時事通信調査でも内閣支持率微増
時事通信の1月の世論調査では内閣支持率が微増に転じたことが明らかになりました。地震の対応の迅速さが評価されたのか、それとも他に要因があるのかはよくわかりません。ただ、これを報じた時事通信の記事では、「自民党に対する政党支持率が14.6%で過去最低」、とありますが、そのわりに最大野党・立憲民主党が3.5%、第2野党の日本維新の会が3.8%だったのだそうです。
藪医者の健康診断
当ウェブサイトではメディアが実施する6つの世論調査(読売新聞、朝日新聞、時事通信、共同通信の4社と、産経・FNN、日経・テレ東の2つの合同世論調査)に基づく内閣支持率等についての「定点観測」をしてきました。
といっても正直、メディアが実施する内閣支持率調査など、藪医者による健康診断と同じで、全幅の信頼を置くべき代物ではありません。支持率調査の結果は質問の順序や質問方法、あるいは母集団(とくに年齢など)による影響を受けざるを得ないからです。
実際、2017年10月の衆議院議員総選挙のように、ほんの数ヵ月前の内閣支持率等の世論調査と選挙結果が大きくズレることもあります(といっても、2017年のケースだと、自民党は最大野党・民進党の自滅という「敵失」に助けられた面もありましたが…)。
いずれにせよ、民主主義国における本当の意味での国民の意志を見るうえで唯一絶対の尺度は選挙です。世論調査はあくまでも「ないよりはマシ」、というレベルのものでしょう。
実際の内閣支持率
こうしたなかで、金曜日に時事通信が1月の内閣支持率を発表していますので、2023年12月から2024年1月にかけて公表されている結果を並べてみましょう(図表)。
図表 内閣支持率(2023年12月~2024年1月)
メディアと調査日 | 支持率(前回比) | 不支持率(前回比) |
産経・FNN(12/9~10) | 22.5%(▲5.3) | 71.9%(+3.1) |
時事通信(12/8~11) | 17.1%(▲4.2) | 58.2%(+4.9) |
日経・テレ東(12/15~16) | 26.0%(▲4.0) | 68.0%(+6.0) |
共同通信(12/16~17) | 22.3%(▲6.0) | 65.4%(+8.7) |
読売新聞(12/15~17) | 25.0%(+1.0) | 63.0%(+1.0) |
朝日新聞(12/16~17) | 23.0%(▲2.0) | 66.0%(+1.0) |
共同通信(1/13~14) | 27.3%(+5.0) | 57.5%(▲7.9) |
時事通信(1/12~15) | 18.6%(+1.5) | 54.0%(▲4.2) |
(【出所】各社報道をもとに作成)
共同通信、時事通信のものが2つずつあるため、図表に掲載されている調査は8つです。
これによると調査実施時点が直近になればなるほど支持率の低下に歯止めがかかり、不支持率も減少方向に動いていることがわかります。能登半島地震における政府の対応の良さが内閣支持率を押し上げた、ということなのか、それ以外に要因があるのかはよくわかりません。
また、岸田首相による自派閥(宏池会)解散という発表が出る前の時点の調査であることも、いちおう、気に留めておく必要はあるかもしれません。
時事通信「自民支持率は過去最低」
こうした前提を踏まえたうえで、時事通信調査の元記事を紹介します。
自民支持、過去最低の14.6% 内閣支持は微増18.6%―時事世論調査
―――2024年01月18日15時09分付 時事通信より
記事タイトルで見ると、「自民党に対する支持率が過去最低になった」、ということであり、これだけを読むと「岸田文雄政権が危機的な状況」、といった印象を受けてしまうのは気のせいでしょうか。
(※余談ですが政党支持率をわざわざ記事タイトルに持って来る意図もなんだかよくわかりません。)
ちなみじ時事通信によると自民党に対する政党支持率は14.6%となり、これは「1960年6月の調査開始以降で、野党だった期間を除き最低」だそうです。
ただ、時事通信の記事をよく読むと、自民党以外の政党支持率は▼日本維新の会が3.8%、▼立憲民主党が3.5%、▼公明党が3.1%、▼日本共産党が1.9%、▼れいわ新選組が1.8%…、などとなっており、依然として自民党が他党を圧倒していることがわかります。
とりわけ「最大野党」であるはずの立憲民主党が、支持率で自民党の数分の1であり、また、第2野党である日本維新の会にすら勝てないという状況は、なかなかに興味深いところです。
色水が出る水道
ちなみに時事通信の記事では、自民党への政党支持率が下落していることについて、こう述べています。
「自民派閥のパーティーを巡る政治資金規正法違反事件が影響しているとみられ、岸田文雄首相は再発防止や信頼回復への取り組みが急務となる」。
この手の「~とみられる」、といった記載は、オールドメディアでは比較的あちらこちらの記事で見かけますが、「誰が何を根拠にどう見ているのか」という重要な情報が抜けています。
これなど「色水が出る水道水」の典型例ではないでしょうか。
私たちが日常生活で使用する水道からは、無色・透明な水が出ることが期待されていますが、この手の「記事作成者の勝手な見解」が紛れ込んでいる記事は、正直、色水が出る水道のようなものではないか、などと思ってしまう次第です。
本文は以上です。
日韓関係が特殊なのではなく、韓国が特殊なのだ―――。
— 新宿会計士 (@shinjukuacc) September 22, 2024
そんな日韓関係論を巡って、素晴らしい書籍が出てきた。鈴置高史氏著『韓国消滅』(https://t.co/PKOiMb9a7T)。
日韓関係問題に関心がある人だけでなく、日本人全てに読んでほしい良著。
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みかんジュースの出る蛇口だったらよかったんですがねー、そうじゃないですから。
マスゴミと言う名の蛇口はどっかの国の水道同様にミミズが出てくるんでしょうね。
偏向報道や捏造報道と言う名のミミズが。
毎度、ばかばかしいお話しを。
①時事通信:「岸田内閣の内閣支持率があがった時は信用できない。下がった時は信用できる」
②時事通信:「時事通信の声は、国民の声である」
どちらが気に入りましたか。
時事通信は自分で 新聞を発行していないので、普通の新聞社以上に読者に関心がなく、相手の新聞社(?)の意向に関心があるのではないでしょうか。
「岸田政権が危機的な状況」にあることは、もはや周知の事実ですよね。青木率は14.6+18.6で33.2ポイントと50を大きく割っていますし、三派連合が崩れて旧宏池会の一本足状態です。
自民党は、今日の刷新本部で中間とりまとめの骨子案を、はたして提示できるのでしょうか。茂木幹事長は今日のNHKの番組で①茂木派の存続は前提としない②政治資金規正法に連座制適用③収支報告のデジタル化を述べられたようですが、肝心の実態調査①4000万円未満の”裏金”議員名と金額②その資金使途については、何もする気はないようです。「法令違反などの問題がある派閥に対して、党が解散権を持つこと」などだけの骨子案が出れば、猛批判にさらされるでしょう。
党内に異論があろうと、やれることは何でもやる位の気概でやらなきゃ、何にもできませんし、国民の支持も回復しません。自民党のこころある方々の奮起に期待します。
taku様
>党内に異論があろうと、やれることは何でもやる位の気概でやらなきゃ、何にもできませんし、国民の支持も回復しません。
国内にどれだけ異論があろうと、財界、業界団体、各種圧力団体からの要望は何でも受け付ける位の気概でやってるのが自民党という政党では?
雑巾がけから始めさせ、種々雑多な利権団体からの要望と国民目線との距離間を、どう破綻を来さずに、どう担当官僚に渡りを付けて、あるいは法案にまで落とし込んで、実現までもっていくか、その辺の曰く言いがたいノウハウを、だんだんに修行をさせて、身につけ自立させていく。それが派閥の存在意義のひとつ、なんて話もあるようです。
派閥をなくせば「何にもできません」議員ばかりになって、国民の支持もなくなりました、では「角を矯めて牛を殺す」になりはせんか(笑)。
青木率を時事通信ベースで出すとそうなるわな。
「周知の事実」
だと見做すことを、個人的に僕は、疑っています。
計測し過去と比較するときは
①計測装置が校正されていること
②計測方法が同じであること
などをきちんとコントロールし、それを併記するのが記事として最低限の心得かと思いますが、たいていの世論調査には、そういうのナイですから。
「お気持ち」とか「空気」を書いた感想文に近いような気がします。
海苔弁当状態でもよいから調査結果の生データの公開でもしてたら、まだしも、ネェ。
政権交代可能なまともな野党が出来るまでは、自浄作用に期待するのは難しいでしょうね。
例えは悪いですが、暴力団に自浄作用を期待するようなものです。
国民からの支持を失えば政権という利権を失う可能性があるという危機感が無ければ、姿勢を正すという動機も無いと思います。
岸田文雄が総理大臣二期目を目指したいのか、それとも自民党総裁だけど総理大臣ではなくても良いのか、って違いを考えると、自民党が落ち目で政治資金問題で厳しい状況は、火中の栗を拾うって意味では良い状況にも思えますね。
同意見です。
捨て身と言えば浪花節的なかっこよさがあってよさそうですが、「死なばもろとも」すなわち、俺を辞めさせるときは周囲全員道連れ、的な自爆スイッチ持ち歩き感が首相就任時点から付きまとっていると当方には思えてなりません。この際行きつくところまで意地を張ってくれとの声援が飛んでいるのも事実です。