本日2本目の配信も、「朝鮮半島情勢の緊迫化」をテーマにしたものです。
目次
状況の大きな変化
北京から東京へ―日本のプレゼンス、非常に高まる
朝鮮半島が緊迫化する中で、ドナルド・トランプ米大統領がこの問題を巡り、日本の安倍晋三総理大臣と中国の習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と協議したという事実とその意味については、昨日も触れたとおりです。
Trump calls Xi and Abe as North Korea tensions simmer(2017/04/24付 FTオンラインより)
ポイントは、朝鮮半島危機を議論する相手として、米国大統領がまず日本の総理大臣に電話を掛けた、という点でしょう。つまり、朝鮮半島情勢がいかに切迫しているかという点だけでなく、日本のプレゼンスがかつてなく高まっている、という点にも注意が必要です。
そして、これについてはいくつかの「続報」があります。
6カ国協議議長が25日来日 北朝鮮問題、外務省高官と会談へ(017/4/25 9:39付 日本経済新聞電子版より)
日米韓、3カ国連携強化へ協議 対北政策の見直し踏まえ(2017.4.25 09:54付 産経ニュースより)
日経電子版によると、今回来日するのは、「北朝鮮核問題を巡る6カ国協議の議長を務める中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表」で、来日目的は日本の外務省高官と会談するためとしています。また、これに続く産経ニュースによると、本日午前、北朝鮮の核問題を巡り、日本外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表、韓国外務省の金●均(きん・こうきん、●は火へんに共)朝鮮半島平和交渉本部長が、すでに日本の外務省板倉公館にて協議を開始しています。
つまり、北朝鮮問題を巡っては、日本が一種の「情報ハブ」として機能し始めているのです。
米国としては、米軍にとって最も重要な在外米軍基地が置かれていて、自衛隊からの強力な支援が期待される日本で協議を行う方が、何かと都合が良いのでしょう。また、中国としても、日本を通じて米国の意向を探るという意味合いがあります。
1994年の「6カ国協議」は中国の首都・北京で行われましたが、今回は日本の首都・東京を舞台に外交戦が行われることになりそうです。
「韓国外し」に戸惑う韓国
ただ、トランプ氏は日中両国首脳との電話会談を行いましたが、その一方で、韓国首脳には協議を行っていません。
そして、韓国の黄教安(こう・きょうあん)首相(大統領権限代行)が協議の対象から外されたことを巡っては、本日、韓国内のメディアから戸惑いが出ています。私が平素から「愛読」(?)している『中央日報』日本語版のウェブサイトにも社説が掲載されています。
【社説】習近平主席・安倍首相と電話して韓国は除外したトランプ大統領(2017年04月25日07時38分付 中央日報日本語版より)
中央日報の社説によると、米国のトランプ政権の姿勢について、
「もちろん対北朝鮮軍事措置を取るには圧倒的な武力だけでなく、さまざまな国際政治的な条件も満たさなければいけない。中国の黙認・ほう助、米指導部の意志・決断、そして韓国が意思決定に加わることが基本だ。」(※太字下線は引用者による加工)
と主張。そのうえで、
「問題は韓国だ。トランプ大統領の今回の電話会談の対象から韓国の首脳部が抜けたという事実は懸念される。もちろん韓国が黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行体制で大統領選挙を行っている状況のためという分析も一部で提起される。しかし、いくら特殊な状況でも国家と共同体の運命がかかる重大な状況で疎外されてはいけない。きょう東京で開催される韓日米6カ国協議首席代表緊急会議から韓国の意思が確実に伝わるよう外交的努力に拍車を加える必要がある。」
と、重要な協議の場から韓国が外されていることに、強い懸念を示しています。
米国が韓国を協議の対象から外したわけ
ところで、「なぜ韓国が協議から外されているのか」については、韓国メディアの記事を読んでも「大統領権限代行が大統領選を行っているためだ」とする仮説を除けば、ほとんど分析がなされていません。
これについては、トランプ氏が韓国に「気を回す」ほどの余裕がない証拠と見ることもできますし、韓国メディアがいうように、米国が「権力移行期にある韓国の首脳と話をしても仕方がない」と考えている、と考えることもできます。
ただ、もっと重要な理由が2つあります。
1つ目の理由は、米国は韓国政府の了解がなくても戦争を開始することができる(あるいは韓国政府が反対しても米国は戦争を開始するかもしれない)という点でしょう。米国は、2015年に韓国側に返還するはずだった在韓米軍・韓国軍に対する「戦時統制権」をいまだに保持しています。また、米軍の主力部隊は韓国ではなく、日本に展開しています。さらに、韓国は1953年の朝鮮戦争の休戦協定における「当事国」ではありません。その意味でも、国際法上も事実上も、「第二次朝鮮戦争」を始めるのに韓国の了解など不要なのです。
2つ目の理由は、米国の戦争遂行に当たり、韓国政府の存在が「足手まとい」だからです。仮に米軍主導で朝鮮半島有事が発生するならば、それは「一瞬で」終わる(と米軍が判断した)時に限られます。北朝鮮は韓国の首都・ソウルからわずか50km程度の距離にある軍事境界線上に、ソウルに向けて大量の砲門を展開していますし、韓国や日本に照準を合わせた大量の移動式ミサイルを保持していると考えられます。米国はおそらく、開戦するとしたら、MOAB(「全ての爆弾の母」と呼ばれる強力な爆弾)などを北朝鮮に対して複数発打ち込み、反撃能力を失わせて、一気に平壌(へいじょう)を制圧し、金正恩(きん・しょうおん)の身柄を拘束することになるでしょう。
これらの作戦についての後方支援を行うのは、韓国軍ではなく日本の自衛隊であり、さらに中国が米軍による北朝鮮攻撃を「黙認」することも必要です。トランプ大統領が日中両国の首脳との協議を優先したのは、ある意味で当然の話でしょう。
中国からも「いじめられる」韓国
もう一つ、韓国といえば中国からも厳しい「イジメ」を受けています。米国が主導し、中国が猛反発している「高高度ミサイル防衛システム」(THAAD)の朝鮮半島への配備を巡り、こんな報道がありました。
中国、サイバー攻撃でTHAAD配備に報復か(2017 年 4 月 24 日 10:05 JST付 WSJ日本版より)
WSJ(日本語版)によると、米サイバーセキュリティー企業が
「中国政府の支援を受けたハッカー集団が最近、米ミサイル防衛システムの配備に関係する韓国の政府機関などにサイバー攻撃を仕掛けている」
と指摘した、としたうえで、
「韓国外務省は先月、同省のウェブサイトに対し、短時間に大量のアクセスを集中させる「Dos攻撃」が中国から行われていたと発表」
したと報じています。中国人観光客が急減するなどの「経済面からの締め付け」に加え、サイバー攻撃などの「軍事面からの締め付け」が激化している格好です。
もしかすると、すでに米中両国間では、「韓国へのTHAAD配備を見送る代わりに北朝鮮への締め付けをしろ」といった「交渉」が行われているのかもしれません。ただ、いずれにせよ、ここにも韓国が「主体的に」関わる余地はなさそうです。
情勢緊迫の中、必要なこと
いずれにせよ、北朝鮮情勢がかつてなく緊迫していることは間違いなさそうです。
米空母「カール・ヴィンソン」が朝鮮半島に向けて北上する中、日本の海上自衛隊の護衛艦「さみだれ」と「あしがら」が、軍事演習を名目に東シナ海近海で「カール・ヴィンソン」に合流。このまま日本海に入る可能性も高いと見て良いでしょう。
こうした中、明日は(もし記事更新ができるならば)久しぶりに「韓国というコウモリ国家の末路」について議論してみたいと思います。どうかお楽しみに!
View Comments (3)
いちいち南鮮は文句言いなさんな。戦時統制権は米国にある。話を通しておかなくていい。その立場は世界一の同盟国、日本である。あなたたちに言うと北鮮に漏らすわシナ、ロシアにも御注進するだろう。今までの振る舞いを考えよ。悪知恵が働くように見えて、民度低いのですぐばれる。6か国協議に南北が入るからややこしい。少なくとも南
鮮にイスはなし。もし、戦闘になっても米軍の邪魔をする。あなたたち韓国兵は先を争って逃げるだろ。海外旅行などせず、その日を静かに待ちなさい、
MOAB
スゴイことになっとる
雨カスは最初にモアブぶつけて
北の攻撃の反撃よ能力を奪い
ジョンウンをみつけてコロして
アッちゅうまに終わらせる気や
もうすぐ日本はプレフラやで
北崩壊が飲み会のサカナだわ
邪魔でうざいばかりか、おっしゃるようにかえって足手まとい
当人がそれを理解できないのがさらに困った問題なわけで
蚊やゴキブリの類なら蚊帳の外に置いておくべき
現実主義者なら当然そう考えるよ
まして敵と通じてるような奴に誰がトップシークレットを教えるだろうか?
幌馬車がインディアンの襲撃を受けるというような昔見た西部劇の
口ばかり達者で事あるごとに反対する同乗者を、ぶん殴って気絶させ
なんとか危機を脱出できたという映画のシーンのようだ
たぶんジョン・ウェインだな、ぶん殴ったのは
トランプに余裕がないというよりは、それだけ真剣なアタックなんだと思う
そもそもこれは北朝鮮とアメリカの問題で、韓国?なにそれ?おまエラ邪魔
「韓国が意思決定に加わることが基本だ」
加えてほれ、またこの上から目線の勘違い
引用者が太字変換に下線まで引く意味は、あいつら理解できないよ絶対
大院君と高宗と閔妃でぐちゃぐちゃだった李朝末期
当の子孫は忘れたか、きちんと歴史教育されてないかだけど
周辺国は覚えてるし朝鮮人対応の教訓としてる
トランプは元々関心ないだろうが、肌感覚で分かってるだろうな
未だに李朝末期に生きてるような不思議な民族だね