立憲民主党、「政策よりも選挙が大事だ」とつい認めてしまう
週末、国民民主党の玉木雄一郎共同代表は立憲民主党に対し、共通政策の策定を呼び掛けたものの、立憲民主党の枝野幸男代表は「現時点で政策の擦り合わせは考えられない」が「選挙協力ならする」との姿勢を明示しました。あれ?ということは、「政策より選挙が大事」とする本音をポロッと漏らしてしまったということでしょうか?
目次
2018/07/23 11:55 追記
記事文中で誤字を訂正しております。匿名のコメント主様、ご指摘を賜り大変ありがとうございました。
どうしても1人で執筆しているためでしょうか、この手の誤字、脱字が多くてご迷惑をおかけしております。どうか今後ともご忌憚のないご指摘を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
あれ?民進党が再合流?
立憲民主党「政策より選挙が大事」
各種報道によれば、国民民主党の玉木雄一郎共同代表は21日、立憲民主党に対して共通政策の策定を呼び掛けましたが、22日になり、同党の枝野幸男代表は「現時点で選挙に向けた政策の擦り合わせは考えられない」と否定したそうです。
枝野氏、共通政策に否定的 参院選、野党共闘巡り(2018/7/22 18:08付 日本経済新聞電子版より)
立憲・国民、参院選で協力模索=1人区の共倒れ回避狙う(2018/07/22-14:24付 時事通信より)
(※なお、上に示したリンクのうち、日経電子版の記事には共同通信のクレジットが入っています。)
ただ、私がこれらの記事を読んでよくわからないのは、立憲民主党側が共通政策のすりあわせを否定しておきながらも、参院選では1人区の共倒れを回避するために、1人区における選挙協力には前向きだ、とするくだりです。
「32ある改選1人区では野党5党1会派での一本化を図るべきだが、複数区は各党が切磋琢磨し党勢を拡大すべきだ」(共同通信)
「安倍政権よりましな政権をつくるべきだという5党1会派が、1人区で候補者を一本化すべきだ」(時事通信)
と、報道する社によって枝野氏の発言内容の細かい点は異なりますが、これらの報道から読み解く限り、どうやら立憲民主党と枝野氏の立場は、
- 政策の擦り合わせには応じない。
- 来年の参院選では複数区での候補者調整には応じない。
- 1人区では5党1会派が候補者を一本化すべきだ。
とするものであることは間違いなさそうです。言い換えれば、枝野氏は「政策よりも選挙こそが大切だ」という本音を、思わず露呈したのとまったく同じでしょう。
衆参あわせて173議席という一大勢力
各種世論調査で見る限り、立憲民主党は野党で最大の支持を誇っていますが、それでも来年の参院選で、現有勢力を維持することができるのかと問われれば、そこは微妙です。また、国民民主党に至っては、参院の最大野党でありながら、政党支持率は1%前後に過ぎないという惨状にあります。
ところで、立憲民主党と国民民主党の主流派は、もともとは民主党(のちの民進党)に属していました。また、昨年秋の衆院選で民進党が四分五裂した際に、民進党籍を残したまま衆議院で「無所属の会」を結成した議員や、会派に属さない無所属の議員なども存在します。
旧民主党、旧民進党のいずれかに属していた議員や、立民、国民、「無所属の会」のいずれかの会派に属している議員という条件で、改めて集計してみれば、これらの勢力は173議席(うち衆議院123議席、参議院50議席)にも達します。
旧民主党系議員の合計
- 立憲民主党…78議席(衆55+参23)
- 国民民主党…63議席(衆39+参24)
- 無所属の会…13議席(衆13)
- 無所属議員…19議席(衆16+参3)
要するに、「旧民主党・旧民進党」系が1つの政党にまとまれば、衆参両院で堂々の野党第1党の地位を回復することができます。実際、昨年の衆院選では、旧民進党が四分五裂したおかげで、かえって衆議院の議席数が増えたくらいだからです。
ここから得られる結論は何かといえば、決まっています。もし彼らが政権奪取を目指すならば、小異を捨てて、今すぐ合流すべきであり、共通政策を策定し、さらに党勢の拡大を目指すべきである、とするものです。これ以外に選択肢はありません。
共通政策が作れない理由
では、なぜ彼らは合流しないのでしょうか?いや、そのまえに、なぜ政策すら共通化しないのでしょうか?
私の仮説で恐縮ですが、その理由は、彼らのうち、とくに立憲民主党が、政権奪取を目指していないからだと思います。いわば、「議員先生」で居続けること自体が自己目的化していて、責任を持って政権を取るという覚悟がない、ということです。立ち位置として見れば、旧社会党にそっくりです。
なぜ私がそう判断するのかといえば、同党の国対委員長でもある辻元清美衆議院議員が主導した「もりかけ国家」「勝手に20連休戦略」などを見ている限り、どうも立憲民主党には前向きに政策を議論するという意思がなく、「とにかく政府・与党の足を引っ張る」ことしか考えていないと感じざるを得ないのです。
要するに、「議員先生」という立場から1億円ともされる人件費を国からかすめ取り、偉そうに官僚らをどやしつけ、政府・与党が出してくる法案にイチャモンだけつけ続けていれば、それだけでマス・メディアが自分たちのことを持ち上げてくれるという心地良さに慣れてしまったのでしょう。
私自身は、国民民主党、立憲民主党のいずれも支持していませんが、敢えて申し上げるなら、まだ共通政策の策定を呼び掛ける国民民主党の方が遥かにマシだと思います。
新党名を募集したら…?
さて、余談ですが、国民民主党が立憲民主党に対して共通政策の策定を呼び掛けたという話題を見て、もし共通政策を打ちたてるのなら、いっそのこと再度合流すれば良いのに、と思ったことも事実です。その場合の新党名は、いったい何でしょうか?
「ともに民主党」でしょうか?それとも「もう一度民主党」?あるいは「帰ってきた民主党」なんていう党名も良いかもしれませんね。私がイチオシなのは「新党モリカケ」ですが、「名は体を表す」の格言に従うならば、「新党国民の敵」なんていう党名も良いかもしれません。
新党名私案
- 新党モリカケ
- ともに民主党
- もう一度民主党
- 帰って来た民主党
- 新党「国民の敵」
獣医師会の関連団体から100万円という巨額献金を受け取った玉木雄一郎さん、過去に逮捕されて実刑判決を喰らい収監されていた辻元清美さん、二重国籍疑惑をいまだに説明していない村田蓮舫さん、ガソリンプリカで知られる不倫女王の山尾志桜里さん。
セクハラ王の初鹿明博さん、青山雅幸さん。息子が性犯罪者の小川勝也さん。泥酔タクシー事件で知られる後藤祐一さん。証券会社から5000万円の裏金を受け取ったと報じられている細野豪志さん。いずれも「国民の敵」に相応しいみなさんです。
最後は国民の矜持が大事
違う意味でブレない立憲民主党
…とまぁ、いろいろと党名を考えてみましたが、ここで本論に戻ります。
そもそも論として、「民進党左派」である立憲民主党は、すでに政権を奪取することを諦めた人たちであり、「日本共産党ほどの極論ではないにせよ、朝日新聞や毎日新聞などの報道を盲信する人たち」を主要支持層として固めています。
このため、国民民主党がいくら共通政策策定を呼び掛けたところで、立憲民主党がこれに応じることは絶対にないでしょう。立憲民主党の存続目的は、「政策に責任を取らなくて済む野党という立場から、議員先生で居ること」自体にあると考えられます。
立憲民主党の基本スタンスは、
- 選挙が一番大事。
- 政策よりも政局、国民生活よりもパフォーマンスを重視する。
- 改憲を絶対に阻止する。
という点でブレないと考えて良いでしょう。
一方で、国民民主党は民進党右派のなれの果てですが、「朝日新聞読者層」などの支持を固めることにも失敗しています。立憲民主党と異なり、今後、選挙のたびに議席を減らしていくことは確実であり、今すぐ衆議院の解散総選挙が行われた場合には、壊滅的打撃をも覚悟しなければなりません。
逆に言えば、国民民主党が支持率の圧倒的な劣勢を挽回するためには、立憲民主党とは明確な違いを打ち出すのが良いと思います。たとえば、日本国憲法の改正議論などを含め、与党とも是々非々で連携する、といった姿勢を見せれば、もしかすると国民からの支持率にも変化が生じるかもしれません。
ま、無理だと思いますけどね(笑)
国民が賢くなる必要がある
立憲民主党は、国民民主党とは政治的なスタンスが微妙に異なり、より先鋭的に「政府・与党の足を引っ張る」ことをウリにしている政党です。その意味では、国民民主党の方が少しはマシですが、ただ、私に言わせれば、国民民主党も立憲民主党も、「国民の敵」という意味では大差ありません。
しかし、不思議なことに、さまざまな世論調査から判断するかぎり、今のところ立憲民主党は野党のなかで最大の支持を得ており、今すぐ選挙をやれば、下手をすれば立憲民主党は議席を積み増す可能性すらあります。
しかし、それと同時に『朝日新聞、「ネット層ほど内閣支持率が高い」とついに認める』でも述べたとおり、SNSなどを使う人の間では、内閣支持率が高めに出るという調査結果が出ていることは事実です。立憲民主党の支持層も、新聞・テレビを盲信する人たちではないかとの疑いを抱かざるを得ません。
つまり、国民がますます新聞・テレビを見捨て、SNSなどのインターネットを重視するようになれば、おのずから立憲民主党や日本共産党などの「国民の敵」は議席数を落としていくはずなのです。
その意味で、『朝日新聞、「ネット層ほど内閣支持率が高い」とついに認める』でも紹介した、朝日新聞の次の記事については、折を見てもう一度取り上げても良いと思っています。
SNS参考にする層ほど内閣支持率高め 朝日世論調査(2018年7月16日04時57分付 朝日新聞デジタル日本語版より)
そして、私は、自民党に対抗し得るまともな政党が出現するためには、国民一人ひとりが賢くなる以外に方法はないと確信しているのですが、この点についても、当ウェブサイトでは今後もしつこいくらいに繰り返し訴えていきたいと思います。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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「そして、私は、自民党に対抗し得るまともな政党が出現するためには、国民一人ひとりが賢くなる意外に方法はないと確信しているのですが」
意外⇒以外では?
訂正後、このコメ消してOKです。
匿名のコメント主様
ご指摘を賜り、大変ありがとうございました。さっそくに修正いたします。
一人で執筆しているためか、最近、とくに誤字・脱字が多いような気がします。
どうか今後ともご指摘を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
ご主旨はよくわかります。ただ自民党も、参議院議員の議員定員を「特別枠」で4名増やすなどと言う姑息な「選挙対策」をやるのは感心できません。これで肝心の憲法改正に必要な議員数確保に悪影響が及ぶとしたら逆効果です。