文部科学省の前事務次官である前川喜平氏が、順調に「暴走」しているようです。ことわざにある「小人閑居して不実をなす」の典型例を見る気がするのは、私だけではないと思います。
目次
小人閑居して不善を成す
前川さん、あなたがそれを言いますか?
前川喜平・前文科省事務次官が順調に「暴走」しています。
菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官に毎回、おかしな質問をぶつけることで有名な東京新聞の「名物女性記者」や、「ゆとり教育」の推進者として有名な元文科官僚などとともに「ニコ生」に出演してみたり、各地で怪しい集団が開催する講演会に出てみたり、と、各地で活発に活躍(?)されているようです。
こうしたなか、一昨日の産経ニュースの報道によれば、前川氏は11日、都内で講演し、「(安倍晋三総理大臣が)嘘つきだということはほぼ証明されている」と述べたのだそうです。
「安倍晋三首相の嘘つきは証明されている」 前川喜平前文科次官が講演 「面従腹背は役人必須の技術」と強調(2018.7.11 23:15付 産経ニュースより)
産経ニュースによると、前川氏が「安倍さんは嘘つきだ」と述べた理由のは、安倍総理が「加計学園の獣医学部の新設計画を知ったのが2017年1月20日だった」と答弁した点にあるのだそうです。しかし、これには前川氏の側にこそ、明確な事実誤認があります。
安倍総理は2017年7月24日(月曜日)の衆議院予算委員会で、当時の民進党の所属議員だった大串博志委員の質問に対し、
「構造改革特区において加計学園の獣医学部新設が申請されているという事実を知ったのが2017年1月20日だった」
と述べているのです。
つまり、「加計学園が獣医学部を新設しようとしていたこと」そのものではなく、「構造改革特区を使って」申請しようとしている、という事実を安倍総理が知ったのが2017年1月20日だった、ということです(※余談ですが、産経も記事の中で、「前川氏の事実誤認」について明確に指摘すべきでしょう)。
ただ、この少し調べたらすぐに分かるような事実誤認(あるいは捏造?)に基づいて、前川氏は安倍総理のことを「嘘つき」だと罵っているのです。明らかな名誉毀損でしょう。
ところが、産経ニュースによれば、前川氏は「安倍さんを嘘つきだといってもこれは名誉毀損(きそん)にあたらないと思う」と述べたうえで、次のように持論を繰り返したのだとか。
「全ての役人は多かれ少なかれ面従腹背(めんじゅうふくはい)している。役人にとって必須の技術だ」/「政治がおかしな方向に行くとき、役人がとれる方策は面従腹背しかない」
もはや、呆れて物も言えません。こういうのを「小人閑居して不善を成す」、の典型的な事例というべきでしょう。
前川氏の違法行為の数々
当ウェブサイトでも繰り返し指摘して来たのですが、前川氏には、さまざまな違法行為を行ってきた疑いがあります。
『【朝刊】エリート選抜試験そのものが制度疲労を起こしている』のなかでも指摘したのですが、その主な物だけでも、次のとおりです。
- 文部科学省行政の事務方のトップとして、獣医学部の新設を禁止する法律など存在しないのに、獣医学部などの新設を受け付けないとする違法な文部科学省告示を放置していたこと
- 一連の天下り規制に違反して、公然と天下りを取りまとめ、差配していたこと
- 自身が新宿・歌舞伎町にあるいかがわしい飲食店で違法買春を行っていたなどのスキャンダルが報じられていること
もちろん、正式に刑事告発されたわけでも、起訴されたわけでもない以上、前川氏を「犯罪者だ」と決めつけるのは行き過ぎでしょう。しかし、それと同時に、明らかな違法行為の数々を行っている前川氏を、自主退職とはいえ円満退職させ、退職金を支払った官邸の詰めの甘さが、仇になった格好です。
どうして官邸が前川氏を刑事告発などもせず、また、懲戒免職処分とせずに円満退職にしたのかは、私にはよくわかりません。これだと、前川氏自身が「中曽根康弘元首相の姻族である」という理由に基づき、かなり甘い処分が下されたのではないかと疑われても仕方がありません。
前川氏が主張する「面従腹背」が何を意味しているのかは定かではありませんが、少なくとも法律を破ることを「面従腹背」とはいいません。彼がやってきたのは、限りなく汚職、あるいは犯罪に近い行為ではないでしょうか?
「利用する側」ももう少し考えたら良いのに
ただ、前川氏の最近の言動からは、彼が本心、あるいは信念から極左集団に近寄っているというよりは、むしろ、違う動機に従って動いているようにも思えます。その動機とは、ずばり、「安倍晋三(氏)への逆恨み」です。
このあたり、反日組織が韓国や北朝鮮、中国といった反日国家と結託するのと事情はよく似ています。朝日新聞が社説でやたらと北朝鮮や韓国や中国を持ち上げるのも、別に朝日新聞がこれらの国と仲が良いからではなく、むしろ、「日本を貶めるために利用できるものを利用している」だけだと思うのです。
前川喜平氏が文部科学省の事務方のトップを務めていたにも関わらず、やっていることは違法天下りの斡旋だの、少女買春(容疑)だの、あるいは怪文書作成だの、実にみみっちいことばかりです。
変な怪文書を作って朝日新聞社に持ち込んでみたり、「安倍は嘘つきだ」と告げ口をして回ったりして、それで安倍政権を倒せるとでも思っているのでしょうか?もし前川氏が本当に有能な官僚であって、本気で安倍政権を倒したいと思うのならば、もう少し賢い方法でそれを仕込むことができたはずです。
結局、前川氏もマス・メディアに利用されているだけなのだと思いますが、本人の言動がいろいろツッコミどころだらけです。東京新聞の記者さんを筆頭に、極左界隈で前川氏と一緒に活動する人も増えているようですが、「無能な味方は有能な敵を上回る脅威」です。
前川氏のような支離滅裂な発言をする人物と一緒に活動していたら、ますます、「この人たちって怪しいよね」と思われるのが関の山でしょう。老婆心ながら、「利用する側」も、もう少し「この人物を利用しても大丈夫か?」などと考えたら良いのに、と思います。
前川氏と佐野容疑者との共通点
ただ、前川喜平氏が退職したあとも、文部科学省の腐敗体質は相当に深刻ではないかと思わざるを得ない材料は、いくつかあります。それは、文部科学省の現役幹部だった佐野太(さの・ふとし)容疑者が、自身の息子を東京医科大に不正入学させた疑いです。
方や新宿・歌舞伎町の少女買春疑惑、方や新宿・富久町の東京医大への不正入学疑惑と、いずれも個人的かつ下世話な犯罪の疑惑が持ち上がっています。1つの共通点を挙げるならば、「新宿区を舞台とした不祥事」、といったところでしょうか。「新宿会計士」を名乗る筆者としては、実に迷惑な話です。
それはさておき、「佐野氏は前川氏の直系の部下だった」といった説も出ているようですが、前川氏と佐野容疑者の関係については、私にはよくわかりません。ただ、前川氏と佐野容疑者は、まさに同じ時代に文部科学省で行政の事務方を務めていました。
同じような時期に文科省に所属していたということは、その時期において、文部科学省という組織自体が腐敗に塗れていたという重大な証拠であると思えるのです。つまり、本質的には、文部科学省全体の腐敗、という問題にまで発展しかねないものです。
むしろ、佐野容疑者の事件についても、これで幕引きを図るべきではありません。文部科学省という腐敗組織の「膿」を出し切るのが筋ではないかと思います。
オマケ:企画課長時代の前川氏がやばい
さて、少し前からインターネット上で話題になっているのが、2005年(平成17年)7月12日に開催されたヒアリングの議事録です。文書名は「第14回教育WG議事録(文部科学省議事録)」で、内閣府ウェブサイトに掲載されているものです。
これは、「規制改革・民間開放推進会議」の委員が文部科学行政についてのヒアリングを行った際の議事録ですが、リンク先PDFファイルの10ページ目に、興味深いくだりがあります。企画課長時代の前川氏の発言の支離滅裂さの一端がよくわかるからです。
前川企画課長:ちょっとお待ちください。もし今の教員免許制度に意味がないとか、必要がないとおっしゃるのであれば、その理由を挙げていただきたいと思います。
安念専門委員:全然違います。必要があるかないかを議論するデータがないということなんです。
前川企画課長:それを福井先生に出していただきたい。
安念専門委員:そんなことができるわけがないでしょう。それはあなた方の責任ですよ。
福井専門委員:文科省は教育に責任を持つ中央官庁です。教育について自らやっていることについて論証していただくのはあなた方の責任であって、我々は説明を伺う権利がある。
前川企画課長:疑問を提示されているのであれば、疑問を提示するだけの理由を出していただかなければ我々は答えられません。
安念専門委員:エビデンスがないものを初めから信じるなどというのはばかげたことでしょう。
福井専門委員:もともと証拠もないことを中央官庁としてやっておられるんだったら、それ自体ゆゆしき事態ですよ。
安念専門委員:エビデンスがない以上、疑問を呈するのは当たり前で、エビデンスがないんですから。
福井専門委員:あなた方が証拠がないことをやっておられること自体を我々は問うているわけです。だから、政策を実現するためにはそれに基づく根拠が欲しいということです。
前川企画課長:それだけの疑問を呈するのであれば、その疑問の……。
安念専門委員:エビデンスがないのに疑問を持たない人がどこにいるんですか。エビデンスがないものに対して疑問を持つのは当たり前でしょう。サイエンティフィックに考えたら当たり前です。
福井専門委員:施策をやっているのはあなた方です。勘違いしないでいただきたい。
前川氏は規制改革委員から「政策のエビデンスがない」という指摘(というかお叱り)に対し、「現行の制度を批判するならばまずその理由を示せ」と詭弁で答えています。しかし、委員からの「国民の税金で運営している以上、どういう効果があるのかというデータ自体を示せ」という要望には答えられないのです。
この一連のやり取りを読むと、前川氏が「挙証責任」という言葉を理解していないくせに、文部科学省の官僚として行政を推進していたということがよくわかるのではないかと思います。
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日本の教育制度の頂点を極めた人間(東大法学部卒)が文部科学省の事務方のトップとなりやっていた事が(疑惑とはいえ)天下りの斡旋や少女買春。
こういう連中が日本の教育を指導する立場にあることを考えたら暗澹たる気持ちになりました。
日本の教育って何なのでしょう。
東大法学部を出ていてもエビデンス一つ出せないなんてヤバ過ぎるww
働きアリの法則の法則というのがアリます。
>働きアリのうち、よく働く2割のアリが8割の食料を集めてくる。
>働きアリのうち、本当に働いているのは全体の8割で、残りの2割のアリはサボっている。
>よく働いているアリと、普通に働いている(時々サボっている)アリと、ずっとサボっているアリの割合は、2:6:2になる。
>よく働いているアリ2割を間引くと、残りの8割の中の2割がよく働くアリになり、全体としてはまた2:6:2の分担になる。
>よく働いているアリだけを集めても、一部がサボりはじめ、やはり2:6:2に分かれる。
>サボっているアリだけを集めると、一部が働きだし、やはり2:6:2に分かれる。
文科省というのはこのサボってるアリに相当する省庁であるというのが官僚の間での見方。
いくら東大卒を集めたところで、この割合から逃れられない運命。
前川の処し方・行動ひとつ見ても三流官庁だなあという見方を強めるしかないのが霞ヶ関の論理です。
一方で、公文書改竄という犯罪行為を侵した財務省ですがのらりくらりと組織としての責任を何一つ認めず、切腹とも言える組織防衛をした元近畿財務局長佐川などは「さすが財務省」と賞賛される病理。
是非、議事録全文をお読みになることをオススメします。
本当にひどいものですよ。
しかも!ひどいのは前川氏だけでなく、出席していた上司も同じ考え方みたいなんですね。
どうやら、この会議の後に、さらにその上司が話を聞き、平身低頭で他の委員さんに謝罪したというオチまで着いています。(高橋洋一氏の記事で読みました)
なので、東大卒云々ではなく、「こういう答弁をするものだ」という現場教育を受けてきたと解釈すべきではないかと思います。
結論としては、抜根的な組識の再編を行うべき腐敗した状態、だと私は考えています。
自分は偏差値の低い私大の法学部所属ですが、なんでこの人が東大法学部を卒業できたのか不思議でなりません。挙証責任なんて基本中の基本だと思うのですが。
そういえば、親から、どんな大学でもトップには、すごく頭が良いやつがいると言われたことがありますが、この人はその逆の典型例ということでしょうか。