歴史に沈む韓国

シロアリに土台を食い散らかされた家屋は倒壊しますし、船舶も傾けば転覆します。それと同じように、誤った衆愚政治と法観念に支配された社会は、たとえ国家であっても、いずれ転覆し、倒壊する運命にあります。そして、その転覆が間近に迫った国が、日本のすぐそばにあるのです。本日は以前からの人気シリーズ「韓国崩壊」の最新版として、少し前の韓国メディアの報道やいくつかの事件を手掛かりに、韓国社会が抱える病巣をえぐるとともに、同国を待つ「3つの未来」を、さらに「6つ」に細分化して分析してみたいと思います。

国家自体が転覆する

え?韓国が法治主義国家!?

私の「愛読」(?)している韓国メディア『中央日報』の日本語版に、朴槿恵(ぼく・きんけい)前大統領の弾劾を巡り、典型的な「自画自賛記事」が掲載されていました。

【コラム】韓国、エリート時代の終焉(1)(2017年03月27日16時13分付 中央日報日本語版より)

私はリンク先の記事を読んで、思わず、冒頭からのけぞってしまいました。

(略)憲法裁判所はこのように宣言することで「大韓民国の主権は、国民に存し、すべての権力は、国民から由来する」という憲法1条2項の尊厳を確認した。大統領弾劾を導き出した市民革命は大韓民国が国民主権主義・法治主義・民主主義に基づいている民主共和国であることを全世界に知らせた偉大な革命だった。(太字下線は引用者による加工)

韓国の憲法裁判所は3月10日、朴槿恵大統領(当時)に対し、罷免判決を下しました。憲法裁は定員が9人ですが、1人が欠員状態にあり、また、残り8人中6人以上が賛成しなければならないという状況でしたが、ふたを開けてみれば、在任していた8人の全員が罷免に賛成。また、報道によれば、韓国の裁判所が朴氏を罷免した理由は、「国民主権主義と法治主義、刑事法などに違反した」からとしていますが、具体的に朴氏がどの法律のどの条文に違反していたのか、判決文などを読んでも今一つ判然としません。

ただ、一つだけ定かなことがあるとすれば、少なくとも韓国を代表する「保守系メディア」(?)である中央日報が、今回の朴大統領の罷免劇を「大韓民国が国民主権主義・法治主義・民主主義に基づいている民主共和国であることを全世界に知らせた偉大な革命だった」と認識している、ということです。何とも呆れてしまいますが、これが韓国内のメディアの認識なのでしょう。

韓国社会の左傾化と転覆

ところで、韓国のメディアが「民主主義と法治主義」を自賛するのは、なにも中央日報日本語版に限られません。比較的「左派」と見られているメディアである『ハンギョレ新聞』の日本語版にも、朴大統領を「国民を蔑視し国家権力を私物化して国の根本を揺るがした」、「愚かで極悪非道」な大統領だと断罪したうえで、「常識と当然な道理の勝利だ」とする社説が掲載されています。

[社説]民主主義の道しるべを新たに打ち立てた市民革命の勝利(2017.03.11 06:16付 ハンギョレ新聞日本語版より)

先ほど引用した中央日報とは論調もよく似ていますが、違う点があるとすれば、記事が出版された時点にあります。ハンギョレ新聞の方は朴氏が罷免された直後に出版されているのに対し、中央日報の方は、朴氏の罷免から3週間近く経過してから執筆されている、という点でしょう。

私はここに、韓国の未成熟な民主主義の実態を見る思いがします。というのも、中央日報は朴政権成立直後から、同氏の「米中二股外交・反日路線」を全力で支持してきたからです。その中央日報が、朴前大統領の罷免から3週間近くも経って、国民におもねるかの如く、左派メディアと論調を合わせてきたのです。このことは、韓国社会の絶望的な左傾化を意味しているのではないでしょうか?

韓国社会を象徴する「転覆事件」

社会の転覆はセウォル号が如く…

「韓国社会が左傾化した末に転覆しかけている」―。

これは、最近の私の持論です。ただ、「社会が転覆する」といわれても、成熟した民主主義社会である日本に暮らしている私たち日本国民からすれば、ちょっと想像が付かない、と思う方も多いでしょう。

そこで、韓国社会の病巣を示す、一つの典型的な事件を振り返っておきたいと思います。それは、フェリー船「セウォル号」の転覆事故です。

韓国の船会社が運営するフェリー船「セウォル号」は、2014年4月16日午前、韓国・全羅南道珍島郡にある観梅島の沖合で沈没しました。ところが、この事件、さまざまな意味で異例ずくめでした。

まず、沈没した時点において、その海域は視界も良好であり、また、水深も深く、座礁するような要因もなかったはずです。しかし、その後の調査によると、どうもこの船が沈没した理由が人災である、という疑いが濃厚になってきました。当時の報道から事件の特徴を列挙していくと、「頭が痛くなる」話がいくつも出てきます(図表1)。

図表1 セウォル号転覆座礁事件とその余波
区分項目概要
転覆した理由設計上の問題荷物積載場所を確保するためか、バラスト水が不足していた
もとは日本製の中古フェリー船だったが、韓国の船会社が購入後、違法改造し、重心が高くなっていた
韓国の法令上、義務付けられていたはずの検査が形骸化していた
運航上の問題転覆時点で上限値の4倍近い貨物が過積載されていた
転覆時に同号を操舵していたのが、船長ではなく未熟練の三等航海士だった
転覆時に船長はステテコ姿でギャンブルに興じており、転覆時に乗客の誘導を行わず、自分だけ真っ先に逃げ出した
関係者の対応船会社の対応責任者(経営者)は事件後、国外逃亡を図った
韓国政府の対応朴槿恵大統領(当時)は事故直後、7時間ほど行方不明だった
被害者家族の行動沈没現場最寄りの港湾に近接する体育館などを長期間にわたり占拠。彼らのために「仮設住宅」(?)が建設された
相次ぐ虚偽証言事件直後に「関係者」と称する者が多数出現し、「沈没現場から電話を受けた」など虚偽の証言が相次いだ
事件後の余波産経新聞支局長刑事訴追事件事故直後に朴氏が所在不明となったことを指摘した朝鮮日報の記事を引用した、産経新聞・加藤達也支局長(当時)が「大統領に対する名誉棄損」の罪で刑事告発・起訴される
朴氏の逃亡事故後一周年記念式典にあわせて朴氏が南米歴訪に出掛けるなど、ここでも「責任者不在」が強く批判された

正直、自分自身でも書いていて頭が痛くなります。

事故原因と事故後の対応の双方に問題がある

まず、事故原因に関していえば、明らかに韓国の慢心に次ぐ慢心がもたらした当然の帰結であるとしか思えません。日本の常識だと、フェリーには救命胴衣や救助ボートなどが搭載されており、また、非常事態では乗務員が乗客を安全に避難させます。さらに、そもそも論として、貨物の積載にも厳しいルールがあります。しかし、セウォル号の事例では、救命具が一切役に立たなかったばかりでなく、乗務員が適切な避難誘導を行わなかったばかりか、船長が真っ先に逃げ出す始末です。

  • 船体の違法改造が防止されていたか、
  • 貨物の過剰積載が防止されていたか、
  • 未熟練の三等航海士が操舵していなかったか、
  • 乗務員が避難誘導を行っていたか、
  • 規定通りに救命具が備え付けられていたか、

そのいずれか1つでもあれば、あれほどまでに大量の人々が犠牲になることはなかったはずです。

しかも、私の目から見て、韓国社会は同号の転覆事件の原因をきちんと究明し、反省しているように思えません。たとえば、セウォル号沈没事件後、韓国政府は、「事故直後の7時間、朴大統領が行方不明だった」とする朝鮮日報の記事を引用した、産経新聞の加藤達也支局長(当時、現・編集委員)を、「大統領に対する名誉棄損」という、民主主義国にはあるまじき罪状で在宅起訴しています(のちに無罪判決)。

余談ですが、本日の冒頭に引用した中央日報の記事では、韓国が「民主主義・法治主義国だ」とする自画自賛を行っていますが、加藤達也氏の刑事告訴事件については、たしか中央日報自身も法治主義を忘れ、韓国の検察当局の蛮行を礼賛していたように記憶しています。

類似事故が頻発する理由とは?

ところで、私が「韓国社会がセウォル号を反省しているとは思えない」と申し上げる理由は、セウォル号事件が発生した2014年4月前後に限っても、韓国の会社が運航する乗り物を巡って、重大事故が頻発しているからです(図表2)。

図表2 韓国の会社が発生させた重大な事故
時期事故名概要
2013年7月6日アシアナ航空214便着陸失敗韓国・アシアナ航空がサンフランシスコ国際空港への着陸に失敗・炎上し、3名の乗客が死亡した航空事故
2014年5月2日ソウル地下鉄2号線追突事故車両の不具合のために停車していた列車に後続列車が追突。数百人が負傷した地下鉄事故
2014年12月5日大韓航空86便ナッツ・リターン事件韓国・大韓航空がニューヨーク・JFK国際空港を離陸するために滑走路に向かっていたところ、ファーストクラス乗客として搭乗していた同社副社長の命令により搭乗ゲートに引き返した事件
2015年4月14日アシアナ航空162便着陸失敗韓国・アシアナ航空が広島空港に着陸する際、滑走路手前の機器に接触・巻き込み、ほぼ180度回転した航空事故
2016年10月19日ソウル地下鉄5号線ホームドア死亡事故男性客がホームドアに挟まれた状態で列車が発車し、巻き込まれて死亡した事故

そして、これらの事故には、共通点があります。それは、「安全確認」という当然のルールを無視した、杜撰でお粗末な運航の結果、もたらされている、というものです。

「30件につき1件」の法則

事故の世界でよく引用される法則があります。それは、「30分の1の法則」です。

これは、「30件のルール違反を放置すれば1件の小事故が発生する」、「30件の小事故を放置すれば1件の中事故が発生する」、そして「30件の中事故を放置すれば1件の大事故が発生する」、という具合に用いられます。そして、「30件の大事故を放置すれば国家が転覆する」、と付け加えても良いでしょう。

もちろん、ここで示したものはあくまでも比喩であり、正確に「30件のうち1件」という法則が当てはまるわけではありません。もしかすると「1件の小事故の裏に潜むルール違反の数」は20件かもしれませんし、40件かもしれません。ただ、私が言いたいことは、「ちょっとした規律の緩みも放置し続ければ小規模の事故につながる」し、「小規模の事故が頻発する社会となって、それを放置すれば中規模の事故が頻発するようになる」し、さらには「中規模の事故、あるいは大規模な事故が頻発するようになると、やがては社会・国家崩壊につながる」、ということです。

そして、何もこれは交通機関の事故に限られません。交通ルール違反、税法違反、贈収賄、あるいは報道機関の偏向報道など、社会のあらゆる分野に及びます。私の予想では、既に韓国社会は「シロアリに土台を食われた建物」のごとく、社会全体が偏向し、崩壊を目前にしています。そこにあるのは、自ら崩壊するか、中国や北朝鮮という外圧により崩壊するかの違いでしょう。

自壊か他壊か―韓国を待つ暗い未来

敵味方の区別がつかなくなってしまった

さて、古今東西の歴史を眺めると、国家が滅亡するパターンとしては、「軍事的に攻め滅ぼされる」か、「内乱により滅びる」か、そのいずれかの事例が圧倒的に多いです。もちろん、中には森林を伐採し過ぎて文明が崩壊する、というケースもありますが、たいていの場合は異民族の侵入(ゲルマン人に滅ぼされたローマ帝国など)や軍事的侵略(中国に侵略されたチベットなど)、さらには革命による政権打倒(イスラム革命により倒されたイラン帝政など)などにより滅亡しているのです。

ただ、異民族の侵入や軍事的侵略を受けるケースを見ていくと、たいていの場合、その国は他国に侵略される以前に、社会の土台が腐り、国力が削がれています。

私の目から見ると、現在の韓国は、どこが「韓国にとっての味方」で、どこが「韓国にとっての脅威」であるかについて、きちんと判断することすらできなくなってしまっているようです。当然、客観的に見て、韓国にとって一番重要な国は、韓国を軍事的に守ってくれる米国であり、韓国に経済的な恩恵を与えてくれる日本です。そして、韓国に脅威を与えている国は、韓国への軍事侵攻をチラつかせる北朝鮮や、韓国を自国の影響下に置こうとする中国です。ところが、現在の韓国は、ともすれば中国や北朝鮮に擦り寄り、日本や米国を敵視してしまいます。

韓国では5月9日(火)に、朴前大統領の後任を決めるための大統領選が行われますが、現時点の報道では、文在寅(ぶん・ざいいん)氏が最有力候補です。この文在寅氏は、盧武鉉(ろ・ぶげん)政権(2003年2月~2008年2月)下で政権中枢部にいた経歴というもあるのか、基本的に「親北・親中・反日・反米」という性向を有していると見られます。また、万が一、文氏が落選したとしても、これといった保守系候補が存在しない中で、やはり程度の差こそあれ、「親北・親中・反日・反米」的な政治姿勢を取る候補者が後任大統領に当選する可能性が高いことは間違いないでしょう。

その大きな理由は、韓国社会自体が極端に左傾化し、転覆しそうになっているからです。

改めて見る、「3つの未来」

以前からしばしば述べてきたとおり、私は、韓国社会には次の「3つの未来」が待っていると考えています(図表3)。

図表3 韓国社会を待つ「3つの未来」
未来概要顛末
赤化統一韓国社会が極端に左傾化し、転覆することで、北朝鮮が主導する形での朝鮮半島統一が実現する統一朝鮮が中華属国になるか、中国に対して独立を維持するかにより、シナリオは異なる
中華属国化韓国社会は経済面だけでなく軍事面でも中国に支配され、米韓軍事同盟が消滅し、事実上、中国の属国化する韓国が中華属国化したのちに、北朝鮮が韓国主導で吸収・統一されるか、日米の支援下で北朝鮮が存続するかにより、シナリオは異なる
軍事クーデター赤化統一や中華属国化を食い止めるため、気概のある軍部有志がクーデターを起こす韓国国民が軍事クーデターを支持するとは考え辛く、万一クーデターが発生しても失敗に終わる可能性が高い

ところで、この「3つの未来」を提示したのは、朴前大統領が罷免される前の時点でしたが、現時点ではこの「3つの未来」だけでなく、もっと深い議論が必要です。

私は、現在の韓国社会の「左傾化・転覆」を防ぐためには、軍事クーデターによる民政の停止が必要だと考えています。しかし、朴前大統領を罷免した韓国社会が、軍事クーデターを支持するとは思えません。必然的に、韓国社会には「赤化統一」か「中華属国化」のいずれかしかないと考えるしかないのです。

赤化統一とは?

赤化統一とは、北朝鮮が主導する形での朝鮮半島統一を意味します。次期大統領の最有力候補である文在寅氏が極端な親北派であると考えられることから、私は、韓国の赤化統一の可能性が非常に高まっていると考えています。

具体的には、北朝鮮が従来提唱してきた「高麗連邦国家構想」に韓国が呼応し、現在の中国のような「一国家二制度」で国家統一を行い、連邦制を敷く、というシナリオが最も現実的です。

もちろん、現状のように、韓国に米軍が存在している前提で、「高麗連邦」は実現しません。しかし、韓国の次期政権が、在韓米軍に配備されたTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)の撤回を主張すれば、米軍としては朝鮮半島から撤退する可能性が高まります。そして、米軍が韓国から撤退し、南北朝鮮が急接近し、赤化統一が実現する、というシナリオです。

ただし、米軍が存在しない軍事的空白が生じた際、速やかにこの軍事的空白が埋まるという保証はありません。場合によっては、中国が赤化統一に介入することも考えられます。なぜならば、現時点でも北朝鮮には中国人民解放軍は進駐していません。北朝鮮が韓国という「経済大国」を手に入れ、中国と敵対するようになることを、中国も恐れているからです。また、北朝鮮の核開発が飛躍的に進むことを、日米両国は嫌うはずです。

いずれにせよ、赤化統一には

  • (A)統一朝鮮が中国と親密な国家となる場合
  • (B)統一朝鮮が中国と独立した国家となる場合

の2つのパターンが考えられますが、このいずれの場合でも、日本にとっては厄介です。特に、現状でも日米中露4カ国は北朝鮮を持て余しているのです。北朝鮮が韓国の経済力を手に入れてしまうと、核開発等が飛躍的に進んでしまいます。地域の安全のためには、赤化統一については避けなければならないでしょう。

中華属国化とは?

一方、「中華属国化」とは、その名の通り、韓国が軍事的にも経済的にも、完全に中国の属国となってしまうことです。韓国の次期政権が愚かにも、在韓米軍に配備されたTHAADを撤回してしまえば、在韓米軍は韓国を見捨てることになるでしょう。そして、朝鮮半島に軍事的空白が生じた場合に、中国が人民解放軍を韓国に進駐させる、というイメージです。

ただ、この場合にも、いくつかのパターンがあります。とくに、

  • (C)韓国が中華属国化し、中国の承認を得て、韓国主導で北朝鮮を統一する(北朝鮮お取り潰し)
  • (D)韓国が中華属国化するが、北朝鮮はむしろ日米に接近する(クロス承認)

という可能性には注意が必要でしょう。

もう一つのシナリオ「米軍による北朝鮮攻撃」

そして、最近になって、これまで私が示してこなかった、「もう一つのシナリオ」も出現しています。それが、「米軍による北朝鮮攻撃」です。

米国のティラーソン国務長官は、3月中旬から下旬にかけて日韓中の3ヵ国を相次いで訪問。最後に訪問した中国で王毅(おう・き)外相に対し、早期の米中首脳会談を提案しましたが、この目的は、おそらく米国が北朝鮮攻撃を行う前提として、中国と直談判するためのものでしょう。

もしかすると、米国が北朝鮮攻撃を行わないために、中国が介入して北朝鮮という国家を消滅させる可能性にも注意が必要です。つまり、

  • 米国は中国に対し、北朝鮮が大量殺戮兵器等の開発を辞めないのであれば、北朝鮮攻撃を辞さない姿勢を示す
  • 中国は米国に対し、譲歩案として、みずから北朝鮮から核兵器などを取り上げ、金正恩(きん・しょうおん)体制を変更することを提示する
  • その結果、米中密約が交わされ、北朝鮮が「お取り潰し」され、穏健な暫定政権が成立する

という流れです。

このような状態が実現すれば、北朝鮮という脅威が除去されるため、それこそ米軍としても、多大なコストを払ってまで韓国に軍隊を駐留するという必要性がなくなります。このため、韓国から米軍が撤退し、朝鮮半島に生じる軍事的空白を埋めるために、中国・人民解放軍が韓国に進駐する、という結論は変わりません。

ただ、問題は、米中が決裂し、米国が中国の承認を受けずに北朝鮮攻撃に踏み切った場合のシナリオです。このシナリオについては、最悪の場合、米中戦争にまで発展しかねないため、可能性は極めて低いものの、ゼロではありません。

日本に必要なのはただ一つ

以上、まだ先のことはわかりませんが、現状で考えられるシナリオを、6つほど提示しました。すなわち、

  1. 赤化統一シナリオ(その後、中華属国化)
  2. 赤化統一シナリオ(独立化)
  3. 中華属国化シナリオ(韓国が北朝鮮を併合)
  4. 中華属国化シナリオ(韓国と北朝鮮が併存)
  5. 軍事クーデター(韓国で民政を停止、親日・親米政権)
  6. 米軍北朝鮮攻撃シナリオ

です。ただ、最後の2つ(軍事クーデターと北朝鮮攻撃)については極めて実現する可能性は低く、短期的には文在寅政権による赤化統一、それを避けることができたとしても、長期的には中華属国化のいずれかは避けられないと見ています。

日本に必要なことは、ただ一つしかありません。それは、韓国がどのような状態になったとしても、「自分の国の安全は自分で守る」ことに尽きます。その意味で、韓国で大統領選が行われる5月9日は日本にとっても極めて重要です(詳しくは『5月9日が「日本にとっても重要な日」である理由』をご参照ください)。

しかし、米軍による北朝鮮攻撃というシナリオが、決して絵空事ではない以上、この厄介な半島からは、しばらく目が離せない展開が続きそうです。

本文は以上です。

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読者コメント一覧

  1. 清明 より:

     韓国の政局は100年前に戻った感を否めません。
    歴史は繰り返すとは言え、好き好んで悪い歴史を繰り返す必要はないのにと思いますけどw
    でも、朝鮮半島が今後どうなっていくのか、興味の尽きないところです。

     いろいろなケースが考えられますが、現実問題として次期大統領が従中親北派になることだけは間違いないのでしょう。
    軍のクーデターもないわけではないのでしょうが、現在の韓国軍ではクーデターはまず起き得ませんね。
    従中親北派大統領で、米国と関係が今まで通りいくのか、それとも韓米同盟を破棄して米軍は撤退していくのか。
    対中国、対北朝鮮とどこまで、接近していけるのか。
    その先には北との併合もあり得るのか。
    考えるだけでも興味が尽きませんね。

     日本はこの機会に朝鮮半島との関係を薄めることに注力すべきです。
    ともかく、心根まで時代錯誤の甚だしい中華思想、小中華思想に取りつかれている大陸勢力とは、日本は一線を画しておくべきです。

  2. どう転んでも絶望的 より:

    なるほど。どっちに転んでも絶望的、ですか。だったら日本はどうすれば?まさか此の期に及んで韓国を助けてやれなんてあり得ないよね。ブログ主さんの続報に期待。

  3. 憂国の志士 より:

    韓国国民の多くが「民主主義」について完全に履き違えて理解していると思われる。
    朴槿恵弾劾~罷免が「民衆のチカラ」、つまり「民衆のチカラで大統領さえもクビにできる」と刷り込まれてしまったようだ。
    民(たみ)が主(あるじ)になれば『嘘も真実』にできる、主義。
    これはそっくり売春婦像問題に直結する。
    日本が嫌いな韓国人と、日本が嫌いな日本人とで企んだ陰謀が、まさにいま偽真実化されようとしている。
    それをただ「遺憾に思っている…」しか、しない日本国体が情けない…。

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