【夕刊】他ウェブサイトの珍説・「中国に屈したほうがよい」
インターネット空間では誰が何を主張するのも自由です。実際、インターネット言論空間はマス・メディアと比べて、はるかに多様だと思います。ただし、インターネットのサイトに掲載されている主張のすべてが説得力を持っているというわけでもなさそうです。
軍事ライター「中国に屈すべし」
何を主張するのも自由ですが…
北朝鮮が日本国内から一般国民を拉致しただけでなく「わが国は核武装した」「日本列島を海に沈めてやる」と恫喝する。中国が日本固有の領土である尖閣諸島周辺海域を頻繁に侵犯する。韓国が島根県・竹島を不法占拠し続けている――。
こうした状況は、どう考えても異常です。日本が「国家」であることを望むならば、自力で日本国民の生命と安全を守らなければなりません。私は一刻も早く、日本国民を危機に晒している憲法第9条の問題を解決しなければならないと考えています。
私自身のこうした問題意識とはまったく違った考え方をする論考を発見しました。
防衛費2倍なら中国に屈したほうがよい(2018/6/2付 Japan In-depthより)
リンク先ウェブサイトの記事を執筆したのは、「軍事専門誌ライター」の文谷数重氏です。ただ、まことに失礼ながら、リンク先の文章に賛同できる点は、ほとんどありません。
冒頭に「まとめ」と称して、つぎの3つの文章が記載されています。
- 自民党は防衛費について「必要かつ十分な予算を確保」すべきと提言。
- 防衛費GDP2%論は無根拠。防衛費2倍増なら国民生活は破綻。
- 中国との関係を改善するため、陸自予算・人員を半分にすべき。
これでリンク先の記事の主張内容は、だいたいおわかりだと思います。インターネット、ウェブ言論空間では、誰が何を主張するのも自由です。しかし、それと同時に、その主張に対し、根拠を示したうえで反論をすることも自由であるはずです。
数字に基づかない議論
文谷氏のご経歴を拝見すると、次のように記載されています(抜粋)。
1997年3月早大卒、海自一般幹部候補生として入隊。施設幹部として総監部、施設庁、統幕、C4SC等で周辺対策、NBC防護等に従事。2012年3月早大大学院修了(修士)、同4月退職。 現役当時から同人活動として海事系の評論を行う隅田金属を主催。退職後、軍事専門誌でライターとして活動。特に記事は新中国で評価され、TV等でも取り上げられているが、筆者に直接発注がないのが残念。
文谷氏の主張に説得力があるかどうかは、ぜひ、リンク先の文章を読み、読者のみなさまご自身がご判断ください。ここでは、私が違和感を覚えた部分に絞って、反論(というか指摘)をしておきたいと思います。
まず、文谷氏は国防費をGDP比2%まで増やすべきだとする、おもに自民党から出ている主張をめぐり、「荒唐無稽な主張だ」、「平時負担では不可能な金額である」、「選択肢としても非現実的である」などと強く批判します。
果たしてこれは事実でしょうか?
日本のGDPといえば533兆円(2018年第1-3月期・実質季節調整後・速報値ベース)ですが、その1%といえば約5兆円、2%といえば約10兆円です。これに対し、国家予算の規模は97.5兆円(平成30年予算・歳出ベース)です。
かりに税収がまったく増えなかったとして、5兆円の国防費を5兆円増やし、10兆円にするならば、国債増発額は5兆円です。しかし、日本銀行が毎年80兆円規模の新規国債買い入れを続ける「量的緩和」政策を続けている中で、5兆円の増発が「荒唐無稽」とは、いったいどういう理屈でしょうか?
文谷氏の文章では、「2倍にすれば国民生活は破綻する」、「消費税を10%にしても足りない」などとする主張が出て来ますが、税収自体が毎年変動するという性質を持っていること、なにも全額を税収で賄う必要はないことなど、経済学、財政学の基本的な知識にも非常に怪しいものを感じてしまいます。
さらに、文谷氏は「防衛費が現状のままでGDPが半分に減れば防衛費はGDP比2%となる」と主張していますが、これなども屁理屈という他ありません。
中国は屈するべき相手ではない
そのうえで文谷氏は、「本当に防衛費が2倍必要なら中国と仲良くしたほうがよい」と主張します。
「日本は中国に下手に出て対立を緩和すべきだ。どうやっても勝てない敵なら味方にするしかない。」
まことに無礼を承知で申し上げますが、筆者の方は本当に防衛省に在籍されていたのでしょうか?
文谷氏は、平成29年防衛白書から、中国の兵力(人員、艦船の隻数・トン数、航空機の機数など)が日本を大きく上回っていると述べていますが、性能の差、海軍の練度、国民気質などをいっさい議論せずに、数量だけを示されても、読者としては困惑するだけだと思います。
もちろん、私だって中国と仲良くできるなら仲良くした方が良いに違いないと思います。しかし、相手国と仲良くしたくても、肝心の相手国側が日本と仲良くする意思を持っていなければ、そもそも仲良くすることなど不可能です。
文谷氏は尖閣問題で「形だけの譲歩をする」、「核武装する」などの選択肢を提示しているのですが、むしろこちらの選択肢の方が荒唐無稽であると私には思えてしまいますが、いかがでしょうか?
素直に評価したい部分もある
以上、私は文谷氏の文章を、かなり批判的に引用しました。文谷氏の文章の、本論部分で賛同できる箇所は、ほとんどありません。ただ、それでも文谷氏の文章に対して、すなおに評価したいと思う部分があります。
それは、「かなり自由に持論を述べている」、という点です。
既存のメディア(とくに朝日新聞やNHK)だと、「核武装する」といった文章が、普通に出てくることはありません。その意味で、今回の文章のように、ご自身がかなり自由に持論を展開するというスタンスについては、私は高く評価したいのです。
インターネット空間では、誰がどういう文章を書いても自由です。そして、その文章を読んだ人が、自由にコメントを寄せることができるという点についても、ウェブメディアの長所であるといえます。
さらに、リンク先の記事では、フェイスブックのアカウントを持っているユーザーに限定されるものの、コメントを寄せることができます。私自身は「新宿会計士」名義のフェイスブックのアカウントを持っていないのでコメントできませんが、それでも「コメントはほぼ自由」という点についても好感度は高いと思います。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
なお、当ウェブサイトの場合は、コメント欄自体、(現在のところは)ツイッターやフェイスブックなどと連携させる必要なく、どなたでも自由に記入していただくことができます。その意味で、フェイスブックのアカウントがない場合であれば、当ウェブサイトにコメントをお寄せいただいても問題ございません。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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記事の賛否はべつとして、核武装は考えた方が良い時期に来ているかと思います。
実は国家防衛において通常戦力を維持するには大変なお金がかかります。
一方、核ミサイルを多数配備し、いつでも報復できるという体制を整えた方が、はるかに安くつきますね。
現実問題として日本は高速増殖炉=実験炉において兵器級濃縮Puは既にたくさん持っているし、
核分裂反応に必要な精密技術もあり、またその運搬のためのミサイル(=ロケット)技術もあります。
つまりやろうと思えばいつでも核武装できます。
諸外国(の軍部)も実際、日本は準・核保有国だと認識しているようです。
つまり、もし核兵器を以って日本を脅せば、あっという間に核武装国になるに違いないと認識しているわけです。
軍事予算はGDPの1%に自主規制しているわけですが、単に防衛という観点においてはあまり合理的とは思えません。
但し戦略核を保有することを防衛の主に置けば、現在の自衛隊への人件費予算を大幅にカットし、
その費用を戦略核に使うことになり、ある意味それば所得の再配分という税制大綱そのものに反します。
(日本の税金ってのは、ほとんど所得の再配分が目的かと・・・私は感じています。)
世界一激しい核アレルギーという国民感情とかもあるのでしょうが、
本当は”一番安い国家防衛手段は核武装”でしょう。
それが良いのか悪いのか、、、
私のような者にはその判断はできませんが。
< 夕刊の発信ありがとうございます。
< 文谷氏のご高説、最後まで突っ込みながら読みました。アホらしくて疲れました(笑)。
< 早大出て幹部候補生、長いこと勤務しているが使い物にならなかったのかな。結構いるんですよね、幹候でも。昔っからいます(笑)。士官学校→陸大或いは、海兵→海大出て勉強出来ても実務はウダツが上がらず、30歳代で予備役、少佐任官でお払い箱。こういうのが一番の落伍者です。それよりも旧制中学卒(当時は少ない。エリートと言える)ぐらいで中尉大尉になった人の方が人望もあり、よほど使える。
< 文谷氏のダメなところ2点だけ押さえます。
①GDP比2%にしたら国が滅びる? = なにをおっしゃる。世界で2%どころか3%4%の国もある。日本は誰が決めたわけでもない枠1%に縛られ過ぎ。5兆円では全然足りないよ。じゃあ北朝鮮はどうなんだ。
②自衛隊は陸自の予算を減らし海自空自に増やせ = してまんがな!日本は海洋国家ですよ。四方の海、空を護るのが兵法の第一だ。ホントに自衛隊の幕僚やってたの?陸自は他国を攻めるような兵器を揃えてないです。あくまで対近接防備用の銃、砲、ロケット、ミサイル、装甲車、戦車だ。
大陸に出掛ける仕様にはなってない。敵の上陸を見込んだ軽快さがウリ。
< いったい、どこ見てんだか(笑)。これは早く辞めていただいて大正解だわ。執筆依頼無いって(笑)誰が買うかよ。失礼ながらヘボ過ぎる。
以上。
経歴で、一切、階級が書いていないんですが、おそらく書きたくない事情があるんでしょうねえ。
自衛隊出身者で、ご活躍されている有名人には、宮城県知事の村井氏がおられますが、彼なんか
防大出でヘリパイになったのに、最期は地連勤務で最終階級が一等陸尉という、
あちゃーなんかやらかしちゃったんだろうなあという事情が透けて見えるのですが、それどころじゃないものが
あるんでしょうねw。
日本と中国が戦う場合、日本にとって有利な点は多々あります。
1.日本と中国との間には海が有り、陸上兵力は無視出来ます。
2.日本は全力で対峙出来るのに対して中国は15か国に囲まれています。全力で日本と戦えばつけ込まれます。
3.中国の兵器はほぼロシアからの輸入か、劣化コピーです。ロシアの技術はアメリカを凌駕出来ていません。
4.ICBM等の弾道弾は迎撃技術が進歩したので脅威にはなりません。迎撃出来なくても公差爆撃ですから精度は2%程度です。
5.現在の核兵器は巡航ミサイルに乗せる数キロトンの小型核爆弾です。ピンポイントで狙えますから。中国の巡航ミサイルはまだ開発途中です。小型核も完成しているか不明です。
6.中国の原潜は旧式の数隻ですから船舶用原子炉は開発出来ていません。そうなると原子力空母も開発出来ません。
7.現在の制空権、制海権はミサイルの量と性能で決まります。もはや戦闘機は対地攻撃ぐらいしか出番がありません。
8.現在の海戦は電波の届かない海中すなわち潜水艦の戦いになります。中国と日本では対潜及び潜水艦能力が子供と大人の差があります。
9.航空機は繊細な兵器で常にメンテナスが必要です。日本の稼働率は90%以上ですが、中国は50%以下です。日本海を飛べるパイロットがどれだけいることやら。
書いていると切りが無いのでこの辺で止めます。
現時点で中国が日本に対峙するには最初にありったけの弾道弾を主要都市や米軍基地に叩き込む必要がありますが、汚職が最も酷いロケット軍ではどれだけまともに飛びますことやら。
深深度対応の89式魚雷がその威力を発揮すると
遼寧辺りは沈没間違いないでしょうね。
日本の軍事費は、そのうち5倍になる。誰かかけませんか。と書いた方がいる。
ま
あ、なるでしょうね、周りは核ミサイルを構える敵国ばかり、我が国の政府は世界一の超大金持ち政府。米国ドル、欧州ユーロに並ぶハードカレンシーにして最強通貨「円」を有する日本政府。おまけに国民は最先端技術人種。
軍事同盟国アメリカから軍事費を増やせとヤンヤの催促。嘗てはGNPの1%。いつの間にかGDP1%に激減。
こ
れで軍事費が5倍にならないわけがない。