本日で韓国の「徴用工判決」から丸1週間が経過します。朝日新聞ソウル支局の牧野氏は韓国大統領府がこの問題で「沈黙を守り続けている」と述べていますし、昨日は訪韓した塩崎恭久衆議院議員らに対し、韓国の野党議員との溝が明らかになるという事態も発生しています。では、具体的に日本が「次のステップ」に移るのは、いったいいつでしょうか?私は、遅くとも今月末のG20会合で、安倍総理が「見切り」を付けて決断するのではないかと踏んでいます。
目次
大統領が沈黙守る国
素人集団の韓国大統領府、首相に丸投げして逃げる?
韓国の大法院(最高裁に相当)が日本企業に対し、(自称)元徴用工への損害賠償の支払いを命じたのが、先週火曜日、すなわち10月30日のことであり、本日でちょうど1週間が経過しました。
しかし、私が知る限り、文在寅(ぶん・ざいいん)大統領本人は本件に関して公式なコメントを行っていません。慰安婦合意をひっくり返そうとしたときにも自身でこれについて言及したにも関わらず、それと同等以上のインパクトを持つ徴用工判決について沈黙を守っているのは、いったいなぜでしょうか?
これについて、朝日新聞ソウル支局長の牧野愛博氏が執筆したレポートが、日曜日付で『朝日新聞デジタル』(日本語版)に掲載されています。
徴用工問題、沈黙続ける韓国大統領府 「関与しない」(2018年11月4日00時09分付 朝日新聞デジタル日本語版より)
牧野氏によれば、大統領府関係者は本件について「国務総理室に任せてある。我々は関与しない」と述べているのだそうですが、実際、牧野氏の指摘通り、判決があった30日時点で声明を発表したのは大統領府ではなく、李洛淵(り・らくえん)首相でした。
牧野氏が指摘する問題点は、それだけではありません。
現在、韓国では日本を担当してきた外交部(※日本でいう外務省に相当)の東北アジア局幹部らが「慰安婦問題の処理など政治案件に巻き込まれて次々に更迭」されているらしく、また、外交官出身ではない康京和(こう・きょうわ)外交部長官(※外相に相当)の発言力も弱いそうです。
牧野氏は大統領府関係者らが徴用工問題について判決前、「日本がなぜそれほど敏感に反応するのか理解できない」と語っていたとしていますが、私に言わせれば、韓国大統領府関係者はおそらく政治全般の素人の集団なのでしょう。
なにより、文在寅氏は、口では「未来志向の日韓関係」を唱えつつも、実質的に日韓友好関係の維持、つまり「マネージ」の努力をまったくしていません。これについて、牧野氏も文在寅氏が外交分野で一番重視しているのは南北関係であると指摘していますが、本当に心もとない話です。
わざとなのか?無責任なのか?無能なのか?
本来、本件については首相に一任して逃げられるほどのものではありません。
それなのに、牧野氏のレポートによれば、どうも文在寅大統領はみずからこの問題に向き合おうとせず、逃げ切るつもりのようです。
昨日の『文在寅大統領が破滅させるのは日韓関係ではなく韓国そのもの』のなかで私は、文在寅氏の言動を見ている限り、どうも彼の真の狙いが韓国を滅亡に追いやることだと考えなければ辻褄が合わない箇所が多々ある、と申し上げました。
しかし、牧野氏のレポートを読んでいると、ただ単に「無能かつ無責任すぎて対処できないだけではないか」、という可能性も否定はできません。
つまり、韓国大統領府がこの問題から逃げている理由は、文在寅氏が悪意をもって日韓関係を破綻させようとしているからなのか、単に文在寅氏が無能で無責任なだけなのか、よくわからない、といったところが実情でしょう。
ついに議員外交も行き詰まる
ついに日韓関係に現実的な影響が出始めた?
しかし、現実に韓国大統領府がこの問題から逃げ続けている間に、日韓関係には現実的な問題が発生し始めています。
その兆候の1つが、昨日の韓国メディア『聯合ニュース』日本語版に掲載された、次の記事でしょう。
日本議員団「受け入れられない」 韓国野党代表「我々は被害者」=徴用判決で(2018/11/05 20:36付 聯合ニュース日本語版より)
聯合ニュースの記事によれば、塩崎恭久(しおざき・やすひさ)衆議院議員を団長とする訪韓団は昨日、韓国国会内で最大野党「自由韓国党」の金秉準(きん・へいじゅん)非常対策委員長と会談し、徴用工判決を巡って「舌戦を交わした」そうです。
聯合ニュースの記事から両サイドのやり取りをまとめると、次のようなイメージです(敬称略)。
- 塩崎:1965年の日韓請求権協定により請求権問題は完全かつ最終的に解決済みであり、判決はこれに反するものだ/判決は両国関係の法的基盤を根本から覆すもので、受け入れられない/韓国政府や国会の真摯な対応を求める
- 金:韓国の国民の立場からは、我々は常に歴史問題で被害者だった/韓国人の基本的な情緒によれば、両国関係の発展は日本が我々に被害を与えたという点のうえにつくられるべきだ/次世代指導者の交流のために、日本側から未来志向の発言が出ることを望む
ハッキリ言って、お話になりません。
最大野党で「保守政党」であるはずの「自由韓国党」の関係者ですら、こんな程度の認識なのですから、現在の韓国の与党である「ともに民主党」も含めて、韓国国内の国会議員らが、日本の立場を受け入れるつもりはなさそうです。
また、塩崎氏らは野党「正しい未来党」の孫鶴圭(そん・かくけい)代表とも会談し、同じ趣旨の意見を伝えたところ、孫氏も
「韓国と日本が賠償問題を合理的に解決するよう取り組むべきで、政治的な対決関係に発展させるのは適切ではない/塩崎団長の発言は残念だ/歴史に対し謝罪すべきことは謝罪し、賠償すべきことは賠償しながら未来に向けていかなければならない」
などとして、日本政府や日本の政治家らに対し、韓国への配慮を求めたとしています。
さらに、聯合ニュースの記事では、塩崎氏が与党の「ともに民主党」関係者と面会したという情報は含まれていませんが、もしかして与党議員は日本側の議員との面会を拒否したのでしょうか?
もしそうであれば、もはや日韓の議員外交自体、機能していない、ということではないでしょうか?
日韓議連に所属すること自体がリスクへ
ところで、先ほど引用した聯合ニュースの記事も含め、徴用工判決以降の韓国政府、韓国の政治家、韓国のメディアの主張内容を読み解くと、おそらく彼らの考え方は、次の3点で共通しています。
- ①今回の判決自体、日本の植民地支配の不法性を認め、日本の「戦犯企業」に対し賠償を求める道が開かれたことは非常に良いことである
- ②そもそも今回の判決も、日本側が不法な植民地支配に対し、真の反省と謝罪の姿勢を取って来なかったことから状況が悪化したのが原因であり、日本側にも悪いところがある
- ③ただし、今回の判決が韓日関係に悪影響を与えないようにするために、韓日両国の政府はともに知恵を出し合い、解決策を考える必要がある
この3点に対する、安倍晋三総理大臣、河野太郎外務大臣の認識は、次のとおりです
- ①今回の判決は日韓関係を根底から覆すものであり、到底受け入れられない
- ②日韓の請求権の問題は、1965年の請求権協定により最終的に解決済みである
- ③事態を収拾する責任は100%韓国政府にあり、日本政府にはない
すなわち、日韓両国は今回、完全に対立関係にあり、これを打開するためには、日本が完全に折れるか、韓国が完全に折れるか、日韓双方が譲り合うか、そのいずれかしかありません。
いままでの日韓関係だと、こうした状況を打開するために、日韓双方の政治家が、直接、膝詰めで話をして妥協点を探ることが一般的でした。ですが、昨日の塩崎氏らの訪韓では、日韓双方がみずからの立場を主張してお終い、でした。
いや、むしろ、日本の国会議員が韓国の国会議員と膝詰めで話し合いをして、変な妥協をしてしまえば、日本の有権者の怒りがその国会議員に向く可能性すらあります。ということは、日本の国会議員が訪韓すること、いや、日韓議連に所属すること自体が、政治的なリスクになりかねません。
行き着くところは?
日本の「最後通牒」、再び?
さて、当ウェブサイトでこれまでに取り上げて来た、韓国側のさまざまな要人発言、報道、社説などを総合すれば、韓国側は日本に対し、「過去の歴史問題を巡って韓国に配慮しろ」、という「いつもの要求」を突きつけています。
しかし、残念ながら、この問題については、ここで譲歩してしまえば、日本政府、日本企業、いや私たち日本国民にとって、将来に深刻な禍根が残る岐路でもあります。その意味で、私たち日本人にとっては、本当に譲れない一線を、韓国側が侵犯しようとしているものです。
今回の訴訟を見ていて私が予想している展開とは、日本は最後の最後まで、辛抱して忍耐して、怒りを堪忍袋に溜め込んで溜め込んで溜め込み、やがては破裂してしまって極論に突き進んでしまう、というものです。
「ハルノート」を突きつけられ、いきなり宣戦布告もなしに真珠湾攻撃を行った戦前の日本外交の愚を、よもや繰り返すことはないと思いたいところですが、正直、今回の事態を招いたのも、歴代日本政府(とくに外務省)の無能さと事なかれ主義であるということも事実でしょう。
とくに罪深いのは、朝日新聞が捏造した慰安婦問題を勝手に事実と認定した河野洋平であり、無責任にも謝罪を繰り返した宮澤喜一です。死者に鞭打つつもりはありませんが(※といっても河野洋平はまだ生きていますが)、宮澤喜一と河野洋平の大失敗については、しっかりと認識する必要があります。
冷静かつ沈着に、事実を突きつけるのが先決
歴史に皮肉があるとしたら、河野洋平の犯した「慰安婦合意という誣告(ぶこく)犯罪で韓国側に全面譲歩した」という大失態の始末を、その息子である河野太郎氏が付けようとしている、という点ではないでしょうか?
そして、私が見たところ、河野太郎氏は「主張すべきは主張する」という、外務大臣として絶対にやらなければならない「当たり前のこと」ができる、非常に珍しい人物でもあります。
たとえば、昨日も紹介したとおり、河野外相は日曜日に、米国メディアBloombergに対し英語でインタビューに応じ、補償は全面的に韓国側に責任がある、とする立場を早速に説明しています。
河野外相、補償は「韓国側に責任」ー徴用工判決(2018年11月4日 15:55 JST付 Bloombergより)
日本の悪いところは、我慢に我慢を重ね、ある日突然キレて最後通牒を突きつけることがある、という点です。旧帝国陸軍、旧帝国海軍のように、カッとなって対米宣戦布告というとんでもない行動を取ってしまい、敗戦したことは、日本が反省しなければならない点です。
ところが、私が見たところ、現在の日本政府は、いまのところ冷静にこの問題を処理しようとしています。
日本政府はいきなり韓国側に「日韓断交」を通告するのではなく、まずは政府・外交チャンネルや議員チャンネルなどを通じて、「そもそも判決自体が国際法に照らしてあり得ないものだ」という点を集中的に説得しているからです。
しかも、普段ならば日本側から出てくるはずの、「日本政府や日本企業などが拠出する基金でも作って、そこから補償させる」といった「玉虫色の決着案」が、今回、日本側からはまったく聞こえて来ません。
業を煮やしたのか、元駐日大使がその決着案に言及しましたが(『駐日大使らが「韓日双方が努力すべき」、そんな認識で大丈夫?』参照)、おそらく現在の河野外相のスタンスから判断する限り、この手の決着が図られる可能性は限りなくゼロに近いと考えて良いでしょう。
「次のステップ」はいつか?
ただし、「説得を試み、それでダメならば、『次のステップ』に移行する」、というアプローチ自体は私も支持しますが、問題は「どこまでやれば『次のステップ』に移行するのか」、というタイミングだと思います。
具体的には、今月末にアルゼンチンの首都・ブエノスアイレスで開催される「G20首脳会議」にあわせて、安倍総理が文在寅氏と会う機会があります。仮に文在寅氏が、徴用工判決から逃げる(あるいは会談そのものから逃げる)ようであれば、安倍総理としても「次のステップ」を検討する必要があります。
いや、もっと手前で、早ければ今月上旬にも韓国政府が慰安婦財団の解散に踏み切る可能性がありますが、これが行われた場合に、日本政府は何らかの対抗策を打ち出してくる可能性もあるでしょう。
ちなみに、私が推奨する「対抗策」は、『徴用工判決「毅然たる措置」ビザ厳格化と外為法金融制裁は?』でも述べたとおり、大使の一時帰国措置に加え、観光ビザ免除プログラムの部分的運用停止措置や外為法に基づく対韓金融制裁などです。
ただ、こんな状態になってしまって、韓国政府としては、さすがにこのタイミングで慰安婦財団の解散に踏み切ると決断できないのではないでしょうか?(もっとも、文在寅氏のことだから、何も考えずにそういう決断を下しても不思議ではありませんが…。)
仮に、慰安婦財団の解散がなされない場合には、今月末までこの日韓の膠着状況が続くことになる、というのが現段階における私の予想なのです。
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都合の良い憶測や自分のものさしを相手に当てはめることは我々日本人の性向です。そしてこれは将来に渡って変わることはないのでしょう。多少の軌道修正はするにしろ根本は同じままだと思います。朝鮮半島の人々がいつまでも変わらなように。
好悪両面を持ちますので、これらが一様に悪いというつもりはありません。我々が誇りに思うこの豊かで美しい文化の土台にもなっているはずです。と同時にこれがもとで太平洋戦争では痛い目を見ましたし、戦後の韓国との関わり方も同様でした。
本題です。
慰安婦財団の解散、十分あり得ると思います。あっても不思議はないかと。
そう思い直すくらいの軌道修正は必要だと思います。
小生はWTOに提訴されないレベルの経済制裁を提案します。まず、日本が持っているウォンがどの程度あるのか分かりませんが、日本はかなりのウォンやウォン関連資産を持っていると推測します。韓国が常に外貨不足に悩まされる中、日本だけはウォン決済で韓国を助けている機関や企業が多いと推測します。そこで、日本国内の手持ちのウォンを売れば、韓国は市場介入をしてきますので、手持ちの外貨が減少し日本に泣きついてくるでしょう。次に日本が韓国に輸出しているシリコンウエハー等の原材料を競争入札にしましょう。恐らく、韓国、中国、台湾の競り合いになると思いますが、中国に高値で落札されると思います。
しかし、これらは全て小生の妄想であり、実際にできるとは思っていません。
駄文にして失礼します
就労ビザの一部規制だけで、十分ですよ。中国のように芸能ビザをシャットアウトでもいいでしょう。
WTOなんかまったく抵触しません。
こんな記事がありました。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/11/06/2018110600596.html
釜山で日本企業の就職博覧会、韓国各地から人材殺到
>日本のIT企業担当者は「人手が足りないので、言葉が通じ、能力もある韓国の青年を多数採用している。時々会社を突然辞めて姿を消すケースもあるため、面接で長期間勤める人物かどうかを見極めようとしている」と説明した。
www。
りょうちん様
この件で日本企業側が気付いてないところは、韓国の高学歴人材は日本で働くと恐らく摩擦を起こします。日本語、英語ができるとなると最低でも修士でしょう。そのような人材はプライド塊で、すぐに上下関係を作ります。日本の場合意思疎通の円滑さや報連相等、会社内で求められる雰囲気作りが重要になる場合がありますが、高学歴韓国人は上司にはそのように接しますが、部下にはほぼ横柄な態度です。学歴が下がってくるとそうでもなくなるのですが、如何せん能力も下がってきます。10年も韓国で暮らしていて、韓国から出たことがなく、性格が良く、プライドをひけらかさない高学歴な韓国人は小生が知る限り10人もいません。
駄文にて失礼します
経済制裁はするべきですね!特にシリコンウエファーの輸出規制は入札でなくとも、かなりの効果があるでしょうね!サムソン電子、LGは韓国の輸出金額のかなりのウエーイトを占めていますから効果的ですね!
日本に経済制裁が発動されれば、韓国民は自分たちの生活がどうなるか、真剣に考えた方がいいですね。
昨今日本の中小企業が韓国人採用の窓口を広げて、韓国人の応募が殺到しているようですが、これは韓国経済がボロボロの証だと思われます。
つまり働く場所が韓国にはないからです。
日本の中小企業は国益の為にも、暫くは韓国人の採用は止めるべきと思います。
ICJ提訴すれば済む話。
まともな議論は成り立たない。
約束破るんだから二国間解決は無理。
全て突っぱねて、異論があればICJで戦えばいいと言い放ってやればいい。
蛇足ながら気になったところ
>日本の悪いところは、我慢に我慢を重ね、ある日突然キレて最後通牒を突きつけることがある、という点です。旧帝国陸軍、旧帝国海軍のように、カッとなって対米宣戦布告というとんでもない行動を取ってしまい
前半の「我慢に我慢を重ね、ある日突然キレてと」というところはそのとおりだと思います。ただ、宣戦布告についてはカッとなった訳ではなく、日本陸軍は中国を通じて米国の暗号電文を解読していましたから、米国が日米交渉を決裂させることは分かっていました。当時の国際法では宣戦布告をしてから攻撃するようになっていましたが、守る国はなく事後に宣戦布告しています。日本軍は当然、宣戦布告無しで攻撃の予定でしたが、天皇のたっての要望で米国のみ宣戦布告したのです。結果的に遅れて非難を浴びせましたが、米国だって朝鮮、ベトナムやイラクに宣戦布告はしていません。
どうも戦前の日本軍のみが悪者になっていますが、調べてみるとむしろ軍の方が戦争を抑えるようにしていたことが分かります。これも朝日新聞等のメディアのせいだと思います。
>天皇のたっての要望で米国のみ宣戦布告したのです。結果的に遅れて非難を浴びせましたが、
まあ、そういう高尚な歴史的背景はさておき、在米日本大使館のパリピ外交官共が遊んでて暗号解読サボって間に合わなかったという事実は動きませんな。
もっとも問題なく暗号解読ができていたとしても、最初の攻撃から20分の猶予しか無かったという。宣戦布告は形式的なものでしかありませんでした。
戦後に外務省がその件を調査したのですが、よほどひどい事実だったのか結果を発表しませんでしたw
おまけに、戦後の情報公開で、日本大使館の暗号解読より、米国の暗号解読の方が早かったという笑い話が発覚orz。
ただし、日本が攻めてくるのは知っていたけれど、大規模な空母機動艦隊でハワイを空襲するなんてのは当時の発想では予想できず、ビックリしたのは本気でしょう。だからあんなに逆ギレ?したわけで。
(自分たちがマヌケだったのを誤魔化すために相手が卑怯だったとやたらと強調したわけですね)
今の時代、空母が最大の戦力投射の手段であるのは米軍が一番良く理解していますが、マレー沖海戦による大艦巨砲時代の終焉など、当時の日本軍人の発想力だけはすごかったですな。
しかし、そのあとどうなるかという想像力には欠けていた・・・。
すんません。あとのエントリとの整合性がとれないので
>宣戦布告は形式的なものでしかありませんでした。
の部分は削除で後のエントリに繋げてください。
なんども失礼。
>日本大使館の暗号解読より、米国の暗号解読の方が早かったという笑い話が発覚orz。
は
日本大使館の暗号復号より、米国の暗号解読の方が早かったという笑い話が発覚orz。
の方が誤解を生まなかったですね。反省。
りょうちん様
暗号解読をしたのは陸軍であって外務省ではありません。また、宣戦布告文をみると11ページあって、10ページはアメリカに対する天皇の考え方で、肝心の宣戦布告は最後の1ページで、しかも遅れて届いています。間に合わないように打電したのです。戦後、米国大使館の外交官が罰せらなかったのはそのためです。ある外務大臣は暗号を使うのは卑しいことだといっていましたので当時の外務省の暗号解読能力はほぼゼロでしょう。
米軍は外務省と海軍の暗号は解読していましたが、陸軍の暗号は破られていません。
マニアックな話になりますが、
>また、宣戦布告文をみると11ページあって、10ページはアメリカに対する天皇の考え方で、肝心の宣戦布告は最後の1ページで、しかも遅れて届いています。
おそらく、それは「対米覚書」のことと誤解されているのだと思いますが、実はそれは公式な宣戦布告文とは見なされていません。単に
「ハルノートとかマジふざけてんの?外交的交渉を打ち切るよ。もう知らない!!」
としか書かれていません。事前に解読された文書を読んでたコーデル・ハルも「つまりこれは戦争になるんだね」と「事実上」の宣戦布告と受け止めたものの、本当の宣戦布告文は、真珠湾攻撃の8時間後に出した「米国及英国ニ対スル宣戦ノ件」の勅書のことです。ですから外務省のマヌケ共のポカは関係なく、「宣戦布告無しに奇襲した」という言い分は成立します。
ただ個人の感想ですが、ハルノートなんかで煽っておいて、日本がキれるのは折り込み済みだったと思うので、汚いなさすが米国汚いとしか思いませんけど。
当時、陸軍・海軍・外交暗号の三種があり、開戦の時点に破られていたのは外交暗号のパープル暗号だけでした。
海軍の暗号が破られたのは開戦後。
レッド暗号・パープル暗号のいずれも海軍が開発したもので、陸軍は関与していません。
いくら工夫した暗号理論でも運用する人間がマヌケだとすぐに破られます。
もともと外交暗号として使用していたレッド暗号を、ドイツのエラい人から「それバレバレw」と指摘されたのでパープル暗号に更新したのですが、なんと外務省は、同じ文章をレッド暗号・パープル暗号で送信するという考えられないミスをしたり、対照平文を送るとか、インテリジェンスのなんたるかを全くわかっていませんでしたので、そこを突破口に破られました。
>間に合わないように打電したのです。戦後、米国大使館の外交官が罰せらなかったのはそのためです。
>ある外務大臣は暗号を使うのは卑しいことだといっていましたので当時の外務省の暗号解読能力はほぼゼロでしょう。
これも事実誤認です。大使館の電信課員は、外務省の所属です。
「最後通牒」は作戦開始直前の時間に通知するように着信し、時間指定してありましたが、遊んでたので指示通りにはいきませんでした。今も昔も害務省www。
罰せられなかったのは、単なる身内に甘い体質なだけでしょう。
当時の日本大使館の職員が、現地職員のせいにだけするのはずるいと言っていましたが、一分の理はあります。
あと暗号を使うのはお仕事でも、暗号を破るのは、外務省の仕事ではありません。
暗号関係に興味がおありでしたら、
「暗号に敗れた日本 太平洋戦争の明暗を分けた米軍の暗号解読」
とい書籍がオススメです。