【過去コンテンツ再録】反省も総括もしない人たち
私はかつて、「楽天ブログ」「アメブロ」にブログを運営していたことがあります。過去に投稿したブログ記事の中では、現在でもアクセス数が多い記事もあります。そういった記事を、基本的には「当時のままで」こちらのウェブサイトに転記する作業を続けています。ここで、単に「過去にアクセスがあった」だけでなく、「自分の中でも興味深い」と思った記事を、選り抜いて転記しておきたいと思います。ここでは、「アメブロ」から一つ、「楽天ブログ」から一つ、それぞれ「サルベージ」しておきます。なお、「ブログ」などの用語が出てきますが、これらは原則として、当時のままで転記しています。
反省も総括もしない人たち~政治ブログ 2016/05/15(日)号~
オリジナル記事 投稿日時 2016-05-15 00:00:00
本日は、ニュースメディアに掲載された少し古い記事を二つ紹介します。一つは日経ビジネスオンラインに掲載されたノンフィクション作家・山根一眞(やまね・かずま)氏による熊本地震に関する論考、もう一つは元共産党の党員で元参議院議員でもある筆坂秀世(ふでさか・ひでよ)氏の手による政治評です。
「ドラマ仕立て止めて」神戸の無念、熊本で再び(2016年4月30日(土)付 日経ビジネスオンラインより)
与野党とも課題を残した2つの補欠選挙(2016.4.26(火)付 JBプレスより)
一見すると、二つの記事は全く関連性がありません。山根氏の記事は、1995年の阪神・淡路大震災の直後、当時の「パソコン通信のニフティサーブ」(※ただし情報源は山根氏の記憶ベース)に開設された地震掲示板に、マス・メディア関係者(特にテレビ局員)の横暴を批判する書き込みが殺到していたとするものです。また、筆坂氏の記事は、4月24日に投開票が行われた衆院補欠選挙の北海道選挙5区の選挙結果を題材にしつつ、共産党の「暴力革命」論を解説した記事です。しかし、この二つの記事には大きな共通項があります。それは、「責任と反省」です。テレビ局を初めとするマス・メディア産業と、共産党などの野党は、過去の横暴・失敗を反省もせず、総括もしていない、とする共通点があるのです。
全く変わっていない「マスゴミ」の行動
山根氏の記事から、阪神・淡路大震災当時に書き込まれた内容をいくつか抜粋してみます。
- 避難所へ夜遅くに出かけていって、インタビューするな。ゆっくり睡眠がとれるようにしてあげなさい。
- 遺体安置所にまで入り込むようなことはするな。
- マスコミの基本的スタンスとして、アメリカの大学の新聞学科では、まず最初に「満員の映画館で”火事だ!”と叫ぶ自由(or権利?)はない」と徹底的に教え込まれるそうです。不用意に「倒壊の危険がせまっています」「さらなる惨事が見込まれます」等の発言はしないでほしい。被災地の方々はたいへんナーバスになっているのですから。パニックを誘発するような言動はやめろ!!
- TV局各社が、競って現地にレポータ、特にメインキャスターを派遣していた事。そうした事が、現場へのアクセスの妨げになっていなかったのか。もっと、落ち着いた報道が求められていたのではないか。どの局も同じ様な場所で取材をしていたので、どこか一社だけで良かったのではないか。こういう時こそ報道管制が必要なのかもしれない。
- 意外に思われるかも知れませんが、ヘリコプターが飛ぶと、無事な普通の家でも揺れます。あの悪夢の日以来、私達は振動に対して極度に敏感になっています。いまだに余震も続いています。どうか、無用なヘリコプターはご遠慮下さい。
…。どうでしょうか?目に付いたものを抜粋しただけですが、マス・メディア関係者の横暴は、今回の熊本地震で目撃されたものと言われても不思議ではありません。しかし、これらはいずれも20年以上前の阪神・淡路大震災当時、被災者が書き込んだ内容なのだそうです。しかし、残念ながら、報道関係者らが、こうした被災者の声に真摯に耳を傾けている様子は一切ありません。ここに記載された苦言の類の横暴は、いずれもそのまま、今回の熊本地震でも繰り返されています。要するに、マス・メディア産業は過去の不祥事を一切反省も検証もしていないのです。
報道の自由はもちろん大事ですが、災害時の報道の在り方については、社会全体で議論が必要です。そして、山根氏の記事についた読者コメントの中には、「災害時の報道は『災害取材規制法』などで一律に全面禁止すべきだ」といった意見がありますが、当職としても全く同感です。本来であれば報道は自由であるべきですが、新聞・テレビといったマス・メディアが横暴を働くのであれば、マス・メディアの取材を禁止し、強制的に排除する仕組みが必要です。特に、報道ヘリコプターの飛行は禁止されるべきでしょう。
報道の自由とは、国民の知る権利に応えるためのものであって、報道各社が横暴を働く自由ではありません。今日のマス・メディアの愚劣さを見るならば、報道の自由に制限を加える法律が成立しても、国民の大多数は賛同するのではないでしょうか?
共産党も民進党も反省しない!
一方、筆坂氏の議論は、今回の補選では「自民党などから『共産党は暴力革命政党だ』というたぐいの攻撃が行われた」という事例を題材に、それでは実際に共産党が何をやって来たのか、という観点から共産党に批判を加えています。筆坂氏自身、元共産党員でもありますが、共産党が「まぎれもなく暴力革命を掲げていた」政党であると指摘。特に、大正時代に「非合法政党として」創設された共産党について、当時の綱領から、ソ連共産党の強い影響を受けていたことを明らかにしています。
筆坂氏は、共産党が「暴力革命を掲げる政党だ」といった類の主張を否定するならば、「過去の誤りを認めよ」と突きつけたうえで、「このこと(=暴力革命政党だというたぐいの攻撃)が問題にされるのは、(中略、共産党が)過去の誤りを自らの席にとして総括してこなかったからである。その意味では、自らまいた種なのである。」と一刀両断にしています。
ただ、この「過去の誤りについて反省も総括もしていない」という点については、最大野党である民進党も、事情はあまり変わりません。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ところで、山根さんは記事の最後に、「テレビ報道各社にお願いしたいこと」を述べています。それは、次の文章です。
「今回、批判があった報道のありようを真摯に検証する報道番組を、各局が一度は制作し放送してほしい。21年前の阪神・淡路大震災時のメッセージも参考に。」
これがまさに、ブログ主「新宿会計士」が普段から主張する、「不祥事があったという事実を認め、再発を防ぐ」という行為に他なりません。普通の民間企業であれば、不祥事が発生すれば、まずは世の中に対してその事実を真摯に謝罪し、再発防止に努めます。しかし、マス・メディアも左派政党も、こうした「反省」や「総括」から逃げ続けています。例えば、現在の日本の最大野党である民進党は、その前身の民主党時代について、
- 2009年8月時点でいかなる政権公約を掲げていたか?
- 達成した公約はどれで、達成できなかった公約はどれか?
- 達成できなかった理由は何か?
- 政権を担った時代の成果と失敗は何か?
といった基本的な事柄すら反省も総括もしていません。彼らが行っているのは過去の失敗にホッカムリをしているだけです。その意味で、視聴率で苦戦が伝えられるフジテレビ・グループ、慰安婦問題の捏造で日本人の怒りを買った朝日新聞社、さらには今回の熊本の大地震で被災地にズケズケと入り込み、救援活動を妨害したテレビ局・新聞社らは、皆、きっと今後も同じような失敗を繰り返していくことでしょう。ただし、インターネットが隆盛となり、人々が新聞やラジオから目を背けはじめている現在、マス・メディアが凋落するのは時間の問題ですが…。
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