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遅まきながら韓国産水産物の検査強化、ほかの分野にも及ぶのか

日本政府は本日、韓国産輸入ヒラメの寄生虫検査サンプル数を、輸入数量の20%から40%に引き上げることを発表しました。ただ、今回の措置は、あくまでも「サンプル数の引き上げ」であり、「輸入禁止措置」ではありません。何とも生ぬるい対応ですが、しかし、民主党政権下の2011年に導入された措置を少しずつ厳格化していること自体、良い兆候であることは間違いありません。

韓国産ヒラメの検査強化措置

日本政府がやっと少しずつ動き出しました。

平成31年度輸入食品等モニタリング計画の改正について(令和元年5月30日付 厚生労働省HPより)

夏の食中毒シーズンの到来にあたり、6月より、寄生虫のクドアによる食中毒が継続して発生している韓国産ヒラメなどを対象とする輸入鮮魚介類の検査を全国の検疫所で強化するため、本日、「平成31年度輸入食品等モニタリング計画」を改正したのでお知らせします。

遅まきながら本日、厚生労働省は韓国産のヒラメなどを対象とする検査の強化を打ち出しました。具体的には、韓国産ヒラメから「クドア」と呼ばれる寄生虫が発見されることが相次いでいることを受け、韓国産ヒラメのモニタリング検査を強化するというものです。

ただし、今回の措置は「韓国産ヒラメの禁輸措置」ではありません。あくまでも検査のサンプル数を、従来は輸入届出の20%だったものを40%へと2倍に増やす、というだけのものであり、根本的な対策になっているとは言い切れません。

しかし、韓国産ヒラメの精密検査は民主党政権時代の2011年に全面免除されたという経緯があり(下記リンク参照)、この民主党政権時代の「負の遺産」が、また1つ、不十分ながら除去されたという点については素直に歓迎したいと思います。

日本政府が韓国産ヒラメの精密検査を免除、韓国は輸出拡大に期待(2011年10月4日 14時18分付 ライブドアニュースより【サーチナ配信記事】)

事実上の対抗措置?まさか!

ところで、今回のこの方針を巡っては、産経ニュースなど国内メディアが「韓国の輸入規制に対する事実上の対抗措置」だと報じています。

韓国産ヒラメなど検査強化 政府、輸入規制への対抗措置(2019.5.30 05:03付 産経ニュースより)

産経ニュースは「特定国の水産物輸入を規制強化するのは極めて異例」で、「韓国が福島など8件の水産物の輸入規制を続けていることを受けた、事実上の対抗措置」としています。

ただ、これを「対抗措置」と称するのであれば、実に生ぬるい対応です。なぜなら、韓国側は科学的根拠を欠いた輸入規制を取っているからです。よって、本当の「対抗措置」と言いたいのであれば、日本も韓国産ヒラメから寄生虫などが発見されていることを受け、「全面禁輸」を打ち出すべきでしょう。

ただし、産経ニュースには次のようなくだりもあります。

いずれの水産物についても、残留農薬や加工、流通などで食品衛生法違反の可能性が高いと認められた場合には、全量検査も視野に入れる。今後の検査結果を踏まえ、検査率のさらなる引き上げも検討する。

この点については、おそらく、今後の韓国産食品の危険性を見ながらサンプル数を増やすのでしょう。

入国ビザなど、ほかの分野に及ぶのか?

ところで、安倍政権が発足してから今年で7年目に入りますが、なぜこの韓国産ヒラメなどの問題が今まで放置されていたのかが1つの疑問です。

やはり自民党内にも親韓派議員などがいて、厚労省にさまざまな圧力を加えていたのではないか、といった疑念が尽きないところですが、このタイミングで韓国に対する検査の強化に踏み切ったこと自体は、小さくとも重要な変化だと言えます。

私自身、日本国民の1人として、「日本政府があまりにも韓国に対して配慮し過ぎだ」という不満を持っていたのですが、同じような不満を持つ国民が増えていて、政府内でも韓国に対する無用な配慮をやめようとする動きが徐々に広まった結果なのだとしたら、これは歓迎すべき兆候です。

当然、韓国に対して与えているさまざまな恩恵(90日間の観光ビザ免除制度など)にも、見直しという動きが及ぶことも期待できるからです。その意味でも、日本政府のこうした細かい動きには、意外と近い将来の「大きな地殻変動」の予兆という側面もあるのかもしれません。

新宿会計士:

View Comments (37)

  • 具体的な病原性細菌や寄生虫の名前を挙げてモニタリング強化と言っていますが、
    その実は糞便系大腸菌のモニタリング強化だけで事足りるのではないでしょうか?
    もっとも日本政府も最初からそのつもりだったりして。

  • >その意味でも、日本政府のこうした細かい動きには、意外と近い将来の「大きな地殻変動」の予兆という側面もあるのかもしれません。

    Web主様、ワクワクしてません(笑)?
    私は、このような国防措置が、あたかも、韓国の行為に対する対抗措置のように、じわりと目立たないように始まったことを歓迎しています。
    韓国の不法行為に対する対抗措置という大義名分をもって、国防を準備するということです。
    こちらのコメント主さんもおっしゃるように、国防ということであれば、入国審査の厳格化が急務ですが、相手を警戒させては、こちらの目論見が果たせなくなります。
    静かに確実に行うことが肝要です。風林火山のごとく。

  • 毎々の執筆、ありがとうございます。

    今回のサンプリング率引き上げは、前振りでしょう。
    現状、アメリカでは韓国からの海産物の輸入は、微生物(細菌)などの基準値を超えているとして、
    随分前から輸入禁止になっていたはずです。
    サンプリング率を引き上げて日本の基準値に引っ掛かれば、通商上の問題にならずに輸入禁止に出来ます。
    恐らくここを狙っているんでしょう。

    VISAの復活についてはオリンピックまで動きがないのかな…と個人的に思っています。
    観光での来日を4000万人とぶち上げてる事と、IOC絡みで揉めない様にオリンピック後に
    VISA復活ではないかと。
    個人的には、オリンピックを前に韓国人にはvisa復活する嫌がらせもありだとは思うのですが、
    あからさまな差別的行動は取らないでしょう。

    失礼いたしました。

    • どちらかというと厚生労働省は怠けていたんじゃないかな。国民の健康を守るのは政府の責任。韓国に限らずちゃんと仕事してほしい。

      • 厚労省を無能と批判するのは構いませんが、怠け者という批判は酷です。
        どちらかというと「○○な働き者」の分類ですw

        なにしろ日本人は、他のことは大抵笑って許すのに食い物のことになると目をつり上げて怒ります。
        役所の手落ちで国民に被害が出ればものすごいバッシングを受けるというのは、食物にせよ薬害にせよ、骨の髄まで染み渡っています。

        だいたい貿易交渉になると日本の厳しい検疫を簡略化しろという話が必ずと言っていいほど出てきます。
        「買ってはいけない」系の人が、日本の検疫はザルだと批判していますが、そんな日本の検疫が世界でも最も厳しい水準であるという事実には目を背けます。

  • http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/musi/29.html

    クドア・セプテンバーラブ♪は、残念ながら韓国ウリジナルな寄生虫ではなく、日本産でも検出されるものです。
    検出基準である程度の存在は許容しているのですが、韓国のはその上限の1.7倍のクドアがいるそうで。
    日本の養殖場なんかではそれを減らすための工夫を一生懸命行っているのですが、韓国じゃどうなんですかねえ・・・。

  •  最近は買ってないから分かりませんが、韓国でヒラメはかなり高いです。一匹数千円で購入したことがあります。自分で刺身にしたかったので、三枚におろしてもらいました。ところで、韓国では「三枚におろす」と言う言葉がありません。通訳に聞いたら「この絵をお店の人に見せて下さい」と言われ、通訳自筆の絵を貰い、それを持って魚屋に行ったことがあります。

     話はそれますが、日本ではあまり見ない韓国の水産物にユムシ(韓国名ケブル:개불)とヤツメウナギ(韓国名チルソンチャンオまたはチルチャンオ:칠성 장어, 칠장어)があります。ユムシは生きた姿を見るととても食べれません。緑色の不細工なソーセージのような外観です。またヤツメウナギはググれば分かると思いますが、口の部分を見るとこちらも食べれません。どちらも日本では食べられている地方もあるかと思いますが、小生基本的にグロは苦手なので宴会等ではかなり距離を置いて別のものを食べてます。

     その他にも食べれないものが多々ありますが(例えばヌタウナギとか)、そこら辺は追々書き込んでいきます。

     駄文にて失礼します

    • 韓国在住日本人さん

      ユムシというのは、日本では知る人ぞ知る高価な釣りのエサです。スズキ、タイ、カレイなど大物狙いのエサですが、私の住んでいる地方ではどこでも買えるというわけではありません。1匹100円以上もします。

      日本でも地方によっては食べると聞いたことがあります。ただし、日本のは緑色ではなくて肌色なので、曰く言いがたい造形ですね。(笑)

      http://urx2.nu/TrIR
      (写真があります。その手の写真に弱い人はクリック注意です。)

      そういえば、青ゴカイとか青イソメとかいう定番の釣りエサは、正式名はチョウセンゴカイで、ほとんど韓国からの輸入品だそうですが、あれも緑色ですね。ニホンゴカイは赤褐色です。

      なんか、体色が緑色っぽくなる韓国の海特有の化学的特性でもあるんですかね。あるいは鉱物学的な、かな。

      私はナマコやホヤを好んで食べるので、ゲテモノ食いの気がありますが、さすがにユムシはちょっと食べる気にならないなあ。でも、世の中にはゴカイを食べる人もいるそうで、食の世界は奥深い。

      関係ない話で失礼しました。

    • 私は美味ければ見てくれを気にしない方なので、蜂の子でもザザムシでも何でも食べます。蚕のサナギは腐葉土みたいな味がして、不味いと思いました。韓国人は、どうして蚕が好きなのか不思議です。

      ユムシはソウルで食べましたよ。水槽の中でうにょうにょ蠢いているのを先に見てから、刺身になったのをいただきました。貝類に近い味で、実に美味でした。『将太の寿司』の韓国編で寿司ネタとして取り上げられていましたが、それも納得の味わいでした。

      ヤツメウナギとヌタウナギは残念ながら食べることができませんでした。あいつらは魚類ではなく円口類なので、見た目はかなり不気味ですが、食べた人の話によれば非常に美味だとか。釜山あたりでは、ヌタウナギの皮をなめして財布などにしたものを売っているそうですね。(伝聞ばかりですみません。)

      書いている内にヌタウナギの革製品が欲しくなってきました。最近は日本でも買えるので、手に入れようと思います。

    • 韓国在住日本人さんへ

      ヤツメウナギは、東京でも
      目黒不動尊の門前や巣鴨地蔵通り等
      に店が有ります
      浅草の八ッ目鰻本舗等も有名です

      東京では、"眼病に効く"として
      珍重されています

      東京言葉では、穴子をハカリメと呼びますが
      ヤツメウナギもハカリメと呼びます
      食材を扱う店の種別が違うので、混乱は起こりません

      ユムシは築地でも、見たこと有りませんでした

      • 昔は、四谷や神楽坂のどぜう屋でも、
        ヤツメウナギが食べられた様な記憶が有ります

  • 脇道に逸れてしまいました、すみません。

    本題の方ですが、ヒラメ一品目だけというのは、実に慎ましい報復措置ですね。何もやらないよりは遙かにマシですが、“too little, too late”と言いたくなります。

    日本のお役所仕事というのは、常に「戦力の逐次投入」です。負けるに決まっています。いつもの話ですが、情勢を見極めて対応を決めようとするからそうなるのです。こちらが主導権を握って情勢を決めようという考えが持てないようです。

    輸入規制は科学的データに依らず国民感情に基づいて決めてよいとWTOからお墨付きをもらったのですから、そのWTOの基準に従って規制を行うと宣言すればよいのです。

    まあ、分別ある皆様が「これは端緒です、これから変わります、長い目で見てあげましょう」と仰るのは分かります。でも、ぞれでは子供扱いですよ。日本で最高に優秀な頭脳が結集している組織に対して、それほど優秀でない私が「よしよし」して差し上げる必要を感じません。

  • 更新ありがとうございます。

    いきなりサカナの話ですみません。ヒラメは白身の高級魚、よく刺身で食べますが産地は必ず確認します。だいたいは長崎産、鹿児島産、愛媛産、高知産、兵庫産などが多いです(養殖が大多数でしょうが)。どうしても鮮度の問題で東日本からは距離的に無理なんでしょう。

    その為か他のネタも白身魚の刺身が多く、マグロ等赤身は出張や旅行で東の方に行った時、刺身売場の彩りが鮮やかなので驚きます。それとマグロは東京とかで食べたら、とても美味しい。しかし関西ではあまり旨いと思った事がない。

    何故なんだろうと考えると、東日本の人達はとにかくマグロが大好きなようで、上物はすべて持って行ってるのではないか、と。ですから普段は私は鯛、鰆、ハマチ、鰤、ヒラメ、穴子、イカ、サーモン(カナダ・ノルウェー等冷凍物)等が多いです。

    韓国のヒラメの寄生虫ですが、養殖なら健康体のヒラメに全部入れ替えないと、100%浄化されません。それと養殖地も衛生管理出来ているのか、疑問です。場所も変えてみるべきです。

    とかく朝鮮半島、中国は衛生観念の低い国、産地(水揚げされた港・加工場)はキッチリ確認しましょう。私は中国、韓国沖と書いてあるだけで、絶対に買いません(笑)。

    ところで、サンプル数が入荷数の40%とか、ありえないぐらい多いですね。もうそれで寄生虫が発見されたら100%輸入ストップ。認可しつつ途中で内容は変える(笑)

    • 自分は関東の生まれなので、銚子の初鰹とか、茨城のアンコウとか、三陸のキンメダイとか、大間のマグロとか、そういうのには慣れていましたが、逆に関西の魚の美味しさを知ったときには驚愕しました。

      特に瀬戸内の魚! 鯛でも蛸でも、滋味が違う。何これ、同じ魚なの? と目を見張りました。若狭湾から京都にやってくるグジ(甘鯛)もイイですねえ。

      確かに、西に行くと鮮魚コーナーの色彩が東とは違いますが、私にはお宝の山に見えるので、西の彩りが地味だと感じたことはありません。

      因みに、江戸でもマグロは青魚・下魚でしたから珍重されていませんでした。下魚だからこそ庶民が親しんで沢山食べていたのだと思います。池波正太郎が好んで描くところの、マグロのアラと千住ネギで作る葱鮪(ネギマ)なんぞは、これぞ庶民の味。関西のネギは青ネギですから、白ネギでないといけない葱鮪は、やはり江戸の味と言えるでしょう。

      •  宮崎空港から延岡に行く道の途中にドライブイン(それとも旅館かな?)があります(現在もあるかどうかは分かりません)。そこは駐車場が広くトラックも沢山止まって昼食を食べていました。そこには色んな定食があり、それぞれに焼魚が付いています(なんとカレーにも)。すぐ下の漁港で朝水揚げされた魚を焼いているとのこと。そこの食事はどれもなかなか美味しくて、宮崎に行くときは必ずと言って良いほどそこで昼食を食べてました。ある時、そのメニューの中に「焼魚定食」があるのを発見し、殆どの定食に焼魚が付いているのに「焼魚定食とは此れ如何に」と思い注文しました。焼魚が二皿出てきました。美味しかったです。

         駄文にて失礼します

      • 阿野煮鱒様

        コメントありがとうございます。
        マグロが下魚!驚きッ!マジで高級魚かと思ってました。しかし日本は南北に広く、湾や浦で採れる地物もあり、本当に良い国ですね。

  • 「厳密なサンプリングの実施」って、実質的には安全対策を名分とした対抗措置ですよね。

    しかも検査結果は数値として公表されるんだから、正々堂々と禁輸できてしまいます。

    いきなりの禁輸ではないのは、国内での物流を混乱させないための配慮なのかもしれません。

    これにより、貿易交渉で押し付けられた「韓国産のりの輸入枠拡大〔25年までに27億枚〕」なんかも無力化してしまうのではないでしょうか?

    べつに、韓国産でも安全ならば問題はありません。

    【食卓の安保政策】としての「厳密なサンプリングの実施」を心から歓迎したいです。
    *****

    コンビニのおにぎり。売価が10円アップくらいでおさまって欲しいんですけどね・・。

    • カズさんへ

      >「韓国産のりの輸入枠拡大〔25年までに27億枚〕」なんかも無力化
      同意です
      本当に、どうにかして欲しい

      PS:同様の内容を、申し訳無い
      タイムスタンプが一緒でした

  • 海苔の検査強化を是非ともお願いしたい

    のり弁や、おにぎりの海苔に、
    原産国表示の義務は無いので
    とっても怖い

    • 鞍馬天狗さま

      レスポンスありがとうございます。

      投稿コメント見て、スピッツのロビンソンの歌詞を思い出しちゃいました(^o^)ニコ
      *****

      モズクやメカブのパックには原産国表示はありました。
      海苔そのものにも原産国表示はありました。
      我が家の冷蔵庫のなかの「ふるえるワカメ(カットわかめ)」にも原産国表示はありました。

      でもやっぱりコンビニのおにぎりには表示がないんですよね。怖いですね。

      *「国産海苔使用!」って差別化商品の販売に期待したいと思います。

  • 工業製品も本当にJISの基準を満たしているのか怪しい物です。現場では韓国製を使うのは嫌がります。
    JISは工場を認定すれば製品についてはチェックが入りませんが、なにしろ相手は嘘吐き国ですから、認定当時のレベルで操業している保証は何もありません。
    抜き取り検査をして基準未満があれば認定取り消しが必要と思います。

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