新年にあたり、「社説のブログ化」について考えてみる
新年あけましておめでとうございます。最近、時事的な話題の提供が相次いでいますが、本日くらいは少し普段と違った話題を提供したいと思います。正月3が日の当ウェブサイトの更新予定についてはハッキリと決めているわけではありませんが、提供する話題があれば更新し、そうでなければ休む(つまりいつもとまったく同じ方針)、というスタンスで行きたいと思います。
目次
本日から新年です
新年、あけましておめでとうございます。
本年も当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』のご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
さて、新聞や雑誌、あるいはテレビなどの大手メディアでは、よく「新年特集」と称して、「今年はどんな年になるか」、だの、「新年にあたって」、だの、といったコンテンツが掲載されます。
私はその理由について、例年だと年末年始にはニュースが少なくなってしまい、さまざまな動きが出なくなるため、マスコミ側もやむなく、無理くりに「新年特集」を組んでいる、という側面があると思っています。つまり、読者や視聴者ではなく、「作り手の都合」だ、というわけですね。
私自身はウェブ評論にあたり、「新年だから」というだけの理由で、無理やりにこうした特集を組むつもりは一切ありません。仮に国内の話題に乏しく、ウェブサイトで取り上げる話題がないということであれば、ウェブサイト更新を休刊すれば良い話ですし、正月であっても海外は2日から動き出します。
そして、今年に関して言えば、ウェブ評論で取り上げるべき材料は、いくらでもあります。
その証拠に、昨日も大みそかであるにも関わらず、残務整理をするかたわらで、3本も記事を更新してしまいました。やはり、それだけウェブ評論の材料がたくさん出て来ているということでもあり、ウェブ評論家の1人としては悲喜こもごもです。
「新春社説を読む」
大手6紙の社説読み比べ
ただ、いくらそうは言っても、まったく新春らしいことをしないのも気が引けますので、ちょっとした雑感を掲載しておきたいと思います。
当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』を立ち上げたのは、いまから2年半前の2016年7月のことですが、「インターネットを通じた評論活動」という意味では、じつはそれよりもかなり以前から、アメーバブログや楽天ブログなど、大手ブログサービスを使って行っていました。
自分自身でもブログを執筆する一方で、他の方が執筆したブログを読み、相互リンクを貼るなど、非常に充実したブログ・ライフを楽しんでいました。今になって思えば、私がブログ活動をしていた2010年から16年という期間は、ちょうどブログの全盛期だったと思います。
こうしたなか、私が他の方のブログを拝読していて、当時は「なかなか面白い」と思った試みがあります。
それは、大手各紙を買ってきて、新春社説を読み比べる、という試みです。つまり、近所のコンビニエンスストアなどで日経、読売、朝日、毎日、産経、東京の6紙を購入し、家に持ち帰って、社説だけじっくりと読み比べるです。
社説はもともと新聞の「顔」のようなものですが、新春社説といえば、それに輪を掛けて、どの社も力を入れて取り組みます。この6紙の新春社説をじっくり読み比べれば、それだけで、各社のスタンスの違いがずいぶんとハッキリ理解できるのです。
最初は私もその方のブログを読んで、「面白そうだな」と思うだけだったのですが、ある年から自分も真似をして、6紙を買って帰るようになりました。新春の新聞はただでさえ重いのですが、それが6紙ともなれば、結構な重量でもあります。
なぜやめてしまったのか?
この「主要紙新春社説の読み比べ」という試みは、3年ほど続けたのですが、結局、やめてしまいました。
なぜやめてしまったのかといえば、あまりにも不毛だと感じるようになったからです。
最初の年は、それこそ6紙の社説を精読し、同じテーマについて触れている下りがあれば、読売新聞と朝日新聞の違いを比べてみたり、記事の書き方について朝日新聞と毎日新聞を比べてみたり、テーマそのものの設定方法について日経新聞と産経新聞を比べてみたりしていました。
しかし、最初に感じたのは、「主要6紙」と言いながら、あまりにもレベルが低すぎる新聞があり、それについても精読するのに苦痛を感じたのです。そのあまりにもレベルが低すぎる新聞とは、言うまでもありません。毎日新聞と東京新聞です。
結局、2年目はこの両紙について、いちおう買うだけ買って、社説だけを斜め読みしたものの、やはりレベルが低すぎて放り投げてしまいました。
ちなみに朝日新聞(A)、東京新聞(T)、毎日新聞(M)を、最近では「ATM」と呼ぶそうですが、朝日新聞に関していえば、社説の内容は支離滅裂であるものの、いちおう、社説の書き手には「読ませるだけの最低限の文章力」は備わっています。
(※余談ですが、そういう事情もあり、私は毎日、東京の2紙を、自分のなかで密かに「劣化版朝日新聞」と位置付けていたりします。)
ただ、読売、日経、産経のレベルが高いのかといわれれば、そういうわけでもありません。
とくに産経新聞の場合、政治的な記事のクオリティは6紙の中でもっとも高いと思う反面、「産業」「経済」の名を冠していながら、肝心の産業、経済に関する論説が不十分でもあります(だからといって日経新聞が「日本の経済」について鋭く論じているという意味ではありませんが…)。
結局、これらの6紙は「日本マスコミ村」という狭い村社会の中で、最左翼の東京新聞、最右翼の産経新聞という棲み分けをしているに過ぎない、と思うようになったのです。
社説のブログ化
実は、私が「新春主要紙社説読み比べ」を3年でやめてしまった理由は、もう1つあります。
それは、「新春社説読み比べ」を開始して3年目を迎える直前の年末、とあるブログのブログ主さんが、「最近、新聞社説はブログ化している」などと主張しているのを、ふと見かけたことです。
このブログ主さんの主張内容は、もちろん、「新聞社説の劣化が進んでいて、ブログのような社説も散見される」という苦言を呈する目的のものだと思います。
しかし、私は、これを反対の意味で解釈しました。要するに、「世の中のブログの質が上昇した結果、なかには新聞社説と遜色ないブログも出現し始めている」、という意味です。
そして、「主要全国紙」と呼ばれる日刊紙は、日本に6紙しかありませんが、ブログだと6つではありません。無数に存在します。
私は「新聞社説のブログ化」というキーワードが頭に引っかかったままで年を越し、3回目の「主要紙新春社説読み比べ」をやったのですが、確かに社説を読んだときの「もやもや感」は、「社説のブログ化」というキーワードを得たことで、ハッキリとした形になったのです。
それは、「もはや評論は新聞社の特権ではなくなった」、という確信です。
いや、新聞社の社説を執筆している人物も、私たち一般人とまったく同じ人間である、という認識だと言い換えれば良いでしょうか。
要するに、「社説を書いている人は特別な人ではない」、「ブログを書いている人も特別な人ではない」、ということに気付いたのです。それによって、「主要6紙だから」というだけの理由で、重い新聞紙というゴミに対し、わざわざ高いお金を払う意味などないではないか、と思うようになりました。
そういう事情もあり、結局、「主要紙社説読み比べ」は、3年でやめてしまったのです。
ウェブ評論の新たな時代
「文章を書いて世に問うこと」のコスト
まとめましょう。
ひと昔前だと、情報を作成し、全国の人々に送り届ける手段は、日刊新聞か週刊誌・月刊誌などの雑誌、単行本などの「紙媒体」か、テレビ・ラジオなどの「電波媒体」などに限られていました。
もちろん、それなりのコストを掛けて自費出版すれば、全国の書店に自分の考え方を書いた書籍を送り届ける、ということは可能です。しかし、コスト対比でみて、それは明らかに割に合わない方法でもあります。
ところが、現代社会の場合だと、インターネットにつながるPCやスマートフォンなどの端末さえあれば、アメブロなどの大手ブログサービスに気軽にブログを開設することができますし、ツイッターなどを使えば、さらにもっと気軽に情報を投稿することができます。
つまり、情報を作成し、全国に送り届けるコストは、限りなくゼロに近いのが実情なのです。
そして、新聞社の論説主幹らは、社会人人生の大部分を新聞業界という狭い世界で過ごしているためでしょうか、黒塗りのハイヤーで取材に駆けつけるなど、浮世離れした感覚の持ち主が多いのではないかと思います。
これに対し、私のようなウェブ評論家は、社会人として別の仕事を持ちながら、インターネットを通じて自分の考えを世に問うています。
これは、どちらが良い、悪い、という話ではありません。
情報を世に送り出す人間の性質が明らかに変わった、という話なのです。
新聞などの偏向報道問題に、どう対処するか
ただ、私が見たところ、新聞社はこうした時代の変化に付いて行けていない人たちの筆頭格です。
一般人が普通に情報を発信することができるようになれば、世の中のブログなり、ウェブ評論サイトなりの絶対数が増えます。
もちろん、中にはさほどレベルが高いとはいえないようなブログもないわけではありませんが、「玉石混淆」であり、全体の数が増えれば、新聞社説に匹敵するような、あるいはそれを凌駕するようなクオリティのウェブサイトなどが出現するのも当然の話なのです。
実は、私自身がウェブ評論サイトを開設した最大の理由は、新聞やテレビなど、マスコミが流す情報に対し、強い疑念を抱いていたからでもあります。
2009年8月の衆議院議員総選挙では、麻生太郎総理大臣が率いる自民党が惨敗しましたが、その直後に「日本経済研究センター」という組織が実施した調査によれば、テレビや新聞を信頼して投票した人ほど、2009年8月の衆院選では、比例区で民主党に投票したことが示されています。
経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターHPより)
これをグラフ化すると、図表のとおりです。
図表 情報源と比例区投票先の関係(クリックで拡大)
(【出所】(社)日本経済研究のレポートのP7を参考に著者作成)
そして、今年は、自民党が下野した、あの「政権交代選挙」から、ちょうど10年目の節目でもあります。
新聞、テレビという組織は依然として強固ではありますが、無数のウェブ評論サイト、インターネット番組配信サイトなどが出現し始めていることに、私は希望を感じたいと思うのです。
当ウェブサイトも、「世の中に無数に存在する、大手マスコミとは独立したウェブ評論サイト」の1つとして、マスコミによって歪められた言論空間を正常化する機能を果たせるなら、これは私自身にとって無上の喜びでもあるのです。
当ウェブサイトの目的
最後に、新年にあたり、当ウェブサイトの目的を繰り返しておきます。
当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』の最大の目的は、「読んで下さった方々の知的好奇心を刺激すること」、副次的な目的は「頂いたコメントを私自身が読むこと」にあります。
そして、当ウェブサイトを「言論プラットフォーム」と呼ぶにはおこがましいと思いますが、それでも、世の中にある大手新聞社系の評論サイト、コメントは原則として自由とし、かつ、まとめサイトなどと異なり、過激な論調で読者を釣るのではなく、あくまでも客観的事実をベースにした議論を大切にしていきたいと思います。
どうか本年も当ウェブサイトのご愛読とお気軽なコメントを賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
読者コメント欄はこのあとに続きます。当ウェブサイトは読者コメントも読みごたえがありますので、ぜひ、ご一読ください。なお、現在、「ランキング」に参加しています。「知的好奇心を刺激される記事だ」と思った方はランキングバナーをクリックしてください。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
新年明けましておめでとうございます。
6紙の社説読み比べをした事はありませんが、上京した折に見る東京新聞は、手に取るのも怖いぐらいで(笑)、社説は元より、政治経済面の歪みっぷりは、読んでいて憤りを感じるレベルです。
電子版もおよそ読むに耐えない。『自民党政府を倒せ』『アベガー』が信条のようで、どんな方が読んでいるか、バリバリの偏向左傾人か、およそ私と縁の無い方でしょう。
ここまで贔屓の引き倒しは、異常です。長谷川氏は何故居たのか(笑)。
毎日は朝日の劣化版、社説もその時のポイントの時事ネタ外しがあります。販売ジリ貧納得です。朝日新聞は今なら安倍政権さえ叩けばいい、社説は2本中1本は、少なくとも無理くりに政権批判に持って行く。読むのしんどいし読後感が悪い(笑)。
産経は良い時もあるが、凡ミス、他社にワザとかと思うほど、抜かれるネタ落ちがあります。でも読んですーっと頭に入る。ただ下賤な言い方だが、部数少ないので、僻みと受け取れる論考があります。
日経は経済を謳っている割に、経済記事も政治記事も行数少なく、広告多くで、もうひと掘りして欲しい物足りなさを感じます。読売は正に大衆紙。車で言うとトヨタか。万人受けします(笑)。やや個性が無い。
偉そうに書きましたが、現在新聞は取ってません。自分の頭に固定概念が出来上がってるので、『どうせA社はこうだろう』と無料電子版も読まない事がありますね。
でも大事件の時は買うこともある。新聞に対しては、速報性、新聞社の立ち位置が決まっているので、大きな期待はありません。
明けましておめでとうございます
蟹工船や野麦峠の出来損ない連中が
無理に超えようと
リアルを無視して
ノンフィクション仕立てで
記事を書いているから?
でしょうかw
まだインターネットがパソコン通信だった時代、朝日は熱心に持ち上げていた印象があります。
パソコン通信のみのやり取りで結婚したカップルを記事にしたりしていました。
自分たちが新しいメディアの親分になれるとそのころは思っていたのではないでしょうか
ところがインターネットが普及し、どうやら反朝日の色合いが強いらしいとわかってくると
かわいさ余って憎さ百倍になったようです
明けましておめでとうございます
今年からは海外の新聞に目を向けてはいかがでしょうか
報道のレベルが違います
まずはジャパンタイムズあたりから始めてみては
下記の新聞2社のイメージですが、
産経新聞
家庭新聞と呼ばれていたように家庭欄が充実している新聞です
一般消費者向けの製造・販売業者は必読の新聞
日経新聞
エンドユーザーの情報を毎日新聞と提携して補完していますが、
毎日新聞は自社の記者ですら「読むとこないやん」と言い放つ新聞です
あけましておめでとうごさいます。
一般人が論評をすることがマスゴミの危機なのではなくて、今までは学会誌だけに投稿したり、勝手にマスゴミにコメントを切り貼りされていた専門家が自分で論評を公開する様になったことなのだと思います。
金融会計の専門家が産経新聞や日経の金融・経済記事に突っ込みたくなるのと同じ事が、ありとあらゆる分野で起こってますのでマスゴミの権威などあっというまにボロボロです。
異業種交流会で大手マスコミの若い記者と飲んだことがありますが、「いやーネットで批判されてる様なことは俺らもわかってんですよ・・・。ただ上がねえ・・・。」とこぼしていました。
こんにちは。北韓の実情も興味あります
南韓の記事は、大変失礼ですが、飽きました
あなたの主張は一貫していてブレないのは立派だと思います
でも主張がワカッタ今は、南韓はもうどうでも良いのです。自滅する方向なんだな
昔々、韓国KBSは短波で日本語放送をしていました。
その頃の友好ムードの演出が無くなった今、安倍総理も相当頭に来ていると思います。今回の哨戒機の動画も、安倍総理がプッツンして、トップダウンで公開したのと、ミンシ政権の時に動画を隠して批判された経験もあるんだと思います
どちらにしても、ぃまの流れは、国民の敵報道機関でも、各種上手に利用したら、流れはわかるので、韓国の事は、もつ飽きました
別のなにか、煽り運転とかそういう方面に興味があります
そもそも煽り運転って、遅い!抜かせろ!が目的で、暴力を奮ったりしないものです。
今のは煽り運転じやなくて、犯罪です
カーレースを見れは解りますが、先に行かせろ、それが煽り運転。その区別が付かない国民の敵報道機関を叩いて下さい。
煽って道を譲らないなら、蛇行、パッシングなどて圧力をかけるだけです
それでも道を譲ってくれなかったら、スキを見て抜き去る、それが本来の煽り運転です
そういう間違った言語の使い方こそ、社会に知らせるのを希望します
韓国と日本の関係より、国内で間違った日本語が多様されてます。それを正す評論を期待します
あとね、英語のヘンナ略し方も攻めて下さい
たとえば、ベースアップをベアなどと略します
これから小学校でも英語教育が始まります
春闘と熊ってどういう関係?
悩みますよね。税金を払ってるHHK(本来日本発条の略称まで盗んだ)に投稿したら一年は略さず言ってくれたけど。
私なんか、労働組合に所属するまで、中学から春闘と熊の関係が解りませんでした
そういうダメダメな国内問題も斬りまくって欲しいです
生意気すみません