本日の速報です。時事通信によると、わが国の半導体関連メーカーが16日、韓国子会社での半導体製造装置部材の開発・製造・販売事業から撤退すると発表しました。
フェローテック、韓国から撤退
時事通信によると、半導体関連メーカーの株式会社フェローテックホールディングスは16日、韓国子会社での半導体製造装置部材の開発、製造、販売事業から撤退すると発表したそうです。
韓国子会社の事業撤退=「司法判断に懸念」-半導体関連のフェローテック(2019年04月16日20時03分付 時事通信より)
これについて時事通信は「韓国の司法判断に対する懸念が背景にあり、進出企業の事業継続に影響を与えた形だ」と評していますが、これについては実はすでに同社のホームページ上、プレス・リリースがでています。
韓国子会社におけるCVD-SiC 事業からの撤退に関するお知らせ(2019/04/16付 株式会社フェローテックホールディングスHPより)
当社韓国連結子会社に対する民事訴訟の提起に関するお知らせ(2019/04/16付 株式会社フェローテックホールディングスHPより)
これによると、同社は現在、連結子会社に対する刑事、民事両面での訴訟を起こされていることなどの事情があるようですが、
「昨今の韓国における日系企業に対する司法判断等を鑑みた場合、同国における司法判断の独立性が完全に担保されない懸念がある」
として、この潜在的なリスクを「現段階で最小化することが最も適切」としています。
経済制裁の類型でいえば「自爆」
ところで、徴用工判決問題などを巡る日本から韓国に対する「制裁」の在り方については、『実は対韓制裁、始まっていた?韓国メディアの気になる報道』などでも触れましたが、韓国に対する経済制裁には、日本が主体的に「今から経済制裁を実施する」と宣言するタイプのものには限られません。
ざっくりと分類すれば、
- ①積極的経済制裁
- ②サイレント型経済制裁
- ③便乗型経済制裁
- ④消極的経済制裁
- ⑤セルフ経済制裁
などの類型が考えられます。
このうち、世間で議論されている制裁の多くは「①積極的経済制裁」ではないかと思いますが、今回の(株)フェローテックホールディングスの決断は、①~⑤でいうところの「⑤セルフ経済制裁」という言い方ができるかもしれません。
この流れは続くのか?
もちろん、個別の会社にはさまざまな事情があるため、本当に(株)フェローテックホールディングスの説明が正しいのかどうか、限られた開示資料から性急に判断することは控えなければなりません。
しかし、一般論として言えば、(株)フェローテックホールディングスが述べている「韓国における司法判断リスク」という主張は、非常に正当なものですし、「韓国国内のおかしな判決により、実際に韓国から事業の一部または全部を撤収する」と宣言した日本企業が、実際に出てきたといえるのです。
むしろ遅すぎるという気もしますが、それでも日本企業の意思決定の遅さを考えるならば、もしかするとこれから「日本企業の韓国からの撤収」が本格化するのかもしれません。
以前から申し上げているとおり、日本企業が韓国に対する製品販売の売掛金回収サイト(期間)を短縮する(あるいは現金ビジネス化する)、直接投資を抑制する、といった行動を開始すれば、1つ1つの影響は小さくてもアリの一穴のごとく、どこかで大きな雪崩が生じるかもしれません。
あるいは、「隣国である日本の企業が韓国から逃げ出した」という姿を国際社会がどう見るか、という視点も重要ではないでしょうか。
くどいようですが、本件については(株)フェローテックホールディングスという個別の会社の判断に過ぎず、また、同社の個別の訴訟事件とも関わっていると思われるため、これを日本企業全体に当てはめて判断するのは早計です。
ですが、昨年10月の徴用工大法院判決からもうすぐ半年が経過するため、「セルフ経済制裁の雪崩」が生じるのかどうかについては、要注目、といったところでしょう。
View Comments (23)
そりゃ、なにされるかわからん国におれんわなw
それと、この期に及んでも韓国へ200人議員連れて友好とかいうてる二階をコロさないと
政治家殺すに刃物は要らぬ、選挙の投票減らしゃ良い。
「コロす」はカタカナなので、コロコロするですよね(笑)
二階さんが国会議事堂の廊下でコロコロされてたら確かに笑ってしまいます。
奥ゆかしいフォローですね。人間こうありたいものです。
でも二階さんだけに、二階から階段をコロコロ転がってくるのもありかと。
今まで実際にはとくに問題なく韓国で長いことビジネスできていた日系企業は多かったでしょうね。
ですがやはり徴用工判決が開けちゃったんですよ、パンドラの箱。あの判決を正当化しようとすると、日系企業が韓国で堂々とビジネスしている正当性が薄弱にならざるを得ない。所謂戦犯関連企業に認定されてればなおさらです。
実害が出る出ないとは別に、あの判決が両国間のビジネスに与える心理的な影響はこれから地味ながら顕在化するかもしれませんね。
もちろん大歓迎ですがね。
そりゃ日韓基本条約を根っこからひっくり返した様なものですからね。
最初に企業が撤退で次に旅行者、在住者の何方かで影響出るのかな?
まぁもう時間の問題ですね。
財閥企業は目の敵。日本企業は親の仇。さらに恩を仇で返すを率先垂範だもんなあ。国というより学級崩壊。さすが学生運動家なだけあるわ。
お疲れ様です
残念ながらPDFへの直接リンクは嫌われているみたいですよ
フェローテック 訴訟内容
https://www.nikkei.com/nkd/disclosure/tdnr/bng007/
韓国旭支会 AGC株主総会で宣伝戦 本社の責任で解雇撤回せよ(前進w)
ttp://www.zenshin.org/zh/f-kiji/2019/04/f30260203.html
半島に進出しているすべての日本企業が韓国のカントリーリスク再評価を速やかに行い、適切な経営判断が下されることを期待します。
米、EU、中国に置いていかれることのないように(笑)。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190412-00000035-cnippou-kr
韓国の今年1-3月期の外国人直接投資(FDI)が7年ぶりに最低水準まで縮小した。世界景気低迷の余波が輸出に続いて外国人投資など韓国経済全般に広がっている。
11日、産業通商資源部によると、今年1ー3月期のFDIは31億7000万ドル(約3543億8064万円、申告基準)だった。前年比35.7%減となる。1-3月期を基準として、2012年(23億5000万ドル)以降、7年ぶりの最低値だ。欧州連合(-43.7%)、米国(-78.7%)、中国(-88.0%)、日本(-31.0%)など韓国に多くの投資をしている国々のFDIが軒並み減少した。
米国の新規投資8割減っていう所がすごい。
日本は在日の企業もあって逃げ遅れている。
日本と言う社会は良くも悪くも横並び意識の強い社会ですから、1社が決断したとなると、皆さん後に続くのではないかと想像します。
動き出すのは遅いですが、一旦動き出すと競争するがごとくに走り始めるのもご承知の通りです。
6月の総会シーズンを控えて、韓国リスクに対する対策を追及されるのも嫌だと思います。
フェローテックを不勉強に知らなかったのですが、
>半導体製造装置向け真空シールでは約7割の世界シェアを有している
わりとヤバイ企業だったのですね。
韓国は、ここの製品を他社に切り替えなんかできるのでしょうか・・・。
りょうちん 様へ
韓国へ売るのを止めるって話じゃないでしょ。
韓国内で製造・営業する拠点を閉鎖するってことだったと思います。
韓国が買いたけりゃあ売ってやりますよww
こういった動きに、韓国当局が手をこまねいているとは考えられません。撤退阻止に向け何らかの縛りを掛けてくるのではないでしょうか、騒ぎになると特に。法治国家ではないので、縦でも横でもと何でもありで、法令を意のままに改変し手を打ってくるのではと思われます。セルフ制裁は、あまり報道されずにサイレントで進むことが望ましいと思うのですが。
ご懸念ごもっともです。当事者企業はすんなり足抜けできないなど苦労するかもしれませんが、かかる事態は遅くとも数年前に想定しうる範囲のことで、まさにカントリーリスクが具現化したというにすぎずやむをえません。
むしろ司法のみならず行政機関もフェアでないことの証左となり、まさに「潜在リスク」フェーズから厳然とした「顕在リスク」フェーズへ移行することになり望ましい流れです。
大局的には新規進出の中止やビジネスの縮小に拍車がかかることにつながるでしょうから、韓国当局には「戦犯国」企業への姑息な嫌がらせを本能のままに実施して実績を積み上げてもらいたいです。
司法が政権の思うがままで、信用できないとなると、怖くて韓国には、近づけませんな。中国・北朝鮮と同じじゃないですか!旅行に行くだけでもリスクがある。そこで生活/経済活動するなんてとんでもない。
『韓国に生まれなくてよかった。』
かわいそうな?韓国国民。でも、自業自得か。
”70年前の”日本に対しては怒り心頭でも、”現在の”文政権に対しては、半数近くが肯定的。
「現在の不幸は、70年以上前の日本のせい」ってか。
全くわからん、正常な判断ができないんだろうな。
一つの国から事業撤退をするというのは、会社の規模にもよりますがとんでもなく大変なことです。
徴用工問題が原因だとするなら、半年で撤退を決めたという事であり、これはとんでもない早さです。
こうやってプレスを出すということは撤退までの段取りがほぼ済んでいるということですから、現在進行形で撤退準備を進めている企業はかなりの数に上るのではないでしょうか