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フランス革命記念パレードと旭日旗はわが国にとっての岐路

7月14日の「フランス革命記念パレード」に、わが国の自衛隊が日の丸と旭日旗を掲げ、威風堂々と行進して来ました。安倍総理は欠席しましたが、このことが悔やまれてなりません。

フランス革命と旭日旗

7月14日といえば、フランス革命の記念日です。今年も例年どおり、現地時間の14日にパリ・シャンゼリゼ通り(Av. des Champs-Élysées)で大規模な軍事パレードが行われました。

今年に関していえば、「日仏修好通商条約」から160周年の節目という事情もあり、フランス共和国政府がわが国の自衛隊を招待。陸上自衛隊から7人がパレードに参加し、日の丸と旭日旗を掲げ、堂々と行進しました。

革命記念日パレードに陸自参加=日仏外交160周年で-パリ(2018/07/14-21:28付 時事通信より)

リンク先の時事通信の記事には、いちおう、写真も掲載されているのですが、少し小さくて分かり辛いと思います。これについては、シンガポールのメディア『ストレイツ・タイムズ』(Straits Times)がアップロードした動画がわかりやすいと思います(リンク先は動画の55:41以降でスタートします)。

今回、日本だけでなくシンガポールからも招待されていて、向かって左側にシンガポールの国旗、右側に日の丸と旭日旗が翻り、威風堂々と行進している様子が確認できると思います。

もちろん、この行事の最大の趣旨はフランス革命を祝うというものであり、あくまでも主役はフランス革命の結果成立したフランス共和国政府でしょう。しかし、主賓席のエマニュエル・マクロン仏大統領やリー・シェンロン・シンガポール首相らが立ち上がり、自衛隊と日の丸と旭日旗に拍手を送っている姿は印象的です。

韓国が旭日旗に「キレる」

まったく予想どおりの韓国の反応

ところが、この旭日旗に噛み付いたのが、韓国メディアです。

「旭日旗を翻しながら」 パリ市内を行進した日本自衛隊(2018年07月16日10時01分付 中央日報日本語版より)

2012年のロンドン五輪以降、韓国は日本の旭日旗を敵視し始めており、全世界で旭日旗の使用を禁止するよう、政府・民間を挙げて、猛烈なロビー活動を行っています。『中央日報』日本語版の記事も、後半でなぜか、次のように述べています。

フランス刑法第645-1条には「ナチスなど反人類行為犯罪を犯した集団を連想させる装飾などの着用または展示を禁止し、これを犯した場合は罰金刑に処する」という内容がある。ナチス・ドイツの象徴であるハーケンクロイツ模様の使用は厳格に禁じられているが、同じ意味を持つ日本の旭日旗を国家的行事に堂々と掲げて行進することを許した点は、日帝強占期の被害国の事情は考慮していないと解釈される余地がある。」(※下線部は引用者による加工)

「旭日旗がナチス・ドイツの象徴であるハーケンクロイツと同じ意味を持つ」とは、実に奇妙な説明です。少なくとも自衛隊が日の丸と旭日旗を掲げてシャンゼリゼ通りを堂々と行進したという事実は、フランス共和国政府が旭日旗を「ハーケンクロイツと同じ意味を持つ」とは認識していない証拠でしょう。

いや、もう少し厳格に言えば、そんなことを言っている国は、世界広しと言えども、今のところ韓国だけでしょう。中国ですら、旭日旗を問題視しているとはいえません。

「ウソも百回言えば」…

ただ、どうして私がこれをわざわざ取り上げたのかといえば、韓国が歴史を捏造し、日本を「悪者」にしていくプロセスが、非常に分かりやすく示されているからです。

もともと、韓国は旭日旗をまったく問題視していませんでした。問題となったきっかけは、2012年、ロンドン五輪のサッカーの試合で、日本戦で韓国の朴鍾佑(ぼく・しょうう)選手が「独島は我が領土」(독도는 우리땅)と掲げたプラカードを掲げてフィールドを駆け回ったことにあります。

ところが、次の中央日報日本語版の記事によれば、韓国のネット・ユーザーらが、朴選手がこのような暴挙に出た理由について、「旭日旗が五輪競技場に登場したこと」に激高したためである、といった、苦し紛れの言い訳を始めました。

韓国ネットユーザーら、「旭日旗のほうが問題だ」(2012年08月12日13時02分付 中央日報日本語版より)

明らかに自分たちの側に100%の問題がある場合に、「相手にも過失がある」と言い張るのは彼らの常套手段ですが、韓国人側は本気で「旭日旗はナチスだ」と主張しているのです。

現時点では世界は「何をバカげた主張をしているのか」と思うかもしれませんが、放っておけば、従軍慰安婦問題や日本海呼称問題と同じく、全世界で旭日旗が「戦犯旗」などとする主張が、世界で広まってしまうことは間違いないでしょう。

いい加減、日本の外務省も仕事をしてほしいものです。

安倍総理が出席しなかったこと

もう1つ、今回の革命パレードで思うところがあります。今回の革命記念日パレードは、西日本豪雨への対応で海外出張を取りやめた安倍総理の代わりに、河野太郎外相が参加しました。これは非常に残念なことです。

安倍総理外訪中止:私たち一般人こそ、常識を持つ必要がある』でも申し上げましたが、豪雨を初めとする自然災害への対応は、安倍総理としては指示だけ出してあとは現場に任せるしかありません。その意味で、安倍総理の海外出張中止は、単なる政治パフォーマンスに過ぎません。

もしここで、安倍総理がマクロン大統領と並んでフランス革命パレードを観閲していれば、日仏の特別な関係を世界に知らしめる、絶好の機会だったと思います。場合によっては、将来の「日仏同盟」の成立すら視野に入れる機会となったかもしれません。

私は、日本が日米同盟に加え、将来、英国やフランスとも準同盟関係になるべきだと考えています。ただ、安倍政権が外交に注力しようとしても、日本国内で足を引っ張る勢力が存在することは、本当に由々しき問題であると言わざるを得ないのです。

その意味で、安倍総理が国益を無視し、下らない政治パフォーマンスをしなければならないほど、現在の日本は腐敗しているということでもあります。特にマス・メディアと野党の罪は大きいと言わざるを得ないのではないでしょうか?

新宿会計士:

View Comments (6)

  • 今回のパレード参加を、朴槿恵の抗日勝利パレード参加の様な意味付けをするには弱い様な気がしますがね。
    別段陣営鞍替えの意味合いもないし、「儀礼」以上の意味はない。
    意味が変わったのは、むしろ米国・英国・豪に続いて、共同兵器開発の相手国として4カ国目としてフランスを選んだ時点だと思います。

  • 「旭日旗があってカッとなった」と言い訳したのは2011年のアジア杯日本戦で猿真似ポーズをしたキ・ソンヨンですね。
    日本のネットを見るとこれがきっかけで韓国の旭日旗狩りが始まったと思っている人が多いようですが、実際にはその数年前に韓国の若者の間で旭日旗デザインが大流行し、芸能人が旭日旗(のような放射線のデザイン)の衣装を着たり、グッズを出したりするようになったところから反日政治家や反日マスコミが問題視し始め、それに韓国ネット民が乗っかって旭日旗(のようなデザイン)を見つけてはクレームを入れて謝罪に追い込む、という流れが生まれたようです。
    おそらくキ・ソンヨンはこの騒動を知っていたから「旭日旗があった」と言えば言い訳できると思ったのでしょう。

  • 今回の訪問では中国に軍事技術の提供を行っていたフランスを、再びこちら側に呼び戻し、外務防衛閣僚会議(2+2)と役務提供まで進んだ関係を更に準軍事同盟に近いところまで、踏み込んだ話もできれば良いなと思っていました。そうなるとEU内では中国ロシアとべったりのドイツを除いた実力のある英仏と関係を強化でき軍事だけでなく、将来必ず起きるパンダ危機とユーロ危機への対応も話ができるようになると。
    またシンガポールと並んで行進することで、過去よりも将来を考えて関係を深める両国というものを韓国、中国に見せつけることができます。シンガポールには立派な日本軍による犠牲者の慰霊碑もあり、華僑系住民の犠牲者は少なくありませんでした。しかしいつまでも後ろ向きではいけない。発展のためには友好をというところはさすがは客家!と思ってしまいます。
    シンガポール海峡は日本、中国にとって最重要な地域なので、返す返すも訪問キャンセルは残念です。

  • たしかフランスも日米同様に北朝鮮との国交のない欧州でも珍しい国です。
    ぜひとも安倍総理に出席して自由と民主の国との絆を世界にみせつけてほしかったです。