韓国の外交官は日本に受け入れないという選択

日本は韓国から舐められっぱなし――。そう痛感せざるを得ない記事を発見しました。

呆れて物も言えない人事

「日韓慰安婦合意」を巡る韓国政府のタスクフォースの座長を務め、このほど韓国の駐大阪総領事に任命された、呉泰奎(ご・たいけい)氏が、韓国メディアとの記者会見に応じ、その様子を昨日の『中央日報』(日本語版)が報じています。

新任の駐大阪総領事「慰安婦問題、認識の隔たり解消に努力」(2018年04月09日15時16分付 中央日報日本語版より)

これによると、呉氏は康京和(こう・きょうわ)韓国外交部長官(外相に相当)から任命状を受け、「この日」(どの日?)、記者団に対し、「民間レベルの認識の隔たりを解消するのに努力する」と述べたのだそうです。

韓国のメディアの報道では、「何月何日」という基本的な情報が欠落していることは、よくある話なので、これについてはあえて突っ込まないでおきましょう。最大の問題点は、「民間の認識の隔たりを解消する」という、呉氏の認識の不適切さです。

そこで、本日は久しぶりに、「日韓慰安婦合意」について、改めて深く考察を加えておきたいと思います。

被害者と加害者はどっち?

日韓慰安婦合意に対する著者の認識

まずは議論の前提を確認しておきましょう。

いまさらですが、問題の「日韓慰安婦合意」について、事実関係と私なりの見解をまとめておきます。2015年12月に岸田文雄外相と尹炳世(いん・へいせい)韓国外交部長官(※いずれも当時の肩書)が取り交わした「日韓慰安婦合意」の要点は次の4つです。

  • ①慰安婦問題は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり、かかる観点から、日本政府は責任を痛感し、安倍晋三総理大臣は日本国を代表して心からおわびと反省の気持ちを表明する。
  • ②韓国政府は元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、日本政府はその財団に対し、政府予算から10億円を一括で拠出する
  • ③韓国政府は在韓国日本大使館前に慰安婦像が設置されている問題を巡って、適切に解決されるように努力する。
  • ④上記②の措置が実施されるとの前提で、日韓両国政府は、この問題が最終的かつ不可逆的に解決されたことを確認し、あわせて本問題について、国連等国際社会において互いに非難・批判することを控える。(下線部は引用者による加工)

これは、日本側から見ると、いわば韓国側がしつこく主張している「慰安婦問題」を巡って、「もう二度とこの問題を蒸し返すな」という意味で、10億円の「解決金」を支払った合意だ、と見ることができるでしょう。そして、

  • この合意により日韓両国の安全保障・軍事協力がやりやすくなったので、これは日本にとって素晴らしいものだった
  • たかだか10億円で韓国を黙らせることができたのだから、この合意は日本の外交的勝利だ

とする主張が、左翼陣営だけでなく、保守派を自称する人たちからも聞こえてきます。

ただ、私自身はこの合意を評価しないばかりか、この合意には、非常に大きな欠陥が含まれていると考えます。なぜなら、安倍晋三総理大臣自身が「慰安婦問題」の正確な定義を理解していないからです。

慰安婦という悲しい歴史は事実だ

韓国が主張する慰安婦問題とは

①1941年12月8日から1945年8月15日にかけて、②日本軍が、③組織として④朝鮮半島で⑤20万人の少女を誘拐し、⑥戦場に強制連行して⑦性的奴隷として使役した

問題のことです。この①~⑦までのどの要素が欠けても「慰安婦問題」ではありません。

もちろん、歴史的事実として見れば、「①大東亜戦争の期間中」、日本兵を客と想定した「戦時売春婦」は存在していました。そして、朝鮮半島出身者が朝鮮人女衒の紹介で、戦時売春婦として働いていたことは否定できませんが、彼女らは「⑦性的奴隷」ではありません。「⑦戦時売春婦」です。

しかし、「戦時売春婦」と「従軍慰安婦」では、まったく位置付けが異なります。とくに、「②日本軍が」慰安所の管理に関与していたことは事実ですが、それは衛生面からの要請に基づくものであり、「③組織として④朝鮮半島で⑤20万人の少女を誘拐し⑥戦場に強制連行」したという主張は事実無根です。

したがって、事実に即してこの主張を書きなおせば、

①おもに大東亜戦争中に、②日本軍が管理に関与する慰安所で、③おもに朝鮮人女衒が、④朝鮮半島で⑤数百~数千人規模の成人女性を勧誘し(または彼女らの家族が彼女らを朝鮮人女衒にカネで売り渡し)、⑥戦場に送り込み、⑦戦時売春婦として働いた

問題だと言い換えるべきでしょう。

もちろん、戦時売春婦として働いた女性たちの中には、みずからの意思に反していた人がいたことは事実でしょう。しかし、それはあくまでも彼女らの家族(おもに父親)の責任であり、もっと言えば生活のために娘を売るという文化を持っている朝鮮民族全体の責任であって、私たち日本人の責任ではありません。

いずれにせよ、戦時売春婦の問題は悲しい歴史ですが、私たち日本人にはいっさい責任がありません。なにより、終戦時までの南北朝鮮の日本に対する請求権は、1965年の日韓基本条約により完全に消滅しており、法的にも道義的にも私たち日本人には責任がないのです。

慰安婦問題は「日本が悪い」という側面もある

この当たり前の事実を踏まえ、改めて現在の「慰安婦問題」について考えてみましょう。

2015年12月の日韓慰安婦合意とは、考えてみれば、「韓国国民や韓国政府があまりにもうるさいから、日本政府が一種の『政治決着』として問題を解決するために持ち出したものだ」と見ることができます。というのも、この問題がここまでこじれたことに、日本政府の責任が皆無ではないからです。

まず、1990年代に日韓間で慰安婦問題が政治問題化した時点で、当時の日本政府は「そのような事実はない」と突っぱねておけば良かった話です。しかし、「河野洋平」という政治家が「官房長官」という地位を悪用して「河野談話」という形で勝手に日本の責任を認めてしまいました。

また、国連でいわゆる「クマラスワミ報告」が出て来た時にも、日本の外務省がこの報告書を論破し、叩き潰すチャンスが何度かあったにも関わらず、外務省は結果的にこれを放置してしまいました。このため、「慰安婦イコール性的奴隷」というウソが、それこそ全世界に浸透したのです。

次に、この問題を捏造したのが、法人としての朝日新聞社であり、メディアとしての朝日新聞です。捏造記事を執筆した「植村隆」なる個人の罪も重いですが、やはり朝日新聞社という「日本の法人」が「日本の名誉と尊厳」を破壊するために捏造したという事実は、深刻に受け止める必要があります。

さらに、日本人でありながら、国連などの舞台で日本の名誉と尊厳を傷つける方向で活動している、不逞な日本人も存在します。弁護士会などにそのような者が多く存在するようですが、現在の反日6野党の政治家らや反社会的な市民団体、活動家らにも、重い責任があります。

つまり、日本という国のなかで、次のとおり、この問題を悪い意味で広めた者たちがいた、ということです。

  • 問題そのものを捏造した「植村隆」なる個人、朝日新聞社という法人、朝日新聞というメディア
  • 官房長官としての地位を悪用し、日本の名誉と尊厳を傷つけた、「河野洋平」なる政治家
  • 慰安婦問題を叩き潰そうと思えばできたのにそれをしなかった外務省という組織
  • 国連等の国際社会の場で、日本人でありながら日本の名誉と尊厳を傷つけ続けている活動家や反日野党

そして、朝日新聞というメディアの存続を許してきたのは日本国民ですし、「河野洋平」なる人物を官房長官の地位に就けたのも、反日野党や反日活動家らを支えているのも日本国民です。このように考えていけば、日本国民の責任がまったくゼロであるとは言い切れません。つまり、日本という国にも責任は皆無ではないのです。

したがって、岸田外相(当時)と安倍総理が、「政治家の責任として」日本が悪かったというウソを一部認めてまで損害賠償金をくれてやり、慰安婦問題を最終決着させたことは、「政治判断」の一種としてはアリでしょう。

もちろん、私はこの慰安婦合意自体が大きな間違いだったという意見を変えるつもりはありませんが…。

誰がどう責任を取るべきか?

韓国は被害者でなく加害者だ

ただし、「朝鮮人の少女20万人の尊厳を傷つけたこと」そのものに対する責任は、日本にはありません。日本が責任を取らねばならないことは、「日本国内から反日的な活動をする者が日本自身の名誉と尊厳を傷つけたこと」です。

もちろん、その主犯である朝日新聞社には倒産、メディアとしての朝日新聞には廃刊という社会的制裁を与えるしかありません。私たち日本国民が朝日新聞を「読まない、買わない、読ませない」という行動を取ることで、朝日新聞社を倒産に追い込むということが必要です。

しかし、韓国国民と韓国政府、さらには北朝鮮当局や中国共産党が、この「慰安婦問題」を使って日本人の名誉と尊厳を傷つけ続けていることについては、看過してはなりません。なぜなら、無実の罪を着せて名誉と尊厳を傷つけても良いという姿勢など、人類は容認しないからです。

私の主張の要点は、慰安婦問題を巡って、「韓国は被害者ではなく加害者」であり、「日本は加害者ではなく被害者」です。そして、韓国人に言わせれば、「被害者は千年経っても被害者」であり、「加害者は千年経っても加害者」です。このことを、絶対に忘れてはなりません。

河野洋平元官房長官に責任を取らせる方法とは?

ちなみに先ほど私は「朝日新聞に廃刊、朝日新聞社に倒産という社会的制裁を加えるべき」と申し上げましたが、個人としての植村隆元記者、河野洋平元官房長官に対しては、このような制裁を加える必要などありません。これはなぜでしょうか?

日本人の名誉と尊厳を傷つけた最大の「戦犯」のうち、この2名については、このインターネット時代にあって、過去に何をしでかしたかという「事実」を説明するだけで、十分に責任を取らせることができるからです。

とくに植村隆元記者は「私は捏造記者ではない」と主張する書籍を刊行しているようですが、皮肉なことに、この書籍のお蔭で、すでに日本国内では「捏造記者」として有名となってしまったようです。「キジも鳴かずば撃たれまい」という諺(ことわざ)どおりですね。

また、河野洋平元官房長官に対する最大の制裁とは、その息子である河野太郎外相が日本の国益のために活躍することにほかなりません。河野太郎氏は外相に就任して以来、今のところは安倍総理と連携を密にし、活躍しています。

河野洋平元官房長官のメンツが自身の息子の活躍によって否定されることこそ、ある意味で最も理想的な「責任の取り方」といえるかもしれません。

安倍総理に対する責任の取らせ方

さて、私自身は安倍総理と岸田元外相がなした日韓慰安婦合意の罪深さを憂いており、その意味で、安倍総理も「日本人の名誉と尊厳を傷つける立場」という意味では、ある意味では同罪と言えるかもしれません。私は慰安婦問題を、

文筆家である吉田清治の虚偽証言に基づき、朝日新聞社が捏造した報道を、韓国政府と韓国国民と中国共産党が悪用し、全世界で日本人の名誉と尊厳を傷つけている問題

であると考えています。

このように考えるならば、たとえ政治決着であったとしても、やはり「ウソをあたかも事実であるかのように認める」という選択肢は、日本国民の名誉と尊厳を売り渡すものであり、政治家として最悪の選択であると言わざるを得ません。ただし、それと同時に、

この日韓慰安婦合意自体、安倍総理が韓国に食わせた「毒まんじゅう」の一種であり、韓国が絶対にこの合意を蒸し返すことを安倍総理は最初から見通していた

と信じたいところです。こう考えた場合、安倍総理には辞任以外にも、きちんとした責任の取り方があります。それは、「内閣総理大臣としての職分を全うすること」、です。たとえば、韓国が慰安婦合意を反故にしようとしたときに、韓国にきっちりと制裁を加えることができるかどうかを、私は見極めたいと思います。

とんでもない話

日韓合意を外交関係者が否定することの深刻さ

さて、私自身は安倍総理と岸田元外相がなした日韓慰安婦合意の罪深さを憂いており、その意味で、安倍総理が日韓関係について、どう落とし前を付けようとしているのかには注目したいと考えています。

ただ、それと同時に韓国も法治国家である以上は、いったん国家間で成立した合意を簡単に反故にしないような努力が必要です。この日韓合意は日韓双方にとって痛みを伴うものであり、外交の世界では、どちらかの主張が100%通るというものでもありません。

考え様によっては、2015年日韓慰安婦合意は、韓国にとっても外交的勝利です。というのも、そもそもがウソである「従軍慰安婦問題」における責任を日本政府に認めさせ、10億円という現金まで手にしたからであり、経済的にもメンツ的にも日本から利益を勝ち取ったからです。

しかし、韓国がもしこれに満足できず、「もっとよこせ」と言い出した瞬間、韓国には「法治国家であることを否定する国である」という悪評が世界中で立つことになります。たとえば、「安倍総理がお詫びの手紙を書け」だの、「自主的な措置を取れ」だのと言った瞬間、それは日韓合意違反だからです。

いや、外国公館を侮辱する醜悪な銅像を撤去しないこと自体、「外交に関するウィーン条約」第22条第2項違反であり、韓国が法治国家を名乗る資格がない証拠でしょう。

それどころか、韓国の民間団体は米国をはじめとする全世界であの醜悪な慰安婦像を建立しており、これらの民間団体を韓国政府(や中国共産党)が陰で支援している(らしい)ということは、最近になって知られてきています。

こうした行動自体、日韓合意に違反していて、とんでもない話です。

受け入れる外交官を選別すべき

ところが、韓国の政府関係者は、この「国と国との合意がいかに重いか」という点について、きちんと認識していないのです。

私は以前、『【緊急提言】韓国大使の「ペルソナ・ノン・グラータ」を議論する』という記事の中で、韓国の李洙勲(り・しゅくん)駐日大使が今年1月15日、東京で

日本の政治家らに頻繁に会って、慰安婦問題が解決済みであるとする日本政府の立場が広がらないように努力している

と発言した、とする話題を紹介しました。これが事実であれば、この李洙勲なる人物、自国が外国と交わした合意を無視しているだけでなく、他国の内政に堂々と介入すると宣言したことと同じです。

今のところ、外務省がこの人物の国外追放を命じたという話は聞きません。ということは、このような発言をしたということが事実ではないか、それとも日本という国がまともではないか、そのいずれかです。

冒頭で紹介した「次期大阪総領事」・呉泰奎氏の「民間レベルの認識の隔たりを解消するのに努力する」とする発言も、これと同じような性質を持っています。日本はこのような認識を持つ人間を外交官として受け入れるべきなのでしょうか?私は「受け入れてはならない」と思います。

さらに、この人物は、韓国国内のかなり左翼的なメディア『ハンギョレ新聞』の論説室長などを経て、文在寅(ぶん・ざいいん)政権下で「慰安婦TF」の委員長を務めた人物です。慰安婦問題についても、隙あらば日韓慰安婦合意をひっくり返そうとしする発言を繰り返していることでも知られています。

少なくとも日本は受け入れる外交官について、もう少し選別した方が良いと思うのですが、いかがでしょうか?

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. めがねのおやじ より:

    < 毎日の更新ありがとうございます。
    < 新しく大阪領事に着く呉氏は、極左で有名なハンギョレ新聞の出身です。いわば文大統領によって拾い上げられた文のブレーン、広報担当者と言えるでしょう。康外務長官から委任を受けました。この3人はタテ糸で繋がっている。ましてや呉氏は日韓慰安婦問題のタスクフォースに参画した中心メンバー。ここまで徹底的に対日本に核心人材を派遣するとは、日本国を下に見ている証拠です。なぜしつこくこじらすのか?
    < 呉氏は日本との慰安婦問題で民間レベルで接近というが、即刻韓国に帰ってもらいましょう!退去命令出せ!
    < 失礼します。

  2. りょうちん より:

    少し、ムンの肩を持つならば。

    別に大阪領事の人事がおかしいんじゃ無くて、ムン政権のすべての人事がおかしいだけで平壌運転なのです。
    閣僚にもまともな能力を持った人間が一人も存在しません。

  3. 非国民 より:

    従軍慰安婦はなにも朝鮮半島だけのことではなかっただろう。旧日本軍は中国にもフィリピンにもインドネシアにも行った。おそらくどの地でも多かれ少なかれ従軍慰安婦はいたはずだ。当時のアジア諸国はどこも貧しく、女性が手っ取り早く稼ぐ方法は売春。しかし、それを問題視してお金をとろうとするのは韓国だけだ。韓国とその他の国の違いは韓国はかつては中国の属国だったという点だ。属国なので自立できず、必ず宗主国というスポンサーが必要だ。この性質が現在でも受け継がれているようだ。韓国の従軍慰安婦問題はようするに日本からいかにお金をふんだくるかということのように思える。従軍慰安婦が全員亡くなれば次は徴用工。それが亡くなれば、経済植民地とか言い出すだろう。自らが自立して生きることを放棄した集団が韓国なのではと思う。

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