民泊を巡る議論の整理

最近、「民泊」について話題に上ることが増えてきました。これは、ホテルや旅館ではない一般の居住用の物件に、外国人旅行客などの他人を宿泊させる営業のことであり、昨年4月に実質的に解禁され、さらに民泊を普及させるための新法という議論も進んでいます。ただ、その一方で、違法業者がマンションの一室を買い取り、年がら年中、不特定多数の外国人を宿泊させ、近隣住民との間でトラブルになっているという「違法民泊」の事例もあります。こうした中、昨日『日経ビジネスオンライン』に、「民泊」を巡る、かなり不見識な記事が掲載されています。そこで、本日は法令と経済の専門家という立場から、改めて「民泊」の何が問題なのか、論点を整理してみたいと思います。

2017/03/03 08:15付 追記

私がこの記事を掲載したのは3月1日ですが、その後、民泊を巡り、「民泊物件の3割が無許可営業である」とする、新たな報道が出てきました。そこで、この記事の末尾に、新たな報道に関する記載を追加します。

民泊問題を考える

民泊の定義

最近、「民泊」が話題になっています。

近年、日本にやってくる外国人の数が年々急増しており、昨年は年間2400万人もの人々が日本を訪れましたが、しかし、ホテルの供給はすぐに追いつくものではありません。こうした中で、一種の「お小遣い稼ぎ」として、自宅の空き部屋を他人に貸し出したいと思う人と、安く宿泊したいと思う旅行者の間で、一種の「ニーズのマッチ」が生じているのです。

ただ、実際の法規制はこれに追いついておらず、中には悪質な業者が、一般の居住用マンションを買い取り、違法に民泊として提供している事例もあります。実は、私自身が居住する東京・新宿のマンションで、このようなことが行われていて、現在、管理組合で問題視されています。

ここで、「民泊」とは、ホテルや旅館ではない、居住用の一戸建てやマンションなどに、不特定多数の他人(外国人旅行客)などを宿泊させる営業と定義されますが、これについては「合法民泊」と「違法民泊」、さらには「民泊を解禁する新法」などの議論が錯綜しているのが実情です。

民泊巡る不見識な記事

ところで、私が常に愛読している『日経ビジネスオンライン』というウェブサイトの中で、民泊を巡る極めて不見識(あるいはお粗末)な記事がありました。

このウェブサイト、「日経」の名を冠していますが、『早読み深読み朝鮮半島』シリーズのように、「日経らしからぬ」(?)非常にシャープな論考が掲載されることもあり、私個人的には非常に重宝しています。ただ、私は、このウェブサイトに掲載される論考のすべてに共感している訳ではありません。運営しているのが雑誌社であるという事情もあるため、記事の著者も様々だからです。

そして、日経ビジネスオンラインに昨日、こんな記事が掲載されました。

「民泊」解禁どころか後退へ、経産省の不作為(2017年2月28日付 日経ビジネスオンラインより)

記事を執筆したのは、日経ビジネスの井上理記者で、記事は次のような文章で始まります。

自宅を他人に貸すホームシェアリング、いわゆる「民泊」を国内でも合法的に実現しようと、観光庁を中心に「住宅宿泊事業法案(民泊新法)」の整備が進む。法案は既に自民党による審査に入っており、政府は3月10日前後の閣議決定、今国会での成立を目指している。

井上記者の主張の要点

井上記者の主張によると、現在、政府・観光庁が整備を進めている「民泊新法」は、民泊を解禁させるどころか、むしろ逆に、国内に根付きつつある民泊が後退しかねないものだと批判します。というのも、この新法には、次のような問題点があるのだそうです。

  • 新法はホスト(住宅宿泊事業者)に都道府県知事への届け出や「宿泊者名簿」・「標識の掲示」などを義務付けたうえで、宿泊サービス上限を年間180日以内に制限するものである
  • しかし民泊世界最大手のAirbnb関係者は、「世界の多くの都市では年間上限までは無届・無許可で営業が可能だ」と批判している
  • 実際、米フィラデルフィアでは年90日、仏パリであれば年120日までであれば、無届で自由に自宅をゲストに貸すことができる

つまり、新法は世界の「スタンダード」(?)と比べて規制がガチガチすぎて使い勝手が悪い、というのが井上記者の主張の要点であるようです。

不勉強で不見識な記者

ただ、なぜ私がこの記事を取り上げたのかといえば、同氏がこのテーマに関し、第一に不勉強だからであり、第二に不見識きわまりないからです。

前提として、まず「旅館業」について、きちんと整理しておきましょう。

日本では、ホテルや旅館、簡易宿泊所などの「旅館業」を経営するためには、「旅館業法」に従い、都道府県知事や政令指定都市の市長などの許可を受けなければなりません(旅館業法第3条第1項)。そして、都道府県知事などが旅館業の営業許可を与えるかどうかについては、次のような観点から検討しなければなりません(図表1)。

図表1 旅館業の許可基準
項目規定内容備考
施設の構造施設の構造設備が旅館業法施行令で定める基準に合致していること部屋数、広さ、換気、採光、照明、防湿、排水などの設備があること
近隣施設小学校、中学校、高校、児童福祉施設等から約100メートルの場合の規制旅館業を経営することで清純な施設環境が著しく害される場合には許可されないことがある
その他の配慮義務公衆衛生、善良の風俗の保持義務ホテル、旅館などに対し、公衆衛生上、あるいは善良風俗の保持のために必要な条件を課すことができる

(【出所】旅館業法第3条第2項・第3項・第6項、旅館業法施行令第1条各項より著者作成)

この「旅館業の許可基準」については、考えてみれば当然の規定です。ホテルや旅館には、不特定多数の人が宿泊するわけですから、都道府県知事が許可を出す段階で、公衆衛生や風俗、あるいは近隣の環境に配慮しているかどうかを検討しなければならないからです。

もちろん、「旅館業法施行令」第1条には、事細かに基準が決められていて、これが「融通が利かない規定」であるという批判はあるでしょう(図表2)。

図表2 旅館業の具体的な基準
業態具体的基準の例備考
ホテル客室は10室以上であること、玄関帳場などを備えること、適当な換気・採光・照明・防湿・排水設備を持つこと、便所は水洗であり、洋式便器を備えていること、など洋室と和室で広さや備えるべき寝具の種類、部屋の構造などに微妙な違いがあるほか、ホテルの場合は暖房の設置義務はあるが冷房の設置義務はない
旅館客室は5室以上であること、玄関帳場などを備えること、など
簡易宿泊所延べ床面積は33㎡以上であること、適当な換気・採光・照明・防湿・排水設備等を有すること、など客室・部屋などは独立していなくても構わない

(【出所】旅館業法施行令第1条各項より著者作成。なお、下宿営業については割愛)

政令を読むと、ホテル営業の場合は「暖房」や「洋式便器」の設置義務がありますが、なぜか「冷房」の設置義務はないなど、読んでいて不可思議な個所も多々あります。ただ、不特定多数の人々を泊める以上は、公共の衛生や風俗にきちんと配慮しなければならないうえに、間違ってもホテルから伝染病などが広まるようなことがあってはなりません。

具体的な規制内容が細かすぎるとか、時代にそぐわないとか、そういった不都合はあるにせよ、「旅館業法」が旅館業の設置要件を定めていること自体は妥当だと考えて差し支えないと思います。

「無許可民泊」は違法だ!

ところで、井上記者の定義によれば、「民泊」とは「自宅を他人に貸す」行為のことだとしていますが、この定義が間違っています。

いわゆる「民泊」には、「旅館業法上の許可をきちんと取得したうえで、自宅を他人に貸し出す」という「適法民泊」と、「旅館業法の許可を得ないで違法に営業する」という「無許可民泊」があるからです。井上記者の記事では、この両者の違いが明らかではありません。

そのうえで、民泊の中でも「無許可民泊」の場合、「旅館業法」に違反しているという、純粋な法律理論の問題があります。「他人を宿泊させてお金を取る」ことは、旅館業法上の「旅館業」に該当するからであり、無許可で営業をすれば、6か月以下の懲役刑か3万円以下の罰金刑を受ける可能性があります。

そして、厚生労働省が公表している「民泊サービスと旅館業法に関するQ&A」という基準によれば、個人であっても自宅の一部を利用して人を宿泊させるためには、旅館業法上の許可が必要だとしています(図表3)。

図表3 厚生労働省の見解
ケース結論該当
個人が自宅の一部を利用して人を宿泊させる場合旅館業法上の許可が必要であるQ4
個人が自宅に知人・友人を宿泊させる場合社会通念上、個人生活上の行為として行われる範囲を超えていなければ、旅館業法上の許可は不要Q5
インターネットを介して知り合った外国人を自宅に宿泊させる場合日頃から交友関係がある友人であれば、社会通念上、個人生活上の好意を超えていなければOKだが、インターネットサイト等を利用して広く宿泊者を募集し、繰り返し人を宿泊させるような場合はアウトQ6
営利目的なしに、人とのコミュニケーションなどを目的に宿泊させる場合旅館業法の規制を逃れることができない場合もあるQ7
土日のみに限定して宿泊サービスを提供する場合日数や曜日をあらかじめ限定した場合であっても、宿泊料を受けて人を宿泊させる行為が反復継続して行われ得る状態にある場合は、旅館業法上の許可が必要Q8
「宿泊料」ではなく、例えば「体験料」など別の名目で料金を徴収する場合名目を問わず、費用を徴収して人を宿泊させる営業を行いたければ、旅館業法上の許可が必要Q9
平成28年4月の規制緩和により部分解禁された「民泊」の概要「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」には旅館業法上の許可が必要だが、玄関帳場等の設置義務が免除される場合もあるQ12、Q13

ただし、Q12やQ13で示されている通り、いわゆる「民泊」であっても、平成28年(2016年)4月の規制緩和により、旅館業法上の許可が撮りやすくなりましたし、一部の自治体(東京都大田区など)では玄関帳場等の設置義務が免除されている場合もあります。

したがって、旅館業法に従って、きちんと都道府県知事の許可を得ている民泊であれば、問題なく営業して良いことになります。

違法民泊の問題点

違法民泊の何が問題なのでしょうか?

一番大きな問題は、普通の住宅を不特定多数の第三者に貸し出すことで、周囲の治安や衛生が悪化するリスクがあることです。たとえば、私個人の事情ですが、自身、居住するマンションで、違法民泊が問題になっています。管理組合でも何度も問題提起されているのですが、特定の居室が違法民泊に提供されていることで、たとえば次のような問題が出ています。

  • マンションの住民ではない不特定多数の人々(日本語が通じない外国人を含む)が頻繁にマンションに出入りしていること
  • 違法宿泊客らが深夜に大騒ぎするなど、周辺の居住環境を悪化させていること
  • 違法宿泊者らがマンション内で喫煙したり、ゴミを捨てたりして、マンションを汚していること

これらの問題は現実に私自身のマンションで発生しているものばかりです。

また、違法民泊には、当然、顧客名簿も備えられていないことから、感染症患者が宿泊した場合でもその人物を特定することはできませんし、犯罪者が宿泊していたとしても、それを摘発することは困難です。

井上記者の記事の「勘所」

井上記者の記事には、上記で挙げた「不勉強・不見識」以外にも、ツッコミどころが大量にあります。

違法民泊をはびこらせるAirbnb

日本で違法民泊の蔓延に拍車をかけている業者は、まさに井上記者が引用するAirbnbをはじめとするインターネット上の紹介サイトです。井上記者によると、Airbnbの利用者数は1.5億人を超えているのだそうですが、どうも同社は日本で違法民泊を平気で登録し、顧客に紹介しているのだとか。

井上記者の記事でのけぞった下りはいくつかありますが、その中でも特に酷いのは、次の個所です。

国内でも民泊仲介のトップをゆくエアビー。そこに掲載されている都内の物件数は1万7000超、大阪府内は1万2000超あるが、その多くが無許可で旅館業法の規定違反と見られる。一般人ホストは、旅館業法が定める煩雑な登録作業を回避しているからなのだが、新法が施行しても、これでは結局、無届けの違法民泊物件が減らない、との指摘が民泊の現場からは噴出している。

違法物件を数万件も登録している!こうなれば、まさにAirbnbは「犯罪を幇助している集団」とみなされても文句は言えません。「民泊の現場から不満が噴出」しているとのことですが、犯罪者が何を言っているのでしょうか?

繰り返しになりますが、無許可で旅行業法の規定に反する物件を仲介していること自体が違法行為です。そして、井上記者は仮に新法が施行された場合、

エアビーは数万件ある違法物件の多くを削除せざるを得ない状況に追い込まれる可能性がある。そうなれば、エアビーは日本市場から撤退を余儀なくされるかもしれない。

と述べます。日本市場から撤退せざるを得ないAirbnb側が被害者であるかのような書き方には強い違和感がありますが、現状、井上記者の記事が正しければ、Airbnbは日本市場において「違法民泊物件の仲介」という意味で、準犯罪行為を行っているようなものですから、同社が日本市場から撤退を余儀なくされたとしても、それは全面的に同社の責任だと見るべきです。なにより、私はなぜ、警察庁がAirbnbの取締りを行わないのかが不思議でならないのですが、井上記者もご自身で記事を書いていて、「そもそもAirbnbが違法民泊を紹介していることが犯罪行為である」と気付かなかったのでしょうか?そんな違法業者など、日本国内から排除すべきでしょう。

そもそも民泊を営業すべきではない人もいる

私が記事を読んで、強い違和感を抱いた下りは、まだあります。

最たるものが、標識の掲示。詳細は煮詰まっていないが、住宅宿泊事業者の届け出番号や氏名、連絡先などが書かれたステッカーのようなものを、玄関などの見える場所に掲示することを義務付ける方向で議論が進んでいる。「ひとり暮らしの女性はどうするのか。危険ではないのか」。そういった声に、法案を担当する観光庁の官僚は「仕方がない」と答えたという。

井上さん、ご自身で何をおっしゃっているのかわかってますか?

「ひとり暮らしの女性が旅館業を営んでいるという標識を掲示すれば危険ではないか」とのことですが、それをいうなら、「ひとり暮らしの女性が旅館業を営むこと自体が危険」でしょう。

Airbnb関係者は

世界の多くの都市では、年間上限までは無届け・無許可で営業可能。法案は一般人ホストからするとガチガチ。シンプルで誰にでも分かりやすく、利用しやすい法律にはなっていない。例えば70歳のおばあちゃんが亡くなった旦那の寝室を気軽に貸せるような制度ではない

と述べているのだそうですが、「70歳のおばあちゃんがなくなった旦那の寝室を気軽に貸せるような制度」だと、治安、衛生、風紀をどのように確保するというのでしょうか?なにより日本は日本、外国は外国です。日本に不満があるのあら、無許可で営業可能な国で事業を展開すれば良いだけの話です。

適切な規制と議論は必要だ

「適法民泊」自体は必要

ただし、民泊自体の社会的なニーズが高まっていることは事実でしょう。

なぜなら、日本を訪れる外国人旅行客は年々うなぎ上りに増えており、日本政府観光局(JNTO)によれば、2015年は1974万人、2016年は2404万人に達し、日本政府はさらに、東京五輪が予定される2020年までに4000万人という野心的な目標も掲げているからです。

そして、ホテルの供給がすぐに増えるわけではないことに加え、いったん開業したホテルをすぐに閉業することも難しいという事情があります。このため、外国人旅行客が急に増減した場合に備えて、民泊を広く解禁することで、社会的にも宿泊客需要を調整しやすくするなどの利点もあります。

私は、外国でゲストハウスやアコモデーションなどに宿泊した経験もあるのですが、宿泊する部屋は安価な割に快適だったりするので、外国人に対しても需要が高いことは間違いありません。特に、「日本の一般家庭で日本人とともに暮らす」という体験が、もっと気軽にできるようになれば、外国人観光客の方には喜ばれるはずです。

無制限の民泊解禁は危険

しかし、だからといって、衛生面や社会秩序などを全く考慮せず、民泊を広く解禁して良い、という話にはなりません。たとえば、現在日本で検討されている「民泊法案」では、宿泊上限日数を180日とするなどが検討されているようですが、諸外国では営業許可を必要としない代わりに宿泊上限日数を厳しくするなどの規制が設けられています。

私自身のマンションがその典型例ですが、日本国内では、悪質な業者が一般の居住用不動産を購入し、違法民泊用に改造して貸し出しているという事例が問題となっています。これらの違法民泊物件の中には、年間300日程度稼働させているものもあるようです。この場合、1日5,000円で貸し出したとすれば、年間150万円の売上高が得られる計算であり、賃貸物件として貸し出すよりも、若干高い売上高が期待できます。

ただ、仮に新法で「宿泊上限日数が年間180日」との制限が入った場合、今まで通り年間300日稼働させることを前提とした物件に、「適法民泊」としての許可が下りることはないでしょう。そうなれば、違法民泊業者が適法な許可を得ることはなく、これらの物件は「違法民泊物件」であり続けることになりますし、Airbnbも違法な民泊物件を紹介するという反社会的行為を続ける可能性も高いといえるでしょう。その意味で、日経ビジネスオンラインに掲載された井上記者の記事は、ツッコミどころも多く、また、あまりにも短絡的過ぎます。

ただ、民泊自体に社会的ニーズがあることは間違いありません。規制をどのくらい厳しくするか(あるいは緩くするか)という議論はあるでしょうが、それにしても昨日の民泊をうまく活用するという、冷静で的確な社会的議論も必要でしょう。

【2017/03/03 08:15 追記】

日本全国で違法民泊は8割超?―Airbnbを刑事立件せよ!―

私がこの記事を公表した直後の3月2日に、複数のメディアが非常に気になるニュースを掲載しました。例として日本経済新聞電子版のリンクを紹介します。

民泊の3割が無許可営業 厚労省1万5000物件調査、罰則強化へ(2017/3/2 11:56付 日本経済新聞電子版より)

日経電子版(共同通信配信)によると、厚生労働省がインターネット上の民泊仲介サイト(Airbnbでしょうか?)で紹介されている物件を調査した結果、次の事実が判明したそうです。

  • 民泊のうち許可を得ているものは16.5%に留まる
  • 民泊の30.6%は無許可営業であると確認できた
  • 52.9%は詳細な住所の情報がなく、物件の特定ができないなどの理由で許可の有無が確認できなかった

としています。

「詳細な住所の情報がなく、物件の特定ができない」というのは、Airbnbというウェブサイトの特徴です。詳細な住所の情報がないということは、明らかに違法物件であると考えてよいでしょう。
私は、厚生労働省だけではなく警察庁や検察庁も調査・捜査にかかわるべきだと考えており、場合によってはAirbnbを家宅捜索・摘発すべきであると考えています。

本文は以上です。

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  1. 3月2日付の日本経済新聞電子版の記事によると、厚生労働省がインターネット上の民泊仲介サイトで紹介されている、全国の約1万5千の民泊物件を調査したところ、

    ●営業許可を受けていたのは16.5%
    ●無許可だったのは30.6%
    ●詳細な住所の情報がなく、許可の有無が確認できなかったのが52.9%

    だったそうです。また、1泊当たりの平均宿泊料金も、無許可物件は7659円で、許可を受けている物件の半額以下だったとか。

    明らかに、無許可物件は不当利得、あるいは犯罪・反社会的行為です。
    既に多くの方がコメントをされている通り、確かに規制がガチガチで使い勝手が悪くなるのは困りものですが、井上記者のように、「民泊解禁どころか後退、経産省の不作為」などと主張なさるのも不見識きわまりない話です。ましてや、こうした実態を見せられると、貴殿の執筆された記事には、強い違和感しか抱きません。

    つきましては、井上記者様には、もう少し深掘りして記事を執筆なさることを強くお勧めする次第です。

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