日韓関係巡る韓国メディア報道の問題点
本日も2回目の記事配信です。「ちょっとしたネタ」を発見したので、メモがてら紹介しておきます。
正確な報道をしない韓国国内の事情
日韓関係巡る「ちょっとしたネタ」
先週金曜日に菅義偉(すが・よしひで)内閣官房長官が「在釜山総領事館前の少女像設置を受けての我が国の当面の措置について」を公表したことを受け、相変わらず、日韓双方のニューズ・メディアや掲示板、果てはブログサイト等に至るまで、旺盛な議論が交わされています。
私も当ウェブサイトで随分と様々な問題を提起させていただきましたが、それと並んで本日は、私が個人的に強く感心した評論を発見したので紹介したいと思います。
釜山の少女像設置、日本の厳しい世論を知らない韓国(2017年1月11日付 WEDGE Infinityより)
記事を執筆したのは、毎日新聞記者で、全ソウル支局長でもある澤田克己氏で、リンク先の記事の内容をざっくりと要約すると、
- 釜山・日本総領事館前の歩道に昨年末、慰安婦を象徴する新たな少女像が設置され、日本政府は大使と領事を一時帰国させる対抗措置を発表した
- 大使と総領事を呼び戻すのは外交的にかなり強い措置であり、韓国側には戸惑いも感じられる
- 私見では、ソウルの少女像に対する日本国内の反感の強さは韓国側にきちんと認識されておらず、日本側の対抗措置に韓国メディアが驚いた理由の一端は、ここにありそうだ
といった主張です。
もちろん、毎日新聞の記者であるという「バイアス」が掛かっているためでしょうか、評論記事には「慰安婦問題がそもそも朝日新聞社と植村隆による捏造記事を出発点としている」という、重要な事実には触れられていないなど、読後感はいまいちすっきりしません。ただ、「現在の韓国のメディア産業関係者らが、韓国で新たに設置される慰安婦像に対する日本の世論の厳しさに対して鈍感である」、という点に関しては、私もまったく同感です。
右往左往する韓国メディア
ところで、私が韓国メディアの反応を探る時に、頻繁に参照しているメディアは「中央日報日本語版」です。同メディアは先週も慰安婦像に関連して、多くの記事を掲載しています。
日本から抗議も…ソウル近郊に次々と少女像設置(2017年01月13日14時12分付 中央日報日本語版より)
【コラム】火に油を注ぐ韓国の国家安保室長(2)(2017年01月13日17時34分付 中央日報日本語版より)
ただ、中央日報の場合、「次々と慰安婦像が設置されている」という事実を報じたかと思えば、「大使館前の慰安婦像は撤去すべきだ」「国民感情を考慮すると慰安婦像の撤去は不可能だ」といった具合に、主張内容が二転三転しており、安定しません。
中央日報でさえこうなのですから、他の韓国メディアの混乱ぶりも「推して知るべし」、です。
韓国人反日人士がポカンとなる
一方、先ほどの毎日新聞記者の投稿した記事と同じウェブサイト「WEDGE Infinity」に、もう一つ、少し古いものの、非常に興味深い記事がありました。
韓国「反日」の現実/目の当たりにした反日教育の徹底ぶり(2015年12月27日付 WEDGE Infinity)
記事を執筆したのは「定年バックパッカー」こと高野凌さんで、記事の公表日は、奇しくも一昨年の慰安婦合意(2015年12月28日)が公表される前日です。
高野さんは自転車で韓国一周のテント旅行をした体験を寄稿されているのですが、小さな漁村で知り合った男に「ドイツはナチス時代を反省しているのに、日本は真剣に反省しない」などと議論を吹っ掛けられたそうです。
高野さんは
「荒唐無稽な事例かつ無茶苦茶な論法であるが残念ながら反日歴史観を徹底的に学習している韓国人と議論するほどの確実な知識を持ち合わせていない」
ため、この「反日人士」の議論を聞き流そうとしたものの、
「一方的かつ誤謬だらけの歴史認識を深夜に説教されて、ここで沈黙したまま帰ることは日本人としての誇りを汚されたままで引き下がることになる」
と思い、この男に対して次のように問い質したそうです。
賠償責任を議論する前に歴史的事実を日韓両国の専門家同士で確認することが必要だと思います。私は慰安婦問題についてあまり知識はありませんが二つだけ確実な歴史的事実があると理解しています。一つは韓国人の従軍慰安婦よりも日本人の従軍慰安婦のほうが多かったということ。日本も当時は貧しく貧乏な家の娘はお金を稼ぐために従軍慰安婦になったという事情があります。二つめは韓国人の慰安婦も日本人の慰安婦も売春業者から報酬を受け取っていたということです。無償の強制奴隷ではないということです。これは従軍慰安婦が当時アジア各地から郵便為替で朝鮮や日本の故郷の家に送金した郵便為替取扱の記録が残っています。この二つの事実関係についてどのように認識していますか?
すると、さっきまで饒舌だったこの「反日人士」、すこしポカンとした表情で「二つとも初めて聞きました」述べた、というのです。つまり、「韓国内の知識人も慰安婦問題の根本的な事実関係や日韓両国の争点を知らない」のです。
いずれにせよ、慰安婦問題を巡って日韓双方の世論が大きく対立している構造の要因の一つは、韓国メディアにも原因があると考えて良さそうです。
お知らせ:明日の予告
さて、今年に入ってから日本政府が韓国に対し、従来にない強硬姿勢を示したことなどを受け、日韓関係が大きく動いています。これを受けて、当ウェブサイトでも連日、「時事ネタ」をベースとした議論を続けてきました。ただ、ここで「そもそも論」に立ち返り、私たち日本人一人ひとりが、日韓関係や日本の将来についてしっかりと考えることが大事です。そこで明日は、問題作『誅韓論 (晋遊舎新書 S18)』を題材に、日韓関係の将来性を巡る、一つの「思考実験」をお届けしたいと思います。どうかお楽しみに。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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