さすがは歴年の「コリア・ウォッチャー」です。日本経済新聞社元編集委員の鈴置高史氏が、「米朝は完全非核化と米韓同盟破棄をトレードする」という、非常に鋭い指摘をしています。
米韓同盟破棄
やはり上手の鈴置氏
異例ですが、本日4本目の配信です。
日本経済新聞社の元編集委員で「韓国観察者」の鈴置高史氏が、「米韓同盟廃棄」という衝撃的なタイトルの記事を、日経ビジネスオンライン(NBO)に掲載しています。
「米韓同盟廃棄」カードを切ったトランプ/「完全非核化」と交換、メディア通じさりげなく伝達(2018/05/15付 日経ビジネスオンラインより)
この記事は大人気シリーズ『早読み深読み朝鮮半島』の最新版ですが、やはり、鈴置氏の切れ味のよさは現役の日本経済新聞社編集委員だったころと変わっていません。私自身も英米メディアを注意深く読んでいるつもりだったのですが、やはり、鈴置氏の方が遥かに上手だったようです。
まだ記事を読んでいない方は、日経IDを取得したうえで、是非、直接お読みください。客観的な証拠とともに、米国が北朝鮮の核のCVID(※)と引き換えに、米韓同盟を破棄することを提案した、とする仮説が述べられています。
(※「CVID」とは「完全な、検証可能な、かつ不可逆な方法での廃棄」(Complete, Verifiable and Irreversible Dismantlement)の略)
言い訳ではありませんが、当ウェブサイトでも今朝の『このうえなく能天気かつ無責任な韓国の「朝鮮半島平和論」』などで米韓同盟破棄に言及しています。しかし、客観的な証拠を集めて結論付ける能力という意味では、まだまだ鈴置氏にはかないそうもありません。
朝鮮半島の将来
ただし、鈴置説から導かれるシナリオは、「北朝鮮が核のCVIDに応じ、これと引き換えに米韓同盟が破棄される」という、短絡的な話ではありません。なぜなら、韓国が米国の「核の傘」から外れてしまえば、朝鮮半島に力の空白が生じるからです。
こうなってくれば、当ウェブサイトでも過去に何度も触れている「朝鮮半島の6つの将来」のうち、「悲観シナリオ」の実現可能性が飛躍的に上昇します。それは、ずばり「中華属国化」でしょう(図表)。
図表 朝鮮半島の将来・6つのシナリオ
シナリオ名 | シナリオ概要 | 実現可能性 |
---|---|---|
①赤化統一 | 韓国(南朝鮮)が北朝鮮により赤化統一されてしまう | 30% |
②韓国だけの中華属国化 | 韓国が中国の属国となるほかは、現状がほぼ維持される | 20% |
③クロス承認 | 韓国が中国の属国となり、北朝鮮を日米などが国家承認する | 20% |
④半島全体の中華属国化 | 南北朝鮮が統一され、そろって中国の属国となる | 10% |
⑤北朝鮮分割 | 北朝鮮をロシアと中国が分割占領し、韓国は中国の属国となる | 10% |
⑥現状維持 | 南北朝鮮は、とりあえずは現状のまま存続する | 10% |
(【出所】著者作成)
いちおう、現時点での「実現可能性」については、『史上3回目の南北首脳会談と朝鮮半島6つのシナリオ』にて示したものを維持しています。ただ、世間一般では「朝鮮半島は赤化統一モードに入った」とする分析もあるようですが、私はそこまでシンプルなものではないと考えています。
まず、①のシナリオとは、北朝鮮がCVIDに応じず、かつ、米韓同盟が破棄された場合に実現する可能性が上昇します。しかし、米朝交渉と米韓同盟破棄の過程で、必ず周辺大国(たとえば、中国)がしゃしゃりでてくるはずです。
このため、米韓同盟が破棄され、北朝鮮との赤化統一が実現する前に、韓国が中国に呑まれてしまう可能性(シナリオ②)や、北朝鮮との赤化統一が実現後、「統一朝鮮」自体が中国の属国化する可能性(シナリオ④)もあり得ます。
さらに、情勢の混乱を嫌気した中露が協調介入し、北朝鮮を占領してしまう可能性(シナリオ⑤)や、日米両国が中国への牽制という観点から、北朝鮮と国交を正常化するという「ウルトラC」の可能性だってあるかもしれません(シナリオ③)。
ただ、シナリオ①~⑤の共通点は、いずれも米韓同盟が何らかの形で変化する、というものを前提にしています。その意味で、板門店宣言で韓国自身が「朝鮮半島の非核化」にコミットしてしまったこと自体、韓国の自爆であり、あまり同情する気になれないのです。
日本の対応
折しも日本政府は本日、「外交青書」のなかで日韓関係を「ただの隣国」に格下げしました。
対北「最大限の圧力」明記 外交青書 日韓関係は“格下げ”(2018.5.15 10:06付 産経ニュースより)
非常に良いタイミングだったと思います。
この外交青書の記載自体、別に新味はありません。というのも、安倍晋三総理大臣はすでに今年1月の国会演説で、韓国について「重要な隣国」「戦略的利害を共有する国」といった表現を削除していたからであり、外交青書の記述変更は予想されていたことです。
しかし、このタイミング自体が重要です。少し不安になるのは、日本の対韓外交政策があまり変わっていないことですが(たとえば韓国国民に対する観光ビザ免除プログラムはそのまま維持されています)、日本政府にも「しかるべき対応」を期待したいところです。
View Comments (8)
韓国と北朝鮮は中国の属国となり、明治時代以前の状況になるのでは。元の鞘におさまったということで、かえって安定期に入るのではと思う。ときどき日本に朝鮮通信使がきて朝貢貿易みたいに援助金を支払えばよい。
< 新宿会計士様 今日の1号目に鈴置氏の『米韓同盟破棄説』を思わず書いてしまい、フライングしました。やっぱりアレを見たとき、妙な興奮を覚えました。当っているか違うのかは分かりませんが、「その説、もらい!」という気になりました。
< はてさて、米国、日本はそれで進むならいいんですが、当の韓国、まだそんな雰囲気全くありませんヨ。青瓦台も愚民も北・金正恩が『思っていた以上に話の分かる男』なんてどひゃーな好感度が多いようですし、文在寅の事も『韓国史上最高の大統領』と本気で祭り上げてます(どこが?)。
< で、米国に頼ってきたくせに反米市民が多く、駐韓基地ナシで米国の核の傘が無くなった時、どういう反応を見せるか。『統一後、北に再度作らせて核保有国になればいい』『いや、米軍の撤退絶対反対』『中国に護って貰おう』など何時もの如く騒ぎまくるでしょう。悠長な事も言ってられない、米朝会談には(行なわれれば)中途半端な結果は無い。北朝鮮はトランプ大統領の切り札を呑むか呑まないか、米国は攻撃するかせずに核を完全に不可逆的に破棄を検証して基地撤退です。
< はっきりいって、日本の負担は格段に増えます。いくら在韓米軍がスッポリ北陸・山陰・九州・沖縄に配置されても、釜山や済州島は目の前。観光どころではありません。日本からの不要不急の渡航禁止、ビザ援助プログラムは即、中止。米韓同盟が無くなれば現実として日韓関係も水の如し、一切不要な関知はしない、敵性国として処理するでいいと思う。 以上。
そろそろ六シナリオ?更新してほしいな。
ビザ復活は兼ねてよりいろんな所で要望が上がっていましたが、今年こそは実施していただきたいですね。
昨年のコミックマーケットで円にウォン硬貨混ぜて支払ったと聞いた時は腸が煮えくり返りましたよ。本当。
ああいうのをごく自然に、当たり前のようにやれるのがアイツらなんだ、と。
そんなのを自由に行き来させている日本は何をやっているんだ、と…
そんな奴らも、国としてみれば大国の狭間にある小国でしかない。
たまに日本をアメリカの金魚のフンみたいな言い方する輩がいますけど、
国力がアメリカにも支那にも遠く及ばないばかりか、双方に依存しきっているあの国が
その双方に喧嘩を吹っ掛けたらどうなるか。なぜ想像できないのでしょうか。
ここ最近の記事を見る限り、あちらの住人は半島内の事以外見えていないように思えます。
実際にはその周辺の大国、中露 対 日米の各陣営の動きこそが大事なのに。
南北朝鮮の支那属国化の流れから行けば、そう遠くないうちに半島から米軍が完全に撤退して、
日本が対レッドチームの最前線となり、大陸からの防波堤としての役割を喪失した半島との関わりは必然的に不要となる(あるいは、敵の侵入経路として警戒される)。その頃までに国内に蔓延っている奴ら、具体的には民団や総連、共産その他赤い連中をどうするか。不安は大きいですが、戦後という歪な時代を終わらせるチャンスが今しかないのも事実です。日米関係が盤石であるうちに、国内の極左・売国勢力が萎みつつあるうちに禍根を断ち切れるよう、私達自身も奮闘していかなければなりませんね。
・アメリカ軍は朝鮮半島に居続けますよ。
・トランプ大統領は北を爆撃しないでしょうね。
するなら去年のうちにしてますよ。まあ、支那企業への取引停止命令も舌の根が乾かぬうちにトーンダウンして、なかったことにしそう
と
トランプ大統領が威勢が良いのは最初だけ。それに北朝鮮には原爆がもうないんじゃないかな、あの100人死亡の山体崩壊その後の爆発。
そもそもあの山体崩壊も工作員による爆破、もしく大量のはバンカーバスターで地下核施設を保管していた原爆ごと破壊した。← 妄想です
いつも知的好奇心を刺激する記事の配信有り難うございます。
軍事評論家の小川和久氏は著書「日米同盟のリアリズム」で金正恩はアメリカ型社会を志向してる可能性があるとインテリ関係者で言われていると言及していたのですが、
果たしてその分析は正しいでしょうか?
結果は一月足らずで分かるのですが、当方はその分析は正しい可能性が高いと思っています。
北朝鮮のような専制王朝国家(≠共産主義国家)とアメリカと言う星条旗中心主義と社会統制は意外に類似しています。
末端の国民に自由が無いと言う点が決定的に違う様に見えますが、かつてアメリカ自身が同様のシステムと共存した実績が有ります。
奴隷州です。
これらの事を考えると北朝鮮が体制保証の下、アメリカ本体に加盟する可能性が当方には棄てきれないのです。
北朝鮮にはアメリカに事大し自らの利益を拡大する。
アメリカは日本や中国の統制の駒として刈り上げ将軍を利用する。
やんちゃが過ぎればもう一度シビルウォーを起こして金一族を除去すれば良いだけです。
このシナリオ実現の場合、日本は今よりはるかにシビアな国家運営が要求されます。
一つ間違えたらアメリカ本体が北朝鮮側に立って介入しますから。
今の状況認識力0の勢力を抱えていれば最悪の結果になるでしょう。
日本の北朝鮮への主権譲渡に伴う併合です。
その場合、当方や管理人様、ここにコメントを残した皆様は「死ねたら一番幸せな」苦しみに満ちた地獄の未来が待っています。(怖)
一応考えられるワーストシナリオを考えてみました。
可能性は1割位でしょうか。
以上です。
長文失礼しました。
え。韓国?
カネも自由も娯楽もありませんが、体も命も全て将軍様に差し上げる自業自と・・違った、幸せに満ちた奴隷待遇の世界です。
間違いなく彼らに取って今より幸せと思いますよ(笑)
朝鮮半島の奴隷制はアメリカとは全然違う、世界中に唯一朝鮮半島だけの奴隷半島。
アメリカの奴隷は黒人。ご主人様は白人。白人は奴隷になることはない。
支那のご主人様は皇帝ただ一人。他は全て皇帝の奴隷。
朝鮮半島に皇帝はいない。
朝鮮半島は支那の奴隷半島。朝鮮半島にご主人様はいない、奴隷しかいない。王(KINGではない)も奴隷、支那皇帝の奴隷(支那人)の奴隷。
朝鮮半島は、奴隷しかいない奴隷半島。
奴隷とご主人様は奴隷同士の上下でしかない。朝鮮半島のご主人様(上位奴隷)は機嫌次第で金魚を捻り潰すように奴隷を殺すのが当たり前。
・奴隷を殺したご主人様(上位奴隷)も更なる上位奴隷のご主人様に殺されるのが当たり前。
最高位の朝鮮王も奴隷であり食糧、ご主人様(支那人)のご機嫌次第で空腹だと朝鮮王が殺され食べられるから、国中から餌を集めさせ歓待した。