでも、「日韓関係を破壊する」という点においては、今のところはほぼパーフェクトな成果を上げています。というよりも、文在寅氏が破壊しようとしているのは、日韓関係だけではなく、「大韓民国」そのものなのかもしれません。

強引な最低賃金引き上げで雇用を喪失させることを通じて国民生活を破壊し、公然と北朝鮮を支援することで国際社会からは瀬取りへの関与を疑われ、中国に対しては「三不の誓い」を差し入れることで米韓同盟を危機に陥れる――。

思えば、文在寅氏が破壊しているのは、日韓関係だけでなく、1948年の建国以来の「大韓民国」の歩みそのものではないか、と思わざるを得ないのです。

新宿会計士:

View Comments (37)

  • (※聞き取れず)の部分は、「あたかも関連しているかのように・・・」と言っていますね

  • 日韓基本条約はなかったことにしたい。
    朝鮮戦争はなかったことにしたい。
    サンフランシスコ条約はなかったことにしたい。
    李氏朝鮮の滅亡はなかったことにしたい。
    大清属国はなかったことにしたい。

    どこまで巻き戻せば気が済むのですか。
    朝鮮人が賢明で富裕で誇り高くいられた何とか大帝国の時点ですか。
    残念ながらその国は朝鮮人の脳内妄想にしか存在しません。
    この時間線をどこまで遡っても、常に愚劣で貧困で惨めな朝鮮半島しか見つけられません。

    日本だって、日韓併合はなかったことにしたくてたまらないのです。
    戦わなきゃ、現実と。

  • もはやテンパってるからアメリカにGSOMIAの件突っ込まれたら「そんな事言ってない」「日本側が破棄をちらつかせた」とか言い訳してすぐバレるまでが予想できる!

  • 1948年建国の大韓民国をなかった事にしたい、と言う視点はビンゴなのでしょうね。出どころの怪しい建国100年を祝っている時点で。ただ現行の北朝鮮と蜜月かは別ですね。金体制は金日成以外の建国者を認めてません。文大統領の建国記念式典等へのお誘いをスルーしたことからも分かるかと。この辺りの齟齬は留意して見ていく必要があるかと思います。いずれにせよ米韓同盟破棄が加速していくのですかね…覚悟、必要ですな。私達も。

    • > Atsh さん
      >
      > 文大統領の建国記念式典等へのお誘いを
      > スルーしたことからも分かるかと。
      > この辺りの齟齬は留意して見ていく必要

      おっしゃる通り、この点は間違いなく齟齬がありますよね。
      なので、ムン・ジェインたちは、、、

      ・とりあえず北主導で核保有したまま統一する。
      ・統一後、キム・ジョンウンらを追い出す。

      、、、って本気で考えているのではないでしょうか?

      • >たまさん
        ご返信ありがとうございます。

        北主導核付き統一、あり得ると思います。核兵器に対する執着、これは日本人の感覚で見ると異常に見えますがかの国にとって核は大国強国たる条件、憧れの超兵器です。所謂ブルーチームの一角でありながら度々こっそりウラン濃縮やらかしてるあたり、所持する事の危険性やデメリットなど見えてないのでしょう。ともかくズルでもなんでも一度所持してしまえば周りがひれ伏すと思ってるのかなと。当然核付き統一は彼らの一つの理想でしょうね。

        文→金体制、今の所は忠臣的な立ち位置、というかおそらく彼の中では
        1919独立運動家→金日成→大韓民国 と言う国家の正当性のランクがあるのかなと思います。
        …なので金正恩以上に正当性打ち出す方がいると分からないですね。1919独立運動(自称ですが)根拠に朝鮮国家の正当性を主張する勢力…ん、何か聞き覚えのある話なような?

        • 彼らの核への執着は、第二次大戦当時彼ら視点で天地のように感じていた大日本帝国がたった2発の核爆弾で崩壊したようにみえた。強烈な刷りこみもかなりあると思われますよ

  • GSOMIAを延長しないというのであれば、韓国有事の際に米軍が我が国の基地を使用できないようにする、といった話になります。
    米韓同盟を継続したいのであれば、寝言は寝ているときに言え、ということですよね。
    文在寅にそういった気持ちがない、南を北に献上したいというのであれば、まさに好機到来、そのための第一歩ということですかね。

  • 本当の狙いは「ノーベル賞が欲しい」だけなんでしょう。

    仮に献上が目的だとしても、北に献上した後の事は何も考えてないと思います。貰ったら次へぶん投げるだけですもんね。だいたい直近の事が読みきれない人間に…(略

    中国から切られたらどうするんでしょうか?
    切られない自信があるのでしょうか?

    いつもくだらない妄想申し訳ございません。

    • 海コンさんへ

      >中国から切られたらどうするんでしょうか?

      そんな事は、考えたことも無いんですよ。
      考えられたら、朝鮮人をやっていませんて。

      >本当の狙いは「ノーベル賞が欲しい」だけなんでしょう。

      日本にも、ノーベル文学賞を密かに欲しがっている、村上春樹と言う、大衆文学作家がいますね。

      • 密かにほしがっているという確たる証拠もないのに、全く関係ない村上春樹を出すのはやめていただきたい
        それにノーベル賞をほしがって何が悪いんですか

      • 昼 行燈さま

        お付き合いありがとうございます。
        安倍首相がトランプ大統領を推薦したように、
        ついでに併せてこの人もって推してやれば、粗方の問題は解決するんじゃないのかなと、さらにくだらない妄想にふけってます。もう私どうしようもないですね。

        来週あたりは南北合併したら全部切られちゃった妄想をして遊びます。為す繰り付け合いかな。お目汚し大変失礼致しました。

      • 村上氏への一問一答

        Q.次の漢字にふりがなを入れて下さい
        A.ノーベル文学賞〔むんがくしょう〕

        え⁈・・こっちが本命だったの?

        〔ウソですm(_ _)m〕

  • 更新、ありがとうございます。
    日本政府はもっと『日米韓の三国連携体制』を前面に押し立てて、韓国を煽ってやるのが一番いい方策かもしれません。(本気でそう思う。)
    青瓦台のGSOMIA破棄の動きに釘を刺し、『日米韓の三国連携体制最も重んじる我が国としては、青瓦台のGSOMIA破棄の動きは到底容認できるものではない』と、韓国をあの手この手で煽ってやれば、面白いことになるでしょう。

    青瓦台がGSOMIAを延長したならば、日本の要求に膝を屈した形となり、アメリカの顔を立てたことになるでしょう。とにかく美味しい。
    まあ実際のところ、日米韓三国連携体制など実が全く伴わないクソッタレ(失礼…)な建前であります。少なくとも、自分にとってはそうです。
    口に出してはいけませんが、日本政府の本音もクソッタレ(失礼…)でしょう。そして米政府の本音もクソッタレ(失礼…)なのでしょう。
    さらには、北朝鮮にとってもクソッタレ(失礼…)であり、韓国にとってもクソッタレ(失礼…)、そして中共にとってもクソッタレ(失礼…)であるところが、どうしようもない笑える建前でもあります。
    こんなクソッタレ(重ねて失礼…)な建前を大上段に振りかぶって、韓国を煽ってやればいいのだと思います。
    昨日、河野外務大臣もこの日米韓三国連携に言及したことは、もっと評価されていいことだと思います。

    • ある意味総クソッタレ連合ですね。珍しく各国の意見が一致するのかも。
      最初に口火を切った韓国がクソを踏んでエンガチョされるのが「言い出しっぺの法則」に照らして妥当でしょう。

    • 失礼・・・とありますが、クソッタレは下品です。
      「おクソッタレ」でお願いします。

    • 南北朝鮮はクソの文化ですからね。
      いつもはツートラックなどと虫のいい考え方をする韓国側ですが、反日火病で大使や政府の要人ですら問題を分けて考えられなくなっています。
      今後はGSOMIA破棄を言い出さないよう働きかける米国に、「我々が正しいのを分かってほしい」「日本が悪いことをしたから信用できない以上破棄せざるをえないんだ」と訴えるでしょう。そして米国が韓国の話をまともに聞くわけもなく「日本が裏で米国に働きかけているから我々の意見が理解してもらえない」等の意見を言い出すでしょうな。日本ガ~、安倍ガ~、日米ガ~、どんどん恨が蓄積されます。

  • 今回の激昂はシナリオどおりでしょうね。
    ちゃんと根回しは済んでいたものと思われます。

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