ビジネスメールあれこれ…「厚かましすぎる依頼」とは
世の中、さまざまな依頼がビジネスメールで飛んでくるようになりました。これらの中にはありがたく引き受けさせていただく仕事もあれば、なにが書いてあるのかよくわからないメール、宛先がないメール、さらには「ド厚かましいメール」もあります。こうしたなかで著者自身の印象に深く残っているのが、当ウェブサイトの記事を「転載させてくれ」、というものですが、その転載条件があまりにも厚かましすぎるのです。
目次
ビジネスメールと勧誘電話
ウェブ評論サイトを営んでいると、あるいは事業を営んでいると、ビジネスメールというものがよく届きます。
なかには業務の依頼などもありますし、ウェブサイトを見てコンタクトを取ってくださる方もいらっしゃるので、社会がインターネット化しつつあることの効果は、本当にありがたいと思う次第です。
結局、粛々と良い仕事をこなし続けていれば、ビジネスというものは少しずつ拡大していくのだと思います。
逆にいえば、ビジネスを拡大するのに「ウルトラC」の技など存在しません。
よく「強引な営業をかければ客が釣れる」、などと豪語する自称敏腕営業マンのツイートなどをXのプロモーション広告などでも目にしますが、ビジネスとしての中身を伴ってもいないのに、営業「だけ」でビジネスができるわけなどありません。
一時期、公認会計士業界で猛威を振るっていたのが、「節税目的の不動産投資の電話勧誘」です。
個人情報保護法が施行され、個人情報保護の重要性が社会全体で強く意識されている現代だと考えられない話ですが、ひと昔前であれば、日本公認会計士協会は公認会計士・会計士補(※)の氏名、住所、電話番号などの個人情報が掲載された会員名簿というものを作成し、配布していました。
(※「会計士補」とは、旧・公認会計士第二次試験を合格した人が開業登録できるとされる、かつて存在した資格です。)
当然、その手の印刷物を作れば、悪用する者が必ず出現します。
誰が横流ししているのか知りませんが、名簿業者の手に渡り、そこから「節税目的の新築不動産投資」の勧誘業者が公認会計士、会計士補らに対し、早朝、深夜を問わず、片っ端から電話をかけていたのです(著者自身もその勧誘電話があまりにしつこかったせいで、電話番号の変更を余儀なくされています)。
最近急増している妙なメール
ちなみにその「節税目的の新築不動産物件」とやらは、ダイレクトメールでもじゃんじゃん送られてきていましたが、中身は量産型のワンルームマンションで、著者個人的には「絶対に投資したくない代物」だったことはここだけの話です。
いずれにせよ、最近だとこの手の不動産営業は名簿自体が流通しなくなった(紙で作らなくなった)などの事情もあってか、あるいはダイレクト業者も廃業し、最近だとネットで客を釣る戦略に変えたためか、最近は営業電話がめっきりかかってこなくなり、非常に快適です。
(※ただし、ごくまれにNTTドコモなどを騙る詐欺電話が着信することなどもありますが…。)
ただ、その反面、最近急速に増えているのが、妙なメールです。
外国の詐欺業者と思しきメール業者からもひっきりなしにスパムメール、ウイルスメールが届くのですが、それだけではありません。
要件がよくわからないメール、「ウェブサイトへの相互リンク」を依頼するメール、あるいはいきなりその会社の製品・サービスを紹介するメールなどが目につきます。
大学発のベンチャー?せめて宛先くらいは書こうよ…
なかでも興味を覚えたのが、こんな趣旨のメールです。
件名 当社サービスに関するご案内
<本文>初めまして。株式会社●●の●●と申します。貴社ウェブサイトを拝見し、当社のサービスでお役に立てると考え、ご連絡させていただきました。当社は<以下略>
…。
なんといいますか、雑なメールです。
なぜこれに興味を覚えたのかといえば、ダイレクト・メールを打つにしても、あまりにも相手のことを注視していないことがバレバレ過ぎるからです。
せめて本文冒頭で、会社名や受取人の名前(たとえば会社代表メールなら「株式会社●● ご担当者様」、など、あるいは当ウェブサイト宛メール info@shinjukuacc.com の場合は「新宿会計士の政治経済評論様」、など)を記載すれば良いのに、そうした記載すらありません。
また、メールを読んでも、この差出人の会社がいかなるビジネスを営んでいるのか、今ひとつ見えて来ません(ちなみに今話題のベンチャービジネスだそうです)。
会社のホームページを見てみたら、いちおうは実態のある企業だと思われるのですが、なぜ当ウェブサイトの代表アドレス宛にこんなメールを送ってきたのか、なんだかよくわかりません。
ド厚かましいメール:無料転載のうえ当ウェブサイトの記事削除を要求
また、ほかにも「面白い(?)メール」といえば、たとえば、「一方的に依頼するメール」というものが目につくようになりました。多いのは「相互リンクのお願い」ですが、なかには「うちのサイトにオタクの記事を無料転載させてくれ」、というものもあります。
相互リンクといえば、どう考えても読者層が当ウェブサイトとはジャンル的に重ならないようなサイトの運営者様から、「当社サイトに御社サイトへのリンクを置くので、その後、御社サイトから当社サイトに目立つようにリンクを張ってくれ」、といった依頼がひっきりなしに来るのも興味深いところです。
もちろん、著者自身としても、「政治、経済という分野で、読んでくださった方々の知的好奇心を刺激するようなコンテンツ」などのサイトがあるのならば、相互リンクを張る分にはやぶさかではありませんし、当ウェブサイトのRSSリンクを張るのは自由にどうぞ、とお願いしています。
しかし、さすがに当方にとっていかなるメリットがあるのかよくわからないリンクを張ってほしい、というのも、なんだかよくわからないご依頼でもあります。相互リンクを求めるよりも、記事の内容を充実させたほうが良いのではないか、といった気がしないでもありません。
ちょっとそれ、厚かましすぎません?
さて、こうした依頼の中でも驚いたのが、とあるAというサイトの運営者から寄せられたものです。
いろいろごちゃごちゃ書いてあったのですが、要約すれば、こういうことです。
- 『新宿会計士の政治経済評論』に掲載される記事を、当ウェブサイトAに転載させてほしい
- ただし、ウェブサイトAに転載された記事は、「オリジナル記事」の扱いにしてほしい
- つまり、うちが「オリジナル記事」に指定した記事は、『新宿会計士の政治経済評論』からは削除してほしい
…。
要するに、このAというサイト、「うちのサイトへの転載をした記事はオリジナル投稿としてほしい」、と要望しているのです。言い換えれば、当ウェブサイトで掲載した記事が、そのサイトに転載された瞬間、当ウェブサイト側の記事を消してくれ、というものです。
謎は深まるばかり
これには正直、呆れてしまいました。
なぜ原稿料もなにももらえないのに、当ウェブサイト側がそこまでやってやらなければならないのでしょうか。
ちなみに当ウェブサイトとしては基本的に、商業出版でない限り、出所さえ示していただければ、記事の引用や転載は自由としております(実際、いくつかのサイトが当ウェブサイトの記事を転載しており、また、YouTuberの数名が当ウェブサイトを題材に使っているようです)。
しかし、あくまでもこれは当ウェブサイト『新宿会計士の政治経済評論』からの転載である旨、および転載元の記事のURLを明示することが条件です。
このAというサイト側は、のちに、「うちのサイトに転載した記事を『新宿会計士の政治経済評論』側においておく場合は、オリジナルが当サイトAであることを明示することを条件として、貴サイトから削除しなくてもよい」と、条件を「緩和」(?)してきました。
しかし、申し訳ないのですが著者自身はこの申し出を完全に無視しており、今に至ります。
逆に、その条件で転載に応じている人って、いるのでしょうか?(笑)
謎は深まるばかりです。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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自称元徴用工問題、自称元慰安婦問題、火器管制レーダー照射、天皇陛下侮辱、旭日旗侮辱…。韓国によるわが国に対する不法行為は留まるところを知りませんが、こうしたなか、「韓国の不法行為に基づく責任を、法的・経済的・政治的に追及する手段」を真面目に考察してみました。類書のない議論をお楽しみください。 |
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むぅ、マサに『価値観を共有しない』依頼者(社?)からの声掛けメール事案でンな
世の中はげにオソロシキ百鬼夜行
知らんけど
・『新宿会計士の政治経済評論』に掲載される記事を、当ウェブサイトAに転載させてほしい
・ただし、ウェブサイトAに転載された記事は、「オリジナル記事」の扱いにしてほしい
・つまり、うちが「オリジナル記事」に指定した記事は、『新宿会計士の政治経済評論』からは削除してほしい
丁寧なジャイアニズムですね
>ただし、ウェブサイトAに転載された記事は、「オリジナル記事」の扱いにしてほしい
一時期流行った「イケガMeToo」を思い出しました。
win-winを全く考慮してない申し出って、バカにしてるんだろうくらいにしか思いませんねぇ。
「イケガMeToo」
高橋洋一、おれもやられたと怒ってたね。
ビジネスメールに宛先を入れない若手社員、実際います。
LINEネイティブらしく、なぜ宛先を入れなければいけないのか理解できていなかったです。
数年前からPCを使えない社員も増えてきた印象です。
卒論もPCではなくスマホで作ったとのことでした。
スマホの功罪ですね。
仕事上の付き合いを「お友達」くらいに思ってるんでしょうかね。(笑)
どうせなら運営者Aに契約書案を作成してもらい、会計士様の著作権をAに強制的に帰属させるという、ド厚かましい契約書を晒してほしかったです。
あの手の迷惑メールは「少しでも警戒心がある相手」は近づけない為にわざと
雑で突っ込みだらけの書き方にしてある……と聞いた事がありますが、どうなんでしょうね。
たまに来る「あなたの個人情報を盗みました」と明らかに嘘とわかるメールや、「こういう有意義な事をしているので僕に投資してください!」のクレクレメールの方がまだかわいげがありますね(笑)
私にも営業メールが良く来ますが、こんなやり方で成果があるのか、いつも疑問に思っています。
ご本人は成果を期待してパソコンに向かっているのだと思いますが。
無駄な努力以外の何物でもないと思います。
昔流行った飛び込み営業のほうがまだ成果があると思うのですが。