麻生副総理「35万円のスーツ」騒動に見るテレビ業界の終焉
4月下旬、TBSが「麻生副総理のスーツが35万円だ」とする、強烈にどうでも良い番組を流して、インターネット上で大々的な批判を受けました。その騒動を、いまさら産経ニュースが記事にしているのですが、よく考えてみれば、これも「テレビ局の大倒産時代」を控えた過渡的な動きなのかもしれません。
目次
強烈な腐臭を発するテレビ局
「麻生副総理35万円スーツ」事件
インターネット上では4月下旬、あるテレビ番組の報道が話題となっていました。これは、4月22日に放送されたTBSの番組『アッコにおまかせ』という番組の中で、麻生太郎副総理兼財相が「1着35万円もするスーツを仕立てている」という話題を、批判的に取り上げたものです。
番組が放送されるやいなや、ツイッターなどのSNS、各種まとめサイト、YouTubeなどの動画サイトでは、ほぼ同時多発的に、次のような意見が出てきて、一種の「バズ」状態となっていたのです。
- 麻生さんのスーツが35万円?だから何?
- 麻生さんのスーツが35万円なのを批判するくせに、謝蓮舫(※)さんのスーツが300万円なのはスルーですか?
- 一国の首相経験者で財務大臣を務める政治家がペラペラの吊るしのスーツを着ているほうがおかしいのでは?
(※)謝蓮舫(しゃ・れんほう)とは、民進党元代表で現在は立憲民主党に所属している村田蓮舫(むらた・れんほう)参議院議員の中国名(本名?)のこと。
私が最初、この話題に接して感じたことは、日本のマス・メディアは、麻生氏に対して「高級バー通い」「カップラーメンの値段も知らない庶民感覚のなさ」を批判したときから、なにひとつとして成長していないのではないか、という点です。
たしかに2009年当時は、まだ新聞・テレビの社会的影響力は絶大でしたから、テレビが一斉に「麻生叩き」をすれば、シンプルに騙されてしまう人たちが、かなりたくさん存在していたのでしょう。そして、実際にその年の8月の衆院選で自民党は惨敗し、自民党は下野を余儀なくされました。
しかし、新聞・テレビにとっては、この2009年の成功体験が強烈過ぎたのかもしれません。自分たちが政権叩きをすれば、読者・視聴者がそれに乗っかってくれると思い込んでいるためでしょうか、いまだにこの手の下らない「麻生叩き」が散発しているのです。
なお、私個人的には、一般のビジネスマンであっても、相応の社会的地位・年齢になってくれば、1着10万円以上のスーツを着用していても、特段の違和感を覚えません。むしろ、麻生副総理ほどの立場にある人物が35万円程度のスーツを着ていても、それはむしろ安すぎると思います。
余談ですが、TBSは麻生副総理に就活生などと同じような、紳士服量販店の数万円のスーツを着るべきだと主張しているのでしょうか?そして、35万円のスーツを批判した以上、仮に社長以下、1人でも「35万円以上のスーツ」を着用していた場合には、責任を取って退職すべきでしょう。
周回遅れの産経ニュース記事
ただし、当ウェブサイトではニュース論じる価値もないと考え、当時、この話題については無視していました。今になって、どうして私がこの話題を持ち出したのかといえば、先日、産経ニュースに、こんな記事が掲載されたからです。
【安倍政権考】/麻生太郎氏のスーツ35万円は高いのか 報じたテレビ局にネットで批判(2018.5.10 01:00付 産経ニュースより)
記事の内容は、テレビ局がこの話題を報じたところ、批判は麻生太郎副総理兼財相に対してではなく、むしろ、TBSに対して寄せられている、としています。
実際、インターネット上で批判されているのは、テレビ局が「1着35万円もするスーツを仕立てている麻生(氏)の庶民感覚のなさはけしからん」といわんばかりの独善性に対して、です。産経ニュースの記事は、この点については比較的正確に報じているようです。
産経新聞社は、既存のマス・メディアの中では、まだ客観的で公正な報道を心がけているほうだと思います。「下らないことをあげつらうテレビ局の腐った体質」を明らかにするという意味で、この話題を取り上げたこと自体は評価したいと思います。
しかし、そのことを考慮したうえで、あえて厳しいことを申し上げれば、「周回遅れ」も良いところです。TBSが「35万円のスーツ」という話題を報じたのが4月22日ですから、それから実に3週間近くが経過しています。すでにネット上ではコテンパンに論破されている話題を、いまさら取り上げても、価値はありません。
さらに、記事の末尾には、
「財務省の決裁文書改竄をめぐっても「どの組織でも改竄はありうる。個人の資質が大きかったのではないか」と述べた。野党は「麻生氏は何の反省もしていない。閣僚どころか国会議員の資格が問われなければいけない」(共産党の小池晃書記局長)と批判のボルテージをあげ、火に油を注いでいる状態だ。/こだわりのあるファッションは世の中から一定の評価を得るようになってきた麻生氏だが、セクハラ問題に対するかたくなな発言や姿勢に対しては、厳しい目が向けられているといえそうだ。」
とありますが、「麻生氏に対する厳しい目」を向けているのは、いったいどこの誰なのでしょうか?日本共産党のような反社会的組織の人間の発言を引用し、あたかもそれが「世間一般の意見」であるかのように表現するのは、実に不適切です。
成功体験が強烈過ぎたのかも?
「35万円スーツ問題」に話題を戻しましょう。
考え様によっては、この「35万円スーツ問題」とは、テレビ業界が腐敗し、崩壊する兆しなのかもしれません。というのも、テレビ局が「大昔の成功体験」を引きずり、その方法にしがみつこうとしているものの、そうした姿勢が一般視聴者から見放される原因になっている、と見ることもできるからです。
テレビ局は麻生氏に対し、総理大臣在任中に「ホテルのバー通いやカップ麺の値段を知らないこと」などで徹底的に叩きました。私に言わせれば、これは「庶民感覚も知らない麻生(氏)のような男に政権を任せることなどできない」という、非常に悪質な印象操作であり、一種の「メディア・リンチ」です。
ただ、こうした「メディア・リンチ」が成功したことも事実です。当ウェブサイトでときどき引用する、次の調査結果によれば、テレビを信頼して投票した人の過半数が、2009年8月の衆院選では、比例区で民主党に投票したことが示されているからです(同P7)。
経済政策と投票行動に関する調査 「子ども手当支持」は3割、政策には厳しい目(2009年9月10日付 社団法人日本経済研究センターウェブサイトより)
この調査は、「投票に際して最も重視したことを判断するための情報」を、主に何から得たのかという調査と、実際の投票行動の関係を調べたものです。これをもうすこしわかりやすく、グラフ化してみましょう(図表1)。
図表1 情報源と比例区投票先の関係
(【出所】(社)日本経済研究のレポートP7を参考に著者作成)
ここで注目すべきは、①の層、すなわち「投票に際して最も重視したことを判断するための情報」を、主に「テレビの情報番組(ニュース番組、ワイドショーなど)」から得ていた人たちのうち、2009年衆院選の小選挙区で民主党に投票した人は55.6%と、自民党(15.6%)の4倍弱だった、という事実です。
民主党に投票した人の比率は、②の層(新聞・雑誌)よりも高く、いわば、民主党政権の成立に、テレビが最大の寄与をしたということが、明確に裏付けられた格好だといえるでしょう。
そして、こうした成功体験が強烈すぎるがために、テレビ局はビジネスモデルの転換が遅れている、という仮説が成立します。
テレビ局は自滅に向けて突っ走る
国政選挙に見る、テレビ局の影響力の凋落
テレビ局は、政治家(とくに自民党の有力政治家)に対する印象操作による攻撃を、性懲りもなく続けているようです。実際、冒頭で紹介したTBS番組『アッコにおまかせ』が放送されたのも、政権交代が実現した2009年8月30日の総選挙から9年近くが経過した2018年4月22日のことです。
では、テレビ局がこのような「印象操作に基づく政権攻撃」を行った結果、自民党政権はどうなっているのでしょうか?その答えは、選挙を見ればわかります。
民主党政権が成立したのは2009年9月、崩壊したのは2012年12月です。その3年3ヵ月の間になにがあったのかについては、ここではあえて申し上げません。事実として言えることは、2012年12月の衆院選を皮切りに、自民党は大型国政選挙で5回連続して大勝している、ということです(図表2)。
図表2 2007年7月以降の国政選挙
選挙名称 | 自民党議席数 | 自民党占有率 |
---|---|---|
第21回参院選(2007/7/29実施) | 37 | 30.58% |
第45回衆院選(2009/8/30実施) | 119 | 24.79% |
第22回参院選(2010/7/11実施) | 51 | 42.15% |
第46回衆院選(2012/12/16実施) | 294 | 61.25% |
第23回参院選(2013/7/21実施) | 65 | 53.72% |
第47回衆院選(2014/12/14実施) | 291 | 61.26% |
第24回参院選(2016/7/10実施) | 56 | 46.28% |
第48回衆院選(2017/10/22実施) | 284 | 61.08% |
(【出所】著者調べ)
もう少し厳密に申し上げれば、自民党が改選第1党となるのは、菅直人政権下で行われた2010年7月の「第22回参議院議員通常選挙」以来、6回連続です。
ただし、参議院通常選挙の場合、3年ごとに定数の半数、すなわち121議席が改選されるという仕組みであるため、「改選後に第1党となったのは、2012年12月の第46回衆議院議員総選挙以来、5回連続である」、という表現が正確だと思います。
それにしても、第46回衆院選以来、自民党は第1党の座を維持し続けています。テレビ局がいまだに偏向報道・印象操作を続けているにも関わらず、です。このこと自体、テレビ業界が2009年の衆院選の強烈な「成功体験」のせいで、ビジネスモデルの転換が遅れている、という「動かぬ証拠」です。
このままテレビ業界がビジネスモデルの転換に失敗すればどうなるか――。
その行き着く先は、テレビ業界の自滅にほかなりません。
どうしてビジネスモデルの転換ができないのか?
考えてみれば、テレビ局とは非常に儲かるビジネスモデルです。というのも、本来ならば公共の財産である電波を格安の利用料で独占的に利用することができ、また、莫大な広告料が手に入るからです。そのように考えていくと、テレビ局の儲けの源泉とは、「格安の電波利用料」に由来します。
ただ、こうした状況は、経営学的に見ると、きわめて危険です。なぜなら、テレビ局が経営努力をしなくなり、堕落し、腐敗していくきっかけとなりかねないからです。これを専門用語では「独占ビジネス」と呼びます。
通常のビジネスだと、ラーメン屋でも高級デパートでも、「ライバル(競合他社)」が存在します。ふざけたサービスを提供していれば、あっというまに客を失い、倒産してしまうため、どんなビジネスでも、顧客満足を最大化するために、必死に努力します。
その結果、私たち消費者は、美味しいラーメンをリーズナブルな値段で楽しむこともできますし、デパートで素晴らしい接客を受けることもできます。つまり、「競争原理」こそ、私たち消費者が優れたサービスを受けるための必要条件なのです。
ところが、地上波テレビ局の場合、「競合他社」というものは、ほとんど存在しません。東京都の場合、NHKが2局、全国ネットの民放キー局が5局、ローカル局が1局、合計8チャンネルしかありません(ほかに周辺県のローカル局の放送が受信できる地域もありますが、その地域は限られています)。
日本の首都である東京都ですらこういう状況なのですから、他の地域も推して知るべし、です。
たった8チャンネルしか存在しなければ、消費者としては、その8つのチャンネルから自分の気に入った番組を選んで見ることしかできません。これをテレビ業界の側からみれば、どんなふざけた番組を作ったとしても、必ず一定数の視聴は期待できる、ということです。
テレビ業界が腐るのも当然の話なのかもしれません。
インターネット放送に敗れつつあるテレビ業界
しかし、テレビ局の人たちが、気付いていない、いや、気付いているけれども気付かないふりをしていることがあります。それは、すでにインターネット放送が一般化し始めている、という事実です。
日本の首都・東京の場合であっても、地上波であれば8つのチャンネルのなかから選ぶしかありません。しかし、動画サイトYouTubeやニコニコ動画などでは、それこそインターネットにつながる環境さえあれば、数万、数百万、いや数億という動画を自由に選び、視聴することができるのです。
インターネットに接続していない人たちが動画を楽しむためには、いまでもテレビを視聴する以外に方法はありません。しかし、インターネット人口は、今後、増えることはあっても、減ることはありません。そして、いったんインターネットの面白さ、便利さに気付いた人は、テレビに戻ることはないのです。
たとえば、YouTubeだとシーク機能があり、ライブ放送でない限りは、自分が観たいところだけ選んで視聴することができますし、聞き飛ばした箇所に戻ることも自由自在です。地上波テレビだと、このような融通を効かせることはできません。
また、番組が偏っているテレビ局と異なり、インターネット上では最近、さまざまな番組が提供されるようになってきました。たとえば、報道番組のカテゴリーでは『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)、『Front Japan桜』(チャンネル桜)など、地上波では絶対に流れないであろう番組が流れています。
つまり、インターネットには
- 地上波と違って便利である(オンデマンドで番組を選ぶことができる、シーク機能が使える、など)
- 地上波と比べて飛躍的に多様である(地上波には存在しないシャープな報道番組がある、など)
という長所があり、これらは地上波テレビにはないものばかりです。
しかも、あくまでも私の体感で恐縮ですが、ここ数年、こうした変化が加速しています。YouTubeなどの動画サイトの画質向上は著しく、また、コンテンツ自体が優れているため、視聴者のテレビ離れもさらに進むのではないかと思えてならないのです。
つまり、その先にあるのは「テレビ局の大倒産時代」ではないでしょうか?
テレビ局の退場を促す仕組みを
不動産業かテレビ業か?
こうしたなか、今週木曜日の日経ビジネスオンライン(NBO)に、優良資産をたくさん保有しているTBSに対し、外国のアクティビスト株主から「持ち合い株式」の解消を求められているという記事が掲載されています。
株主提案にTBS震撼、持ち合い株バラマキ要求/英投資家、東京エレクトロン株に照準(2018年5月10日付 日経ビジネスオンラインより)
TBSはテレビ業界の中でも、とくに人件費が高く、また、東京都心・赤坂の一等地に優良不動産を保有していて、その賃料収入が営業利益(2017年3月期連結ベースで19,878百万円)の3分の1以上を占めています(図表3)。
図表3 TBSのセグメント開示(金額単位:百万円)
セグメント | 売上高 | 営業利益 |
---|---|---|
放送 | 219,175 | 5,973 |
映像・文化 | 120,986 | 6,168 |
不動産 | 15,202 | 7,736 |
合計 | 355,363 | 19,879 |
(【出所】株式会社東京放送ホールディングス・2017年3月期有価証券報告書P79より著者作成)
ちなみに、売上高では放送事業が約2192億円、映像・文化事業が約1210億円に対し、不動産はわずか152億円に過ぎませんが、営業利益では放送事業が約60億円、映像・文化事業が約62億円に対し、不動産事業は約77億円と、両事業を上回っています。
赤坂サカスなどの優良不動産物件からの利益が消滅すれば、TBSの経営はかなりの打撃を受けることになります。その意味で、TBSは「テレビ業」ではなく「不動産業」がメインになりつつあると言っても差し支えないでしょう。
電波オークションの速やかな実施を!
ところで、日本は「国の借金」(笑)が1000兆円を超えていて、財務省によれば、「今すぐ財政再建しなければ財政破綻するリスクもある」のだそうです(※もちろんウソですが)。ただ、仮に「今すぐ財政再建しなければならない」のであれば、国民の財産をできるだけ高く売るという努力も必要です。
その最も有力な手段の1つが、電波オークションです。
先ほど引用したTBSの有価証券報告書を眺めても、「国に支払っている電波利用料」という項目は出て来ません。おそらくその理由は、売上原価、販管費に含まれる金額のうち、「国に支払っている電波利用料」の額が少なすぎて、連結財務諸表規則上、別掲表示する必要がないからでしょう。
しかし、TBSほどの放送局であれば、本来、電波利用料は数十億円、いや、数百億円は負担すべきです。在京民放キー局、在阪民放準キー局などからの電波使用料で1兆円の収入があったとすれば、消費税の税収の10%に相当する金額であり、安すぎる電波使用料の問題は無視できません。
すでに日本を除くG7諸国は、いずれも電波オークションを実施しているという話がありますが(※この点については未確認です)、もしそうだとしたら、日本も今すぐ電波オークションを実施すべきでしょう。
テレビ局の「大倒産時代」は訪れるのか?
テレビ局は、格安の電波使用料でゴミのような番組を垂れ流し、暴利をむさぼってきました。しかし、TBSの例でいえば、肝心のテレビ事業の営業利益が不動産事業の営業利益を下回っている状況にあります。言い換えれば、テレビ局自身にとってもテレビ事業は儲からなくなっているのです。
もしそうであれば、TBSのようなダメ経営者が経営している会社は、もっと優秀な経営者が経営する会社に対し、国民の貴重な財産である電波帯を明け渡すべきでしょう。
そして、民放テレビ局に引導を渡すのは、私たち国民・視聴者・消費者なのです。『アッコにおまかせ』に代表されるゴミ番組に対しては、私たちが積極的に「見ない」ことで、番組、というよりもTBSをはじめとするテレビ局に引導を渡すべきでしょう。
今の情勢が続けば、早ければ数年のうちにも、まずは経営体力の弱い地方局あたりで、テレビ局の倒産が発生することは間違いありません。その後、テレビ局の「大倒産時代」がやってくるのかどうかについてはもう少し見極めが必要ですが、その時代が来ることを、私は1人の日本国民として、切に願っているのです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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【おしらせ】人生で10冊目の出版をしました
自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
【おしらせ】人生で9冊目の出版をしました
日本経済の姿について、客観的な数字で読んでみました。結論からいえば、日本は財政危機の状況にはありません。むしろ日本が必要としているのは大幅な減税と財政出動、そして国債の大幅な増発です。日本経済復活を考えるうえでの議論のたたき台として、ぜひとも本書をご活用賜りますと幸いです。 |
毎日の更新ありがとうございます。
小職のメールをご紹介いただきました、日本の広告費2017年を読む
https://shinjukuacc.com/20180407-01/ にありますように、テレビの
広告費は約2兆円で、1.5兆円のインターネットよりいまだに多く、
2000年に比べて半減した新聞に比べて、地上波局の没落には、今しばらく
時間がかかりそうです。 動画であること、リアルタイム性がある点に
おいては、新聞に比べてハンデは少ないものの、電波の特権と
家庭用据え置きテレビの端末.リモコン仕様の特権も、多様化する
閲覧端末とコンテンツの搬送多様化で、広告費の取り分は確実に減ります。
我が家でも、据え置きテレビでもニュース以外はHDに録っておいて、
時間がある時に見る、動画閲覧端末もスマホかタブレットの方が
接触時間が多いと思います。 そこでは、地上波局も個人のYouTube
動画も選択肢としては全く同列です。
TBSの放送セグメントの売上高営業利益率は2.7%しかない。儲かる商売とはいえない。これでは冒険的な投資はできないから、どうりで最近のテレビは面白くないわけだ。そのうち、放送セグメントは赤字でそれを他のセグメントが補う形になるだろう。
そもそも一国の総理に必要なのは「庶民感覚」なのか、「帝王学」なのか。
また、金持ちが大盤振る舞いでお金を使ったほうがいいのか、庶民感覚でケチケチ使ったほうがいいのか。
今の若い人はプロレタリアートはプロレタリアート、ブルジョアはブルジョア、それぞれの生き方を認められる時代になったと思います。昔働いていた、ちょっと大きめの会社の労働組合で感じていたのですが、昔の労働者、特に左派系の人はブルジョアジーに憧れる、でもなれないからブルジョアジーを貶める、惨めなプロレタリアート、そんな印象を持っていました(あれ、どこかの国の人に似ているかな・・・)。
昔のマスコミもそんな感じでしたし、今の若い人はついていけないでしょうね。テレビにかじりつく暇な老人がいなくなれば、もうテレビも終わりでしょう。
ついでに・・・
市町村の長や議員には庶民感覚が大事です。が、国の長や議員には国際感覚の方が大切では?
早く道州制を導入し、大学の許認可なんて道州に任せ、もりかけレベルの問題で国会を空転させないでほしい。国際的にみて、非常に恥ずかしい。
さらについでに言うなら
国家間の話し合いで大切なのは、法律よりも教養だと思う。トップ同士で話し合うとき、自分と同レベルの教養のない人と腹を割って話しあえるか? 会話で重要なのは言語がわかるかどうかではなく、相手の意思を理解できるかどうか。同レベルの教養がなければ、単語はわかっても、その意味するところがわからない可能性がある。
今の国会議員には根本的に考え直して欲しい。地方議会に行け、っと言いたい。
地方議会「要らねー」
道州制は特アの願望ですよ。
国会に要らないからといって地方議会にそんなの押し付けられてもねー。東京都議会は小池ファーストの会が多数を占める。そのせいで東京オリンピックにもう準備間に合わないよ。小池百合子のせいでもうめちゃくちゃ。勘定2号線の整理どうなった?さっさと築地移転して土地売ってないとダメだろ?
本当ですね。私は東京都民ではないのであまり批判するのは申し訳ありませんが、豊洲の問題、あれだけ騒いで結局大した対策取らずに移転決定とか、この月日をどうしてくれるのか、って感じですよね。確かにパフォーマーの方々は地方でもいらないか(汗)議員に向いてないですね。
しかし、もりかけ、セクハラ見たいな問題で総理大臣や副総理がずっと時間を取られるとは、日本にとっては相当な損失ですよ。いい加減にして欲しい。
< 毎日の更新ありがとうございます。
< 私、和田アキ子なる芸能人が大に大が付くほど昔から嫌いなので、テレビのある時から、この人が出るとチャンネルを変えてました。ところで子細な事に拘りますが、紳士物スーツの事なら多少存じています【任せなさいッ】(笑)。麻生副総理が35万円のスーツをお召しになっているからどうとか、全く世間常識からズレてますよ。言う方が。
< 元総理大臣たるものが、ましてや麻生家は資産家、大きな会社も親族が経営している。35万円なんてむしろ、安い部類かも。オーダーメードの場合、まず生地を選ぶ。英国製なのか、仏製か伊製か日本製か。この辺りが生地としては多い。中国製などありませんよ(嘲笑)。裄丈、袖丈、首回り、両肩幅、前身頃、後身頃、胸囲、肩周りの形状、背の形状、腹回り、尻周り、股下、太腿の周り、その他下の白シャツを袖からどの程度出すかの好み、、サイドベンツかセンターベンツか、ポケットの位置、ポケットの数、ズボンのすそはシングルかダブルか、胸裏側にネームを刺繍で入れるか、その他多数のチェックポイントを計り型紙を作ります。仮縫いが終わったら店に行き、試着する。問題なければ本仕上げになります。同時にドレスシャツ(カッターシャツの事。カッターは某社商品名なので、通常は使わない)を生地から選び、2枚程度そのスーツに合ったものを作る。
< 麻生副首相なら100万円を超えるオーダーでも全然おかしくないです。この「アッコにおまかせ」では、まさか「洋服の○る○ま」とか「紳士服の○山」とかスーパーチェーンストアI社やA社の「2着よりどり39,800円」を想像されているのでしょうか。確かに外回りが多くてノーネクタイが夏場も許されない仕事なら、「替え」が必要なので吊りのスーツを常に7~8着を持って、クリーニングに出すのもアリです。でもね、フツ―の方でも1着は「仕立て」のスーツはあった方がいい。オフイシャルな会合ならそれをビシッと決める。フルオーダーでなくても、セミオーダーでも十分納得いきます。ちゃんとした店で生地から選べば10万円位はする。スリーシーズンタイプを選べばなお、いいです。
< 今から20年ほど前に価格破壊とかいって、10,000円位の安いスーツが出始めた。最初は中国製が多かったが、仕上がりのまずさ(スーツなど着た事も見た事も無い人が作る為 笑)、仕様書発注通りに作れない事などから、北朝鮮に縫製工場を移した所もあった。すると5,000円で仕上がる。縫製はまずまずだが、契約通りの安定供給が出来ない為、その後タイ、インドネシア、マレーシア、そして今はベトナム、バングラデッシュ、中国辺りが中心だそうです。
< テレビ・マスゴミの腐敗は酷いです。ツイッターの反応を見たら、圧倒的に反論されている。麻生さんの服装がアメリカのマフィアの親分だとか、ハバナ製シガーを燻らせているとか、枝葉末節ばかり。カップ麺など、そら知らんでしょ。だからSNSで反論されるんだ。
< TBSなど本業は偉そうにモノを言ってるが、ジリ貧。視聴者減って、スポンサー逃げたら放送部門は赤字転落、リーシングでお茶を濁す企業になるぞ(笑)。ココも意外に臨終近いかな。 以上。
一次ソースでなくて恐縮ですが、高橋氏と百田氏の対談で以下のセリフが出ています。
「OECD(経済協力開発機構)35カ国中で電波のオークションをしてないのは日本だけ。20年前はオークションしない国は数カ国あった。」
ソースは以下。
http://majipo.com/hundred/no-auction-of-terrestrial-radio-waves-is-on-japan-only/
「週」回遅れですみません
1986年(昭和61年)というから大昔、30年以上前の話だ。
社会党の委員長に就任した土井たか子が「ラーメンが好きだ」と発言して、これをマスコミが持ち上げたことがある。実に「庶民的」で好ましい、庶民感情を知る政治家だというのである。
マスコミの擦り込みなのだろうか、われわれ日本人の中では、庶民=善、ラーメン好き=庶民的、故に土井たか子=善、社会党=庶民の味方=善などとという、きわめて単純な等式が成立する。
だが、当たり前のことだが、庶民が食べるラーメンを彼女が好むということと、庶民を幸せに暮らせるための政治的見識や力量との間には何の関係もない。実際、彼女は経済についても外交についても、安全保障の根幹についても、日本や日本人(庶民)の利益になるような哲学は持っていなかった。
「北朝鮮は日本人を拉致などしていない」とまで言ったのは彼女だ。
1991年(平成3年)、湾岸戦争がいまにも始まりそうな矢先にバグダッドにまで出向き、イラクのサダム・フセイン大統領に直談判して戦争勃発を防ごうとした。彼ら彼女らの大好きな『話し合い』をしに行ったのだ。当前、これは世界中で嘲笑の的になった。そんな説得で避けられるものなら、かつてもこれからも歴史上に戦争など存在しないだろう。
さて、白洲次郎である。関西の裕福な実業家の次男として育ち、若き日にケンブリッジ大学に留学する。そこで徹底的にケンブリッジ風の英語を身に付ける。伯爵家の跡取り息子と親友になるなど、上流階級の人々との交流の中で貴人の義務(ノブレスオブリージュ)といったことも学ぶ。
敗戦後、首相の使いで天皇からの贈り物をマッカーサーに届けたことがあった。部下に贈り物をどこに置くかと尋ねられ「その辺に」と答えたマッカーサーを次郎は激しく叱責した。それもケンブリッジ風の英語でだ。
「一国の最もやんごとなきお方が心をこめてえ贈ったものを、そこら辺に置いとけとはあまりに非礼ではないか。それが戦勝国の最高司令官のなすべきことなのか!」
日本人からこういう言葉を浴びせられたことがなかったマッカーサーは愕然とした。同時に自分の非礼を悟り次郎には丁重に詫びたという。このやりとりがその後の日米の交渉ごとにおいて、どれほど大きな効果があったことだろう。無条件降伏した日本に対して米国の立場は圧倒的に優越していた。そういう困難な状況の中で局面を切り開き、日本を救ったのは、けっして「庶民感覚」などではなかった。物を言ったのは本物のジェントルマン的、さらに言えば貴族的な教養だった。
ご存じのように、次郎が仕えた当時の首相が吉田茂で、麻生太郎はその孫である。
※ 廣淵升彦(2017年)『メディアの驕り』新潮新書 より