取材商法などに見る商道徳

起業したばかりの会社を狙う「取材商法」、最近話題の高齢者を狙った「PCサポート商法」…。商道徳に反するビジネスなど長続きしない。これが私自身の持論です。本日は、私自身が最近経験した「取材商法」と、最近報道されている某PC量販店の高齢者をターゲットにした「高額PCサポート契約」について、「商道徳に反したビジネスは、最初はうまくいくかもしれないが、いずれ破綻する」という観点から、普段の思いを取りまとめておきたいと思います。

起業して2度目の取材商法

「取材商法」、というものがあるそうです。私も起業するまで知らなかったのですが、概要はこうです。

  • ある日、「創業したばかりの中小企業を紹介する雑誌の記者」を名乗る人物から、「ホームページを見たが取材させてほしい」という電話が掛かってくる
  • 取材には、やや落ち目の有名人(例えば、1980年代の人気歌手グループに所属していた目立たないメンバーとか)が取材に帯同する
  • ただし「帯同する著名人の肖像権がある」ということで、雑誌に掲載するには「掲載費用が必要である」とのこと(5万円とか、10万円とか)
  • 取材した内容は雑誌記事にしてもらえるが、その雑誌は全国の書店で販売されるとは限らない

…、というものです。いまどき、こんな商法に騙される人もいるのかな?と思いますが、この商法、「詐欺」ではありません。なぜなら、「雑誌に掲載するために取材をし、しかも実際に雑誌に掲載してくれる」からです。もちろん、誰が読んでいるのか良くわからない雑誌にインタビュー記事を掲載してもらったところで、宣伝効果など全くありませんが…(笑)

しかも、「自分自身が取材を受け、謝礼をもらう」というものではなく、「取材を受けた方が掲載手数料を支払う」というものです。私自身も某専門誌に何度も記事を寄稿したことがあるのですが、謝礼をもらったことはありますが、手数料を払ったことなど一度もありません。

どうしてこの話を紹介するかといえば、実は先日、当社にも2社目の「取材商法」の申し込みがあったからです(会社名は伏せますが、インターネットで「取材商法」で検索してみると上位に表示されます)。木曜日に電話があり、

「12月号のために、新宿エリアの特集記事を組んでおり、俳優の●●さん(男性)と一緒に取材に回っています。つきましては今週の金曜日か土曜日に時間が取れないか?」

ということだったので、

「突然すぎて時間が取れない」

と申し上げてお断りしました。

取材申込メール

先ほど、「先日、2社目の営業が来た」と申し上げましたが、起業した直後にわが社に取材を申し込んできた「1社目」についても言及しておきましょう。わが社は昨年10月に起業したのですが、その直後の12月に、このメールが送られてきました。

To: <info@XXXX.com>
From: XXXXXXXX 山田<yamada@XXXX.jp>
Subject: ホームページを見てお問い合わせ致しました

XX社 代表 ●●様

拝啓
時下、益々ご健勝のこととお喜び申し上げます。
XXXXX社の記者で山田と申します。
今回、●●代表に、弊社の出版する『XXXX』の新設企業特集にご登場いただきたく、ご連絡させていただいた次第でございます。
週末の金・土に10件ほどを訪ねる予定です。その際、ミュージシャンの●●●●氏にインタビュアーになって頂き、一般目線から質問するという形式です。
詳細についてはお電話で直接お話できればと思いますので、宜しくご検討いただき、ご一報いただければ幸いです。

敬具

(メール文中のアドレス、名前部分は伏せ字、または仮名に変更しています。)

このメールに対して私は、

「せっかくの申し出ですが、今のところそのニーズはありません」

と返信したところ、それっきりになってしまいましたが…。

考える時間を与えない

起業したばかりの会社を狙う「取材商法」のもう一つの特徴は、唐突に電話を掛け(またはメールを送りつけ)、1~3日後を取材日に指定するなどして、考える余裕を与えない、という悪質なものです。実際、一度取材を断ると、その業者からは、二度と電話はかかってきません。その理由は簡単です。電話を受けた方としても、その企業の名前を検索するなりして、対策をしてしまうからです。

ここで、1社目と2社目に共通している、起業したばかりの企業を狙う取材商法の特徴を、改めて列挙しておきましょう。

  • 誰が読んでいるかよくわからない雑誌を刊行する
  • 取材と称して有名人(しかもやや落ち目の有名人等)を帯同させる
  • 取材に費用負担が発生する
  • 突然取材を申し込み、経営者に判断の時間を与えない(取材予定日が金曜日・土曜日なのに、木曜日に取材を申し込む、など)

それに、よく考えてみたら、木曜日に申込み、金曜日に取材をするというのもとても変な話です。取材者側が取材する会社のこと(業務内容、代表者の経歴、その他)について何も予備知識を持たないで取材をするというのも、相手に対して失礼極まりない話です。

ちなみに、私の会社に関していえば、ターゲットとなる業界への知名度の浸透に苦慮していることは事実ですが、自分自身のターゲットは良くわかっていますし、その業界に対するアプローチについても、ある程度戦略的にやっているつもりです。そして、逆に「誰が読んでいるかわからない」ような雑誌に、自分の会社のことが掲載されてしまうのはリスクでもあります。

逆にいえば、自分自身の会社のビジネス・ターゲットをよく理解しておかないと、この手の取材商法のターゲットにされてしまうのかもしれません。

商道徳が大事!

そういえば、最近、某家電量販店が高齢者を騙して高額のサービス契約を締結させているというニュースが世間を賑わせているようです。聞くところによると、「売上高至上主義」とでも言えば良いのでしょうか、相手が高齢者なら、PC、スマートフォン、タブレット等の端末に関し、とても高額なサポート契約を結ばせているとか。

もちろん、私自身、その企業のことに詳しいわけでもなく、報道されている内容が事実かどうかを自分自身で検証したわけではないため、具体的な企業名を出すのは控えます。しかし、仮にこれらの報道が事実ならば、短期的にはその企業は急成長しますが、長期的には社会的な存続は許されません。

私の持論ですが、「運任せ」によらないで他人よりも高額な所得を得るためには、方法は三つしかありません。

  1. 他人よりも努力する。
  2. 競争相手がいない分野で仕事をする。
  3. 不正をする。

まず、「(1)他人よりも努力をする」という部分は、当たり前ですし、正当な行為です。他人よりも成果を出すためには、他人と同じ努力をしていたのではダメです。しかし、他人よりも努力したところで、成果が出るという保証もありませんが…。

次に、「(2)競争相手がいない分野で仕事をする」という項目については、少し説明が必要でしょう。私など、だれも競合他社がいない仕事をしているのですが(ただしそれで豊かな暮らしが送れるほどの売上高など得られませんが)、これは私自身が長年、努力して見つけた専門分野です。中には、「何百年も続く老舗の着物業者」という具合に、伝統のある企業もありますが、これも「競争相手がいなくなっている」例と言えるかもしれません。

一方、新聞社、テレビ局を筆頭とするマス・メディア各社は、新規参入を阻む様々な利権に守られていますし、公務員は滅多なことで首になることはありません。規制や利権に守られた業界に勤めていれば、大した努力をしていなくても、そこそこの給料をもらうことができます。これも広い意味では「(2)競争相手がいない分野での仕事」といえるでしょう。

そして、最も手っ取り早く、かつ、私が一番軽蔑するのが、「(3)不正をする」ということです。学生が、テストで勉強をするのが嫌だからカンニングをする、というパターンが多いのですが、本日紹介した「取材商法」のような詐欺まがい商法も、「高齢者に無意味で高額なサポート契約を締結させる」のも、「法的には詐欺ではないものの、信義にもとる仕事」であり、見方によっては広い意味での「不正」といえるかもしれません。

なお、私自身は「商道徳が何より大事」だと考えています。不正をしてお金持ちになるくらいなら、不正をせずに貧乏である方を選びたいと思います。もちろん、努力をし、知恵を使ってお金持ちになる、というのが一番良い選択肢なんですけどね(笑)

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